1日、第15回まちだ男女平等フェスティバルに行ってきました。
町田市は2001年2月1日「男女平等参画都市宣言」をおこなっています。
その内容は次の通りです。
わたしたちは、男女が平等で、一人ひとりの人権を尊重し合い、個性と能力を十分に発揮し、自立して生きる社会をめざします。
21世紀を迎え、町田市は、職場・学校・地域・家庭をはじめ、社会のあらゆる領域で、男女の真の平等と真の参画を推進するためここに、「男女平等参画都市」を宣言します。
■「大人たちに知ってほしい~女子高生の裏社会~」──仁藤夢乃さん
どうしても話しを聞きたかったのが仁藤夢乃さん(女子高校生サポートセンターColabo代表理事)の「大人たちに知ってほしい~女子高生の裏社会~」。
仁藤さんが書かれた本『難民高校生──絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル』(英治出版)『女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち』(光文社)をはじめ、各新聞記事などについては読ませていただきましたが、直接お話を聞くのは初めてでした。
私が感じたこと、大切だと思ったことについて、いくつか書いていきたいと思います。
(1)いびつなまま付き合う、困ったときに思い出してもらう
「こうあるべき」「こういうもんだ」ではなく、はじめは「いびつなまま」付き合うことの大切さについて、ご自身の体験から語られていたことはとても印象的でした。この「いびつなまま」という表現は、「不完全さ」を認めていくことなのだと思います。仁藤さんが「とにかく自信がない、自分をあきらめている子が少なくない」と言われていましたが、そこも含めて出発なのだと思います。
本の中でも「大人たちは、既存の枠や価値観にあてはめず、どうか一人ひとりに向かってほしい。一般論ではなく、あなただから、目の前のその子だからかけられる言葉をかけてほしい」(『女子高生の裏社会』244㌻)と綴られています。
「支援者より伴走者に」「困ったときに思い出してもらう存在」という話しは、官民問わずの支援する上では本当にキーワードだと思います。
『女子高生の裏社会』のなかでも「私には、何ができるわけでもない。私は神様ではないから、救えない」(243㌻)とかかれています。
常にいっしょにいることができるわけではなく、何か与えてあげられるのでもなく、いっしょに考え、紆余曲折がありながらもともに歩を進めていくことがここに込められた思いだと感じます。高垣忠一郎先生の『揺れつ戻りつ思春期の峠』(新日本出版社)で、深く解明されていますが、「揺れる」ことが当たり前なのです。
(2)子どもにとって大人は環境問題
仁藤さんが、「女子高生の裏社会」を切り口に、JKリフレ、JKお散歩…などの話しをしていくと、必ず「それはしょうがない。需要と供給があるから成り立っている。男はそういうもの」と言い訳する人がいると言います。
ここには二重、三重に間違いがあります。
一つは、「需要と供給」と言いますが、これはあくまでも大人と大人の需要と供給です。「少女を買いたい」という大人と、「少女をという商品を売って儲けたい」という大人の間の需要と供給です。少女たちは、儲けをあげるための商品として、それに利用されているのです。その証拠に「女子高生」というだけで価値があるとバイヤーが言っているのです。何も知らされずに、「お散歩」「リフレ」などの言葉に軽い気持ちでこの世界に入ってくる少女たちを、マニュアルに基づいて商品にして売り出しているのです。
もう一つは、男性の性欲に対する認識です。本能だから仕方がないという主張は、まったく認識違いです。人間には本能とともに理性があります。この理性をしっかりと働かせることができるのが人間です。詳しくは、村瀬幸浩先生や“人間と性”教育研究協議会などの研究を参照していただければと思います。
「性」の問題が社会的にタブー視される風潮により、不確かな情報をたくさん浴びている状態があることも事実です。その意味でも、男子に対する性教育についてはもっと丁寧にやられるべきだと思います。
どういう大人に出会うのかは、子どもにとっては環境問題だと言う仁藤さんの話しは、本当にその通りだと思います。
(3)「おじさん補導条例」ができたらいい
ここでいう「おじさん」というのは、「少女を買いたい」という意図を持って声をかける男性のことをさします。
この間、JKリフレやJKお散歩などの規制が強化されました。場合によっては、補導される少女たちもいます。
しかし、「おじさん」たちは野に放たれたままです。仁藤さんは、「ぐ犯少年」があるのに、なぜ?という疑問を投げかけています。たとえば「裏オプあるの? どこまでやれる?」と声をかけただけで、完全にアウトだというのが仁藤さんのお話です。「おじさん」たちは、補導もされません。少女たちは補導されれば親に通報されることが多いわけです。仁藤さんが提唱する「おじさん補導条例」は、声をかけた「おじさん」も補導の対象とし、発覚した場合は家族に通報することなどをおこなうべきだというものです。
わかりやすい提案だと思います。これは、視点の当てかただと思うのです。少女たちを救うためには、少女たちを買おうとする人たちから取り締まることが必要だという提案です。もちろん、少女たちの身の守り方についても、それが育つような環境が重要だと思います。
以上、私の雑多な感想のようなことを書いてきました。仁藤さんの活動、問題意識について、詳しくは、『難民高校生──絶望社会を生き抜く「私たち」のリアル』(英治出版)『女子高生の裏社会 「関係性の貧困」に生きる少女たち』(光文社)などを参照していただければと思いますが、私たちが「現実」を知らないままに生きているということを自覚する必要があると思います。
最後に、仁藤さんの次の2つの言葉を紹介したいと思います。
少女たちに必要なのは、特別な支援ではなく、「困ったときに相談できる、信頼できる大人との関係性」である。少女たちは「縁」を、「出会い」を求めている。彼女たち一人ひとりの背景を知り、それぞれが自立して生きて行くための伴奏を、大人がしなければならない。(『女子高生の裏社会』242㌻)
私は、少女たちと住む世界が違うと感じる人にこそ、彼女たちに関わってほしいと思っている。大人が「世界が違う」と感じる以上に、少女たちはそう思っている。そう思って、諦めている。世界が違う住人のような大人たちが、自分たちの可能性を信じ、ともに歩んでくれたら、どれだけ視野や未来が広がるだろうか。(『女子高生の裏社会』244㌻)
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