在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Tanca Farra' 1999 Sella&Mosca

2019-04-13 15:41:55 | Sardegna サルデニア
Tanca Farra' 1999 Sella&Mosca



ずっと、それもかなりずっと前からガレージに置いていたワイン。
というより、ワイナリーから届いて(2002年か03年頃?)、ほとんど直後からガレージに保存していた。
だから、15年以上置かれていたことになる。

ラベルは手で修正されているが、ワイナリーから届いた見本品。

日本はもうすぐ令和になるが、新しい時代の到来で、去年までのものがなんだか前時代的になるかも。
しかし、1999年は、立派に(笑)前世紀のワイン。

それをなんとなく開けてみた。
少し前から開けようかなぁ、と思っていたものの1本である。

それは、ガレージから、家のワインクーラーに引越しをしたからである。

ガレージは地下にあるが、必ずしも条件がよいとは言えない。
だから、15年以上も放って置いて、ダメになっているかも知れないと思い、いい加減に開けようかと。

品種はカベルネとカンノナウ。
カンノナウは、サルデニア島の土着品種。
あの頃は、思い切ったブレンドだね〜、と言う印象だったと思う。



コルクの状態は完璧、とても長いコルクを使っているのに驚いた。
かなり期待。

色はすっかりガーネット色を超えて、チョコレート色。
新しいヴィンテージのものと比べると少し薄くなっているのではないかと想像するが(もう何年もセッラ・エ・モスカのワインは飲んでいないかも。。。ごめんなさい〜)輝きを失っていない、とても綺麗な熟成ワインの色が出ている。
何せヴィンテージから20年経っている。

マデイラ臭がもう少し強いかと思ったら、そうでもない。
コンフォ、かなり濃厚コンフィになった感じのフルーツの香りがまだあり、キノコやら、腐葉土やら、カカオ、丁子、革など、香りが品良く立つ。奥にわずか、野菜系風の香りもある。

するっと入る。
思ったより優しく、喉を流れていく。
タンニンはすっかり柔らかくなり、程よい酸味がとても綺麗。
美味しい。

あと5年置いておいても良かったかも、という考えが頭をよぎる。

決して重たくなく、持続性があり、余韻に心地よいスパイスとマデイラ臭、ほのかな酸味が残る。

今のセッラ・エ・モスカはあまり知らないのだが(再びごめんなさい〜)ちょっと見直した。
新しいヴィンテージも、久々に飲んでみようか。+++++

Dule Rosso di Barbagia 2001 Gabbas

2018-12-12 12:15:15 | Sardegna サルデニア
Dule Rosso di Barbagia 2001 Gabbas



ラベルの隅に、手書きで樽から採取したもの、との明記がある。
つまり、正確に言うと完成品ではない。

そして、実はよく見ると、ヴィンテージ2001は上から上が張っている。

ワイナリーからサンプル的に直接いただいたもので、購入したものではない。

そんなこともあってか、ラベルはだいぶ昔に剥がれてしまって(たぶん手貼り)、ラベルを保存してはおいたが、ボトルだけにしておいたら、他に何も貼っていないので、なんのワインか全くわからない状態になっただろう。

いただいてからの保存状態があまり良かったとは言えないのは告白する。
(つまり、あまり丁寧に保管したとは言えない)

たぶん2003年か04年頃にいただいただろうと思うが、その直後から、ずっとガレージに保管していた。

その頃はすでに、ワインクーラー(高さ180センチ)を持ってはいたが、こちらは、家に届けられた時からもう満杯で、入りきらないワインをガレージ(地下)に保存していたからである。(ごめんなさい)
このワインを「入りきらないワイン」に入れたのは申し分けないのだが、そして、ガレージにまだ保管してあるワインがあるのだが。。。(早く飲まなきゃ)

さて、なんとなく開けてみた1本。
もう、ダメに近いかもと思った。

名称は、バルバジャの赤、バルバジャは、サルデニア島のほぼ中央に位置する地方のことである。

品種はカンノナウ。
スペイン由来の品種、グルナッシュということにもなるが、カンノナウと言えば、サルデニアである。
これをグルナッシュの変種と見るか、サルデニアの土着品種と見るか。。。
とにかく、サルデニアを代表する、というか、サルデニアのワインはこういう感じである、というイメージを作っている品種であるのは確かである。

暑い地方の、つまり地中海のワインらしく、色の濃い、タンニンを多く含む、そして、酸度の低いワインができる。

開けてみると、非常に色が濃く、どろっとしたというのではないが、いかにもカンノナウらしい。
アタックには強さがあり、かなりのボディ、ブラックチェリーのコンフィ、甘さを含んだスパイス、革、腐葉土、キノコなど熟成香を含む。
酸味は少なく、若干重たい感じがするのは仕方がない。
タンニンの重合が結構あり、最後は、グラス半分はたっぷりというくらいの澱が見られた。
さすがに、ちょっと重たい料理作らなきゃ、いや、チーズに合わせようか。。。と考えてしまった。+++(+)

17年経って、10年目くらいで飲むのが正解だった。
と、わかっていたのではあるが、ガレージに保管しているとついつい。。。
おっと、他のワインもいい加減に開けなきゃ。

Villa Solais Vermentino di Sardegna 2016 Santadi

2017-05-02 15:03:33 | Sardegna サルデニア
Villa Solais Vermentino di Sardegna 2016 Santadi



太陽いっぱいワインがいい、というリクエストで選んだサルデニアのワイン。
ワインリストにサルデニアのワインが必ずあるとは限らないが、ここは数種類揃えていて、悪くないかもと選んだワイン。

サンターディは久々。テッレ・ブルーネ(赤、カリニャーノ)はよく飲んだものだ。
こちらはベースの白。

ヴィンテージはすでに2016年。
ヴィニタリーも終わり、リリースが2016年に移行しつつある。



いたってシンプル、白いフルーツの香りにちょっと塩辛さがすでに上がってくる感じ。
ボディほどほど、酸味がないわけではないが、塩味に消されてしまっている。しかし、サルデニアのワイン、魚介系、味薄めのアンティパストにはちょうどいい。ミネラルを感じさせる余韻が結構続く。+++



BVL Memorie di Vite 2014 Quattromoro BVL ブドウの木のメモリー 2014 クアットロモーロ

2016-08-08 14:52:48 | Sardegna サルデニア
BVL Memorie di Vite 2014 Quattromoro


自然派オススメワイン。サルデニア!



暗くて分かりにくい写真で申し訳ありません。。。。


ちょっと忙しくなると全く書けなくなってしまう。。。。

さて、少し前に飲んだサルデニアのワイン。

日曜日となると、開いているエノテカが俄然少なくなってしまう。
食べるか食べないか、どのクラスのワインを飲むか、面白いワインを飲みたいか、フツーでいいか、などの条件で変わってくることもある。

なんだか、飲みに行くとなるとカンポ(カンポ・デイ・フィオリ広場)周辺に繰り出す習慣がすっかり付いてしまったが、マッシモのエノテカもすぐ近く、本当にすぐのところにある。

カンポは、広場にもズラーーーーーーーーっとレストランが並び、客引きも頻繁、悪質なわけではないので入っても大丈夫だろうが(私たちが入ることはないので、保証できないが)面白いところがよければ広場は避けたほうがいいと思う。
いかにも観光客向けのところばかり。

さて、日曜日、久々にマッシモのところに行くことにした。
日曜日に開けてくれている高品質なエノテカの存在は心から嬉しい。。。。

基本エノテカで、レストランではないので、しっかり食べる必要もない。
そして、マッシモが自然派ワイン大好きなので、面白いワインが結構揃っている。

ここへ来たら、自分でワインを選ぶのはダサい。
マッシモに聞くに限る。

一緒にいた人が選んだのは南のワイン、そして赤。

マッシモが出してきたのがこのワイン。サルデニアのワイン。
彼が見つけて、ローマではまだうちでしか飲めないよ〜、とのこと。

最近の自然派は、やたらシンプルモダンなラベルを使うことが多くなってきたような気がするが、これもそう。

BVL ブドウの木のメモリー という名前。
品種はボヴァーレ。ボヴァーレ・グランデとボヴァーレ・ディ・スパーニャのミックス。

なんと、フィロキセラに侵されていない、栽培はアルベレッロ、1925年の畑のものとのこと。
生産量はかなり少ないらしい。

よくできた自然派らしく(最近はそうでない自然派が増えすぎ。。。)出しゃばることなく、きれいな酸味を含むフルーツの香り、アタックは優しく、酸味が強すぎない程度に広がる。いいねー
程よい酸味が食欲を誘い、食が進む。そして、とこの酸味があるので、最後まで飽きない。
これはかなりオススメ。

ところで、マッシモのところのパスタは、マウロ・セコンディのパスタのみを使用。
ローマでは最もおいしいパスタを作っている。
パスタ自体も美味しいのだが、ラヴィオリ系も、いろいろな、実にいろいろな種類があってこちらもオススメ。

L'Angolo Divino
Via dei Balestrari 12-14 Roma
夜は毎日、それもかなり遅くまで開いているので便利。


Marchesi di Villamaria 1992 Sella e Mosca マルケージ・ディ・ヴィッラマリーア 1992 セッラ・エ・モスカ

2016-03-19 00:05:06 | Sardegna サルデニア
Marchesi di Villamarina 1992 Sella e Mosca
マルケージ・ディ・ヴィッラマリーア 1992 セッラ・エ・モスカ



ある試飲会に行こうと思ったのだが仕事が入った。
それほど時間がかからないと思ったのだがいろいろあり、思いの外時間がかかり、試飲会に行くのは諦めた。
家に帰って、なんとなく試飲会に行けなかったのが残念。
そこでワインクーラーを見回す。
だいぶ減ってきたんので買い足さなきゃと思ったり。

もう完全にダメになっていると思ったワインが目に付いた。
1990年代のワインはまだ結構ある。
ところが。。。思いの外、良かったのである。

例えば、先日、まだ2007年という某ワインを飲んだ時、かなり持つと思ったのにだいぶ行っていた。
これは1992年だし、セッラ・エ・モスカだから(ごめんなさい)完全にダメになっているかも。。。。。。
ところが、素晴らしかったのである。

とても綺麗に熟成香が出ている。
落ち着いたスパイスの香り、和ミント風の香りがアクセントを与え、そして腐葉土。
アニマル系の臭みはない。
酸味が綺麗で、タンニンは当然のごとくかなりまろやか。
持続性も悪くなく、余韻が綺麗。

ダメになっていると思って開けたのにかなり満足。
金曜日の一人おうちワイン。

Vermentino: Sardegna x Liguria totale 9 vini ヴェルメンティーノ サルデニアxリグリア 計9種

2015-05-15 15:52:12 | Sardegna サルデニア
Vermentino di Sardegna e di Liguria totale 9 vini ヴェルメンティーノ サルデニアとリグリア 合計9種



Riviera Ligure di Ponente Vermentino Vigna Sori’ 2013 Poggio dei Gorleri ポッジョ・デイ・ゴリエリ
Riviera Ligure di Ponente Vermentino Aimone 2013 BioVio ビオヴィーノ
Colli di Luni Vermentino Superiore Fosso di Corzano 2013 Podere Terenzuola テレンツオラ
Colli di Luni Vermentino Superiore Il Maggiore 2013 Ottaviano Lambruschi ランブルスキ
Vermentino di Gallura Superiore Scialla 2013 Vigne Surrau ヴィーニャ・スラウ
Vermentino di Gallura Superiore Aghiloja Oro 2013 Cantina del Vermentino カンティーナ・デル・ヴェルメンティーノ
Vermentino di Sardegna Kanimari 2013 Nuraghe Crabioni ヌラーゲ・クラビオ二
Capichera 2013 Capichera カピケーラ
Ruinas 2013 Depperu デッペル

アテナウムの試飲会は時々参加する。
今回はサルデニアとリグリアのヴェルメンティーノ比較。
個人的にはかなり面白い内容だと思うが、この手のものは人気は今ひとつのようで、かなりギリギリまでポストはあったよう。
つまり、高いワインとか、有名ワインが出るとわかっている試飲会には申し込みが殺到するが、マイナーな内容、マイナーなワインだとなかなか席が埋まらない。
こういうところが、試飲会を主宰する側の弱みというか、難しいところだと思う。

さて、ワインは全部で9種。品種は全部ヴェルメンティーノ。
サルデニアが5種。リグリアが4種。
試飲の順番はリグリアから始めて交互に、つまり最後はサルデニアが2種続く。

1Riviera Ligure di Ponente Vermentino Vigna Sori’ 2013 Poggio dei Gorleri
最初の印象がかなりよい。甘くて、花、熟したフルーツ、柑橘などにミネラル、スパイス、ナッツなど。ただ、味の方は、期待する分もあるが、酸がやや少なく、塩味はあるが、持続性はまずまず。++(+)
3Riviera Ligure di Ponente Vermentino Aimone 2013 BioVio
香りの強さはまあまあ。ビタミンを思わせる香り、ミントなどの緑の香り。味は、何かが物足りない。若干バランスが悪いような。++
5Colli di Luni Vermentino Superiore Fosso di Corzano 2013 Podere Terenzuola
香りにやや強さがある。柑橘と花の香り。ボディがあり、まろやかさもあり、余韻に心地よくほろ苦さが残る。+++(+)
7Colli di Luni Vermentino Superiore Il Maggiore 2013 Ottaviano Lambruschi
最初は閉じているが、出てくるとかなりよい。チョーク系の香りに、白と黄色の花が綺麗で、カモミールなど、複雑性が出ている。アタックがとても良く、珍しく(笑)塩味だけでなく酸味も綺麗に感じる。持続性がとてもよい。++++
2Vermentino di Gallura Superiore Scialla 2013 Vigne Surrau
最初のワインが華やかだったのもあるが、香りがやや弱い印象。しかし、出てくるとフルーツやユーカリ、そして海のそばにある緑の茂み(macchia mediterraneoと言う)、ミネラルがきれい。味はかなり塩味が強いく、やや細い感じだが、持続性がよい。+++
4Vermentino di Gallura Superiore Aghiloja Oro 2013 Cantina del Vermentino
残念ながら、僅かだがコルク臭あり。ただ、どのボトルも同じような感じだったようで、代わりなし。ある程度まとまってコルク臭がついたのではないか。残念。
6Vermentino di Sardegna Kanimari 2013 Nuraghe Crabioni
個人的にはやや臭みを感じた。(決して悪いわけではないが。)味のインパクトがあり、ボディもよく、余韻に柑橘系の香りが残る。+++
8Capichera 2013 Capichera
昔よく飲んだワインだが、久々。サルデニアのワインの歴史を語るときに欠かせないワインの一つだと思う。色がかなり濃く(一番濃い)、甘い、魅力的な香り。グレープフルーツなどの柑橘、花、桃など、綺麗に熟している。エレガントさとボディの両方を持ち、余韻が長い。+++++
9Ruinas 2013 Depperu
Capicheraの後に、一体どんなワインを持ってきたのかと思った。色にしても、香りにしても、味にしても、 Capicheraにかなうワインはそうたくさんはないと思うからだ。ところが、これがかなりいい。生産量の少ない、ほとんど無名と言っていいワイナリー。エレガントで、軽やか、ミネラスが綺麗で、余韻がかなり心地よい。+++++

全体には、やはりサルデニアが圧倒的に勝っていた。リグリアはこのところ頑張っているし、最近は個人的に結構好きで飲むが、残念ながらサルデニアの方が上を行っていた。リグリア、がんばれ。

”デットーリ・ビアンコ 2001” デットーリ

2009-03-14 07:45:09 | Sardegna サルデニア
“Dettori Bianco 2001” Dettori –Sardegna (点数8-)
今では、サルデニアを代表するワイナリーになったデットーリ。
アレッサンドロ氏のワイナリーである。
日本にも時々プロモーションなどで行くようなので、御存じも方もいると思うが、とにかく愉快、しかし、ワインに対しては超がつくほど真面目な人だと思う。
さて、白ワイン、と言っても良いものに限るわけだが、すぐに飲んではもったいない。
いつも思うが、今回もまたそうだった。
リリースされてすぐ、また少したって飲んだことは何度かある。個人的に好きなワインだし、アレッサンドロ氏の個性が表れていてとても良いワインだと思う。
しかし、若過ぎるため、酸味がきれいで、緑の香りがきれいで、酸味と程よいまろやかさがあるとはいえ、何かさらっとしていて、若干の物足りなさを感じることもある。
もちろん、個性はあるし、非常に良い出来で、満足であるのだが、常に何か+α(in piu’)を期待してしまう部分があるからかもしれない。。。
で、2001年だから8年たっている。
ここまで来ると、ちょっと、というよりかなりドキドキ。ダメになってたらどうしよう、もっと前に開けるべきだった、となると前に開けなかったのが惜しい気がするし。
ところが、素晴らしく満足のいくものだった。
8年もたったとは思えない。きれいな艶、明るい黄金色。
熟したフルーツの香り、香草、コショウのようなスパイス、ミネラルなどなど、きれいに絡み合う。強さもよく、きれいに変化もあり、心地よい香り。味も酸味、スパイスを思わせるピリッとした味わいがあり、やはり8年もたったとは思えない味わい。そして、持続性もよい。
うーん、満足、であった。
さすが、アレッサンドロ氏の作品だけある。
品種はサルデニアの土着品種、ヴェルメンティーノ100%。

”トゥデーリ 2003” テヌーテ・デットーリ

2008-01-15 00:33:21 | Sardegna サルデニア
“Tuderi 2003” Tenute Dettori -Sardegna
今、日本でも話題のデットーリのワイン。
生産者のアレッサンドロ氏は素晴らしい人物だと思う。
記念すべき日(と言っても、ただの誕生日)に、あるレストラン(正確にはトラットリア)へ行った。初めてのところで、行ってみると、壁には、ずらっと、なかなか良いワインが並べてある。
こちらの誕生日は、奢ってもらえない。誕生日を迎える人がみんなに奢るのである。だから、値段ほどほど、でも、これという日に飲みたいワイン、これという日に飲んだ!と思い出したくなるワインはないか、と探していたら、あった。嬉しいことに、レストランなのに、エノテカ(酒屋)で買う値段とほとんど変わらない。(信じられない!)
で、即、注文。
幸せである。自分の年齢を考えると悲しさが過ぎるが。。。それに、好きなら買って自分の家で飲めばいいじゃん!と思わなくもないが、レストランで、人の作った美味しい料理と一緒に好きなワインを飲めるというのは幸せである。

品種はカンノナウ100%。
色がきれい。レストランの、上からのスポットに照らされ、それは美しい色合いである。ノンフィルターワインの為、やや曇りがあるが、最初はほとんど透明で、赤くきれいなプルーン(Santa Rosa種)の色。だんだんと細かい粒子が増えてきて、透明感がなくなり、グラスの中で、何とも言えない深い色合いを呈してくる。(とても魅力的なマニキュアの色のよう。。)
香りは、自然と太陽と海と土とアレッサンドロ。熟した小さな木の実、スパイス、花、血、こころもち野菜、梅とシソなどなど。奥行のある、実に魅力的な香り。
口に含むと、フルーツの香りなどがふわっと広がり、次にアルコールが出てきて、サルデニアの暑い夏を感じさせる。そこに、酸がきれいにハーモニーをなし、優しい後味がきれいに残る。木イチゴの香りがふっと出てくる。
14.5%のアルコールとは思えない優しさ。骨があり、主張があり、しかし、人を思いやる心をもった魅力的な男性のようなワイン。ワインは造る人に似るのだろう。

余談だが、こういうワインを飲むと、「年鑑本の評価」なんてどうでも良いと思えてくる。イタリアで、彼のワインに最高の評価をつける団体はもちろんあるが、絶対に最高評価をつけない団体もあるからである。

”ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ・カナイリ 2005” カンティーナ・ガッルーラ

2007-09-08 16:23:12 | Sardegna サルデニア
"Vermentino di Gallura Superiore Canayli 2005” Cantina Gallura -Sardegna
ガンベロ・ロッソが、安くて(昔は15000リラ以下。今は確か12ユーロ以下だったと思う)美味しいワインをまとめて推薦している。秋になると1冊の雑誌になって、本屋にも出回る。これはその常連ワインでもあり、また、全国ベスト・スリーの中にも選ばれたことのあるワインである。つまり、安い。しかし、その昔は5000リラ程度(つまり2,5ユーロ)だったのに、今は10ユーロ近くなっている。ユーロ導入後5年は経っているとは言え、イタリアの値上がり(便乗値上げも多い)には本当にあきれる。
品種はヴェルメンティーノ100%。
色は平均的な麦わら色。光沢が良い。
香りは、甘く熟した柑橘系の香りがあるのだが、なんだかとても、化粧品の香りが強く、おしろいくさかった。レストランだったので、最初はグラスの洗い方に問題があるかと思ったくらいだ。ふわっとして、しなだれかかるような甘さである。そして、花の香り。なんとなく菊の香りを思い出したが。。他、ヴェルメンティーノらしくミネラル臭、ほんのり緑がかった香りも奥にある。
味は、酸がきれい。ボディも程よくある。強さも良いし、長さも適度にある。何故か、いちご、野いちごの香りを感じる。若干ほろ苦いが、それが野いちごの種の味のようであった。全体にまとまって、ずいぶん高くなったとは言え、この値段ならやはりお得感のあるワインである。ただし、個人的に味の好みが変わったのか、ちょっと人工的、つまり、造りましたよ、という力みが強く、飲んでいて若干の疲れを感じた。

”ヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ 2006” カピケーラ

2007-08-07 08:19:07 | Sardegna サルデニア
"Vermentino di Gallura Vigna 'Ngena 2006" Capichera -Sardegna
個人的に非常に好きなワイン。それぞれのワインにはさまざまな思い出あるが、思い出多いワインの1本でもある。
ワイナリーは、サルデニア北西部、世界のお金持ちが訪れるポルト・チェルボ近辺にある。品種は名前の通りヴェルメンティーノ100%。
色は程よい濃さ。つやがあり、大変きれい。
香りは、すぐにバニラの香り、そして、しっかりした柑橘の香りが混じる。バニラはほのかにカラメルの香りにもなる。柑橘の中にも緑の香り、ミネラル臭があり、サルデニアのヴェルメンティーノに必ずと言ってよいほどある浜辺の緑の草むらMacchia mediterraneaの香りが混じる。他に、サルヴィア、ミント。
サルデニアのワインらしくボディがあり、酸味が程よく、味の強さあり、持続性よし、カラメルっぽい香りも残り、香りとの共通性が大いにあり。
ワイナリーは、赤ワイン1種、白を3種リリースしている。うち、1種は遅い収穫vendemmia tardivaで造ったもの。このワインは一番手ごろな値段の飲みやすいもの。好きなワインはついつい贔屓になってしまうが、それ抜いても実に良いワインである。