「シャネル社長が「豊洲移転」に異議唱える理由銀座の魅力は築地によって保たれている」(東洋経済ONLINE 2017年05月16日)──この記事を読んで、築地市場のもつ価値と日本の無秩序な開発がいかにまちづくりに逆行しているかを感じました。
シャネルの社長であるリシャール・コラス氏は「都内随所で再開発が行われ、昔から人々に親しまれてきた建物が壊され、そこに息づいていた人々の暮らしが消えていく」と警鐘を鳴らし、次のような指摘をしています。
築地市場を移転すれば、銀座だけでなく、東京、さらには日本のイメージを破壊しかねないと考えています。築地を移転するなんて、ノートルダム大聖堂をパリからリヨンに移すのと同じくらいバカげています。
築地には多くの日本的な価値があります。築地は日本という国を最高の形で、なおかつ「生」で見せることができる場所なのです。技術、品質へのこだわり、伝統、人々の絆、味覚、美学――そうしたものがあそこには詰まっているのです。
銀座のアイデンティティはまさしく築地のような場所と、シャネルのビルや、歌舞伎座のような場所との間にある「緊張関係」によって生まれているのです。築地のように、銀座を銀座たらしめている場所がなくなってしまったら、どうなってしまうでしょうか。
日本食が追加されたことも忘れてはいけません。築地を正当に導くことによって、東京に住む未来の世代の人たちや世界にとって、築地が最高のレガシーとなるときがくるでしょう。
この指摘一つひとつが、築地へのリスペクトを感じます。以前にも書きましたが(参考:「東京都の税金はなぜゼネコンや大企業優先に使われてしまうんですか」)、築地市場の周辺は超高層ビルが林立するエリアで、「最後の未開拓の地」として多くのデベロッパーが狙っている土地でした。築地市場の移転が、こうした開発最優先の中で位置付けられて来たことを見逃してはなりません。
映画「築地ワンダーランド」を観たときにも感じましたが、築地市場の機能美を継承していくことは私たちの世代の責任だと思います。
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