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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

高関健 ✕ 山根一仁 ✕ 東京シティ・フィルでベルク「Vn協奏曲」、ブリテン「シンフォニア・ダ・レクイエム」、オネゲル「交響曲第3番”典礼風”」を聴く

2023年05月11日 00時16分39秒 | 日記

11日(木)。わが家に来てから今日で3040日目を迎え、トランプ前米大統領(76)から性的暴行を受けたとして、女性作家ジーン・キャロルさんが損害賠償などを求めて起こした民事訴訟で、ニューヨークの連邦地裁陪審は9日、キャロルさんの主張を概ね認め、トランプ氏に総額500万ドル(約6臆7600万円)の支払いを命じたが、トランプ氏は評決を受け、SNSで「この女性が誰なのか見当もつかない。魔女狩りの続きだ」と反発した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     トランプは 醜聞を逆手に取って支持率を上げるから たちが悪い 米国は狂ってる!

 

         

 

昨日、夕食に「豚とシメジの味噌チーズ炒め」「生野菜サラダ」「大根の味噌汁」を作りました 味噌とチーズって意外と合いますね

 

     

 

         

 

昨夜、東京オペラシティコンサートホールで東京シティ・フィル「第360回 定期演奏会」を聴きました プログラムは①ブリテン「シンフォニア・ダ・レクイエム 作品20」、②ベルク「ヴァイオリン協奏曲」、③オネゲル「交響曲第3番 ”典礼風”」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=山根一仁、指揮=高関健です

新シーズン第1回目の定期演奏会です 自席もセンターブロック左サイドから右サイド通路側に移りました

恥ずかしながら、3曲のうちブリテンとオネゲルは初めて聴く曲なので期待が高まります

 

     

 

拍手の中、オケのメンバーが入場し配置に着きます オケは14型で、左から第1ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、第2ヴァイオリン、その後ろにコントラバスという対抗配置をとります コンマスは戸澤哲夫です

1曲目はブリテン「シンフォニア・ダ・レクイエム 作品20」です この曲はベンジャミン・ブリテン(1913ー1976)が日本の皇紀2600(西暦1940)年祝典曲として作曲し、日本に送られましたが、祝典にレクイエムはもってのほかという理由で、日本では演奏されませんでした 世界初演は1941年にジョン・バルビローリ指揮ニューヨーク・フィルによって行われ、「亡き両親の思い出に」として出版されました 第1楽章「ラクリモーサ(涙の日):アンダンテ・ベン・ミズラート」、第2楽章「ディエス・イレ(怒りの日):アレグロ・コン・ブオーコ」、第3楽章「レクイエム・エテルナム(永遠の安息):アンダンテ・モルト・トランクイロ」の3楽章から成ります

高関の指揮で第1楽章が開始されます 冒頭のティンパニによる強力な連打は、この楽章こそ「怒りの日」ではないかと思わせます 「涙の日」を通り越して「慟哭の日」が相応しいのではないか 壮絶な演奏でした サックスの音色が印象的でした 第2楽章は行進曲風の激しく動く音楽で、不気味な雰囲気を醸し出します 第3楽章は、まさに平和を祈るようなコラール風の音楽です 全体の音楽の流れは「怒りから安息へ」というものでした

2曲目はベルク「ヴァイオリン協奏曲」です この曲はアルヴァン・ベルク(1885-1935)が、マーラーの未亡人アルマが建築家グロピウスとの再婚でもうけた娘マノンが19歳で急逝したのを悼み、「ある天使の思い出」と献辞を付けて1935年に作曲、1936年にバルセロナで初演されました 第1楽章「アンダンテ ~ アレグレット」、第2楽章「アレグロ ~ アダージョ」の2楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の山根一仁は1995年札幌生まれの28歳。2010年の第79回日本音楽コンクール第1位ほか各賞受賞 内外のオーケストラと共演しています

山根は終始、無調と後期ロマン派風の味わいがミックスされたベルク独特の曲想をクールに演奏しているのが印象的でした

アンコールにJ.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番」から第3曲「サラバンド ~ ドゥブル」を鮮やかに演奏し、大きな拍手を浴びました

 

     

 

プログラム後半はオネゲル「交響曲第3番 ”典礼風”」です この曲はアーサー・オネゲル(1892-1955)が1945年から翌46年にかけて作曲、1946年8月にチューリヒでシャルル・ミュンシュ指揮スイス・ロマンド管弦楽団により初演されました 典礼音楽「レクイエム」から各楽章の標題を取っており、第1楽章「怒りの日:アレグロ・マルカート」、第2楽章「深き淵より:アダージョ」、第3楽章「われらに平和を:アンダンテ」の3楽章から成ります

柴田克彦氏のプログラム・ノートによると、オネゲルはこの曲について、「私がこの曲で表現しようとしたのは、何年にも亘って私たちを陥れた蛮行、愚行、苦悩、機械化、官僚主義の流れに対する現代人の反応だ。この交響曲は『不幸』『幸福』『人間』という3人の登場人物による劇で、これは永遠の命題でもある」とし、キリスト教の儀礼を意味する「典礼」の標題については「この曲の宗教的な性格を表すために付した」と語っています。つまり、本作は第2次世界大戦の犠牲者への追悼と、戦争の惨状への怒り、神への祈りを描いているといえます

高関の指揮で第1楽章が開始されます 冒頭の低弦による音楽は、何か良からぬものに巻き込まれるような不気味な雰囲気を漂わせています そしてその正体が現れたかのように暴力的な音楽が展開し戦争の蛮行を暗示します 管・打楽器、弦楽器の総力を挙げての熾烈な演奏が繰り広げられます 第2楽章は一転、穏やかな音楽が展開し、フルートによる「鳥の主題」が清らかに演奏されます 第3楽章はまさに平和を希求するかのような音楽が奏でられますが、チェロ首席の長明康郎のソロ、戸澤コンマスのソロが冴え渡り、最後はピッコロの「鳥の主題」に伴われて静寂のうちに曲を閉じます

高関氏はプレトークで、「この日のプログラムは、昨年2月のロシアのウクライナ侵攻の後に決めたものですが、どのように受け取るかはお聴きになる皆さん個々人に委ねられています」と語っていました 第二次世界大戦後に作曲されたブリテンとオネゲルのこの日の演奏を聴く限り、ロシアのウクライナ侵略に伴う殺人・誘拐・破壊工作などに対する怒りが現れていると感じ、それと同時に、一刻も早い停戦と平和の到来への祈りが込められていたように思います 高関氏としては、あえてショスタコーヴィチなどロシアの作曲家の作品を取り上げて、逆説的に戦争の愚かさを訴える手法もあったかも知れません しかし彼はそれをしなかった。ブリテンとオネゲルの作品には高関氏の求める強い「訴求力」があると確信したのだと思います 新シーズン幕開けのプログラムに、敢えてこの2曲を取り上げた高関氏の英断に大きな拍手を送ります

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