四季おりおり

自然散策そして音楽のことなど・・・ 
2010年秋より里山・谷戸歩きで見た風景や蝶・花の紹介が増えてきました。

秋のアサギマダラ

2013-11-12 12:58:00 | 神谷町・東京
アサギマダラは、神奈川・東京付近では5月~6月に北上東進するのが見られ、10月頃に南下西進する個体を観察することができます。10月31日、八王子市の丘陵地までアサギマダラ観察に出かけました。


No1. アサギマダラ♀(10:40)

幸先良く、丘の上り口で1頭目に出会いました。夏に高原で見てきたものよりも少し傷んで、冷涼な山からの長旅の苦労が忍ばれます。思わずご苦労様と呼びかけたい気持ちになります。


No.2 アサギマダラ♂(12:03)

しばらく日向を歩き、今度は谷を折り返す感じで山の北斜面の日陰の山道を歩いていると、足元からアサギマダラが飛びたちました。そして緩やかに木々の間をぐるぐると飛び、10m位先の高木の枝先に休止。しばらくすると、別個体だと思いますが、1頭が舞い降りて、コウヤボウキに訪花しました。


No.3 アサギマダラ♀(12:08)

その直後、今度は♀が同じコウヤボウキに訪花し、いつものように恍惚とした感じで翅をだらりと下に下ろしていました。近くにはノコンギクが咲いていますが、そちらには見向きもしません。気温は17度。アサギマダラは、22~26度の環境を好むとされていますが、気温の低い日陰の花に舞い降りてくるとは思いもしませんでした。


No.4 アサギマダラ♀(12:30)

東屋が満席だったので、近くのベンチで谷の方を見下ろしながら弁当を広げていると、1頭が谷を少し下りた辺りでヒラヒラ舞っており、コウヤボウキに止まりました。ここも日陰です。ベンチ付近は気温18.5度。

その後、谷のもう少し下でNo.5を目撃。日向を歩いている時に、頭上を通過する個体などN0.6,7に遭遇。どちらも谷の下方へ降りて行き、南方への旅の途上というよりもこの地にとどまっているような印象を受けました。


キジョラン(13:19)

日陰にキジョランが群生していました。冬になると、幼虫による丸い穴の食痕が見られるかもしれません。


No.8 アサギマダラ♀(14:08)


No.9 アサギマダラ♀(14:07)

丘を下った地点で、2頭の♀がやはりコウヤボウキで吸蜜していました。一旦林の中に入り込んでも未練があるのか再びやってきます。気温17.7度。


コウヤボウキ

キク科コウヤボウキ属の落葉低木。10月頃、枝先に13個程の筒状花を付けます。フジバカマにどことなく似ている筒状花の集合した姿がアサギマダラに好まれるのでしょうか。

※フジバカマの花には毒性成分、ピロリジジンアルカロイド(PA)が含まれ、アサギマダラはこれを摂取してPA成分を体内に蓄積することで、鳥などの捕食を敬遠させることが知られています。コウヤボウキがアサギマダラに好まれるとはいえ、PA成分が含まれるという記述は見当たりませんでした。

喜界島の不思議を見ると、10月下旬から次々に本州・四国・九州でマーキングされたアサギマダラが奄美諸島の喜界島に到着しています。今朝の神奈川・東京地方は真冬の寒さになり、そろそろアサギマダラは見られなくなりそうです。

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