5日(金・祝)。わが家に来てから今日で3034日目を迎え、ロシア大統領府は3日、2機のドローンがモスクワ中心部のクレムリン敷地内に墜落したが、ウクライナがプーチン大統領の公邸への攻撃を試みたものだと発表した というニュースを見て感想を述べモコタロです
どうも自作自演くさいが もし本当ならロシアの防空能力は最低だということだろう
昨日は息子が夕食を作ってくれました 「真鯛のアクアパッツァ」「ヤリイカのペスカトーレ風ニョッキ」「リーフとパプリカとナッツのサラダ」です
味はプロ級で、レストランで出しても通用すると思います
新型コロナ禍の影響で中止となってきた「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO」が4年ぶりに再開されました 今年のテーマは「Beethoven」です
LFJ音楽祭は、日本では2005年に始まりましたが、第1回のテーマは「ベートーヴェンと仲間たち」でした
今回は、コロナ禍を経て再出発の意味を込めて、原点回帰を目指してテーマ設定したのではないかと思います
L F J は5月4日、5日、6日の3日間、有楽町の「東京国際フォーラム」を中心に開かれますが、私は3日間で9公演を聴きます
第1日目の昨日は次の3公演を聴きました
①公演番号112「ベートーヴェン、そして音楽の革命」
②公演番号123「ハバナのベートーヴェン」
③公演番号124「L F J の女王が奏でるベートーヴェンの優しき音たち」
公演前にフォーラム全体の様子を見たのですが、前回まで無料コンサートを上演したり、物販販売したり、飲食サービスをしていた地下のコンコースは閉鎖され、物販販売はガラス棟のチケット売り場の裏に位置していて、すべてが小規模になっています
最初に12時45分から ホールAで「ベートーヴェン、そして音楽の革命」公演を聴きました プログラムは「交響曲第3番変ホ長調”英雄”」です
演奏は角田鋼亮指揮日本センチュリー交響楽団です
日本センチュリー交響楽団は1989年に活動を開始した大阪府豊中市に本拠地を置くオーケストラです 指揮をとる角田鋼亮はセントラル愛知交響楽団常任指揮者を務めています
自席は1階24列35番、センターブロック左通路側です このホールは約5000人収容できますが、結構な客入りです
「交響曲第3番変ホ長調”英雄”」はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770ー1827)が1803年から翌04年にかけて作曲、1805年にアン・デア・ウィーン劇場で公開初演されました 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「葬送行進曲:アダージョ・アッサイ」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・モルト ~ アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります
拍手の中、オケの面々が配置に着きます オケは10型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろのコントラバスという編成です
よく見ると、ヴィオラのトップには東京交響楽団首席の青木篤子が客演しています
角田の指揮で第1楽章に入りますが、10型という編成は5000人規模の大ホールには小型すぎるきらいがあります 同じベートーヴェンの交響曲でも第3番「英雄」は、アンサンブル力とともにパンチがほしいところですが、ちょっと物足りません
一方、弦楽器は美しく、木管ではオーボエの演奏が冴えており、また第3楽章におけるホルン3重奏は素晴らしかったです
次に15時から ホールCで「ハバナのベートーヴェン」公演を聴きました ピアノとパーカッションによる四重奏団「ヨアキム・ホースレイ カルテット」によるクラシック音楽をラテン音楽風にアレンジした曲の演奏です
ピアノ独奏はアメリカ出身のヨアキム・ホースレイ、ベース独奏はダミアン・ヌエバ・コルテス、パーカッションはナターシャ・ロジャース、ドラムとパーカッションはトマ・ベロンです
自席は1階19列39番、右ブロック右端です 会場はほぼ満席です
4人の編成は左サイドにピアノとベース、右サイドにパーカッションの2人が並びます
最初はベートーヴェンの「悲愴ソナタ」風のメロディーが出てきたと思ったら「月光ソナタ」風の音楽に変わり、その後はフュージョン(私にとってはコンフュージョン)に移りました
次の曲はグリーグ「ペールギュント」第1組曲の第4曲「山の魔王の宮殿にて」風の音楽が演奏され、途中でパーカッションのナターシャが聴衆に手拍子を求め、聴衆がまんまと彼女の誘いに乗ります かくして聴衆参加型セッションとなり、会場は興奮の坩堝と化しました
ここで、ホースレイが「次はシューベルトの即興曲をラテン風に演奏したらどうなるかをやります」と言って、演奏に入りました この曲ではホースレイとナターシャの丁々発止のやり取りが実に見事でした
次に「ショパンとかモーツアルトはどうなるか」と言って、演奏に入りました
どんな曲が原曲に使われているか耳を傾けて聴いたのですが、まったく分かりませんでした
その次に演奏した曲も分かりませんでした
本当にショパンやモーツアルトの曲を原曲として使ったのか
あるいは私の耳が馬耳東風なのか
次いで、ナターシャがパーカッション・ソロを披露しましたが、両手がまるで精密機械のように動いて高音から低音まで様々な音を出していました この曲でも彼女は聴衆に手拍子を求め、聴衆参加型セッションを繰り広げました
そして、ベートーヴェン「交響曲第7番」第2楽章「アレグレット」をテーマとするラテン風のフュージョンを展開しましたが、トマ・ベロンが超絶技巧のドラム&パーカッションの腕前を披露し、やんやの喝さいを浴びました
4人はアンコールに再びペールギュントの「山の魔王の宮殿にて」風の音楽で開始されるフュージョンを演奏、聴衆の熱い声援と拍手でカーテンコールが繰り返される中、満面の笑みでコンサートを締めくくりました
最後に17時30分から ホールCで「LFJの女王が奏でるベートーヴェンの優しき音たち」公演を聴きました プログラムは①11の新しいパガテル 作品119から第1番、第3番、②6つのパガテル 作品126から第5番、③ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58(ピアノと弦楽五重奏版)です
演奏はピアノ独奏=アンヌ・ケフェレック、弦楽四重奏=ハンソン四重奏団、ヴィオラ=安達真理です
アンヌ・ケフェレックはパリ国立音楽院卒。ウィーンでパドゥラ=スコダ、ブレンデルに師事。ミュンヘン国際コンクール優勝 ラ・フォル・ジュルネ音楽祭の”顔”とでも言うべき存在です
ハンソン四重奏団は2013年にパリ国立音楽院内で結成。ジュネーヴ国際コンクール第2位をはじめ複数の入賞歴あり
安達真理は日本フィルのヴィオラ客演首席奏者を務めています
自席は1階13列7番、左ブロック左端です 会場は満席です
最初は「11の新しいパガテル 作品119」から第1番(ト短調)と第3番(ニ長調)です この曲は1820年から22年にかけて作曲し1823年に出版した曲集に収録されています
続けて演奏される「6つのパガテル 作品126」から第5番(ト長調)は1823年~1824年に作曲されました
なお「パガテル」は「ちょっとしたもの」という意味を持つ小品です
深緑色のシックな衣装のケフェレックが登場し、ピアノに対峙します。ケフェレックの演奏はこういう小品でも丁寧に紡ぎます 一音一音がクリアで美しい
最後の曲は「ピアノ四重奏曲第4番 ト長調 作品58」(ピアノと弦楽五重奏版)です この曲は1805年から翌06年にかけて作曲、1808年に12月22日にアン・デア・ウィーン劇場で本人の独奏により公開初演されました
第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ・コン・モート」、第3楽章「ロンド:ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります
第1楽章冒頭はピアノ独奏から入りますが、この手法は当時としては画期的でした ケフェレックの演奏は、この曲でも一音一音の粒立ちがクリアで美しく、その上、気品があるのが大きな特徴です
第1楽章のカデンツァはベートーヴェン自身のものが2種類あり、ほかにケフェレックの師匠であるパドゥラ=スコダとブレンデルも作曲しています
この日のカデンツァはかなり長かったように思いますが、さて誰の作品を演奏したのでしょうか
確信に満ちた素晴らしい演奏でした
オーケストラをバックに聴くのも良いですが、弦楽五重奏版だと曲全体の構造が明確に分かり、室内楽的な緻密さが発揮されるので聴き応えがあります ハンソン四重奏団と安達真理の演奏は独奏ピアノを引き立てながら緻密なアンサンブルを奏でていました
この日の演奏は大ベテランのピアニストと若手のカルテット+1によるコラボでしたが、息がピッタリで素晴らしい演奏を展開しました
さて、今日は午後 3公演聴きます