在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”キャンティ・クラシコ・ヴィーニャ・デル・ソルボ 1997” フォントーディ

2009-06-27 05:29:33 | Toscana トスカーナ
“Chianti Classico Riserva Vigna del Sorbo 1997” Fontodi –Toscana(点数8.5)

トスカーナの大御所ワイナリー、フォントーディ。
フラッチャネッロ(正確にはフラッチャネッロ・デッラ・ピエーヴェ)があまりに有名で、3ビッキエーリ獲得、ほぼ常連ワインとなっている。
他に、ピノ・ネーロで造ったカーセ・ヴィアも有名。

品種は、(2004年のものは)サンジョヴェーゼ90%、カベルネ・ソーヴィニオン10%となっている。
個人的には1997年だからと言って過大評価しないが、伝説的と言われる97年物である。

いかにもキャンティらしい熟成香が出ている。
スパイスは当然、ミネラルが熟した感じ、アニマル、血、鉄分、そして、なんとなく海の塩を思わせる感じなどである。
ピノ・ネーロとは違う、カベルネとも違う、なんだか懐かしさを伴うような、イタリアらしい(トスカーナらしい、の方が正しいが)香りである。
昔飲んだ、かなり古くなったワイン、良く熟したワインはこんな香だった、という記憶がよみがえるような感じであった。
良くできているキャンティなので、ちゃんとボディがあり、主張がある。
そして、10年以上たってもまだタンニンを感じる。というより、正確には感じる感じがする。タンニンは当然まろやかになっているので、そう感じるはずはない。しかし、何か刺激的な感覚と、酸と、そして塩味が一緒になって、舌にぴりっとくるような感触が心地よい。
若くて刺激的なワインが好きであれば、ここまで置かずに飲んだ方が良いが、枯れたワインが好きであれば、キャンティ(キャンティ・クラシコ)でも10年近くは置いてもよいと思う。

バチカン美術館前の2軒のカフェ

2009-06-27 04:52:42 | 行ってはいけない
バチカン美術館の入口の前付近に2軒のカフェがある。

カフェだけでなく、一応、レストラン、ピッツェリアも兼ねている感じで、簡単な食事もできる。
お客様から聞いた後日談だが、「やられましたよ~」とのこと。
このうちのどちらかわからないが、どっちでも似たり寄ったりは間違いない。
つまり、二人で、ピザ1枚、デザート、コーラ、コーヒー程度を頼んで、25ユーロを請求されたという。
カフェに毛が生えて食事ができるようになっている程度だから、高級ピッツェリアはともかく、この値段は高い。
まあ、破格に高いというわけではないが、いかにも観光客値段である。

美術館に入るのに並んでいると、たいていチラシを配っている。
近くのレストランの場合もあるが、この2軒もわりとよく配っている。

ツーリストメニュー11ユーロなどと書いてあり、プリモ、メイン、付け合わせなど、選べるようになっていて、一見、安そう見にえる、お得そうに見える、また、よくわからない観光客にはとても良心的で便利そうに見えるが注意してほしい。
私は当然、行ったことはない、食べたことはないのだが、昔から、飲み物の値段をふっかけると聞いている。
つまり、水を頼んで、普通はせいぜい2ユーロ程度なのを5ユーロとるとか、ビールを頼むと5ユーロ程度を8ユーロ位に、ワインを頼むと安ワインなのに20ユーロ位ふっかける、という内容だと想像できる。
だから、いくら疲れていても、バチカン美美術館から出た後、すぐ前の通りにあるカフェには入らないことをお勧めする。

ただ、ちょっと離れて入っても、以前、ミネラルウォーターが水道水だった、というところもあったが…。

または、あまりおいしくはないが、バチカン美術館内にセルフサービスレストランがあるので、そちらで食べた方が無難かも知れない。

銀行の両替

2009-06-25 23:10:55 | もろもろ、つれづれ
口座を持っている銀行にポンドの両替に行った。
ポンドが欲しかったので、購入に行ったのである。
欲しかった金額は、たいした金額ではない。

若い女性の銀行員が、最初、手持ちのポンドをユーロに両替したい、と解釈したのか、「あ、それ、私、やり方を知らないの」と堂々と言ってのけた。
これには慣れている。
つまり、住宅街に入ると、外貨を両替する人がほとんどいないので、コンピューターの扱い方を知らないのである。
仕事の一環なんだから勉強すればいいのに、と思うが、ここはイタリア、仕方がない…

しかし、すぐに、私がポンドを購入したい、ということがわかった。
すると、今度は、「あ、それはね、少なくとも1週間は前に予約しないとできないのよ」とさらに堂々とした口調で言ってのけた。「少なくとも1週間」を強調しながら。
1週間…どうしてポンドを購入するのに(それも数万円単位)、1週間以上も前に予約する必要があるのか…2,3日ならわかるのだが…
ここは本当に銀行???と思いながら出た。
ここは、イタリアだったのである…

戻ってきたクリスマスカード

2009-06-25 22:53:10 | もろもろ、つれづれ
去年のクリスマスに出したカードが戻ってきた。
今は6月も半ばである。
消印は去年の12月17日。

1年の間に住所を変わっている人が必ず数人はいる。
わざわざイタリアまで連絡してくださる人は少ないから、どうしても住所不明で戻ってくるものが数通出てくる。
早いと1月に戻ってくるが、今年は春(たしか4月)に1通、そして、今日、また1通戻ってきた。

春に戻ってきた時もあきれたが、今回はそれを通り越して開いた口が塞がらない。
いったい、今までどこにあったのか??と聞きたい。
いったい、どういう管理をすれば、今まで保管(?)できるのか??
うーん…難問である…


”フラスカーティ・ヴィーニャ・アドリアーナ 2000” カステル・デ・パオリス

2009-06-24 03:23:14 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
“Frascati Superiore Vigna Adriana 2000” Castel De Paolis -Lazio(点数 8.5+)
まったく期待していなかったのに、これがなかなか良かった。
いったい何年うちに眠っていただろう。
2001年にいただいたものだから、かれこれ8年…
それも、完成品ではない、タンクからの抽出のもので、手書きのラベル。
ダメになっていてもいいくらいだったかもしれない。

品種は、(2003年のものは)マルヴァジア・プンティナータ、ヴィオニエ、ソーヴィニオン。
色は、すっかりコハク色。
つやがあり、透明感があるような、少しやもやっとしているような…
(完全に透明ではないような感じだったので、もう駄目になっているかと思ったくらいだ。)
香りがとても良い。
とてもきれいに熟成香が出ていて、この手の、若くない白ワインが好きなものにはたまらない。
ナッツが鼻をくすぐるような感じである。そして、どっしり落ち着いたミネラル香。それに、スパイスがパパッとふりかかる。リコリースのアメ、花はドライ、フルーツは柑橘系のドライ、そして、それほど甘くはないが、ハチミツの香りがほんのりと…
ボディはすぐに出る。そして、まろやかさが続く。味は強く、持続性もある。塩味と、スパイス、ナッツなどがきれいに残り、ややほろ苦い感じと、アルコールのまろやかさが交互に出る。

サンタレッリ氏のワイナリー、カステル・デ・パオリスは、安ワイン専門という感じだったフラスカーティでは異色の存在だった。ラベルも印象的で、当時は、こんなにおいしいフラスカーティがあるなんて!?とびっくりしたものだ。
ベースのものでも悪くはなく、当時のフラスカーティ=フォンタナ・カンディダというイメージを覆したと思う。(注:フォンタナ・カンディダのフラスカーティは決して悪くない。誤解なきよう。)
または、ワインは量り売りで買うもの、というイメージを。(5リットルくらいの大きな瓶を持参し、ワインを入れてもらう量り売りが、フラスカーティには昔はたくさんあった…)

ローマから近いので、何度かワイナリーには行ったが、意外と小さなワイナリーで、かわいいプールがある。
まだ、バリックはその辺では珍しいころ、多くはないがバリックの樽が並べてあった。
しかし、名声が出てくると、どうしても品質が下がる。
そこで、昔はよく飲んだのだが、このところは、見向きもしなかった。
だから、あまり期待せず開けたのであるが、ちょっとびっくり。
見直してしまった。

”ラトゥール・ア・チヴィテッラ 2006” セルジョ・モットゥーラ

2009-06-23 06:05:21 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
"Latour a Civitella 2006” Sergio Mottura –Lazio(点数8+)
ラツィオのワインというとまあまあの出来のものが多いが、そんな中で、かなりレベルの高いワインを造っているワイナリーの一つがモットゥーラである。
もちろん、ラツィオのワイナリーというと、ファレスコなどパフォーマンスの良いワイナリーがあるが、モットゥーラは、実によく頑張っている。
オーナーのセルジョ氏も大変素敵な方で、個人的にはこちらの方が好きである。

ラベルもかわいい。
ハリネズミがちょこんと。
一度見るとすぐに覚えてしまうラベルと言える。

ところで、モットゥーラは、スプマンテも造っている。
それも、メトド・シャルマーではなく、メトド・トラディツィオナーレで、ワイナリーを見行くと、地下にびっしりと瓶が並んでいるのが見られる。
スティル・ワインの生産だけではなく、スプマンテの製造過程も見られるのは面白いので、一度行ってみることをお勧めする。

さて、ワインはグレケット100%。グレケットは、ウンブリアなど、このあたりでよくみられる品種である。バリック熟成の白。

色はやや濃いめ。
香りは、フルーツと花と、ミネラル臭など。黄色いきれいな花と、良く熟したフルーツが混じり、甘い香水のような香り、おしろいを思わせる香りもある。柑橘系の香り、スパイスなどもほんのり交る。
辛口だが、すぐに甘さ、まろやかさ、ふくよかさが出る。酸味はあるが、まろやかさに隠れている。後味に、ややほろ苦さを感じる。後味は長いのだが、最後に消えた後、ほんのりとアルコールが残る感じがある。しかし、全体に心地よいフィニッシュ。

かわいいホテルも経営しているので、車がないと難しいが、こういうところに滞在するのも面白いと思う。


“キャンティ・クラシコ 2005”カステッロ・ディ・アマ -AISの採点方法で

2009-06-21 21:21:33 | Toscana トスカーナ
“Chianti Classico 2005” Castello di Ama –Toscana(点数8+)
イタリア・ソムリエ協会の採点方法を知らないと訳がわからないかもしれないが、日本で勉強している人もいるので、参考までに。

ご存じ、カステッロ・ディ・アマのベースのキャンティ。
品種はサンジョヴェーゼ80%、カナイオーロ、メルロー、マルヴァジア・ネーラが20%のブレンド。

外観
曇りがない(5段階のうちの3)
ルビーからガーネット色
粘着度あり(5段階の4)

香り
強い(5段階の4)
複雑~まずまず複雑(5段階の4~3)
質は良い(5段階の4)
スミレ、森の木の実、サクランボ、緑の香り、湿った土、バルサム臭、ミネラルなど


辛口(5段階の1)
アルコールが熱い~まあまあ熱い(5段階の4~3)
まあまあ柔らかい(5段階の3)

まずまずの酸味がある(5段階の3)
まずまずタンニンを感じる(5段階の3)
塩辛い(5段階の4)

ボディがある(5段階の3)
バランスがまずまず取れている~取れている(3段階の2~3)

味は強い(5段階の4)
まずまず長い~長い(5段階の3~4)
品質はまずまず良い~良い(5段階の3~4)

総合評価
のみ頃である(5段階の3)
まずまずの調和が取れている(3段階の2)

総合点 84/85点

”ピコル 2007” リス・ネリス -AISの採点方法で

2009-06-20 22:47:00 | Friuli フリウリ
“Picol 2007” Lis Neris –Friuli Venezia Giulia
試飲の方法は、世界的には統一されていない。
各団体が適当に、自分たちの尺度を持ち、採点している。
だから、注意しなくてはいけないのは、ある団体があるワインに95点の評価を下し、別な団体が違うワインに93点をつけた場合、95点のワインの方が優れているというわけではないことである。
各団体により、採点の特徴、点数の幅などがあるので、それらを良く確認してからでないと、同じ100点満点であっても、同じ評価ではないということである。

だから、イタリア・ソムリエ協会(AIS)には協会の採点の仕方がある。
実際に学んでいても、これでよいのか?と思うこともあるし、講習を終えると、自分の主観で採点をするようになり、だんだん基本から外れていくこともある。
それを正すために、基本に戻るために、参考までにいくつかのワインの採点を掲載する。
日本では同じワインが手に入らない、また、同じワインであっても日本までの旅をしているので、やや違うところはあるかもしれなしが、参考になればと思う。

なお、多くを5段階評価としているが、1や5は、内容によっては否定的表現となる

外観
クリスタルな輝き(5段階のうちの4)
麦藁色でやや緑がかる感じが見える
粘着度あり(5段階の4)

香り
強い(5段階の4)
複雑~かなり複雑(5段階の4~5)
品質が良い~素晴らしい(5段階の4~5)
フルーツの香り、やや緑の香り、ミネラル臭など


辛口(5段階の1)
アルコールは熱い(5段階の4)
まあまあ柔らかい~柔らかい(5段階の3~4)

酸味がある(5段階の4)
塩辛い(5段階の4)

ボディがある(5段階の3)
バランスがまずまず取れている~取れている(3段階の2~3)

味は強い(5段階の4)
非常に長い(5段階の5)
品質は素晴らしい(5段階の5)

総合評価
のみ頃である(5段階の3)
まずまずの調和が取れている(3段階の2)

総合点 91点

個人的な試飲としては以下の評価(点数 9点)
品種はソーヴィニオン100%。
すぐにソーヴィニオンとわかるが、イタリアのものらしいふくよかさがある。
緑と米ぬか風の香り、ミネラル、柑橘などがとてもきれい。香りの広がりがとても良い。
アタックがきれいで、フルーツと緑がきれいに広がる。持続性もよく、かなり心地よく、イタリアのソーヴィニオンとしては、かなり魅力的と言える。

1879年創設という100年以上の歴史を持つワイナリー。
モダンで、時にバリックの強いものもあるが、全体のレベルがかなり高い。


目標額つき 新手の乞食?

2009-06-18 06:11:24 | もろもろ、つれづれ
レッチェからの帰りの列車で。
この列車はいろいろなことが起こった。
ベネヴェントの駅に着いたら、学生らしき若者が、座っていた車両に入ってきた。
「僕たちは学生で、6人でレッチェからローマまで行くのに、切符もなくて、窓口も開いてなくて、切符が買えなくて、とにかく列車に乗りました。でも、罰金も払わないといけないので68ユーロかかります。しかし、45ユーロしか持っていません。ひとりの女の子は別の駅で車掌に下されて、他の友達も下されてしまいました。どうかお金を恵んでください。」
と、お金を集めだした。

なるほど。
しかし、よく考えてみると、私は始発のレッチェから乗っている。少し早めに着いたので窓口近くのベンチにしばらく座っていた。
窓口は開いていたし、確かに、今日のような日曜日の午後の列車でローマへ向かうのは、ぎりぎりでは取れないことも多いから、満席で切符が買えなかったのかもしれない。
だが、学生とはいえ、ローマまで行くのに、お金がない、ということはありえない。
「ない」ではなく、「使いたくない」のだろう。
それに、本当に最初から乗っていたか?とも思ったし、レッチェを出発してすでに数時間たち、今頃なんで?という感じもあり、胡散臭さ差を感じた。
しかし、イタリア人は結構優しい。ここで恵んであげようと思う人が意外や意外、たくさん出てくるのである。

さて、目標額のない寄付と目標額のある寄付を比べると、目標額のある寄付の方がお金が集まりやすいということがわかる(と思う)。
チャラチャラとお金の音があちらこちらから聞こえ始めた。
若者は、集めながらしっかり数えていて、「60ユーロになりました。ありがとうございます。」と言って、すぐに隣の車両に向かった。その間、わずか1分。
つまり、ただ、恵んでください、と言ったらこんなには集まらなかっただろうと推測できるが、目標額を提示しただけで、あっという間に15ユーロをかき集めてしまったのである。
おみごと。

列車に乗る寸前の 駅での盗難

2009-06-18 06:01:28 | もろもろ、つれづれ
レッチェからローマ行きの列車に乗り、バリの駅に着いた。
バリはプーリアの州都であり、大きな町である。

さて、列車がホームに入って、列車が停まった、と思った瞬間、3列前の窓側にいた男の人が突然、窓をかなりの力をこめて、どんどんと叩いた。
乗っていた人は少なかったし、大きな音が車内に響いて、みんな注目。
一瞬、何が起こったのか、と思ったが、次の瞬間には席を立ち、戸口へ向かい、「財布に気をつけろ!」と叫んでいた。
私が座っていた席は、ちょうど戸口の近くであったのだが、戸口が見えない方向を向いていた。
男の人の席からは、これから乗ろうとする人が良く見えたようだ。
戸口には、15人くらいの人がいたのだと思う。
その中に、東欧諸国の若者らしい、リュックを背負って、わざと前に両手で荷物を抱えた若者が、前方の人のバッグに手をかけた瞬間が見えたのだ。
「おれは見たぞ!」と叫び、「あいつだ、気をつけろ、みんな、財布があるか確認しろ」と、戸口で引き続き叫んでいた。

正義感の強い人である。
ローマで同じ光景を目にしたら、同じことをする人がいるかどうか、昨今では疑わしい。

それにしても、列車が入ってきて、あわてなくても良いのだが、なんとなく速く乗ろうと焦りたくなる心理をついてのこの手の泥棒は、かなり多いので、列車での旅をする人は気を付けてほしい。

レッチェ

2009-06-17 19:47:48 | もろもろ、つれづれ
レッチェの町には初めて行った。
噂には聞いていたけれど、とても可愛い、素敵な町であった。
特に、バロック様式で有名なサンタ・クローチェ教会は、町一番の教会、つまりドゥオーモより気に入った。
教会前の広場は小さく、そういう意味では貫禄がないのだが、教会のファサードと、それに続く旧修道院部分の装飾が本当に素晴らしい。
バロックというと中身のない、ごてごてした芸術という印象があるかもしれないが、ここまで美しい装飾には心が打たれる。
ところで、教会は外見と内部の印象が違うことも多いのだが、この教会は中もバロックで統一されている。
温かみのあるやや黄色みを帯びた感じのレッチェ産の白い石灰岩を使い、内部も非常に美しい。真白な建物の中、深見のある茶色の格子天井が、また印象的である。

さて、レッチェに仕事で行って、取ってくれたのがB&Bだった。イタリアでB&Bに泊まるのは初めてのような気がする。
仕事には予算というものがあるから、別に4つ星ホテルでなくても構わないのだが…と思っていると、どうもレッチェには2つ星とか3つ星とかのホテルがかなり少ないらしい。
現地で話をすると、最近、少しできたが、以前は4つ星以上かB&Bの選択しかなく、そのせいでB&Bが発達している町だという。
なるほど、町を歩いていると、確かにB&Bの看板をたくさん見かけた。

泊まったところは、町の中心からちょっと離れてはいるが、歩いて10分はかからないので不便ではない。まだ新しく、部屋も広く清潔で、バルコニーも付いていて、非常に快適であった。それに、光がさんさんと入り込み、部屋がとても明るいのがうれしかった。
全部で4部屋ということで、あと、2部屋を見せてくれたが、少しずつ雰囲気が変わっていて、とても良い。またレッチェに来ることがあったら、定宿にしたい感じであった。
なるほど、レッチェでは、ホテルでももちろん良いが、B%Bに泊まるという手もあるのだと思った。
快適だし、何より値段が安いのも魅力的である。


新型車両フレッチャアルジェント

2009-06-17 19:35:07 | もろもろ、つれづれ
イタリア国鉄は使うたびに話題を提供してくれる。
イタリアだね~

仕事でプーリアのレッチェまで行った。
このところ、インターシティの利用が多かったのだが(ローカルで結構好き)、初めて、フレッチャアルジェントなる列車に乗った。
フレッチャアルジェントは、この秋にイタリア国鉄が導入した、ユーロスターのデラックス(?)クラスである。
フレッチャロッサ(赤)が一番早くて快適なのだが、その次にフレッチャアルジェント(銀)が来る。普通のユーロスターより速く、しかし、その分値段もしっかり割り増しになっている。(ただし、必ずしも速いと限らないが…)

さて、乗るとテレビが上の方に随所にある。
外気温と室内の温度、列車番号、停車駅、行先が書いてある。
発車しても画面は全然変わらないが、停車駅近くになると「次はxx駅」の案内が出た。へ~!ふ~ん…
最初は良かったのだが、いつか、いつぞや迷ったプーリアのモノポリ(他ページを参照ください)を過ぎて、次のファザーノという駅に到着する時になって、画面に「次はモノポリ」と出た。
あれ~、モノポリはさっき停まりましたよ~、と教えてあげたい。
同じく気がついたイタリア人が何人か、くすっと笑っていて、それ以上ではない。
アナウンスでは、「次はファザーノ~」と言っているから、実際に間違える人はいないだろうが、それにしてもね~…日本じゃ考えられないよね!
そして、その次の停車駅からは、もう表示が出なくなったのである。

こんなサービスなら、最初からない方がいいかも?と思った。
それから、すでに仮面の調子が良くない感じのテレビもあり、あと半年もすると、結構壊れているかもしれない、と思う…

ヴィーニャ・デル・マーレ   (モノポリ)

2009-06-16 17:04:35 | レストラン
迷宮の町、モノポリで入ったレストラン。(正確にはトラットリア)
光栄にも、オーナーが迎えに来てくれた!

さて、メニューを見ると、何故かプリモから始まっている。
あれ?前菜は?と思う。
レストランの名前(海のぶどう畑)通り、海の幸の前菜などなど~を期待していたのに。そして、プリモの後に、サラミ系のお皿の明記がいくつかある。
何もここまで来てサラミなんて、とは思ったけれど、これしかないから、頼む。
それから、お勧めを聞いてそれを中心に注文する。

メニューを見ていた時、オーナーがテーブルにやってきて、どかっと一緒に座る。
一緒に座って、おしゃべりをしながら注文を取るのが好きなようだ。他のテーブルでも同じようにどかっと座っていた。
だから、わからないメニューを聞いたり、お勧めを聞いたり、レストランの由来を聞いたりがとてもしやすくて嬉しい。

彼は北の出身で、コックの彼女が地元の人。そこで、北のものと南の魚をとてもうまく合わせている。だから、前菜風にサラミがあるんだぁ、と納得。
そして、ラルドも含めて、サラミは全て絶品だった。
パンがわりに持ってきた、エミリア・ロマーニャのピアディーナも、なにもプーリアに来てまで、と最初は思ったのだったが、これまた絶品だった。

そして、プリモ。
写真は、イカ墨のクレープで包んだ魚介類。
真っ黒なクレープ。薄いクレープで、ごろごろした魚介をうまく包んでしまうことに感心。
中は新鮮なイカや海老がごろんと入っていて、プリモを食べているというよりメインを食べている感覚。
もう一品も、メインも良かったが、このプリモが一番インパクトがあった。

ワインは、昼だし、魚中心だし、白がいい、と思ったら、ワインリストのページを何度めくっても、プーリアの白がない。
どうして?と聞くと、プーリアに白ワインがあるか?と聞く。そりゃあ、赤ワインの方が多いけれど、ないわけはない。
オーナーいわく、良い物がないから扱ってない、という。
じゃあ、プーリア名物のロゼでも、というと、ロゼも一つしか置いていないという。

なるほど。食にも、ワインにも、メニュー構成にも、お店の雰囲気にも、とにかくこだわりが見えるトラットリアなのでした。
また行きたい!

”バローロ 2005” カンティーナ・デッラ・ポルタ・ロッサ

2009-06-08 00:54:27 | Piemonte ピエモンテ
“Barolo 2005” Cantina della Porta Rossa –Piemonte(点数8.5+)
軽やかなバローロ。だから、あまり長命というわけではないかもしれない。
もう飲み頃ともいえる。しかし、今、とても良い。

まだフレッシュなフルーツが甘く、小さな森の木の実、そして、スミレ、小バラなどの可憐な花、ほのかに香る甘いスパイスがまとまってとてもきれい。
酸味がやや強めで、とてもきれい。フルーツの味とよくマッチしてる。
ほのかに、イチゴの味が残る。
重たくなく、軽やかな印象。しかし、バローロらしい、主張は控えめにあり、かなり好感が持てる。後味の酸とイチゴが長く続いて、大変心地よい。
いいねー…という感じ。

ほとんど無名のワイナリーのようである。
そして、白も赤もデザートワインも造り、バローロはクリュものはない。
そういう意味でフツーのワイナリーのようであるが、そういうワイナリーで、こういうものを造るとは嬉しい。

ところで、昨年、これはいいね~!と思ったワイナリーは、今年もちゃんと飲んだ。
昨年はとても良かったのに、今年はフツウ?というところと、今年もいいね~、というところがあり、面白い。
これが、安定してきて、どんどん良くなるようになってきて、はじめて、全国に知れ渡る有名ワイナリー、そして、大御所ワイナリーに発展していくのだろうと思った。
だから、来年も頑張ってね!

ラベルの写真を忘れてしまった…

”バルバレスコ・バサリン 2006” ネーグロ

2009-06-07 01:09:50 | Piemonte ピエモンテ
“Barbaresco Basarin 2006” Negro –Piemonte(点数8.5-)
ずっと前に、値段と品質のバランスのとても良いワイナリーとして紹介されていて、飲んだことのあるワイナリーである。
ただし、その時は、バローロではなく、バルベーラが紹介されていたような気がする。
確か、わかりやすく飲みやすいワインを造っていて、万人に受けるという印象を持ったと思う。

さて、バルバレルコ、つまりネッビオーロで米ぬかの香りを感じたのは初めてかもしれない。米ぬか…どこから来るのか?と思ったが、あまり深く考えないことにした。
そして、やや緑の香りが強い。フルーツと花もあるが、隠れてしまう感じである。
奥行きというよりは、ちょっと小ぶり、しかし、全体にまとまった感じが心地よい。
味の方は、香りと違ってフルーツがきれいに広がる。そのため、とても好感が持てる感じ。タンニンは若く、気になるほどではないが、やや渋みがある感じ。後味はすごく長いというわけではないがなかなか良い。

調べてみたら、1670年創設のワイナリー。ひえ~というくらいの歴史がある。