宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

「カサンドラの小宇宙」

2007年09月14日 | Weblog
(画像はクリックされましたら拡大します。)

某書からです。
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ローマ時代の終わりの頃にカサンドラという強い魔力を
持った魔女がいました。
カサンドラは白い魔女でしたので、人々の間では人気が
ありました。

でもキリスト教徒達は彼女を黒い魔女として牢に入れて
しまいました。
その頃はまだ魔女を火あぶりにしろ何ていう怖い法律は
ありませんでしたから、彼女は牢に入れられるだけで済みました。

でもその牢はとても居心地悪く出来ていて、床は地下水がたまって
いるのです。
ですから牢に入れられたカサンドラは、くずれかけた壁の
レンガを五つ六つ積み上げて、その上にじっとしていなければ
なりませんでした。
これは忍耐力のいるつらい苦行でした。
それでもカサンドラはじっとそれに耐えていたのです。

そのうちに彼女の魔力は小さな空間に押し込められた事に
よってよけいに強くなり、ついにある雷の激しく鳴る夜に
厚い牢屋の壁を破り、自由な世界に脱出してしまいました。
カサンドラは深い山中に潜んでしまったので、それきり姿を
現しませんでしたが、魔女達はカサンドラの苦行を思い、
また忍耐力と力の増大のために『カサンドラの小宇宙』という
小さな空間を自分達で作りました。

作り方は簡単です。
縦40センチ、幅15センチ、厚さ3センチの寸法の板を作り、
その上に乗ってどのくらい長くいられるか試してみるのです。
はじめのうちは5分間も乗っていると、もう降りたくて仕方が
なくなってしまいます。
でも練習すると、15分くらいは乗っていられるようになります。
それ以上はプロフェッショナルになるのでなければ、却って
逆効果です。

このカサンドラの小宇宙は、忍耐力、平衡感覚、集中力などを
養うにはとても効果があります。
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これは80年代に出版された児童書からですが、現在は20年前よりも
更に、こうした忍耐力を養おうとする試みや、即効性のないやり方は
敬遠されがちではないかと感じます。

しかし、同書にはまたこのように書かれています。
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『私はすぐに白魔女になりたいのでカタログを送って下さい。
いくらかかるのかも教えて下さい。』
というお手紙が届く事があります。
思わずふきだしてしまいました。

まさに現代っ子ですね。
でも本当の白い魔法使いになるには、カタログ販売のプログラムを
組み立てるようにインスタントにはいかないのです。
どんなスポーツや芸術でも実力を発揮するにはそれなりの
努力と訓練がいるのは当然の事です。
まして人々に幸福をもたらす魔法使いや、人々の未来を
見つめる占術家は、自分だけの事ではなく、他の人の運命と
関わるだけに、よほど自分自身を厳しく鍛える覚悟と根性が
必要です。

「結果」ばかりでなく、その「結果」に至る努力を大切に
したいものです。
(後略)
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