レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

八月- 「こんにちは赤ちゃん」の大合唱?

2014-07-14 05:00:00 | 日記
先月ヨウンスメサについて書いた時に「北欧の夏至祭」についても触れました。さらにそれに関連して「夏至の日は人々の性欲を増すパワーがあり、毎年四月に生まれる赤ちゃんの数が断然多い」という珍説も「ホンマでっか?」印付きでご紹介しました。

ヨウンスメサについてはこちら


どうやらそれはやはりウソのようです。先週のモルグンブラウズ紙に面白い記事がありましたので、今日はその記事をもとにして書いてみます。

その記事は赤ちゃんの誕生についてなのですが、レイキャビクのランドススピータリ(=LSH 国立大学病院に相当)では来る八月に平均よりもはるかに多い出産を予測しているということなのです。

そのため全ての妊婦の方のためには分娩室が足りなくなる恐れもあり、病院では出産を控えた女性たちに近郊のアクラネスやケフラヴィクでの分娩も考慮するよう呼びかけたいとのこと。

記事によると八月にレイキャビク近郊で誕生が予想される赤ちゃんの総数は320人。今年の初めの五ヶ月に誕生した赤ちゃん数は1.274にですから平均では259人程度です。六十人増しですね。

婦人科の主任助産婦のアンナ・シーグリズルさんの話しによると「同じような予想が六月にもあったのですが、結局平均数に落ち着きました。それでも忙しい月にはなると思います。出産時が重なって分娩室が足りなくなることもあり得ますが、その際は隣りの科の診察室を使う準備を進めています」

「今日ではある程度分娩時をコントロールできますので、仮に分娩が重なった場合には順番のプライオリティを付けることができます。さらに応援のスタッフを呼ぶ準備があります」

隣り町の病院での出産も考慮すべき項目ではあるが、別に大学病院に来るのをためらう必要は全然ない、ということのようです。余談ですがこの主任助産婦のアンナ・シーグリズルさん、写真で見るととても優しそうで奇麗な方です。(*^^*)

さて、ずっと前に一度書いたことがあるのですが、アイスランドの各病院の分娩に関する機能、というかサービスに関してはAからDまでの等級があります。Aが上でDが下。

A機能を持つのは総合病院でもあるレイキャビクの大学病院のみで、ここでは専門医師が揃っているので、何かの事情で難しい分娩や手術を必要とする措置、妊娠22週以降の早期出産なども扱うことができます。

Bランクは北の町アクレイリにある総合病院のみです。これは機能はほとんどAと同じなのですが、早期分娩に関して妊娠34週以降からのみ扱うことができます。

Cランクのサービスでは麻酔分娩や帝王切開までを扱うことができます。このランクに相当するのは冒頭に触れられましたアクラネスの病院、北西部のフィヨルド地帯の町イーサフョルズルの病院、東のネスコイパスターズルの病院のみっつがあります。

最後のDランクは分娩室付きの地域のホームドクター診療所で、ここではホームドクターと助産婦さんがチームで働きます。シンクヴェットリ国立公園近くの町セルフォス、空港近くの町ケフラビク、そしてウェストマン諸島の診療所がこれに相当します。

出産が可能な施設は十年前には十六ヶ所あったのですが、経済恐慌のあおりで八カ所に激減してしまいました。加えて人口の三分の二がレイキャビク周辺に集中してしまっているという地域的なアンバランスから、削減の対象はまずは小人口の地方になります。

当然、地方在住の妊婦の方は自宅分娩を選ばない限りは、出産のために遠い距離の移動を強いられることになります。似たような問題は出産に限らずあちらこちらで見られるのですが...

実は時を同じくして統計局からアイスランドの昨年の赤ちゃん状況が発表されました。そちらにも面白い事実が示されていますので、次回は引き続き「アイスランド赤ちゃん事情」をお伝えしたいと思います。


*都合によりしばらくの間、週に一回のブログ更新になります。m(_ _)m


応援します、若い力。Meet Iceland


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4 コメント

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Unknown (あや)
2014-07-15 22:36:51
東京では妊娠が分かった瞬間に分娩できる病院を予約しないとダメだそうですが、アイスランドはそこまで緊迫していないところがいいですね!

でも地方の妊婦の方、もしも何かあったら大変ですね★



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ブログ当事者 (Toshiki Toma)
2014-07-16 00:43:47
あや様、

そうですね。私の二人目の子供は田舎で生まれたのですが、家から病院へ行くのに山を越して行かなければならず、結構大変でした。陣痛かと思って行ったら、そうじゃなくてまた帰って来たりして...(^-^; 

地方の妊婦の方は時期が近づくと、首都圏の親戚を頼って出て来たりしているらしいですよ。それもまた大変なことだろうと思います。早くもとの16ヶ所体制に戻って欲しいものです。病院関係、少し予算削る過ぎですよね。
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Unknown (Unknown)
2014-07-16 22:09:18
今日日本のテレビ番組『世界の超絶景ハウス』で、アイスランドのコケのうえにある一軒家が紹介されました。
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ブログ当事者 (Toshiki Toma)
2014-07-17 00:08:42
Unkownさん、

お知らせ下さり、ありがとうございます。面白い光景だったのでしょうか?
アイスランドではコケは保護されており勝手に持ち帰りもできないんですよ。

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