24日(金)。昨日の日経朝刊 社会面に「ベートーヴェン ゲノム解読 国際チーム、髪の毛から」という見出しの記事が載っていました 記事を超略すると次の通りです
「ベートーヴェン(1770-1827)の髪の毛からゲノム(全遺伝情報)を解読したと、ドイツなどの国際チームが22日、米科学誌カレントバイオロジーに発表した 肝臓病のリスクを高める遺伝子変異やB型肝炎ウイルス感染の形跡を発見した
大量飲酒の言い伝えもあり、これらが肝硬変での死亡につながったと推定した
ベートーヴェンは20代から聴力低下や腹痛、下痢に悩まされ、50代に入ると肝臓病の兆候の黄疸も出た
56歳で死去した際、懇意の医師に自分の病状の記録を作ってもらうよう弟たちに頼む遺書が見つかり、後年の伝記作家らは日記や医療記録の精査、遺体の発掘調査などを通じ病気の特定を試みてきた
今回の研究もこの遺書が動機という
チームはベートーヴェンの知人らの手に渡っていた毛髪を、近年発展した古代人のDNA分析の手法を応用して解読。肝臓病に関連する変異を見つけた
晩年には『毎日、昼食時にワインを1リットル以上飲んでいた
』との証言もあるため、同様の体質に大量飲酒が重なった場合のリスクを英国の医療データベースで調べると、肝硬変が一般の40倍にもなることが分かった
」
髪の毛一本から約200年前の人物の病状が解るのですから、現代の科学はすごいと思います それにしても毎日ワインを1リットル以上飲んでいたとは、ベートーヴェンも晩年はシラフではやってられなかったのでしょうか
ベートーヴェンのケースを「他山の石」として毎日の健康管理に気をつけたいものです
ということで、わが家に来てから今日で2992日目を迎え、インタファクス通信は、ロシア国家安全保障会議議長のメドベージェフ前大統領が23日、ロシアの通信社とのインタビュー記事で、「地政学的な理由と歴史により、アパートの違う部屋に住むのを我慢してきた。この創作された国境を考慮しなければならない」と述べ、ウクライナ侵攻を正当化したと伝えた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
自国の都合のよいように国境を創作しているのはロシアじゃね? プーチンと同罪だ
昨日、夕食に「チキンステーキ」と「白舞茸の味噌汁」を作りました チキンステーキは洗い物を少なくするため、野菜とアボカドをワンプレートに盛り付けました
昨日、早稲田松竹でアルバート& デヴィッド・メイズルス監督「グレイ・ガーデンズ」と「セールスマン」の2本立てを観ました
「グレイ・ガーデンズ」はアルバート・メイズルスとデヴィッド・メイズルス共同監督による1975年製作アメリカ映画(95分)です
ジョン・F・ケネディの妻ジャクリーヌの叔母ビッグ・イディとその娘リトル・イディは、ともに若い頃に歌手やモデルとしてショービジネス界を目指したが成功することなく没落し、高級住宅地イーストハンプトンに建つボロボロの屋敷で2人きりの”普通でない”暮らしを送っている 世間から隔絶された2人の生活をカメラが追う
このドキュメンタリー映画の主人公である母ビッグと娘リトルは、2人の会話から、それぞれ79歳と57歳であることが分かります ビッグは若い頃に歌手として、リトルはモデルとして都会で華々しく活躍していましたが、夢が破れて田舎のぼろ屋敷でひっそりと暮らしています
驚くのは、地裁が”ゴミ屋敷”と化した屋敷に住む母娘に対し、整理・清掃をしない限り立ち退くよう命令を出し、ジャクリーヌが家の整理・清掃を申し出て、立ち退かなくて済んだという新聞記事が紹介されていることです
大統領夫人に何をやらせるか
と驚きます。親娘は5匹の猫を飼い、屋根裏にはアライグマまで飼っており、餌はやるものの ろくに掃除もしていない様子です
強烈なのは2人の会話です。それぞれが過去の栄光を忘れられず、プライドが高く、罵倒し合って生活しています
ビッグは足腰が弱いので、リトルに何かと指示を出して用事を言いつけます
それに対して、リトルはそういう生活が嫌で、1日でも早く母親から解放され、都会で暮らしたいと考えています
ビッグの「誰のお陰で暮らしていけるんだい
」という言葉から推測すると、ビッグは年金で生活していて、リトルは一旦家を出たものの”売れず”に実家に戻ってきて居候しているのです
したがって、経済的な理由から、すぐに母親を残して都会に出ていくことが出来ないのです
一方、ビッグは娘が出ていくと一人では生活能力がなくリトルに頼らざるを得ないのです
そういう事情を背景に、2人はカメラが回っているにも関わらず、お互いの言う事を全く聞かず自分の主張を大声で繰り返します
同じ親子でも、母親と娘との関係は独特のものがあるようです
唯一の救いはリトルが明るい性格であることです
正直言って、疲れました 世の中にはこういうエキセントリックな母娘がいるんだな
という驚きとともに、これでは一緒に暮らしていても楽しくないだろうし、同居している意味がないな、と思います
その後、2人はどうなったんだろうか
「セールスマン」はアルバート & デヴィッド・メイズルス共同監督による1969年製作アメリカ映画(モノクロ・91分)です
主人公は、金色に輝く豪華版聖書を販売する「ミッドアメリカン・バイブル・カンパニー」で働くポール、チャーリー、ジェームズ、レイモンドの4人のセールスマン 教会から紹介された悩める大衆をターゲットに雪深いボストンから湿度の高いフロリダまで訪問販売の旅へ出た彼らは、孤独な未亡人、移民、生活に困窮している家庭など、様々な客に聖書を売り込んでいく
この映画は、1960年代後半のアメリカでカラー写真入りの豪華版聖書を売り歩くセールスマンに密着したドキュメンタリーです
4人を含めた販売員を対象にした「ミッドアメリカン・バイブル・カンパニー」の幹部による”檄”が印象的です 幹部は「諸君が売るのは単なる聖書という商品ではない。神を、幸せを売るのだ。誇りを持ってセールスに当たってほしい
聖書が売れれば会社の利益は増えるし、諸君の給料も上がる
」と訴え、販売員たちから喝さいを浴びます
4人は、ジョークを交えたトークを駆使したり、お客をおだてたり、あるタイミングでは強く出たりと、巧みな駆け引きで聖書を売り込もうと懸命な説得をします
しかし、現実は厳しい
「生活するのが精一杯で、聖書を買う余裕がない
」「聖書は家に1冊あるから必要ない
」「主人と相談してからでないと判断できない
」「分割払いでも払う現金がない
」と断られてしまいます
「今すぐに必要でない商品」を「買って損はない。幸せになれる商品」と思わせて売ることがいかに困難か、ということが描かれています
現代社会でも、多くの人々がセールス(営業)職に就いて働いていますが、4人と同じような悩みやジレンマを抱えながら物やサービスを売り込んでいるのではないかと思います
そういう人たちにとっては大いに共感できる映画だと思います