アイスランドがいかに小国であろうとも、あるいは滞在期間が十年、二十年を越えようとも、ある国の「すべてをわかる」などということはあり得ないことだろうと思います。
東京にお住いの方などにもよくあることではないかと思うのですが、それほど地元の観光スポットなどには行かず、観光客の人の方が良く知っていたりしますよね。
アイスランドの観光スポットに関して言えば、私などもこの類に入ります。まあ、観光客の方はそのために来ているのですから当然かもしれませんが、交換留学生の皆さんなどが、精力的にあちらちら踏破しているのを見ると感心させられます。
流氷が流れ着くような北の海岸とか。寒そうだし、良くそこまで行く気になるなぁ、と。
さて、今日はそういう「地元にいるだけではわからない」トピックのひとつです。それは売春です。買春と言った方が適切かもしれませんが。ここでまず私の両手を綺麗にしておきますが、この問題に関しては自己知識は皆無ですので、当然ご紹介する内容はみな、メディアから得たものです。
先週水曜日のモルグンブラウジズ紙によると、ここ一年半の間にアイスランドでの売買春が「爆発的に」「ものすごく」増えてきているとのこと。ニュースソースは首都警察の捜査課のスノリ·ビルギスソン捜査官です。
「売春はアイスランドでは決して新しい出来事ではありません。ですが、売春を巡るこの一年半の動きは『爆発的』と言えるものがあります」とスノリさん。
その「爆発的」な勢いを窺い知れるのが、いわゆるエスコート·サービスの広告の数の増加なのだそうです。「ただしこの広告は、外国でのことなのです。外国での広告数が爆発的に増加しています」むむ?どういうこと?
「他の北欧の国々におけるのと同じように、女性が売春に従事するようにアイスランドへ送り込まれているのです。もちろん組織的犯罪組織が背後にいてのことです。ですからトラフィッキング(人身売買)とも関連しています」
さすがに適当な写真がなかったので、当の新聞でご容赦!
まだ良く全体像が飲み込めないのですが、新聞の記事に沿って、スノリ捜査官の捜査官 の説明順序通りに追って行きたいと思います。
「この売春活動に従事している、あるいはさせられている女性の多くは、長期あるいは短期にアイスランドに滞在している外国人女性です。中にはトランスジェンダー女性も含まれています。アイスランド人女性も皆無ではありませんし、男性もいます」
スノリ捜査官によると、ここで買い手(買春)として重要な役割を担っているのが、ここ数年来増加の一途である外国人ツーリストの中の男性であるということです。
「つまり、海外でエスコート·サービスの名によって、アイスランドでの売春の宣伝されるわけです。Facebookでのクローズドグループもこの宣伝(勧誘)目的に使われています」
ようやく全体像が見えてきた気がしますが、要するに「外国人によってオルガナイズと宣伝をされた、外国人による、外国人をターゲットとした組織売春」というものが、アイスランドを舞台として行われているようなのです。
へー、これはビックリですねー。全然知らなかった。もっとも、アイスランドに外国の犯罪組織の人身売買活動が入り込んで来ている、ということは割と頻繁に耳にするところでした。こういう繋がりがあるのですね。
ただ、この流れだとアイスランドはただ「場所」というか「寝床」として使われているだけの感じがしますね。「『通りでの売春婦』というものは、この国ではあまり知られていません。ホテルが使われた時期の後に、ある特定の家屋が定宿のように使われたりしました。それが現在では賃貸アパートになり、さらにAirBnbの家屋までが使われ始めています」とスノリ捜査官。
さてここで注釈ですが、アイスランドでは「売春」は処罰の対象になる犯罪ではありません。しかし、「買春」は処罰の対象になる犯罪です。これは2007年に法制化されたのです。
その過程の論議で「多くの事例を見た場合、売春婦はむしろ犠牲者でもあり、処罰されるべき行為をしているのは買春している側だ」というようなものがあったと記憶しています。アイスランドはフェミニズムが強いですし、ここでもその一端が見て取れます。
でも、このような事態が起きているのなら警察も相当気を入れて捜査しているのだろう、と思ったのですが、意外や意外、スノリ捜査官によると「大掛かりな組織的な捜査はされていない」とか。なんで?
「売買春の摘発はそう簡単ではないのです。例えば、売春をさせらている女性を保護したとしても、その女性が警察に協力して証言してくれることはまずありません。組織から脅迫されていることも多いですから。そうなると、そこでもう『証明』できなくなってしまいます」
また、どうしても「事後」に状況捜査などが入ることになるのが多いとかで、「時間の浪費」「人的パワーの浪費」が半端ではないとか。
まあ、何事もテレビドラマのようには解決しないでしょうが、近い将来には警察の捜査の基本というか、売買春を含む「人身売買組織」の犯罪への取り組みがしかっりしたものになることを願います。
日本からいらっしゃるツーリストの方、特に殿方もよーく気をつけてくださいますよう。ここでは「買春」が犯罪ですからね。
そういえば、かつてアメリカで有名なテレビ牧師が高級コールガールとホテルにいるのをフライデーされたスキャンダルがありました。その牧師さん、自分の番組で奥さんに涙で陳謝し、それを奥さんが涙で許す、という展開になり、オエッという猿芝居でした。
私は牧師だからといって高潔なフリをするわけではありませんが、この「買春」というのは「まったく」理解できないです。まあ、理解できなことはたくさんあるから、そう不思議なことでもないか。
アイスランドもしっかりしないといけませんね。ただ「寝床」として使われてなんて、ハジッ!!と思わんと。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Home Page: www.toma.is
東京にお住いの方などにもよくあることではないかと思うのですが、それほど地元の観光スポットなどには行かず、観光客の人の方が良く知っていたりしますよね。
アイスランドの観光スポットに関して言えば、私などもこの類に入ります。まあ、観光客の方はそのために来ているのですから当然かもしれませんが、交換留学生の皆さんなどが、精力的にあちらちら踏破しているのを見ると感心させられます。
流氷が流れ着くような北の海岸とか。寒そうだし、良くそこまで行く気になるなぁ、と。
さて、今日はそういう「地元にいるだけではわからない」トピックのひとつです。それは売春です。買春と言った方が適切かもしれませんが。ここでまず私の両手を綺麗にしておきますが、この問題に関しては自己知識は皆無ですので、当然ご紹介する内容はみな、メディアから得たものです。
先週水曜日のモルグンブラウジズ紙によると、ここ一年半の間にアイスランドでの売買春が「爆発的に」「ものすごく」増えてきているとのこと。ニュースソースは首都警察の捜査課のスノリ·ビルギスソン捜査官です。
「売春はアイスランドでは決して新しい出来事ではありません。ですが、売春を巡るこの一年半の動きは『爆発的』と言えるものがあります」とスノリさん。
その「爆発的」な勢いを窺い知れるのが、いわゆるエスコート·サービスの広告の数の増加なのだそうです。「ただしこの広告は、外国でのことなのです。外国での広告数が爆発的に増加しています」むむ?どういうこと?
「他の北欧の国々におけるのと同じように、女性が売春に従事するようにアイスランドへ送り込まれているのです。もちろん組織的犯罪組織が背後にいてのことです。ですからトラフィッキング(人身売買)とも関連しています」
さすがに適当な写真がなかったので、当の新聞でご容赦!
まだ良く全体像が飲み込めないのですが、新聞の記事に沿って、スノリ捜査官の捜査官 の説明順序通りに追って行きたいと思います。
「この売春活動に従事している、あるいはさせられている女性の多くは、長期あるいは短期にアイスランドに滞在している外国人女性です。中にはトランスジェンダー女性も含まれています。アイスランド人女性も皆無ではありませんし、男性もいます」
スノリ捜査官によると、ここで買い手(買春)として重要な役割を担っているのが、ここ数年来増加の一途である外国人ツーリストの中の男性であるということです。
「つまり、海外でエスコート·サービスの名によって、アイスランドでの売春の宣伝されるわけです。Facebookでのクローズドグループもこの宣伝(勧誘)目的に使われています」
ようやく全体像が見えてきた気がしますが、要するに「外国人によってオルガナイズと宣伝をされた、外国人による、外国人をターゲットとした組織売春」というものが、アイスランドを舞台として行われているようなのです。
へー、これはビックリですねー。全然知らなかった。もっとも、アイスランドに外国の犯罪組織の人身売買活動が入り込んで来ている、ということは割と頻繁に耳にするところでした。こういう繋がりがあるのですね。
ただ、この流れだとアイスランドはただ「場所」というか「寝床」として使われているだけの感じがしますね。「『通りでの売春婦』というものは、この国ではあまり知られていません。ホテルが使われた時期の後に、ある特定の家屋が定宿のように使われたりしました。それが現在では賃貸アパートになり、さらにAirBnbの家屋までが使われ始めています」とスノリ捜査官。
さてここで注釈ですが、アイスランドでは「売春」は処罰の対象になる犯罪ではありません。しかし、「買春」は処罰の対象になる犯罪です。これは2007年に法制化されたのです。
その過程の論議で「多くの事例を見た場合、売春婦はむしろ犠牲者でもあり、処罰されるべき行為をしているのは買春している側だ」というようなものがあったと記憶しています。アイスランドはフェミニズムが強いですし、ここでもその一端が見て取れます。
でも、このような事態が起きているのなら警察も相当気を入れて捜査しているのだろう、と思ったのですが、意外や意外、スノリ捜査官によると「大掛かりな組織的な捜査はされていない」とか。なんで?
「売買春の摘発はそう簡単ではないのです。例えば、売春をさせらている女性を保護したとしても、その女性が警察に協力して証言してくれることはまずありません。組織から脅迫されていることも多いですから。そうなると、そこでもう『証明』できなくなってしまいます」
また、どうしても「事後」に状況捜査などが入ることになるのが多いとかで、「時間の浪費」「人的パワーの浪費」が半端ではないとか。
まあ、何事もテレビドラマのようには解決しないでしょうが、近い将来には警察の捜査の基本というか、売買春を含む「人身売買組織」の犯罪への取り組みがしかっりしたものになることを願います。
日本からいらっしゃるツーリストの方、特に殿方もよーく気をつけてくださいますよう。ここでは「買春」が犯罪ですからね。
そういえば、かつてアメリカで有名なテレビ牧師が高級コールガールとホテルにいるのをフライデーされたスキャンダルがありました。その牧師さん、自分の番組で奥さんに涙で陳謝し、それを奥さんが涙で許す、という展開になり、オエッという猿芝居でした。
私は牧師だからといって高潔なフリをするわけではありませんが、この「買春」というのは「まったく」理解できないです。まあ、理解できなことはたくさんあるから、そう不思議なことでもないか。
アイスランドもしっかりしないといけませんね。ただ「寝床」として使われてなんて、ハジッ!!と思わんと。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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