今週の木曜日はアイスランドでは祝日となっています。この日はキリスト教に由来を持つ祝日で「キリストの昇天日」と呼ばれています。聖書にある「使徒言行録」という書の始まりに、十字架刑の後よみがえったキリストが四十日の間弟子たちの間に現れていたが、それから皆の見ている前で天に昇っていき見えなくなった、というような記事があります。
この出来事を記念するために、復活日の四十日後(復活日を第一日として数えます)が「キリストの昇天日」とされたわけです。今年は遅く四月の二十日が復活日でしたので昇天記念日も五月末になりました。
前にも書きましたように復活祭(復活日)は陰暦で決められるため、毎年一定の範囲内で移動します。当然復活日を基準にして決められる昇天記念日もそれにつれて移動します。きっちり四十日間の距離を保ってです。ですからさらにいうと、この日は必ず木曜日になります。
ちなみに、そこからさらに十日後、すなわち復活日から数えて五十日目が「ペンテコステ」、あるいは日本では「聖霊降臨日」と呼ばれる祭日の日曜日になります。これも同じ「使徒言行録」の始まりに記されている出来事に由来しています。あまり聖書の説明ばかりしたくはないので、関心がある方は「使徒言行録」を読んでみてください。ネットで簡単に読めます。
読んでみたい方はこちら 日本聖書協会HP
(「書名章節検索」の欄へ行き、「旧 新約 ・続編選択」の項目は「新約聖書」を、「書名選択」の欄は「使徒言行録」を選んでください。さらに「章選択」では「キリストの昇天」に関しては1、「ペンテコステ」に関しては2を選択してください。「節選択」は無視して構いません)
さて「キリストの昇天記念日」に戻りましょう。アイスランド語ではUppstigningardagur(ウップスティグニンガーダーグル)といいます。この日は他のノルウェーやスウェーデンなどの北欧諸国でも祝日になっています。北欧諸国は実際に文化的にも社会制度的にもお互いを横目で見ながら進むところがあり(フィンランドは少し違いますが)、こういうところはとてもよく似ています。
同じ伝統的キリスト教文化圏のドイツ、オランダ、フランス等でもやはり祝日になっているようですが、イギリスやアイルランドではなっていません。英語での名称はAscension Dayです。
さて、教会の祝日の中でも実は「格の差」といういい方は当たらないかもしれませんが、人々が大切にする度合いの違いというものがあります。クリスマスや復活祭はメジャーな祝日です。
メジャーというのは、祭日として社会の仕組みの中に深く入り込んでいる、ということもありますが、キリスト教会の立場からしてその祭日の下にあるキリストの誕生や復活が深く、広く考察されてきたことという意味もあります。
「主の昇天記念日」はクリスマスやイースターに比べると、一格落ちます。というのは失礼でしょうか?(^-^; でも一般の人はその日が休みのことを忘れていることさえ往々にありますし、説明されないとなぜ祭日なのか知らない人もあるのではないかと思います。
その祭日としての意義は教会内部でさえ低く見られている感があります。このキリストの昇天の出来事は、聖書の中では非常にシンプルにキリストが天に昇っていって雲に隠れて見えなくなったことを記しています。
オーストラリア製作テレビの「ウルトラマン ・グレート」は戦い終えるとそんな感じで空へ昇って去って行きました。ああいう感じでしょうか? なーんて言うと牧師さんに叱られるかも。
問題は聖書に記してあるそのままの仕方でその出来事が起こった、と考えることは現代人にとっては難しいものになっている、ということです。「そんなの他の奇跡だって同じ。たとえば復活だって現代科学とはそぐわないだろ」とすぐに反論されそうです。
そうなのですが、そこが先ほど「キリスト教会の立場からしてその祭日の下にあるキリストの誕生や復活が深く、広く考察されてきた」と書いた点なのです。他の「メジャーな奇跡」というのは「科学にそぐわないような点をどのように解釈するか」あるいは「科学に反してまで信じる意義は何か」ということに関して十二分な考察がなされてきています。これからもなされるでしょう。なぜならそうするだけの意義があるからです。
その点での努力が「キリストの昇天」についてはなされてこなかった気がします。昨年でしたか?こちらの教会のある部局から「キリストの昇天記念日にどのような説教をしているか?」というアンケートがありましたが、これは遅ればせながらの努力といえるでしょう。
もっとも私が神学校にいた頃(二十五年余り前です)、日本の教会で全く同じ内容のアンケートがありました。現代的「常識」とキリスト教信仰の間の葛藤をえぐることについては日本の教会の方が研ぎすまされています。アイスランドの教会のように文化伝統にすっぽりはまっていると、そういうセンスは鈍化しがちです。ニッポンに一点。
ちなみにこちらの教会では「キリストの昇天記念日」は「シルバーエイジの祝日」とされてもいます。どういう理屈があるやらないやら知らないのですが「天に一番近い世代」というということ??? へへ)
応援します、若い力。Meet Iceland
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
この出来事を記念するために、復活日の四十日後(復活日を第一日として数えます)が「キリストの昇天日」とされたわけです。今年は遅く四月の二十日が復活日でしたので昇天記念日も五月末になりました。
前にも書きましたように復活祭(復活日)は陰暦で決められるため、毎年一定の範囲内で移動します。当然復活日を基準にして決められる昇天記念日もそれにつれて移動します。きっちり四十日間の距離を保ってです。ですからさらにいうと、この日は必ず木曜日になります。
ちなみに、そこからさらに十日後、すなわち復活日から数えて五十日目が「ペンテコステ」、あるいは日本では「聖霊降臨日」と呼ばれる祭日の日曜日になります。これも同じ「使徒言行録」の始まりに記されている出来事に由来しています。あまり聖書の説明ばかりしたくはないので、関心がある方は「使徒言行録」を読んでみてください。ネットで簡単に読めます。
読んでみたい方はこちら 日本聖書協会HP
(「書名章節検索」の欄へ行き、「旧 新約 ・続編選択」の項目は「新約聖書」を、「書名選択」の欄は「使徒言行録」を選んでください。さらに「章選択」では「キリストの昇天」に関しては1、「ペンテコステ」に関しては2を選択してください。「節選択」は無視して構いません)
さて「キリストの昇天記念日」に戻りましょう。アイスランド語ではUppstigningardagur(ウップスティグニンガーダーグル)といいます。この日は他のノルウェーやスウェーデンなどの北欧諸国でも祝日になっています。北欧諸国は実際に文化的にも社会制度的にもお互いを横目で見ながら進むところがあり(フィンランドは少し違いますが)、こういうところはとてもよく似ています。
同じ伝統的キリスト教文化圏のドイツ、オランダ、フランス等でもやはり祝日になっているようですが、イギリスやアイルランドではなっていません。英語での名称はAscension Dayです。
さて、教会の祝日の中でも実は「格の差」といういい方は当たらないかもしれませんが、人々が大切にする度合いの違いというものがあります。クリスマスや復活祭はメジャーな祝日です。
メジャーというのは、祭日として社会の仕組みの中に深く入り込んでいる、ということもありますが、キリスト教会の立場からしてその祭日の下にあるキリストの誕生や復活が深く、広く考察されてきたことという意味もあります。
「主の昇天記念日」はクリスマスやイースターに比べると、一格落ちます。というのは失礼でしょうか?(^-^; でも一般の人はその日が休みのことを忘れていることさえ往々にありますし、説明されないとなぜ祭日なのか知らない人もあるのではないかと思います。
その祭日としての意義は教会内部でさえ低く見られている感があります。このキリストの昇天の出来事は、聖書の中では非常にシンプルにキリストが天に昇っていって雲に隠れて見えなくなったことを記しています。
オーストラリア製作テレビの「ウルトラマン ・グレート」は戦い終えるとそんな感じで空へ昇って去って行きました。ああいう感じでしょうか? なーんて言うと牧師さんに叱られるかも。
問題は聖書に記してあるそのままの仕方でその出来事が起こった、と考えることは現代人にとっては難しいものになっている、ということです。「そんなの他の奇跡だって同じ。たとえば復活だって現代科学とはそぐわないだろ」とすぐに反論されそうです。
そうなのですが、そこが先ほど「キリスト教会の立場からしてその祭日の下にあるキリストの誕生や復活が深く、広く考察されてきた」と書いた点なのです。他の「メジャーな奇跡」というのは「科学にそぐわないような点をどのように解釈するか」あるいは「科学に反してまで信じる意義は何か」ということに関して十二分な考察がなされてきています。これからもなされるでしょう。なぜならそうするだけの意義があるからです。
その点での努力が「キリストの昇天」についてはなされてこなかった気がします。昨年でしたか?こちらの教会のある部局から「キリストの昇天記念日にどのような説教をしているか?」というアンケートがありましたが、これは遅ればせながらの努力といえるでしょう。
もっとも私が神学校にいた頃(二十五年余り前です)、日本の教会で全く同じ内容のアンケートがありました。現代的「常識」とキリスト教信仰の間の葛藤をえぐることについては日本の教会の方が研ぎすまされています。アイスランドの教会のように文化伝統にすっぽりはまっていると、そういうセンスは鈍化しがちです。ニッポンに一点。
ちなみにこちらの教会では「キリストの昇天記念日」は「シルバーエイジの祝日」とされてもいます。どういう理屈があるやらないやら知らないのですが「天に一番近い世代」というということ??? へへ)
応援します、若い力。Meet Iceland
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