愛猫・西子と飼い主・たっちーの日常

亡き西子とキジロウ、ひとりっ子を満喫していたわおんのもとに登場した白猫ちくわ、その飼い主・たっちーの日常…です。

黒丸と白丸1

2006年04月05日 | ネコの寓話
 大きな街の、小さな路地裏に2匹のネコが住んでいました。
 名前は、白丸と黒丸。
 黒丸は、体中つやつやした黒い毛に覆われていて、他の色の毛は1本も生えていません。だから名前は黒丸。
 白丸は、体中つやつやした白い毛に覆われていて、他の色の毛は1本も生えていません。だから名前は白丸。
 真っ黒な黒丸と、真っ白な白丸、2匹は色だけでなく性格も正反対です。
 白丸は、人間と関わることができません。
「人間なんて心を許したら、絶対にいつか裏切られるんだ」
 白丸は、そう考えていました。
 だから、人の気配がしただけで、大急ぎで逃げて行きます。
 たまに、親切な人がエサをあげようと近寄っても、白丸は全然信用しません。一目散に逃げていき、すぐに細いビルの谷間に入り込んで、だれもいなくなるまで出てきません。
 だから、白丸は滅多に人間が来ないビルの最上階の非常階段の踊り場で過ごしています。白丸のお気に入りの場所です。
 白丸は1日の多くの時間を、ここで地上の出来事を眺めながら、1匹でごろごろして過ごしています。
 黒丸は、どうでしょう? 
 黒丸は、人間に気になって気になって仕方がありません。
 だから、いつも人通りの多い路地の端で、通りがかる人の顔色を伺いながら、可愛らしい鳴き声を投げかけて愛想を振りまいています。人間が近付いてくれば、すぐに駆け寄って行きます。
 黒丸を暖かく迎える人は少なくありません。でも、同時に、黒丸に冷たく当たる人もいます。蹴飛ばされそうになったり、空き缶をぶつけられたり。冷たくされると、黒丸はとても傷つきます。
「何が悪かったのだろう?」
 その度に、黒丸は、真剣に考えます。そして、次からはうまくやろうと、一所懸命です。
 ビルの上から、そんな黒丸の様子を眺めていた白丸が囁きます。
「まったく、良くやるよ、黒丸は…」
 そう囁いている白丸を見上げて、今度は黒丸が呟きます。
「まったく、良くやるよ、白丸は…」
 しかし、2匹はそう言った後に「でも…」と続けて、「はぁ」と大きなため息をひとつ。
「黒丸みたいに、人間と関わるのは、どんな気持ちがするんだろう」
 白丸は、ぼんやり考えます。白丸は、だいぶ疲れているようです。
「白丸みたいに、人間のことを気にしないで過ごすのは、どんな気持ちがするんだろう」
 黒丸も、ぼんやり考えます。黒丸も、だいぶ疲れているようです。
(つづく)
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変えられないもの

2006年04月05日 | たっちーの部屋
世の中には、どうしても変えられないものが2つあります。
ひとつは過去、もうひとつは他人。
このふたつは、どんなにがんばっても、
どんなに怒っても、どんなに憤っても、
変えることはできません。
過去にこだわって生きること、
それは、今ではなく過去を生きること。
他人にこだわって生きること、
それは、他人の人生を生きること。
自分の今を生きていますか?
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