宮地神仙道

「邪しき道に惑うなく わが墾道を直登双手
または 水位先生の御膝にかけて祈り奉れ。つとめよや。」(清水宗徳)

「帰ってきたパメラ」

2007年09月26日 | Weblog
(画像はクリックされましたら拡大します。)

アメリカで仏教に関心を持つ人が少しずつ増えていると
いっても、わたくしが見ている中ではキリスト教文化の中で
育った西洋人にはまず「輪廻転生」という概念が受け入れ
られない人がやはり多いようです。
もしこの概念を受け入れる西洋人が一定の数にまで
達したら、西洋文化もまた異なる質を帯びるのでは
ないかと思います。

西洋人において、「輪廻転生」を説明する場合は、実際に
あった転生の確認の実例や例証を挙げて説明するという
事が多いようです。

これはわたくしが小学生時代に読んだ、60年代に胸に奇妙な
傷跡を持って生まれた英国の女児の話です。
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1961年イギリスのスコットランド地方にある小さな町、
バラターでの事です。
生まれたばかりの女の子の赤ちゃんを見て、父親は思わず
驚きの声をあげました。
赤ちゃんの左胸の心臓の辺りが、刃物で刺された傷のように
赤黒く盛り上がっていたのです。

赤ちゃんはサリーと名付けられ、病気もせずにスクスクと育ち
ました。

サリーが3歳になった頃、キッチンのテーブルでお絵かきをして
いました。
お母さんが絵をのぞいてみると、それは一本の木とその下に
ねている人のようでした。

『サリー、何を描いているの?』
『あたし、ここにいるの。森の中よ。
木の根元の深い所……』

それ以来、彼女に絵を描かせると、決まって同じ絵を描くのです。

しかし成長するに従って、そうした絵も描かなくなりました。
また左胸の傷跡のようなものは何度か病院で治療を受けても
消えませんでした。

サリーは12歳になりました。
ある日一人で町を歩いていると、30歳ぐらいの背の高い男と
すれ違いました。
サリーは全身に電流が走るようなショックを感じ、『デビット!』
と叫びました。

男は驚いて立ち止まり、サリーをふりかえってじっと見つめて、
『俺を呼んだ?君は誰?どこかで会ったような気がするけど…』
そう言いながらサリーに近づいて来ました。

サリーは『人違いでした、ごめんなさい!』と言ってその場を
逃げ出しましたが、突然左胸のアザが痛み出し、またなぜ
初めて会った人の名前がわかったのか、またとても恐ろしく
感じたのかはわかりませんでした。

その晩サリーはその男に左胸を刺される夢を見ました。
目が覚めると、自分がいつか彼に殺されるように感じて不安に
なりました。

次の日曜日、サリーは両親と一緒に教会に行きました。
礼拝を終えて外に出ると、あのデビットが道を歩いていました。
サリーはまた身体にショックを感じ、無意識に『デビット!』と
叫んでいました。

デビットが立ち止まり、二人の視線が合った時、また左胸が
痛み出しました。
またこれから先の事はサリーは全く憶えていません。

両親はびっくりしてサリーの様子を見ていました。
サリーはデビットを睨み付けています。
デビットか驚いたものの、無視して行こうとすると、サリーは
また『デビット!』と叫びました。

デビットは彼女に歩み寄り、『一体俺に何の用だ?』と言って、
肩をつかみました。
するとサリーは、
『私はパメラ、パメラ・オースチン…!』

デビットはそれを聞くと、ハッと手を離し、サリーを見つめました。
彼の顔はみるみるうちに青ざめていきました。

サリーは彼の鼻先に指を突きつけて、大声で叫びました。
『私はこの男に殺された!
12年前、ナイフで刺し殺された!私の死体は森の中に
埋められている!』

デビットの顔に脂汗が浮き出てきました。
かれはその場を逃げ出そうとした所、サリーがいきなり
教会の戸口に立てかけてあった草刈用の鎌を取り、
デビットに振り下ろしました。
鎌はデビットの肩に深々と刺さり、彼は悲鳴を上げて
その場に倒れました。
サリーは再び鎌を振り上げましたが、周囲の人間が必死に
なって取り押さえました。
サリーはしばらく魂が抜けたようなうつろな目をしていましたが、
しばらくして我に返りました。

デビットの傷は深かったのですが、幸い命に別状はありません
でした。
そこで彼は警察に呼ばれ、全てを自白しました。

デビットは12年前、別れ話のもつれから、恋人だったパメラ・
オースチンをナイフで刺殺し、森の中に埋めたのです。
彼の自白通り、パメラの死体は森にある大きな樫の木の
根元から発見されました。

デビットは警察にこう言ったそうです。
『パメラの胸にナイフを突き刺した時、彼女が"生まれ変わって
復讐してやる!"と叫んだ顔は今でも忘れられません。
あの女の子が鎌を振り上げ、襲ってきた時の顔は、まさに
パメラのあの顔でした。』

サリーは現在二児の母として、幸せに暮らしています。
左胸のアザは今でもうっすらと残っていますが、彼女はこう
語っています。

『小さい頃はこのアザが嫌でたまりませんでした。
でもあの事件があってから、人間の生まれ変わりの証拠として、
とても大切なものと思っています。
不思議な事に、パメラのお墓に行くと、今でも少し左胸が
痛みます…。』
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