上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

中学校歴史教科書・・・「つくる会」系教科書は採択されず

2011-09-09 12:12:43 | 熊本市政
 9月1日に、次年度(2012年度)から使用される中学校教科書の採択結果が公表されました。
 熊本市では、歴史分野に「東京書籍」、公民分野に「教育出版」が使用されます。今年度の採択では、全国的にも「つくる会」系のうごきが活発に行われ、東京都立初め、都道府県立学校や、市段階では最大の政令市・横浜市で採択され、育鵬社の教科書はかなりシェアを広げました。
 熊本市は、これまで教科書選定委員会での審議をかなり行い、その結果をもとに教育委員会での論議によって決定していましたが、今回は、教科書選定委員会の論議をもとに、教育委員会という公の論議の場で何回も審議され、決定しました。慎重な対応が必要と、教育委員会の審議は「非公開」で行われましたが、後日会議録や資料等、審議の内容は公開されるとのことです。
 市議会では、6月議会一般質問で、私が歴史をゆがめる「つくる会」系の教科書は採択すべきでないという内容で質問しました。教育委員長は、「公正な採択を行う」旨の答弁をしました。一方、採択結果公表後の9月議会では、自民党市議団の満永寿博議員と未来の田尻善裕議員から、「なぜ、つくる会系の教科書が採択されなかったのか。愛国心を子どもにどう教えていくのか」という内容で、「つくる会教科書」が採択されなかったことへの不満を露わにした質問が行われました。熊本県では県立中学校で「つくる会」系の教科書が採択されなかったことから、異例の副教材に育鵬社の教科書を使用するという措置が取られることが発表されました。この動きを受け、田尻善裕議員(未来)は、熊本市でも、育鵬社や自由社の許可書を副教材にできないのかという質問もされましたが、教育長は、「不採択となった教科書を副教材に利用することは、現場に混乱を招く」と、使用しない旨の答弁をしました。
 いずれにしても、子どもたちに歴史の真実をどのように教えていくのか、大事な教科書問題は、今後も引き続き、教育分野の重要な問題として、取り組んでいかなければなりません。熊本市では、採択にあたって、教科書ネットやいのちネット・新日本婦人の会などから「つくる会教科書は採択しないで」の陳情が市教育委員会に出されていましたが、一方自民党系のグループも「つくる会系教科書を採択せよ」という要望を出していました。 「つくる会」系の教科書では、安全神話が完全に破たんした「原発」について、未だに「安全神話」の立場に立った原発問題の記載をしていました。科学的にも間違った事柄を子どもたちに教えるような教科書はとても教育現場に持ち込むことは許されません。私たちは、事実をゆがめる歴史・公民教科書は、絶対に採択させない、この運動を粘り強く続けていかなければならなと思いました。
 
 *また、今回の教科書採択にあたって、結果だけは公表されていますが、採択の過程の会議録・資料がまだ公開されていません。公開されたら、詳しい見解をこの場でもお知らせいたします。(9月末、あるいは10月はじめのなる模様です)
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