上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

市営住宅の指定管理者制度の問題点を指摘・・・・予算決算委員会締めくくり質疑

2019-07-01 21:43:07 | 熊本市議会
6月28日、市議会の予算決算委員会しめくくり質疑で、熊本市の市営住宅の指定管理の問題点を指摘しました。

年間約7億円、5年間で35億円の指定管理料で約13000戸を管理する市営住宅の指定管理には様々な問題が・・・
年間約7億円、5年間で35億円の管理料、約13000戸を管理する事業を2分割しての指定管理は、事業規模が大きく中小の不動産の参入は難しく、公募と言いながら、特定の民間企業が長期間、独占的に管理するという状況が続くことが予想されます。総務省通知でも「指定管理者の指定にあたっては、サービス提供者を民間事業者から幅広く求めることに意義がある」と述べられているように、行政と企業の癒着や民間事業者間の不公平が生じるような独占的な指定管理は好ましいとは言えません。特定の営利企業に自治体の財政を注ぎ込むようなものです。
一方で、競争によって指定管理者がたびたび入れ替われば、サービス水準の低下や、指定管理となった民間事業者に新たな雇用問題が生じるなど、別の問題も発生します。
指定管理者制度では、ノウハウが積み重ならないばかりか、民間企業は利益を生まなければならないので、経費が削られ、人件費が犠牲になります。また、指定管理料に積算された人件費が適正に執行されているかの検証も行われません。
熊本市の指定管理者制度の指針では「導入可能な全ての公の施設には制度導入を図る」という方針になっており、すべて導入可能なすべての施設に指定管理者制度導入を行っている点にも問題があります。導入するか、しないか、その検討も必要です。

内容は、以下の通りです。

【質問内容】
補正予算に提案された市営住宅の債務負担行為についてお尋ねします。
 まず、指定管理者制度導入の目的でもある「住民サービスの向上」について伺います。
総務省通知では「民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図る」とされています。住宅協会への管理委託から指定管理者制度へ移行して、入居者への住民サービスがどのように向上してきたのか具体的にご説明ください。今後の対応の充実についてもご説明ください。
 都市建設局長にお尋ねいたします。
(答弁)
 言うまでもなく、「公の施設」とは 住民の福祉を増進する目的をもって地方公共団体が設置する施設です。高齢化の進む市営住宅の福祉的視点での見守り、若い世代の入居については、全国に先進的な事例もありますので、それらを参考にしながら、積極的に取り組んでいただきたいと思います。

続いて、収納業務等について伺います。
家賃にかかる減免の申請状況と対応状況を、年次別に、また指定管理者別にご説明ください。
また、収納業務や減免申請対応などから見えてくる、福祉的対応を必要とする入居者への支援はどのように行われているのでしょうか。
 都市建設局長に伺います。
(答弁)
 家賃の減免は、年間平均で約3200件の申請に対応しているとの答弁でしたが、実際、2つの指定管理者の申請件数を合計すると、2015年度には3362件であったものが、この間年々減り、4年間で333件も減少しています。景気・経済が後退、悪化の局面を示すような昨今の状況の中で、市民のくらしも大変だと思います。むしろ減免申請は増えてしかるべき状況と言えます。今一度、速やかな減免申請、受付の促進等、入居者の実態に即した対応をご検討いただくよう、お願いしておきます。

次に、指定管理者が行う修繕に関してお尋ねします。
入居者からの修繕の依頼状況(件数)と、それへの対応を指定管理者別にご説明ください。また、今後も入居者の依頼に十分応えていくための取り組みについてお聞かせください。
合わせて、修繕の小規模修繕契約希望者登録事業者への発注状況を指定管理者別に説明ください。
公的な契約業務となりますので、限られた事業者への発注でなく、参加可能な事業者へ広く発注していくべきと考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
 都市建設局長にお尋ねいたします。
(答弁)
 答弁にありましたように、指定管理者が行う修繕は、2つの指定管理者合わせて、年間4000から6000件の修繕、事業費にして約1億5000万円分です。本市の工事分野での登録業者数は約1000社あります。修繕の発注先をもっと広げていただくよう要望します。また、指定管理者の修繕は、1件当たり平均3万円程度です。小規模修繕契約希望者登録事業者でもできる仕事なので、その登録業者への発注も今後検討していただくよう要望しておきます。

続いて、指定管理の下で働く職員の状況について伺います。
指定管理料の積算上の職員配置について、本市が定めている指定管理者制度のランク別人件費単価表に沿って、内容を説明してください。また、積算に沿った形で実際の人件費が支払われているか、その検証はどのように行われているのか、ご説明ください。
正規職員・非正規職員の配置割合と、過去の管理運営委託の時と比較して、どのような状況なのかも説明をお願いします。
 都市建設局長に伺います。
(答弁)
 指定管理者制度、特に民間事業者が指定管理者となった場合は、どうしても利益を上げるということになるので、費用の節減、特に人件費が削減され、ワーキングプア状態が生れます。これが指定管理者制度の大きな問題点です。過去には、総務大臣が記者会見で「官製ワーキングプアを大量につくってしまった」と、指定管理者制度について問題点を指摘されたことがありました。それを踏まえ、2010年12月に「指定管理者制度の運用について」という総務省通知が出されました。そこでは、自治体に対し、指定管理者の選定にあたっては雇用・労働条件のへの適切な配慮がなされるよう、留意することを求めています。何らかの形で、積算された人件費単価が適切に執行されているか確認することの必要性を感じます。

事業者の選定についてお尋ねします。
前回の事業者選定における、それぞれの応募状況をご説明ください。
また、市内を2つの地区に分けて指定管理するように変更した理由と、その効果についてもご説明願います。
都市建設局長に伺います。
(答弁)
 前回の事業者選定では、「中央区・北区・西区」の指定管理者に1社、「東区・南区」に1社が応募したとのことです。いずれもJVではありますが、代表企業は大手の不動産です。年間約7億円、5年間で35億円の管理料、約13000戸を管理する大事業を2分割しての指定管理は、事業規模が大きいだけに中小の不動産の参入は難しいのではないでしょうか。次の業者選定でも、それぞれ1事業者の応募になるのではと思いますが、それでは公募による指定管理の意味がなくなります。また、特定の民間企業が長期間にわたり、独占的に管理を行えば、1営利企業のために地方自治体の財政を注ぎ込むような結果となります。行政と企業の癒着や民間事業者間の不公平が生じるような指定管理の状況、営利企業による長期の独占的な指定管理は好ましいとは言えません。総務省の通知でも、「指定管理者の指定の申請にあたっては、サービス提供者を民間事業者から幅広く求めることに意義がある」と述べられています。
 一方で、競争によって、指定管理者がたびたび入れ替わることも、サービス水準の低下や、指定管理に参入してきた民間事業者の雇用問題など、別の矛盾となるなど、指定管理者制度というのは、矛盾が矛盾を呼ぶ制度と言わなければなりません。
 2分割とはいえ、大手不動産が約13000戸の住宅管理を独占する状況が続くことは避けるべきではないでしょうか。指定管理者の指定申請にあたっては、複数の事業者の応募が可能となる条件づくりが求められます。2分割を区ごとの指定管理にさらに分けるなど、他の事業者が応募できるような管理形態の検討など、必要ではないかと思います。
 以上を踏まえ、市長に1点伺います。今回縷々お尋ねしましたが、指定管理による住宅管理には改善すべき点がいろいろあると思います。改めて、2010年の総務省通知を踏まえた指定管理者制度の運用が必要ではないでしょうか。
(答弁)
総務省通知には、「個々の施設に対し、指定管理者制度を導入するかしないかを含め、幅広く地方自治体の自主性に委ねられる」と述べてあります。熊本市の指針では、「導入効果が期待でき導入可能な全ての公の施設について、制度導入を図るものとする」なっていますが、導入するか・しないか、個々の施設について十分な検討を行っていくことを要望して、質疑を終わります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新日本婦人の会「PeaceFestaくまもと」

2019-07-01 11:10:53 | 住民とともに
6月30日、熊本市中央区の県教育会館で、新日本婦人の会主催の「PeaceFestaくまもと」が行われました。
強い雨で、大雨洪水警報が出る中、会場いっぱいの参加者でした。
平和の歌、映画「ザ・思いやりパート2」上映、平和の絵本「ごめんねメリー」の朗読。
平和について考えるさまざまなプログラムが用意されていました。
新婦人の会員でもある阿部ひろみさんも参加され、あいさつをされました。
安倍首相が、憲法9条を変えていこうと、強行にすすめている中、平和について「今」考えることの大切さを強く感じます。
とても良い企画に感動。
かけがえのない平和を子どもや孫たちに手渡していくために、頑張っていきたいと思います。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする