上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

市長等の特別職の期末手当引上げは中止して 一般職と非正規職員の給与は、物価高騰に見合う引上げを!・・・議会初日の質疑

2023-12-04 20:51:44 | 熊本市議会
2023年第4回定例会の初日、職員給与改訂に係る条例案・7件が先議案件として審議されました。
一般職と非正規雇用である会計年度任用職員の給与等引上げには賛成、市長等の特別職の期末手当(ボーナス)引上げには反対の立場で質疑を行いました。

市長等の特別職の期末手当引上げは中止して 一般職と非正規職員の給与は、物価高騰に見合う引上げを!
【一般職・会計年度任用職員の給与改定】
市長「国へ今年度2度要望した。今後も処遇改善に努める」

市役所の一般職のうち約4割が会計年度任用職員、非正規であり、その給料は正職員の4割です。今回の給与等改定のもとになった人事委員会勧告は、物価や生計費を勘案しているとの答弁もありました。しかし、この間、1年8カ月も続いてきた急激な物価高騰の状況を見れば、到底物価高を反映した給与の改定にはなっていません。そもそも熊本の賃金は全国的に見ても低水準、政令市最低クラスです。そこに、大幅な物価高騰が押し寄せて、暮らしは本当にひっ迫しています。
そこで、
①今回の給料や期末勤勉手当の引上げは、物価高騰の実態に見合ったものとし、全国の政令市でも最低クラスの賃金を引き上げていくためにも、官民格差の解消にとどまらない、一般職職員の給与等引上げをすべき
②非正規である会計年度任用職員が市職員の約3割を占めていることが、本市職員の給与が低い大きな要因となっています。正職員に比べ圧倒的に低い会計年度任用職員の賃金を抜本的に引き上げるべき
さらに、低い賃金で働く会計年度任用職員は今後解消していくべき
③任期付職員では、常用的な業務については、任期の定めのない雇用へ切り替えるべき
④もともと給与額も多い市長等特別職の期末手当の引上げについては、物価高騰に苦しむ市民の理解が得られない。市長はじめ特別職の期末手当引上げは見合わせるべき
の5点を、市長に質しました。
市長は、「今年度は2度も、職員給与改定で国へ要望している。今後も、職員の処遇改善に努める」
任期付職員・会計年度任用職員の解消について市長は「(正職員を)必要な職員を確保する」と答弁しました。

 職員給与の改定については、今年度2度にわたり国への要望を行われているとのことであり、市長も必要性は認識しているようです。しかし、人事委員会勧告を超える引上げは困難ということでした。
急激な物価の高騰で、昨年秋くらいから、熊本の消費者物価指数は、4%前後で推移しています。熊本の少ない賃金に物価高騰がのしかかっている現状があります。
日本共産党が提案した「経済再生プラン」でも、第1に掲げているのが労働者の賃上げ、待遇の改善です。とりわけ、公務員給与は、民間も含めた労働者の賃金の基準ともなるべきものであり、それが民間より低水準になってしまっていること自体が大きな問題です。
会計年度任用職員・非正規職員が市職員の4割を占め、賃金が低い大きな要因となっている点は放置できません。熊本の低い賃金水準を引き上げのためにも、その改善を早急にすすめるべきです。
 任期付職員を任期の定めのない職員にする問題では、災害発生時等を想定し必要数を確保するとの答弁でした。しかし現実には、児童相談所の医師や市電の監督職など、恒常的に必要とされる部署でも任期付での対応となっています。より質の高い住民サービスを恒常的に提供し、その質をより高めていくためにも、任期の定めのない雇用へと切り替えることを求めておきます。
そして、条例改正で提案されているように、任期付職員や会計年度任用職員について一定の給料や期末手当引上げを行うことは、明らかな賃金・処遇の格差がありながら、その存在が当然視されてしまいます。それは非正規・不安定な雇用形態を温存するものであり、本来の雇用確保・処遇改善を求める立場に立つならば、改善すべき課題を残すものとして、全面的に容認できるものではありません。雇用の基本は「正規雇用」という立場を堅持し、その実現まで暫定的には非正規も含めた全職員の処遇改善に努めていただくことを求めるものです。
本市の会年度任用職員の平均的給与は約12万8000円との答弁ですが、全国最低クラスの最低賃金という課題が残されたままの低賃金であり、私ども日本共産党が国へ強く要望している最低賃金を時給で1500円へと引き上げれば、会計年度任用職員の給与も20万円程度に引き上げられていくのではないでしょうか。市として、最低賃金引き上げを国へ要望するよう求めました。
市長ならびに特別職の期末手当引上げで市長は、適正であるとの認識を示しました。引き上げ額は市長の142,800円を筆頭に、交通事業管理者の76,200円まで様々ですが、非正規労働者の場合は、熊本市の会計年度任用職員でも月額12万8,000円の給料なので、市長の引き上げ額はそれを上回る金額です。
今議会の補正予算に低所得世帯への物価高騰対策の給付金・1世帯7万円が予算化されています。報道等で知った市民のみなさんから「支給はいつになるのか」と、問い合わせが殺到しています。切羽詰まった状況で7万円を心待ちにしている市民からみれば、月額119万円の給料に、夏冬合わせて471万2,400円の期末手当をもらっている市長の期末手当をさらに会計年度任用職員の給料1カ月分も引き上げる必要があるのか、市民の理解が得られるとは思えません。3割もの職員が会計年度任用職員として非正規で働く現状を放置してきたことが非正規雇用を拡大し、国民健康保険や介護保険の負担が増え、教育や子育て支援の制度が遅れていることが市民生活の厳しさ・大きな負担となっていることなどを考えると、市民の暮らしの実態をよそに市長自らの期末手当を引上げることには、市民の理解は得られないと思います。
今回の条例改正では、「市長の期末手当支給の特例に関する条例」の廃止が合わせて提案されています。令和2年制定のこの条例の提案理由は、「新型コロナウイルス感染症に係る困難な市民生活を共に乗り切る覚悟を示すため」ということでした。3年も続いた新型コロナ禍に追い打ちをかけている今般の物価高騰、長期及ぶ市民の困難な状況が今も続く、コロナ禍にも匹敵するような厳しい現状です。この条例は廃止でなく、今こそ活用して市長の期末手当引上げは辞退すべきです。
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