小さな町の大きなお寺の軒下に、きれいなトラ模様のテルいう名前のネコが住んでいました。
テルは、子ネコが大好きです。ネコじゃらしを採ってきたり、虫やネズミを捕まえてきたりして、いつももみくちゃにされ、きれいなトラ模様の体中が泥だらけになってもたくさんの子ネコたちの遊び相手になっています。テルは、子ネコの遊び相手になっているとき、とても幸せな気持ちになれるのでした。
子ネコたちも、みんなテルのことが大好き。毎朝、早くからテルのいるお寺の軒下に集まってきます。だれもいなくても、テルが一声「にゃおーん」と呼べば、どこからともなく、子ネコたちがテルの周りに集まってきます。他のネコが呼んだって、子ネコは集まりません。みんな、テルと一緒に遊びたくて仕方がないのです。
ある日、テルは、1丁目の空き地に子ネコと遊ぶためのネコじゃらしを取りに出かけました。
小さいの、大きいの、いろいろなネコじゃらしがたくさんあります。
テルが、迷っていると、奥の方に一際目立つネコじゃらしを見つけました。
そのネコじゃらしは、とても大きくてまるで宝石のように金色に光っています。
「すごい、こんなネコじゃらしは始めてだ!」
テルは、そのネコじゃらしを採って帰りました。
帰る途中で、黒ネコの黒丸に出会いました。テルは、黒丸に、金色のネコじゃらしをみせて自慢げ言いました。
「黒丸、どうだい。すごいネコじゃらしだろう」
黒丸は、テルのネコじゃらしをみて、びっくりして言いました。
「すごくきれいなネコじゃらしじゃないか!」
黒丸は、ネコじゃらしに触ろうとしました。しかし、テルはその手をスルリと躱して、ちょっと意地悪く言いました。
「ダメ、ダメ。見るだけだよ」
「ちぇっ、ケチだなあ。じゃあ、いいよ」
黒丸は、そう言うと怒って去って行きました。
しばらくすると、今度は、白ネコの白丸に出会いました。
テルは、白丸に金色のネコじゃらしを見せて自慢げに言いました。
「白丸、どうだい。すごいネコじゃらしだろう」
白丸もやっぱり、ネコじゃらしをみて、びっくりして言いました。
「すごくかっこいいネコじゃらしじゃないか!」
白丸は、そう言ってネコじゃらしの匂いを嗅ごうとして、顔を近付けました。しかし、テルはその鼻先をひょいと躱して、ちょっと意地悪く言いました。
「ダメ、ダメ。見るだけだよ」
「ちぇっ、ケチだなあ。じゃあ、いいよ」
白丸は、そう言うと怒って去って行きました。
(つづく)
テルは、子ネコが大好きです。ネコじゃらしを採ってきたり、虫やネズミを捕まえてきたりして、いつももみくちゃにされ、きれいなトラ模様の体中が泥だらけになってもたくさんの子ネコたちの遊び相手になっています。テルは、子ネコの遊び相手になっているとき、とても幸せな気持ちになれるのでした。
子ネコたちも、みんなテルのことが大好き。毎朝、早くからテルのいるお寺の軒下に集まってきます。だれもいなくても、テルが一声「にゃおーん」と呼べば、どこからともなく、子ネコたちがテルの周りに集まってきます。他のネコが呼んだって、子ネコは集まりません。みんな、テルと一緒に遊びたくて仕方がないのです。
ある日、テルは、1丁目の空き地に子ネコと遊ぶためのネコじゃらしを取りに出かけました。
小さいの、大きいの、いろいろなネコじゃらしがたくさんあります。
テルが、迷っていると、奥の方に一際目立つネコじゃらしを見つけました。
そのネコじゃらしは、とても大きくてまるで宝石のように金色に光っています。
「すごい、こんなネコじゃらしは始めてだ!」
テルは、そのネコじゃらしを採って帰りました。
帰る途中で、黒ネコの黒丸に出会いました。テルは、黒丸に、金色のネコじゃらしをみせて自慢げ言いました。
「黒丸、どうだい。すごいネコじゃらしだろう」
黒丸は、テルのネコじゃらしをみて、びっくりして言いました。
「すごくきれいなネコじゃらしじゃないか!」
黒丸は、ネコじゃらしに触ろうとしました。しかし、テルはその手をスルリと躱して、ちょっと意地悪く言いました。
「ダメ、ダメ。見るだけだよ」
「ちぇっ、ケチだなあ。じゃあ、いいよ」
黒丸は、そう言うと怒って去って行きました。
しばらくすると、今度は、白ネコの白丸に出会いました。
テルは、白丸に金色のネコじゃらしを見せて自慢げに言いました。
「白丸、どうだい。すごいネコじゃらしだろう」
白丸もやっぱり、ネコじゃらしをみて、びっくりして言いました。
「すごくかっこいいネコじゃらしじゃないか!」
白丸は、そう言ってネコじゃらしの匂いを嗅ごうとして、顔を近付けました。しかし、テルはその鼻先をひょいと躱して、ちょっと意地悪く言いました。
「ダメ、ダメ。見るだけだよ」
「ちぇっ、ケチだなあ。じゃあ、いいよ」
白丸は、そう言うと怒って去って行きました。
(つづく)