上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

6月熊本市議会最終日、補正予算の問題点を指摘して討論

2019-07-03 00:07:44 | 熊本市議会
7月2日、6月熊本市議会も最終日を迎えました。
私・上野みえこが一般会計補正予算に賛成できない理由を述べて、討論を行いました。
なすまどか議員は、「年金制度の拡充を求める意見書」(案)への賛成討論を行いました。

討論は以下の通りです。

民間企業参入の指定管理者制度は問題だらけ、熊本地震への復旧支援が不十分な補正予算ではいけません

議第4号2019年度熊本市一般会計補正予算について、賛成できない理由を述べ、反対討論を行います。
  第1に、今回の補正予算には、指定管理者が更新となる8つの施設の指定管理料にかかわる債務負担行為があります。一番金額が大きい市営住宅の指定管理については、予算決算委員会のしめくくり質疑で問題点を指摘しましたが、年間約7億円、5年間で35億円の管理料、約13000戸を管理する事業を2分割しての指定管理は、事業規模が大きく中小の不動産の参入は難しいために、公募と言いながら、特定の民間企業が長期間、独占的に管理するという状況が続くことが予想されます。総務省通知でも「指定管理者の指定にあたっては、サービス提供者を民間事業者から幅広く求めることに意義がある」と述べられているように、行政と企業の癒着や民間事業者間の不公平が生じるような独占的な指定管理は好ましいとは言えません。特定の営利企業に自治体の財政を注ぎ込むようなものです。一方で、競争によって指定管理者がたびたび入れ替われば、サービス水準の低下や、指定管理となった民間事業者に新たな雇用問題が生じるなど、別の問題も発生します。
 今回の補正予算にある8施設のうち、6施設が公募により指定管理者が選定されていますが、公募施設の多くに民間企業が参入しています。どんなに、民間のノウハウを活用して、住民へのサービスを向上させると言っても、3年または5年で指定管理者が入れ替わるような、指定管理者制度の下にあっては、ノウハウが積み重ならないばかりか、民間企業は、利益を生まなければならないので、経費が削られ、人件費が犠牲になっていきます。また、指定管理料に積算された人件費が適正に執行されているかの検証も行われないために、大量のワーキングプアを生み出し、放置した状態となります。そもそも、個々の施設に指定管理者制度を導入するか・しないか、十分な検討も行わず、「導入可能な全ての公の施設には制度導入を図る」という方針のもとに、指定管理者制度導入を行っている点にも問題があります。
 地域密着型あるいは小規模型で公募となっていない地域コミュニセンターやリデルライト記念館は別としても、他の施設の指定管理には問題点が多々あり、その指定管理に係る債務負担行為の補正予算には、賛同できません。
 第2に、熊本地震の発生から4月で、丸3年を迎えました。災害公営住宅の建設も進み、議案に、民間で整備した災害公営住宅の取得議案が提案されている一方で、未だ市内には、5月末時点で2650世帯がプレハブやみなし仮設等に入居しています。私どもは、6月議会に先立ち、6月12日に日本共産党市議団・党地区委員会で、熊本地震発災3年目にあたって、被災された方々が、1日も早く、最後の一人まで元の生活に持っていかれるような支援の継続と支援策の拡充を、被災者の立場に立って取り組んでいただくことを求め、市長に10項目の要望を提出しました。家は解体したものの、さまざまな事情から自宅の再建にめどが立たない方、費用の面で苦労されている方、一方で、再建は足踏みなのに、みなし仮設等の延長が認められずに、ますます切羽詰まった状況に陥っている方々、肉体的にも精神的にもストレスの多い生活の中で、体調を壊していらっしゃる方々など、私どもの調査の中で分かっただけでも、さまざまな困難がありました。現在、見直しが行われている第7次総合計画の中間見直しにおいても、熊本地震により市民生活に甚大な影響を受けたことから、震災復興は本市の最重要課題であるとし、震災復興の考え方や計画における位置づけ等を明記することとされています。しかし、現実的には、震災への支援は段々と終息へと向かい、仮設住宅の期限延長にあたっても他にないような厳しい条件が付けられ、否応なくみなし仮設から追い出されていくような実態があったり、プレハブ仮設でも退去を迫られるような状況があることを伺いました。長期の避難生活を送られていた方々が、次第に恒久的な住いを再建していかれる中で、未だ仮設にいらっしゃる方は、解決困難な課題を種々抱えておられます。それだけに、丁寧な支援が必要です。私どもが要望した、必要な方への仮設住宅の継続的な提供、復旧をスムーズにすすめられるに足る支援制度の充実、早々に打ち切られた医療費減免の復活や、新たな点としては災害公営住宅への家賃補助の検討等も必要な課題です。しかし、このように被災者が切実に求めている支援が、予算化されていないというのは残念でもあり、非常に問題です。この点が賛同できない2つ目の理由です。
 また、市営住宅の外壁、公共建築物の内外壁、学校施設外壁、それぞれの緊急点検経費が、必要な施設すべてにおいて予算化された点は評価しますが、点検が終了したのちのすみやかな改修、そのための予算措置をきっちりとやっていただくことを要望しておきます。
 委員会でも指摘しました「英語指導力向上事業」は、そのものを否定するものではありませんが、これだけでは現場教員の英語力と英語指導力を抜本的に高められるものではなく、現場の実態に即した、教員の研修体制を整えていくこと、それができる条件づくりを行っていくことなど、さまざまな取り組みが必要であろうかと思われますので、よろしくお願いいたします。
 先日は、庁舎整備に関する特別委員会の第1回目が開催され、建て替えとなれば、事業費400億円とも説明されている市役所本庁舎の耐震不足への対応についての検討も始まりました。限られた財源の中で、安全安心は担保しつつも、何を優先すべきか、市民の願いに沿った事業・サービスを提供していくためには、市民の声にしっかりと耳を傾け、市民のくらしの実態に目を向けた市政の運営こそが必要です。市長におかれましては、そういう立場で、市政に望んでいただくことを要望いたしまして、討論といたします。
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