在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

ローマのローカル空港??フィウミチーノ、またの名をレオナルド・ダ・ヴィンチ

2009-07-08 11:36:36 | もろもろ、つれづれ
イタリアにいると、本当に毎日、ネタがつきない。
今回は、ローマのローカル空港(??)。

家族がパリから帰ってくるので、空港まで迎えに行った。
予定のフライトは、パリからの最終便で23:10ローマ着である。
共同運行だが、機体(つまり運行)はアリタリア。

さて、ローマはターミナルがABC(まだ他にもあるが、ここでは関係ないので省略)とある。
ヨーロッパ線はたいていBターミナルに着くが、例外でAに着くのもあるので、お昼のうちに空港HPで忘れないように調べた。

すると、
  タイムテーブル時間 23:10
  到着予定時間    23:10
  実際に到着した時間 00:17
  状況        到着しました
とある。

単純に前日の同フライトの結果が残っているだけで笑えるが、日本だったら、今晩着くフライトの時間がこのザマでは、すぐにクレームの電話が何本も入るだろう。

夕方調べても、まだそのまま。
夜になったら、さすがに、実際に到着した時間は消されたが、状況はまだ「到着しました」になっている。
おいおい、まだ着いてないよ、ちゃんと仕事してよね、とさすがに言いたくなった。

夜になって、パリ出発前、家族からの電話でフライトが遅れているのを知った。24時着だそうだ。(遅延は、アリタリアの特許???)
確認のため、22時ごろ見てみると、到着予定時間は、確かにその通り、しかし、今度はターミナルがAからBに変更になっている。あれ~、見てて良かった!

フライトは、実際には、23時50分に着いたそうだ。
24時ちょっと過ぎには、荷物を待ってると電話が入った。
この調子だと割と早く出るかも?と期待していたのだが、待てども出てこない。
すると、また電話が入った。
荷物を間違えて、Aターミナルに送ったので、それをBに送るのに時間がかかる、と。
やっぱり、予定はAターミナルだった???そうならそうで、そのままにしておけばいいのに…

その後、荷物が出てきたのは、到着から1時間以上たった夜中の1時であった。
フライトが混み合っている時間でもないし、パリからは入国審査もないのに、いい加減にしてくれ~!と言いたかった…

翌日、そんな話をドライバーとしていたら、お客様を待つのが仕事の彼ら、そんなのしょっちゅうだよ、と。
今回は荷物を動かしたが、人間を動かす、つまり、あっちに行って、と言われることも多いのだそうだ。
…おいおい、ローカル空港じゃないんだけど…

ローマのタクシーのボッタクリ

2009-07-04 14:21:04 | 行ってはいけない
ご近所さんが毎朝玄関前に置いてくれる無料新聞にまたボッタクリの記事が出ていた。

まずは、昨日のレストランの続きで、オーナーは、返金したら自分たちが悪かったと認めることになるので返金しない、しかし、ウェイターたちは、強制的に加算したサービス料的チップ(名目はチップ)を新婚夫婦お二人に返したい、とあった。
どうやって返すのか?という疑問はあるものの、まあ、その気持ちは嬉しい。
それにしても、どうやってあれだけのメニューを食べたのだろうと思われる、本当のボッタクリの方は返金しないということで、ここまでセコイオナーにあきれてしまった。

そして、昨日は5軒を保健所がチェック、うち2件がクローズとあったが、それが8軒に増えていた。
確かに、古いレストランで、ここ大丈夫??というところが多いので、こういうチェックは頻繁にやってほしい。
ただ、クローズしているところの名前は掲載されていないので、どこかわからないが…
(キッチンを大掃除、大至急設備を一部変更するなどして、3日から1週間で再オープンすることだろう…)

さて、そして、今日の関連して紹介されていたのは、タクシーのボッタクリである。
確かに昔から有名で、特に日本人はネギをよっこらしょ、とたくさんしょっているカモである。
なるほど、タクシー運転手談でも、一番のカモは日本人、次がファミリーなのだそうだ。
特に、駅、空港から拾う時に悪質なタクシーが多い。
たとえば空港から市中心部まで均一料金40ユーロを、ひとりの料金と説明し、3人だから120ユーロを請求するとか、環状道路外を出ると高いタリフになるが、それを市内で適応したり、手口はいろいろである。
私が乗っていても、運転手と口論することがある。もちろんだまされはしないが。
だから、日本から来て、右も左もわからず、また、英語も通じず、訳のわからないイタリア語でまくしたてられると、仕方ないのかもしれない。

そんな不快な思いを防ぐには、個人旅行の場合、日本からのイタリア到着時の空港では、少なくとも、多少高くてもアシスタントを頼んでおくことをお勧めする。
これで、ボラレルことはないし、生の細かい情報を教えてくれるうえ、不安があったら質問すればよい。特に言葉に自信のない人には、下手にボラレルよりは、多少予算がかかっても気持のよい旅ができる。

それから、タクシーを利用したら、必要がなくても領収書をもらうことである。
よほど不快な思いをして、警察に行くと決めた時の証拠になる。

また、領収書に書いてあるかもしれないが(悪質なタクシーは書かないと思う)、車内にあるタクシー運転手登録番号や、車の外に書いてあるタクシーの登録会社の電話番号、タクシーのコードなどを書き写す、少なくとも覚えておくと便利である。

そして、あまり悪質なケースに当たった場合は、勇気を出して届け出を。

ナボーナ広場のすぐ北側にある老舗有名レストラン P

2009-07-03 14:20:00 | 行ってはいけない
ローマは無料の新聞がたくさんある。
いろいろなところに置いてあり、気軽に取れるようになっている。
何故か、ご近所さんが、毎日、早朝に余分に取った分を、玄関前に置いてくれるようになったので、なんとなく目を通す習慣ができた。
昨日、表紙をふっと見ると「昼食に700ユーロの支払い」との文字が目に入った。
ひえ~!どこ?誰?なんで~??と内容を読むと、そこは例のレストランであった。
そして、ボラレタのは日本人観光客であった。

ところで、情報の出どころは、有料有名全国紙レプブリカらしく、友人はネットに載った記事を知らせてくれたし、どうも、ローマ地方版テレビニュースでも紹介されたらしい。

私はガイドブックの仕事も手伝っている。
それにはずっと前から掲載されていたのだが、少し前に、やはり、ボラレタという情報が入り、掲載から外している。
有名観光地ナボーナ広場のすぐ隣、近くには上院もあり、老舗なので、政治家の利用も多いし、外で食べられる雰囲気も良いし、風格はあるが、気軽にも食べられるレストランである。

実は、オーナー(正確には、今は息子に任せているようだが)は個人的に割と良く知っていた。
観光客の良く入る別レストランを、その昔経営していて、割と美味しかったし、早くからの親日家で、日本人コックを使ったり、非常に有能な日本人シェフに任せていた時もある。

頼んだ、というより、断れない日本人に無理やり承諾させて持ってきたのだろうと思うメニューは、伊勢海老、生ガキ、オマールエビのパスタ、スズキのグリル、パン、ワイン、デザート、水ということらしい。さらに、サービス料のつもりか、項目はチップとなっているが、100ユーロ以上が加算され、合計がほとんど700ユーロになっている。
オーナーのコメントも載っていて、喜んで全部平らげたし、最後は、ウェイターと写真を撮ったり、丁寧にお辞儀までして出て行ったのに、ということ。

新婚旅行らしい二人は、よく考えたのだろうと思うが、警察に届け出た。
偉かった!と思う。
あまりの数字に、すぐに警察が介入、そして、保健所まで回してくれて、衛生状態最悪ということで、すぐにクローズになった。
だから、今は閉まっている。
しかし、再び開いても、絶対に行ってはいけないのである。

ところで、新聞には、同時に、観光客に有名なレストランをあと5つ調べたところ、2つが同じく衛生状態最悪で、即クローズの命令を出した、とあるが、その名前は公表されていない。

また、同じようなことを経験した場合、誰かに相談できればすぐに相談か、または、勇気をもって警察に届け出てほしい。


”バローロ・チャボ・メンティン・ジネストラ 2001” ドメニコ・クレリコ

2009-07-02 16:11:52 | Piemonte ピエモンテ
"Barolo Ciabot Mentin Ginestra 2001" Domenico Clerico -Piemonte
少し前の試飲から。

クレリコおじさんは、試飲会となるといつも来ていて、ワインをグラスに注いてくれた。
ここまで有名、また、儲かっているのだろうから、そこまでしなくてもとも思わないではないが、なんでもできることはやる、という(のだろうか?)姿勢が結構好きで、試飲会ごとに姿が見れるのを楽しみにしていた。
しかし、最近は、バローロの生産者集合、という感じの試飲会がないためか、どうしているのかわからないが…

最初にクレリコのペルクリスティーナを飲んだ時は、まだモダンバローロが好きだったので、感激した。
今でも、飲めば感心するだろうと思う。
クレリコは、バルベーラも好きで、良く飲んだものだ。

香りはクレリコらしい。エレガントさと真面目さと程よい華やかさを持っている。
強さも申し分なく、フルーツとスパイスのバランスがとても良い。
赤と黒のフルーツ、森の木の実、革、リコリース、甘いスパイス、カフェ、どれをとっても心地よく、広がりがある、粋なモダンさがある。
アタックもよいし、ボディがあるのだが、エレガントな面もあり。タンニンはまだかなり若いが質が良く、酸がしっかりしたボディ全体を支えている。もちろん持続性もあり、後味は心地よい。

”バローロ・チカラ 2001” アルド・コンテルノ

2009-07-02 16:02:56 | Piemonte ピエモンテ
"Barolo Cicala 2001" Aldo Conterno -Piemonte
少し前の試飲。

コンテルノは、今は、大好きなワイナリーの一つである。
まあ、バローロ好きで、コンテルノを嫌いという人はいないと思うが…
ちなみに、このあたりの生産者は、暖簾分けしていることが多いので、フランスほどややこしくはないが(歴史が浅い証拠??)、苗字が同じワイナリーを時々みかける。
コンテルノも「ただのコンテルノ」「なんとかコンテルノ」「コンテルノかんとか」といくつかあるが、これは、アルド。

「ただのコンテルノ」ほどではないが、長命バローロの代表の一つと言えるだろう。
若くして飲むのもよいが、もったいない。本当は、10年は置いて飲みたいバローロである。(もちろん、若い時もそれなりの良さがある。)

香りに薬草、ドライのフルーツ、スパイス、土、腐葉土など。他、アニマル臭、血、肉。奥行きが素晴らしい。(ただし、結構閉じていて、まだまだ出そうな気配。)
ミントなど、緑の香りがベースにあるのでエレガントさが出ている。
アタックは思いのほか優しい。(この優しさが良いのである。)
しかし、ちゃんとボディは出てくるし、甘さはあるのに、男性的な面もある。持続性ももちろん良い。

”バローロ・ロッケ 200” ヴィエッティ

2009-07-01 05:40:02 | Piemonte ピエモンテ
“Barolo Rocche 2001” Vietti –Piemonte
同じく少し前の試飲。

トーン明るめのガーネット色。
香りに、ビタミンのアメ、土、革、バルサム臭、古い樽を思わせる香り、樹脂などが混じる。やや控え目の香りで、徐々に出てくる感じで、エレガントである。
アタックは、どちらかというと優しく心地よい。ボディもあるが、今どきモダンなバローロにある、ドーンとしたアタックがないのがうれしい。酸がとてもきれいでエレガント。後味も、やや細め、ものすごく長いというわけではないが、洗練されている。

古くから良いワイナリーとして知られているのだが、一時、若干陰りが見えたようにも思う。
一時、嗜好が、あまりにもモダンに偏り過ぎたことにも原因があると思うが、最近はその極端な嗜好が修正されているので、また持ち直したように思う。
嬉しい話である。

”バローロ・ブリック・デル・フィアスク 2001” パオロ・スカヴィーノ

2009-07-01 05:25:04 | Piemonte ピエモンテ
“Barolo Bric del Fiasc 2001” Paolo Scavino –Piemonte
少し前の試飲から。(だから点数はなし)

スカヴィーノこそバローロ、というイメージの時代があった。
ひときわ値段も高く、インターナショナルに名前が売れ、毎年のように賞を取り…
最近は、ずいぶんおとなしくなった(?)ような気がする。(もちろん、まだ賞は取っているが。)
ここ数年は飲んでいなかったので、久しぶり。

トーン暗めのガーネット色で、爪の部分は透明感が見える。(中心は濃い目)
モダンで、強さがあり、良く熟したフルーツ、スミレもまだある。リコリースなど、スパイス、そして、アルコールがやや立つ感じがある。
アタックが良く、バローロらしい風格のボディがある。タンニンの質は良く、酸がきれいにそれを支えている。
全体に、華やかというか、ちょっと派手。全体のバランスが良く、ちょうどいま飲み頃感あり。つまり、これ以上はあまりもたないような気がする。

ブリックは、一般にスカヴィーノのクリュ物の中でもパフォーマンスが良く、特に、若いうちは神々しい(?)感じでもある。
一度は飲みたいバローロである。