人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

大植英次 ✕ 小曽根真 ✕ 新日本フィルで小曽根真「ピアノ協奏曲『SUMIDA』」、ブルックナー「交響曲第9番」他を聴く~第13回すみだクラシックへの扉 / どうした?東響!

2023年03月18日 07時02分24秒 | 日記

18日(土)。東京交響楽団のホームページによると、3月31日付で、荒木奏美(首席オーボエ)、大野雄太(首席ホルン)、ジョナサン・ハミル(首席ホルン)、影山梨乃(首席ハープ)の4名が退団します すでに同日付でコンマスの水谷晃氏が退団することが発表されているので、3月末に、一気にコンマスと首席奏者4人が退団することになります とくにコンマスとオーボエはオーケストラの要とでもいうべき存在なので、影響が大きいのではないかと思います また、ホルンは首席が2人いなくなります 「いっぺんに5人の退団は異常ではないか?」「何かあったのか、東響?」と疑問が浮かびます まさか、ジャパン・ナショナル・オーケストラ(JNO)がらみじゃないよね 荒木奏美さんはすでにJNOのメンバーだし、やっぱり違うか いずれにしても、廣岡克隆楽団長にとって初めての大きな試練になりそうです

また、ツイッター情報によると、N響のゲスト・コンサートマスター白井圭氏が3月末で契約期間満了で退団する、さらに東京シティ・フィルの首席フルート奏者の竹山愛さんが3月末で退団するーという人事もあるようです とくに竹山愛さんはシティ・フィルの”管楽器の顔”のような存在なので、退団が本当なら残念です 今日の定期演奏会が団員として最後の出演となるのかもしれません 3月末人事はまだあるのでしょうか

ということで、わが家に来てから今日で2986日目を迎え、ウクライナ侵攻を続けるロシアの違法行為をめぐって、国連人権理事会が設置した独立調査委員会は16日、民間人に対する無差別攻撃や殺害、性的暴行、子どもの連れ去りなど、ロシア軍による広範囲の戦争犯罪があったとする調査報告書を公表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     ”犯罪のデパート” ロシア軍の蛮行をロシア国民に知らしめるには どうしたらいい?

 

         

 

昨日、夕食に2週間に一度のローテにより「鶏の唐揚げ」を作りました 今回は栗原はるみ先生のレシピによる「うまみ醤油」に漬ける時間が10分と短かったにも関わらず、とても美味しくできました 毎回、鶏肉の大きさに応じて揚げる時間を変えていますが、今回は一つ一つが大きめだったので3分半✕2度揚げしています

 

     

 

          

 

昨日、すみだトリフォニーホールで「第13回すみだクラシックへの扉」定期演奏会を聴きました プログラムは①小曽根真「ピアノ協奏曲『SUMIDA』」(新日本フィル創立50周年記念委嘱作品/世界初演)、②ワーグナー:歌劇「ローエングリン」より「エルザの大聖堂への行進」、③ブルックナー「交響曲第9番 ニ短調 WAB109」(ハース版)です 演奏は①のピアノ独奏=小曽根真、指揮=大阪フィル桂冠指揮者、ハノーファー北ドイツ放送フィル名誉指揮者・大植英次です

プログラムは当初、①と②が逆でしたが、リハーサルの過程で上記の順番に変更となりました

 

     

 

拍手の中、楽員が配置に着きます 弦は14型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの新日本フィルの並び。ステージ中央にピアノが置かれ、ヴィオラの手前にベースとドラムスが配置され、ピアノトリオを構成します コンマスは崔文洙、隣はアシスタントコンマス・立上舞です

前日の公開リハーサルでは弦楽器群はマスクを着用していましたが、本番は全員がノーマスクで臨みました

1曲目は新日本フィルが創立50周年を記念してジャズ・ピアニストの小曽根真に委嘱した「ピアノ協奏曲『SUMIDA』」の世界初演です この曲は小曽根真(1961~)の3番目のピアノ協奏曲に当たりますが、第2番までが弦楽とピアノのための協奏曲だったのに対し、本作は初のピアノと管弦楽(+ベース、ドラムス)のための協奏曲となっています

この日の午前中に隣のホテルで開かれた小室敬幸氏による「60分ワンコイン講座」での解説によると、小曽根氏は作曲にあたり、新日本フィルのヴィオラ奏者・吉鶴洋一氏に墨田区を案内され、「すみだ郷土文化資料館」で触れた関東大震災(1923年9月1日)や東京大空襲(1945年3月10日)が強く印象に残り、また「両国」の名前の由来に感銘を受けたとのことで、そうしたことが作曲に反映しているようです 曲は2部構成となっており、第1部は「両国 Two  Countries」の由来を音楽で描くことから開始されます そして、下総国(現在の千葉県)と武蔵国(現在の東京都等)との交流が描かれます 第2部は様々な歴史を経て悲しみを抱えながらも復興を遂げるエネルギーを描いています

大植の指揮で第1部の演奏に入ります 小曽根の独奏ピアノとオーケストラとのコラボが続き、ピアノとベース&ドラムスによるトリオの演奏が挟まれ、一連の叙事詩を描いていきます そして、震災や空襲の惨禍を描くかのように悲劇的な大音響で第1部を閉じます ピアノトリオの即興演奏を経て第2部に移りますが、小曽根のインプロビゼーションが素晴らしい 曲想は徐々に明るさを増し、エネルギーに満ちた音楽が展開します そしてオーケストラとピアノトリオの総力を挙げての強奏で歓喜のクライマックスが築き上げられ、最後は静かに幕を閉じます この終わり方がスマートで良かったと思います

世界初演なので、もちろん初めて聴きましたが、素晴らしい音楽です そして演奏も素晴らしかった 小室氏が「この曲はジャズミュージシャンが作曲したピアノ協奏曲の中でも1,2位を争う素晴らしい作品だと思う」と語っていましたが、決して誇張ではありませんでした

カーテンコールが繰り返され、オケと共にベースとドラムスのプレイヤー2人も満場の拍手を浴びます 小曽根はピアノの蓋を閉じて、オケ全体が見渡せるようにしました こういう気配りは、他の演奏家で見たことがありません 小曽根はアンコールにオリジナル曲「Reborn」を鮮やかに演奏、再び大きな喝さいを浴びました

新日本フィルは最も相応しいミュージシャンに記念すべき作品の作曲を依頼したと思います 世界初演、大成功です

 

     

 

新日本フィルの会員で、フェスタサマーミューザや都民芸術フェスティバルでいつもお目にかかる川崎市在住のSさんが、昨年末に胃がんの手術をすると聞いていたので気になっていました 今年に入って、どこのコンサート会場でも見かけないので、休憩時間にパトロネージュ部の登原さんに消息が分かるかどうか尋ねてみました 彼女の話では Sさんは新シーズンのチケットについて事務局に問い合わせの電話をかけてきたとのことでした 登原さんは「いつも来るべき人が来ないと、何かあったんじゃないかと気になりますよね」とおっしゃっていましたが、まったくその通りで、とても心配していました   とにかく生きていることが確認できて安心しました

 

     

 

プログラム後半の1曲目はワーグナー:歌劇「ローエングリン」より「エルザの大聖堂への行進」です この歌劇はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が1846年から48年にかけて作曲、1850年にワイマルで初演されました オペラでは第2幕第4場から第5場にかけて演奏されます

大植の指揮で演奏に入りますが、冒頭のオーボエ、フルートを筆頭とする木管楽器群のアンサンブルが美しく響きました また、後半にかけてはトロンボーン、チューバ、ホルンを中心とする金管楽器群のいぶし銀のような重心の低い重厚な演奏が印象的でした

2曲目はブルックナー「交響曲第9番 ニ短調 WAB109」(ハース版)です この曲はアントン・ブルックナー(1824-1896)が1891年から96年にかけて作曲、第3楽章までは完成したものの未完に終わりました 第1楽章「厳かに、神秘的に」、第2楽章「スケルツォ:動きをもって、生き生きと」、第3楽章「アダージョ:ゆっくりと、厳かに」の3楽章から成ります

大植の指揮で第1楽章に入ります 冒頭のホルンの演奏が素晴らしい 後半にかけてはトロンボーン、チューバといった金管楽器群が重厚な演奏を繰り広げます 第2楽章のスケルツォは弦楽器のピッツィカートと渾身の激しいキザミが印象的です ここぞというところでティンパニがクサビを打ち込みます 「怒涛の快進撃」とでも言うべきアグレッシブな演奏が展開しました 第3楽章のアダージョは、冒頭の第1ヴァイオリンの渾身の演奏が光ります リハーサルで入念に詰めてきた楽章だけに、弦楽器も管楽器も持てる力を存分に発揮します ホルン8人のうち4人はワーグナー・チューバを持ち替えて演奏しますが、この演奏が素晴らしかった なお、このワーグナー・チューバはトリフォニーホール2階に展示されている楽器が使用されました 全体を通して重心が低くスケールの大きな演奏が展開しました 存分にブルックナーのシャワーを浴びた気分です

     

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