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ローマ・カトリック教の暦の中で、聖人や殉教者を特に
記念するため、その聖人が亡くなった日などがその記念日に
当てられたりしています。
また、カトリック信者になろうとする場合、聖人の名前を
一つ自分に頂く事になりますが、自分の誕生日が丁度その
記念日に当たる聖人より頂くというような決め方もあります。
11月25日は聖キャサリン(カタリナ)の日ですが、聖キャサリン
という聖人は他にもおり、この日はカトリック教の中では特に、
「アレクサンドリアの聖カタリナ」と呼ばれている聖人の日と
区別されています。
この「アレクサンドリアの聖カタリナ」というのは、丁度キリスト教が
弾圧され、キリスト教徒が迫害されていた時代の人で、305年に
殉教したと伝えられていますが、それよりずっと後の時代に
なってからは、この日が他のおまじないと関連づけられるように
なりました。
以下その紹介です。
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カトリックの聖人で、美貌と博識の持ち主だったと伝えられる、
聖キャサリンを記念する日。
たぐい稀な美しさのためにローマ皇帝に言い寄られますが、
ソデにしてしまったので牢に閉じ込められ、鳩の運んでくる
食べ物で命をつなぎ、処女のまま殉死したという伝説の
聖女なのです。
そのため、未婚の少女達の守護神と云われます。
いわゆる、当時のカトリックの理想とするアニマ(心の中の
女性のイメージ)の一つの形と言えるでしょうね。
そして当然、中世の未婚の女性達の理想像として崇められる
事になったわけです。
この日未婚の女性達は、ケーキやビスケットを焼き、みんなで
聖キャサリンを讃える行事を行って過ごします。
その一つが、「キャサリン・キャンドルジャンプ」と呼ばれるもの。
火を灯したロウソクを飛び越えるのですが、これは一種の
火渡りのようなもので、穢れを焼き払い、生命力に恵まれる
おまじないのようなもの。
これは聖キャサリンの行事とは関係なく、古代ゲルマン・
ケルトの行事の名残とも考えられます。
けれども、古代インド叙事詩のラーマヤナのヒロイン、シータが
身の潔白を証明するために火の神アグニの聖なる火の中を
くぐる場面を、何となく思い起こさせはしないでしょうか。
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ヨーロッパのカトリック教国でさえも現在は無宗教化が進んで
いるので、こうした行事が行われる事も少なくなっているのでは
と思いますが、「キャンドルジャンプ」とは別に、「この日にジグザグに
歩くと、恋愛に関するラッキーが起こる」とも伝えられていたそうです。