在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Tassinaia - Castello del Terriccio 2003

2012-02-13 11:16:51 | Toscana トスカーナ
“タッスィナイア”カステッロ・ディ・テリッチョ2003-トスカーナ州

テリッチョにはユーカリの木がたくさん植えてある。だから、造るワインはユーカリの香りがする。
テリッチョで思い出すのは、いただいたルピカイアのボトルを見事に落として割ってしまったこと(当然のごとくいい香りが充満した)、そして、ワイナリーの敷地内にある池(と言ってもまあまあ大きい)に、これまた見事にはまってしまった車があったことである。(ビデオを撮っていたらその手の番組に投稿できた光景だった・・)

飲んだのは、ユウイチ君の働いている赤坂のレストラン、La Bottega del Gusto。
ご馳走様でした!
ところで、名前はタッシナイアなのだろうが、正確にはタッスィナイアになる。
シチリアではなく、スィチーリアになるのと同じである。(La bottega del Gusto ではちゃんと表示されていた。素晴らしい!)
日本のカナ表記は、実はかなりすごい(恐ろしいの意味)と思う。
誰が訳したのか、たとえば、カフェラテ。イタリアでは100回言っても通じない。カフェ・ラッテと言わなきゃ。スィとか、小さいッとか、誰が勝手に省略するんだろう・・

品種はサンジョヴェーゼ40%、カベルネ・ソーヴィニオン30%、メルロー30%。
2003年は、がらっと変わって暑かった~。
ふくよかなワインになっている。

濃いめのガーネット色。トスカーナらしい濃さ。
魅力的な香り。一瞬で、おお、いい、と思わせる香り。パフォーマンスが良い。ユーカリ、その他、緑の香草。もちろん熟したフルーツとコンフィ、スミレ、スパイスもあり、奥行きがある。華やかさとエレガントさの両方を持つ。
緑が出るが、まろやかさ、ふくよかさ、ボディがあり、バニラ風の甘さが残り、心地よい。とても印象の良いワイン。(88点)


Barbera d'Asti Superiore -Trinchero 2002

2012-02-12 10:10:34 | Piemonte ピエモンテ
"バルベーラ・ダスティ・スーペリオーレ”トリンケロ 2002 -ピエモンテ州

トリンケロは好きなワイナリーの一つである。リストにあれば結構好んで頼む。
ビオのワイナリーだが、ビオ臭くなくて(私は個人的に臭くても良いのだが・・)普通の人にも飲みやすい。
2002年のバルベーラがあった。
それは、長年の友人ユウイチ君の働いている赤坂のイタリアンレストラン、La Bottega del Gustoでである。
食事はとてもおいしかった。ボリュームもたっぷり。
イタリアのイタリアンもいいけれど、日本のイタリアンは、このクラスになると平均レベルがかなり高いと思う。
店内、イタリアワイン、オイルの関連グッズ、イタリアンポップスの音楽で、ちょっとイタリアに帰った感じにもなった。

2002年のワインは、あれば惹かれる。興味がそそられる。
ヴィンテージを極度に気にする人は手を出さないのかもしれないが、私はあれば飲みたいと思うし、かなりの確率で頼む。
2002年は寒かった。夏なのになんでこんなに寒いの??という年だったのを覚えている。だから、多くのワイナリーがリゼルヴァを造るのをやめて、看板ワインをあきらめて、決断に苦労した年である。
しかし、軽め、酸度が高く、物足りないかもしれないがかわいくまとまってそれなりにエレガントだし、看板ワインをあきらめたところは、ベースワインに普段使わない良いブドウを使ったりして、他のヴィンテージより良いという場合もある。
だから、楽しみなのである。それも、10年たって、どうなってるかな~とわくわくする。

色はやや透明感のある、きれいなガーネット色。
イチゴ、木イチゴ、レッドベリーの香りが、ちょっとフレッシュジュースを思わせる感じもある。緑が出て、そこにスパイスがパパっと振りかけられ、そして、心持ちアニマルが出てきている。
きれいな酸味。小さくまとまっているが、透明感を持ち、エレガントで、食事中決してあきないのでした。(86点)



Barbera d'Asti La Tranquilla - Carussin

2012-02-09 08:49:44 | Piemonte ピエモンテ
”バルベーラ・ダスティ・ラ・トランクイッラ”カルッシン -ピエモンテ州

ちょっと日にちを置いてしまったが、銀座コリドー街近くの大野さんのお店でいただいたワインその2である。
その1は白、そして赤へ。
ヴィンテージは写真がピンボケしてよくわからなくなってしまった。
自分のカメラでないとやっぱり使いにくい・・
裏のラベルには英語表示も入っているので、割と輸出に力を入れているのだろう。
外国に来ると、イタリアで見られない、イタリアで知られていないワインによく会う。
90%やさらには98%輸出ワインにしているというワイナリーもあるからだ。
ワイナリーは星の数ほどあり、酒屋もレストランも星の数ほどあるとはいえ、日本ほど改革に力を入れるところは多くないので、新しいものを取り入れてもらうのが難しい。ルートがすでに出来上がっているところになんとかして入り込まないといけない。
そこで、新しいものを受け入れてもらえる海外へ目を向ける方が楽な場合もあり、ほぼ輸出ワイン海外では、そんなワインに出会えるのも楽しみである。
このピエモンテのワイナリーもかわいらしくまとまった、そして、ラベルもかわいいワインであった。癖がなく、気張らず、気取らず飲める良質のワイン。

濃いめのきれいなガーネット色。
小さな森の木の実の香りがきれいで、そこにほんのりとスパイスが混じる。ただ、若干アルコールが立ち、香りの邪魔をするのが残念。
味わいがとてもきれい。タンニンの質も良く、程よい酸味が全体を引き立てている。料理にとても合わせやすいワイン。(86点)

Tinto Pesquera Ribera del Duero Riserva 1996-Alejandro Fernandez

2012-02-08 20:27:20 | vini stranieri イタリア外のワイン
”ティント・ペスケラ・リベラ・デル・ドゥエロ”アレハンドロ・フェルナンデス1996-スペイン

東京都内、祐天寺の、お寺のすぐ前に、レストランをオープンしてもうすぐ10年になるという知り合い、秋庭(アキバ)氏の小さなレストランPONT LEVEQUE がある。
以前一度お邪魔したが、今回久しぶりに訪れた。
イタリアの生ハムやパスタもあるが、フレンチである。
開店当初からがんばっている。料理も美味しいし、気取らずふらっと入れる感じもとても良い。
ご近所の方はぜひ一度足を延ばしてみてください。
さて、料理はお任せコースにして、ワインは、何か面白いものがないかをお願いし、メニュー外のスペインのワインにした。
1996年のリザーヴで、今は造っていないという話。
イタリアにいるとフランス、ドイツのワインはまあまあ飲むが、スペインのワインは意外と飲む機会がない。それも、新しいものはともかく、古いものにはなかなかお目にかかれない。そこで良い機会だと思ってお願いした。

色はびっくりするほどきれい。深い色合いのガーネット色。
香りは甘く、赤い花のブーケをドライにした感じ。さらにミネラルっぽい香り、スパイスに若干の土っぽさが加わる。全然衰えた感じではなく、「残念、ちょっと行ってしまったかも」というような感じもなく、秋庭氏の推薦の通り、まさに飲み頃という感じ。
アタックは優しくて心持ち物足りない感じかと思ったら、すぐにボディがでてきて、タンニンが丸くなっているものの、まだまだいける。持続性もあり、大いに満足。
なんだか今開けてしまってもったいないような気にもなった。飲み頃ではあるが、あと数年後でもよかったかも、と。
とても満足だったのでした。

Pinot Grigio Le Plantse - Didier Gerbelle 2009

2012-02-06 23:03:23 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
”ピノ・グリ・レ・プランツ“ ディディエ・ジェルベル 2009-ヴァッレ・ダオスタ州

銀座コリドー街すぐ近くの大野さんのお店、銀座タッポへお邪魔させていただいた。
Twitterでお知り合いになり、初めてお目にかかった。
小さな、かわいらしい、きれいに整ったお店で、キッチンがよく見え、話をしながら飲めるのがとてもうれしい。
食事も美味で、新鮮な魚、面白い食材、そして、パスタは思わずうなりたくなるアルデンテ。うーん、日本でこのアルデンテは懐かしくてうれしい。

さて、ワインその1は白とする。
個人的に泡ものは好きだが、だから、泡ものを飲むときはそれで食事をしてしまうことが多い。だから、泡もので食事をしないときは、ダイレクトに白、または赤に行く方が好きである。
ヴァッレ・ダオスタのピノ・グリ。
ヴァッレ・ダオスタは、実は唯一イタリアの州の中で行ったことがない州なのだが(ローマからは遠すぎ~)、ワインには思い出深いものがある。
そして、今はヴァッレ・ダオスタにも新しいワイナリー、新しいワインが生まれているが、その昔の主なワインは全部飲んだ。
ヴァッレ・ダオスタのワイン界の第一人者M. R氏には、以前、ヴァッレ・ダオスタのワインをこんなに飲んだ日本人は他にいない、と言われたことがある。

品種はピノ・グリ。赤ブドウである。
ピノ・グリは、色がついているもののみ興味がある。色のついていないピノ・グリには一般的にあまり興味がない。造るならちゃんとマセラシオンをしてよね、と言いたい。でないと、ピノ・グリがかわいそう・・・
色は濃い目、黄金色。ピノ・グリはこうでなくちゃ。(個人的には、玉ねぎ色のピノ・グリが好きであるが・・)・
香りはよく熟したフルーツとミネラルが混じり、そこに白コショウと香草が加わり、きりっとした感じを出す。
ボディがあり、程よい酸味、持続性も良く、実に心地よい。
いいね~!うれしい1本でした。(88点)



Macaron di Pierre Herme'

2012-02-04 22:51:36 | もろもろの食べ物
イタリア人はマカロンを知らない。
もちろんみんなが知らないのではないが、よほどのお菓子好きでもない限り、マカロン??なにそれ~??と言う。
そして、ローマでマカロンが食べられるところは、まだごく数件である。
そのうちの1件、Cristalli di Zuccheroのマカロンはかなりおいしいが、でも、本場にはかなわないと思う。
残念ながら、いろいろな条件が合わないので、マカロンの食べ比べはしていないが、ぜひ、一度に何種も買い、テイスティングをしたいと思っている。

1年ちょっと前までは、個人的にマカロンは好きではなかった。だから、どこがおいしいの?と思う人の気持ちはわからないでもない。人工的(に見える)色、形はかわいいが、それだけ、そして、値段は安くはないし、おいしいがほれ込むほどではない。
ところが、ラディレのマカロンを食べて開眼してしまった。
頂き物で、ふーん・・・、という感じで手を付けたが、あれ~おいしいじゃない!
なんと一度に4つも食べてしまった。ある友人に言わせると、ラデュレのマカロンを4つも一気に食べるなんて贅沢は、普通はできないしやらないという。
(正確な値段を知らなかったこともある・・)
以来、マカロン大好きになり、そうなると、世界でも名だたるマカロンを食べたくなるのである。
エヴァンのマカロンをパリ土産で頂き、ミラノに行くとラドュレを買い、または買ってきてもらい、今回念願のエルメのマカロンを食べた。
さくさく、しっとり、おいしかった。
でも、どれが一番いいかと聞かれると困る。やっぱり、一度マカロン食べ比べという贅沢をしてみたい。ああ、マカロン食べにパリに行かなきゃ。

Cadenhead's Bond Reserve Aged 15 years

2012-02-02 18:17:33 | もろもろ、つれづれ
今、東京にいる。
新宿は伊勢丹へ行って、ワインコーナーを覗いてみようと思った。
が、着いた途端、ウィスキーが目に入った。
お恥ずかしながら、ウィスキーの基本は勉強したが、忘れている、というか、ほとんど理解を深めていない。
イタリアでは食事の際に醸造酒を飲み、蒸留酒を飲む習慣がない。食後には蒸留酒を飲む習慣はあるが、イタリアにはグラッパがあるので、ウィスキーを飲むことは少ない。
どうしても忘れてしまうのである。(言い訳・・)

しかし、友人のA氏は、イタリア人とはいえ、ウィスキーが好きというか、カリラをコレクションしている。古いもの、クローズになった蒸留所のものなど、これはというものを見つけるたびに購入している。(保存するのに最適な蔵もあるし)
と、カリラが目に付いた。2種あった。そのうちの良い方、15年ものの方が「試飲できます」との表示がある。
もちろん有料だが、値段を聞いてみるとなんとたったの320円。(信じられない~!)
これは真昼間とはいえ、酒好きとしては避けて通れない。
隣にカウンターがあり、そこでの立ち飲み。丁寧な説明とともに。最高のシチュエーションである。(どうもありがとうございました!)

その後、もう1種(これはカリラではない)、合計2種のウィスキー飲んだのだが(昼から呑兵衛ですみません・・)これまた、たったの3年物とはいえ、お勧めのものでおいしかった。ストレートな香りと味わい、深みよりもびっくりするほどの長さがあり、美味でした。
カリラとは全く違う。
比べたこともあるので、カリラは深みがよりあるのだと。
長さというより深み、独特な香りと味わいで、実に魅力的。
特に、年を取ってくるとこういう落ち着いた味わいに惹かれるのだと思ったのでした。
そして、最後には1本ご購入となったのでした・・