1月4日の大人教室4人でした。
下記は第4回のコラムです。
第4回 高校卒業と同時に奨励会初段
関東奨励会の新入会員では17歳の私が最年長で、あとの方は15歳以下でした。
20歳までに初段にならなければ奨励会を退会となるので、相当がんばらなければなりません。
それからの高校生活は授業が終われば真っ先に家に帰って将棋の研究、土日は将棋道場という生活に変わりました。
当時の将棋道場はたばこの煙がすごかったです。
学校では授業中も将棋のことを考えていることが増えて、成績は下降しました。
同期で高校1年の方では高校をやめた方もいました。
私はあと1年なのでやめる勇気はなく、なんとか卒業しました。
学業との両立が課題でしたが、その気持ちが強いうちはうまく将棋の勉強ができていました。
高校2年のとき担任だった先生は、将棋の世界を知っていて理解がありました。
学校の勉強より将棋をがんばりなさいと、励ましてもらえたのがありがたかったです。
その先生とは6年後、私が五段になってすぐのとき将棋まつりに来て久しぶりに会えました。
このとき先生との会話で、生徒の中では君が一番の出世頭だと喜んでいました。
奨励会5級から1級まで、9か月で上がることができました。
さかのぼってアマ1級から奨励会1級が2年ぐらいで、この時期は私にとって驚異的な昇級ペースでした。
アマ1級と奨励会1級はものすごく実力差が違います。
初段昇段の1局も1級に昇級してから比較的すぐにチャンスが来ました。
しかしこのときは同期の達正光さんに負けて昇級ならずでしたが、ちょうど高校卒業と同時に奨励会初段になることができました。
私は勝率がそれほど高くないですが連勝するタイプで、奨励会では効率よく勝ち星を上げました。
ただ急速に上がったので、本当の力が付いていなかった面はあとで感じました。
それはあとでも述べますが、将棋の組み立てがアマチュア的でした。
これで二十歳までに初段という年齢制限がクリアできました。
高校を卒業したことでこれから将棋の勉強のみしていればよいで、前途洋々の気持ちになれました。
ただし気持ちの油断もあり、ここからが大変でした。