在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

ワインを語ろう カンパーニャ州のワインの紹介

2021-10-19 18:03:12 | Campania カンパーニア




最近描き始めたワイン記事、第2回目です。(現在4回目まで掲載)

初心者の方向けに、字数制限もあるため、とても簡単にまとめたものです。

このあと、イタリア全土の紹介を書いていく予定になっています。

不定期掲載ですが、よろしかったら、ぜひご覧になってください。

以下をクリックするとご覧いただけます。


第2回目 カンパーニャ州のワインの紹介


さて、カンパーニャ州のキーワードは、

⭐️ 3つの白ブドウ品種を覚えよう

⭐️ キリストの涙は、観光客に人気

⭐️ 「南のバローロ」もあるよ


Greco di Tufo 2013 Bambinuto

2018-12-19 21:54:05 | Campania カンパーニア
Greco di Tufo 2013 Bambinuto



とても素敵なワイン生産者、マリレーナの造るグレコ。

マリレーナは、他の品種でもワインを造っているが、グレコが最も良さを発揮できる地域にいるので、グレコを使って、スプマンテからデザートワインまで(笑)幅広く造り、マリレーナのグレコは、多数あるグレコの中で、間違いなく最も良いものの一つである。

さて、家では軽めの料理が多いので、どうしても白ワインを開ける機会が多い。

白ワインでも、少なくとも数年はおいておいてから飲みたいと思う方なので、ストックしようとしているのだが、新しいヴィンテージは気がつくと無くなっている。

マリレーナのワインも何本かストックしてあって、これも、できるだけおいてから飲みたいと思っているのだが、時々、手が伸びる。
すると、ストックが少なくなっていくので、現在は、残りあと数本、という状態になってしまっている。
しかし、他に飲むワインがなくなると、(こんなに早く開けてしまって)モッタイナイと思うのだが、開けるか〜、エイヤ〜

家にお昼にいらしてくれたイタリア人の友人。白が良い、との回答。
いい加減新しいヴィンテージのストックも無くなっていて、ワインに詳しい友人ではないので、あまり古いワイン(2000年代の初めとか。。)も開けるのもどうか。

そこで、ストックしてあるマリレーナのワインの1本に手をつけた。
またストックが少なくなる〜、と心の中で思いながら。

やはり、とても良い出来。
2013年だから、ワインに太さがある。
そこで、本当はあともう少しおいておきたいところでもあったのだが、ワインは、今、乗りに乗っている〜という状態。



色はかなり濃いめ、南イタリアらしい温かい黄色になっている。
最初、ぐっと(かなり)冷えているときは氷のような、刺すようなミネラルが感じられるのだが、温まってくると甘いフルーツの香り、パイナップルの香りに変わってくる。ミネラルは、やや太めな感じで、時折ふっと、ほろ苦い緑の香草が香りを引き締めている。
太陽をたくさん受けた、ふくよかな、でも品のある、南イタリアらしいワイン。

アタックはかなりしっかり、ボディがあり、酸味が感じられるのと甘さ(まろやかさ)が出てくるのがほとんど同時。ほろ苦さが心地よく、塩味も感じられ、パイナップルの甘さの余韻が長く残る。+++++

ああ、2013年は最後の1本。。。。(涙)
あと3年おいておいても良かった。。。。

Cur Bambinuto Grecoのスプマンテ

2018-05-29 21:23:23 | Campania カンパーニア
Cur Bambinuto



品種はグレコ。グレコのスプマンテ。

色は完全に透明ではない。
それほどではないが、濁りがある。

通常、濁りのあるスプマンテというと、臭みがあり、綺麗な香りとは言えないものが多いのだが、これは違う。
ほのかに柑橘があるが、あとは花の香り、全体にニュートラルで、突出した香りがあるわけではない。

ただし、1年ほど我が家のワインクーラーに眠り、かなりまろやかになったからだと思う。
最初はもっとアグレッシヴな面を持っていた。

アタックは、優しさと、炭酸が一瞬弾け、酸味がきつくない程度に感じられ、余韻も程よく長い。

バンビヌートをほとんど一人で切り盛りしているマリレーナからいただき、年号わからず。(忘れた+ラベルに情報なし)

本当はもっと早くに開けようと思ったのだが、開ける機会を失い、1年ちょっとたってしまった。

時間が経って、まだまだ実験的なワイン(スプマンテ)だとは知っていたので、ダメになっている可能性もなくはなかったわけだが、そんな心配は吹っ飛んでしまった。

丁寧に造ればスプマンテはもつ。

もちろん、超高級スプマンテの世界とは違う。
しかし、1年経って泡が消えてしまうようなスプマンテも多い中、お見事。
マリレーナは、グレコを使って、デザートワインも含め、実にいろいろなワインを造っている。
グレコが素晴らしく良く育つ土地で、心を込め、いろいろな実験も含め、多様なワインを造っている。
スプマンテもその実験の一つだったわけだが、生産数の少ないスプマンテの1本1本に、彼女の魂が入っている。++++


5 Greco di Tufo + stranamente Procanico グレゴ5種に何故かプロカニコが混ざったブラインド 合計 7本

2017-03-15 14:43:30 | Campania カンパーニア
Greco di Tufo 2014 e Picoli 2015 Cantina Bambinuto
Greco di Tufo Pietra rosa 2013 Di Prisco
Procanico 2015 Trappolini
Greco di Tufo Miniere 2014 Dell'Angelo
Greco di Tufo Terre degli Angeli 2015 Terredora Di Paolo



先日のマルコのところで行った初の(もしかしたら、そして最後の???)試飲会。
もちろん、ワイナリーの人を招いて振舞うタイプの試飲会は時々催すが、着席の試飲会を行ったのはこれが初めて。

パオロと当のマルコと私とで2年越し?いや、3年越し?の計画。

意外やピーグロ(面倒臭がり屋)のマルコがやっと乗り気になって、グレコ・ディ・トゥーフォを何種類か試飲しなければいけなかったついでに、それなら、ということになった。

試飲のワインは5種類を選択。
マルコのところにある2種のグレコと私が提供した2種、そして、パオロが持ってきた1種の合計5種。

なにせ、本格的(?)な試飲会は初めてのマルコ。
テーブルに置くシート作成(いらないよーって言ったのにまずまずの傑作ができた)、グラスの用意(もちろんエノテカだからたくさんあるが)などなど、いざとなると、結構細かい物が必要になる。

試飲は絶対にブラインド、の私は、当日、ボトルをアルミで包んでおくようお願いした。

ところが、当日行ったら、5本のはずが、なんと7本用意されていた。

マルコに聞いても、どうしてかわからない、と言う。

結構、本気でとぼけたのだと後でわかったが、とにかく、もうどれがどれかわからない状態で、7本全部開けることになった。

グラスは5つ。

なお、試飲の順番は、そこにいた人に適当につけてもらうようにお願いしたので、全くの偶然。

5種のワインが何であるかは全員に公表。
(なお、写真の順番はちょっと入れ替わってしまっている。後ろのラベルのが正しい)



1 Greco di Tufo Picoli 2015 Cantina Bambinuto
偶然、1番にあたったのがピコリ。結構色が濃い印象だったが、意外や薄め。
香りも味も、不思議なくらい出ていなくて、最初はちょっと戸惑う。しばらくするとだんだん出てきたが、フルーツがストレートに出てくる印象。酸味、ボディ、余韻とも普通で、しかし、何か不思議な印象。++(+)
これがピコリだとは思わなんだ、がみんなの印象。確かに、以前飲んだ時、まだかなり不安定、とオーナーが言っていたが、まさにその通り。数ヶ月後に再度開けてみたい。

2 Greco di Tufo Pietra rosa 2013 Di Prisco
がらっと変わって、ミネラルが強い。香りにも塩味を感じる。柑橘がきれい。
アタックがとても良く、余韻が長い。フルーツが残り、塩味と甘さのバランスが絶妙。++++
私はかなり気に入ったが、3番目に人気のあったワイン。

3 Greco di Tufo 2014 Cantina Bambinuto
最初、かなり閉じている印象。2とは違うミネラル、柑橘がほのかでとてもエレガント。
酸味が強く、最後酸っぱいくらいだが、余韻が長く続く。++++
このワインが一番人気があった。

4 Procanico 2015 Trappolini ラツィオのワイン
炭化水素(イドロカルブーロ)系の香り、これまた違うミネラル、ミント、香草、柑橘の香りで、今までとは全く違う印象。+++(+)
マルコが他のワインを混ぜている可能性はあり、異質に感じたが、全体の人気はこれが2番だった。

5 と7 Greco di Tufo Miniere 2014 Dell’Angelo
ぐっと色が濃く、ビオの香り。小豆のような香りもするし、香りがこもり、ちょっと臭いと言う人も。酸味があり、余韻が細く、期待より消えてしまう。++(+)
マルコが同じワインを混ぜていたのは知らなかったが、7のワインは、5と同じだとわかった。ただ、5より7のワインの方が絶対に良かった。ロットが同じなのはのちに調べたが、ビオなのでボトルの差が大きいのだろう。7は+++

6 Greco di Tufo Terre degli Angeli 2015 Terredora Di Paolo
ミント、香草の香りがフルーツに混じる。余韻の長さは良いのだが、ほろ苦さが残る。++(+)

5本のはずが6種、7本の試飲になった、マルコのところらしい、ちょっとはちゃめちゃな試飲会。

意外や意外と言ってはトラッポリーニに失礼だが、プロカニコが2番目の人気。
ラツィオ州のワインということで、プロカニコなんて、と言う人もいるわけだが、美味しだろ〜、とマルコは満足そう。

うれしいことに、またぜひ、の声はあるが、次はいつになることやら。








Cantina Bambinuto カンティーナ・バンビヌート

2017-02-09 11:36:02 | Campania カンパーニア
この前の、モニカのオーガナイズによるイルピニア地方の8つのワイナリーの試飲会で、最も気に入ったワイナリー。




偶然、行く機会に恵まれて、カンパーニャ州の山奥、アヴェッリーノまで行ってみた。

ワイナリーは、マリレーナがほとんど一人でやっている。
マリレーナがかなりパッツァ(キチガイ)だとわかったのは(笑)まあ、いろいろなことに挑戦するのが好きということ。
これにはかなりびっくり。
デザートワインを造り、グラッパを造り、はたまたブランデー、チーズと一緒に出されたコンフィのそうで、アメも作ったことがあるというし、その他いろいろ作ったらしいが、中にはビールもあった。
もちろん、ワインに関連してのものばかりである。

これは、と思うのものを作ってしまいたい性格らしい。
しかし、一人では、アイデアはあってもなかなか実現には至らないし、普通はちょっとやらない。
それだけ幅の広い交友関係があるわけだ。
かなりすごい。(マリレーナの爪の垢が欲しい。。。)

当然、ワインに関連して造る。
また、地元の品種グレコを使って造る。

だから、デザートワインはグレコで、ビールにもグレコを混ぜるなどして、グラッパもグレコので、ブランデーは搾かすではなくワイン(当然グレコ)を使い。。。という調子。

デザートワインもグラッパもブランデーも美味しかったのだが、特にビールは美味しかった。
素晴らしく美味しかった。
ぜひまた飲みたい。。。。。

ワイナリーの規模は小さく、まだ家内生産的。
ほとんどステンレスタンクでの熟成。樽はデザートワイン用(当然品種はグレコ)で、その数もわずか。

また、少数だが、グレコでスプマンテも造っていた。
これはまだリリースされていない。もうそろそろ出るのだが、楽しみ。
もちろん、こだわりのマリレーナが造るので、造り方、味わいが全く違う2ヴィンテージを同時にだすそうな。(ますます楽しみ)



試飲には、かなりのボトルを開けてくれた。
また、食事も、簡単なものと思っていたら、かなり豪華な内容だった。

この前の試飲会で感心したグレコの2014年。++++(+)
グレコがこんなにエレガントだったなんて、と感心。
2015年は、もう少し太さがあるというか、悪くはないが、洗練さには若干欠ける。+++(+)
ただし、あと数ヶ月経ってからの方が良い、とマリレーナが言う通り、まだ、ワイン自体が落ち着いていないように思う。

もう一つのグレコはピコリ。
上級クラスというのではなく、もう一つのグレコとして造っている。
畑は600m近い標高、向き、日当たりの条件が素晴らしく良い畑なのだそうな。
2015年、色が濃いめで、太さのある、ボディも良い、存在感のあるグレコに仕上がっている。++++(+)

扱っている品種は、軽めのワインとして白のファランギーナが少し、そして、赤のアリアニコでも軽めワインを造っているとのこと。
アリアニコは、タウラージのようにしっかりしたものは造れない、とか、普段飲みの本当に軽いものなのよ〜と言っていたのだが、飲んだら、これまた素晴らしく美味しかった。色は明るく、輝きがあり、花とフルーツがピチピチしている。
なんと、2013年と2015年のブレンドでヴィンテージ表示はなし。
なお、2013年と2015年は造り方を大きく変えたのだそう。++++



グレコのデザートワインは、色がかなり濃い。
まるで赤ワインから造ったデザートワインの色合い。
酸味がキリッと全体を引き締め、美味しい。++++

グラッパは地元の蒸留所で造られたもの。+++
そしてブランデーはまろやかで、これもかなり美味しい。飲みやすい。
ちなみに、ブランデーなので、ワインから造ったもの(搾かすからではない)。++++

食事の途中で出してくれたビールは、見事な泡立ちだった。そして、濁りがあり、香りが素晴らしく良かった。+++++













Lacryma Christi 2014 Matrone, Diano d'Alba 2006 Porta Rossa e Fiorano Rosso 2011 Fiorano

2017-02-07 16:35:12 | Campania カンパーニア
Lacryma Christi del Vesuvio Rosso Territorio de’ Matroni 2014 Cantine Matrone
Diano d’Alba Duperiore Sori Piodvenza 2006 Cantina della Porta Rossa
Fiorano Rosso 2011 Tenuta di Fiorano



ローマの某ソムリエ団体より、別の某団体のほうがマシかと思ったら、そうではなかった。
人間みんな、心の中にはいろいろな感情、野望がぐるぐると渦巻いている。

ということと関係して、今年のアルマンドのコルソはプライベートな場所で(半分)プライベートに行われる試飲会になった。
正確には、試飲会ではなく、美術のコルソ。
そして、関連するかしないかは別にして、アルマンドの選んだワインを飲む。
たった3種で寂しいのではあるが、美術は好き、興味があるので、まあそれもよしとして参加。

第1回目の講義でのワインは以下の3種。

Lacryma Christi del Vesuvio Rosso Territorio de’ Matroni 2014 Cantine Matrone
笑っちゃあいけない。「キリストの涙」を飲むなんて、いったい何年ぶり。(笑)
観光客がポンペイに行くと、昼食のレストランで出る定番ワイン。(もちろんワインを選ばない人も多いだろう)
日本人のイメージの、レストランでのワインの値段はこのくらいなのだとは思うが、残念ながらちょっと高い。(特に品質に対して)
ただ、チップを別に置くわけではないシステムでは、仕方ないかも。。。

さて、説は多少違うだろうが、要は、あまりの美味しさにキリストが涙して、そこからブドウの木が生えたというヴェスヴィオ山麓で造られるワイン「キリストの涙」。
何社かが造っているが、白ワインと赤ワインがある。
白は涙でいいと思うが、赤になると「キリストの血」のほうがしっくりくるような気もするが、まさか、名前だけでもキリストの血を飲むわけにいかないので、やっぱり涙。
赤もありますよ〜ってとこ。
昔はそれなりに飲んだが、今は、ほとんど飲むことはない。

さて、アルマンドが推薦するだけあって、これは飲めた。キリストの涙とするとかなり良かった。

品種は、ピエディロッソ75%、アリアニコ15%、シャシノーゾ10%。
生産数2000本もないという希少ワイン。

最初はワインらしい香り、やや硫黄の香り(ヴェスヴィオの火山の香り、はジョーダン)があるが、よく熟したアメリカンチェリーがきれい。ミネラルが強く、スパイスを覆っている。全体に太さがあり、土っぽさもでる。
アタックは思うよりおとなしく、しかし、ボディがすぐに感じられ、赤にしては酸味が強く、この辺りが飽きさせない。余韻にはほろ苦い感じとフルーツが混じる。+++(+)

Diano d’Alba Duperiore Sori Piodvenza 2006 Cantina della Porta Rossa
最近は、個人的にちょっと気にしている品種ドルチェット。
品種はもちろんドルチェット100%で、マグナムボトル。(うれし〜)
マグナムということもあって、2006年、10年経っているのにまだまだいける。

最初はちょっと野菜風。他に、ステンレスのような香り、のり、海草、ヨード。と書くと、どんなに臭いワインかと思うだろうが、そうではない。フルーツはフレッシュで、森の木の実。
アタックはよく、酸味が綺麗で、木の実のタイプのドルチェット。タンニンが繊細で重たさがない。余韻に酸味が残り、かなりきれい。++++

Fiorano Rosso 2011 Tenuta di Fiorano
おなじみフィオラーノ。
ローマのすぐ近くで生産されるびっくりワイン。ローマでもやればできるよね〜といいたい。
品種はカベルネ・ソーヴィニオン65%とメルロー35%。つまりボルドータイプ。

フルーツがきれいで、石灰、鉄分、スパイスに、やや甘いピーメン風が混じる。アルコールが上がるのがやや気になるが、強さと持続性のバランスは申し分ない。
ボディがあり、甘さ(糖分ではない)と強さがきれいに出ていて、余韻が長い。わずかに緑の香りがエレガントで良いアクセント。++++(+)


Taurasi 1994 Feudi di San Gregorio

2016-11-15 22:56:18 | Campania カンパーニア
Taurasi 1994 Feudi di San Gregorio



開けるのにちょうど良いワインがない時が結構ある。
新しいワインを買うとき、しばらく取っておこうと思って買うと開けられない。
でないとすぐに開けてしまうので、ストックがなくなる。

そうして、90年代のワインがまだまだたくさんワインクーラーに残ったままになり、いい加減ダメになっているかもと思うと開けられなかったり、好みが変わってしまっていることもあり、開けないでいると、ますます古くなる。。。

そこで、たまに、よし、と勢いで開ける。

今回も、勢いで開けたのが、これ。

ダメになってるかなぁ〜???と思いながら。

ガンベロ・ロッソのトレ・ビッキエーリを取っている。

1994年のヴィンテージだから、もう20年以上経っている。
あまり良い年ではなかったので、期待は半分だったのだが、思ったよりはるかに良かった。



色は、まだ光沢があり、暗めのガーネット色で、爪には透明感、わずかにオレンジがかった感じがあるが、まだまだ、という感じの色。
よく熟した香り。カカオ、チョコ、スパイス、革、フルーツのコンフィ、そしてブラックオレンジ。腐葉土やアニマル、キノコはまだ僅かなので、もう少し持つかも、と思わせる。
アタックはまろやか、タンニンがきれいにやわらなくなっているが、酸味が味を引き締めている。持続性はよく、最後にブラックオレンジ風の香りが残る。
なかなか悪くないじゃない!結構底力あるね〜!と思わせた。++++



今はこんなにモダンなラベルになっている。
昔のモザイクのラベルの方がいいと思うのは私だけ??
手に入るのは2011年。


タウラージ フェウディ ディ サングレゴリオ 2011 赤 750ml
フェウディ ディ サングレゴリオ
フェウディ ディ サングレゴリオ



こちらはリゼルヴァ、一つ上のクラス。

ピアーノ ディ モンテヴェルジネ タウラージ リゼルヴァ フェウディ ディ サングレゴリオ 2008 赤 750ml
フェウディ ディ サングレゴリオ
フェウディ ディ サングレゴリオ

5 Fiano di Avellino; Marsella, Villa Matilde ecc. フィアーノ 5種

2016-04-19 00:31:49 | Campania カンパーニア
Fiano di Avellino

Mastroberardino 2014 マストロベラルディーノ
Pietracupa 2014 ピエトラクーパ
Ciro Picariello 2014 チーロ・ピカリエッロ
Villa Matilde 2014 ヴィッラ・マティルデ
Guido Marsella 2012 グイド・マルセッラ



いつものエノテカ、近所のDi Biagioでの試飲会。
土曜日の午後、無料で、今回は5つのワインを振る舞う。
昔はこういう無料試飲をあちこちのエノテカでやっていたが、不況になってからだいぶ少なくなったのではないかと思う。(逆に、有料の試飲会は増えたような気がするが)

心の広い経営者のアウグスト氏は、大判振る舞い。
グラスもちゃんとしているし、試飲のワインの数もいつも4つか5つ、時間にも幅があり、今時、信じられないくらい豪華な無料試飲会。
店内のスペースもあり、また、グラスを持って、ワインの棚を眺めながらちびちびとは最高の幸せ。

さて、今回はフィアーノ。
ワイナリーは5つ。

Mastroberardino 2014
香りが、思いの外、と言っては失礼なのだが、かなり良い。華やかで、しっかり甘みを帯びるくらいの柑橘が綺麗に出ている。
マストロベラルディーノのワインを飲むことはかなり少なくなったが、決して悪くはないと再認識。ただ、香りと味を比較すると、香りの方がよく、味の方は期待にあともう少し。+++

Pietracupa 2014
がらっと変わって落ち着きが出ている。華やかなマストロの後では、好きか嫌いか極端に分かれそう。
つまり、華やかなタイプが好きなら、香りがやや弱めで、渋みを帯びた(タンニンではなく)雰囲気のこちらは物足りなく感じるが、逆に、マストロの華やかさが鼻に着くようならこちらが好きだと思う。実際に極端な意見が聞かれた。味は、やや持続性に物足りないところ、ほろ苦さがかなり出ているところがやや気になった。++(+)

Ciro Picariello 2014
柑橘系が綺麗に出ている。酸味もあり、悪くないが、ある意味、一番印象に残らなかった。。。++

Villa Matilde 2014
昔はよく飲んだものだ、と懐かしかったのだが、ラベルががらっと変わって残念。マストロもそうだが、この雰囲気のラベルが流行り??? 悪いがちょっといただけない。マストロと同じく華やかでモダンな雰囲気。黄色の花、熟したフルーツが綺麗。余韻がややほろ苦いが、これも個性。+++

Guido Marsella 2012
良いのだが、文句をつけたくはないのだが、値段が高すぎ。フィアーノに33ユーロ???うーーーーーーーーん、25ユーロで限界か。。。確かに、いつも他のフィアーノより頭ひとつかふたつ、品質も値段も秀でていたのは認めるが、33ユーロはちょっと高過ぎ。いつの間にかこんなに上がったとは。。。。。++++


マルセッラはこれ。一度も飲んだことがないという人は、絶対に一度は飲むべき。

フィアーノ ディ アヴェリーノ グイド マルセッラ 2012 白 750ml
グイド マルセッラ(TUSCANY)
グイド マルセッラ




マストロベラルディーノはこれ。いたってクラシック。


■【12本セット】 マストロベラルディーノ フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ[2014](750ml)白 Mastroberardino spa Fiano di Avellino[2014]
オンラインワインストアWassy's
オンラインワインストアWassy's




こちらはヴィッラ・マティルデ。結構ファンの多いワイナリー。


フィアーノ ディ アヴェッリーノ ヴィッラ マティルデ 2014 白 750ml
ヴィッラ マティルデ(TUSCANY)
ヴィッラ マティルデ

Comuni nel vino コムーネ・ネル・ヴィーノ

2016-01-21 20:16:02 | Campania カンパーニア
Comuni nel vino コムーニ・ネル・ヴィーノ
Stefania Barbot
De'Gaeta
RaRo



まずは大変素晴らしいオーガナイスに久々に、ほう、と思った。
何をするにも時間は過ぎる。そこで、忙しいか忙しくないか、自ら進んでかそうでないか、そこに支払いが生じているか生じていないかなど別にしても1日の幾らかの時間を割いいているわけである。その時間を気持ちよく過ごせるかそうでないか。さらにその時間が有意義であればなお良いが、気持ちの良い時間を過ごせないと悲しく思う。
今回の、ヴィンチェンツォ・メルクーリオ氏と非常に素晴らしい女性であるモニカのオーガナイズによる試飲会は、それは気持ちの良いものだった。



ゆったり空間の取られている部屋にはすでにきちんと全てが揃っていた。
各テーブルにファイルが置かれ、とてもオシャレだったのは、各テーブルでファイルの色が変えてあること。一体何色あっただろうか。中にはきちんとファイルされたインフォメーション、メモ用紙、ボールペンがきれいに入っていた。日本では当たり前かもしれないが、イタリアの試飲会でこれだけこまやかな心使いがあるのは非常に珍しい。
グラスもきちんと置かれ、シートにはちゃんとワインの名前、ヴィンテージが印刷され、ワンプレートが出ることになっているので、ナイフ、フォークもナフキンに綺麗に包まれてセットされていた。
パンまでが非常に綺麗に並べてある。
高級レストランに行くわけでもなく、招待された一試飲会なのであるが、完璧とも言えるサービスは、久々に心から気持ちが良かった。

実は少し前のある試飲会で、全く逆の経験をした。
決して安くはない試飲会なのだが、黒い紙のテーブルクロスはホテルのものなので仕方ないとして、グラスの下に敷かれているシートは赤い紙の市販品で、これではワインの色も見れない。しばらくして白い紙ナフキンが数枚あるのに気がついたが、人のところまで手を伸ばさないと取れない。
グラスに注ぐワインも、右に注ぐ人がいるかと思うと左の人もいて、どのワインがどうとかこうとか、オーガナイズしている人が声を張り上げている。
当然紙の1枚も、ペンの1本もなく、自分で紙を持ってきていなければメモも取れない。
せめて、グラスの下のシートくらい赤ではなく白いものを用意してくれれば、メモ用紙がなくても直接書き込めるのに。
タダならともかく。。。。と、かなり気持ちの良くない試飲会であった。


さて、試飲会は「コムーニ・ネル・ヴィーノComuni nel vino」という名の醸造家ヴィンチェンツォ・メルクーリオ氏率いるグループのローマでの初のお披露目会だった。
南のバローロとも言われるアリアニコを使ったワイン「タウラージ」を生産している地域が、カンパーニア州はイルピーニアにある。ちなみにタウラージはDOCGである。
ちょっとややこしいのだが、イルピーニアDOPの中に「カンピ・タウラジー二」という名称の地域限定のワインがあり、今回はそのワインに焦点を当ててのお披露目。

同じイルピーニアの地域の中ではあるが、3つの別なコムーネ(町)の3つのワイナリーが一緒になってグループを作り、メルクーリオ氏に率いられて、一つの製造所で、テリトリーの違い、テロワールの違いを反映しながらワインを造る。数千本からせいぜい1万本を超えるかという生産者にとって、それぞれが別々に施設を持つより、一つの施設で共同で造る方が良いという判断である。刺激しあい、情報交換もできるので、確かに結果を生むと思う。
3つのワイナリーはどれもまだ若い。また全て現在ビオに転換中である。

Stefania Barbot は、グループの中で紅1点。パテルノポリで、夫婦でワインを造っている。標高は420-465mと結構高い。50年以上の樹齢のぶどう畑を徐々に新しく改良している。

De’Gaeta は、兄弟の経営で、カステルヴェテレ・スル・カローレ。490mの標高とかなり高い。2ヘクタールと畑は小さく、2009年から始動、2012年の畑もあり、まだワイナリー、畑ともかなり若い。

RaRo は、30年来の友人の二人が始めた、一人はカンパーニア州でワイナリーを持っているファミリーの一員、もう一人はソムリエ。モンテマラーノで、標高はさらに高く、645mにもなる。

それぞれのカンピ・タウラジーニの2013年とアンテプリマで2014年、合計6種を試飲。
Raro Irpinia Campi Taurasini  アリアニコ 100% ステンレスタンクでの発酵と熟成。
De’Gaeta Irpinia Campi Taurasini  アリアニコ 100% 1本あたり1,1kgというかなり少量の収穫。21日の長いマセレーション。2013年はトノー、2014年はステンレスでの発酵。熟成はステンレスで12ヶ月。
Stefania Barbot Irpinia Campi Taurasini ION アリアニコ 100% マセレーションは20日。発酵、熟成ともステンレス。

あいにく風邪をひいていて、香りはかなり困難で残念。
色は、ラーロのものがわずかだけ薄めだが、どれもかなり濃いしっかりした、深みのある色合い。ラーロのものが一番シンプルで飲みやすく、デ・ガエータのものはフレッシュさがある上、タンニンがしっかりしていてインパクトが強く、フィニッシュにはタンニンの渋みが残る。バルボットのものは、タンニンがしっかりしているが丸みを帯びていて、非常にバランスが良い。
同じ醸造家の指導の元に同じように造っているというものの、やはり違うテロワール、「コムーネ」が反映され、三者三様。どのワイナリーもまだ若く、ぶどうの木も大半が若く、徐々に安定した生産ができるようになってくるとさらに乗ってくるように思う。

ワンプレートもホテルのレストランのシェフが腕をふるったもので、大変美味。


7 Fiano di Avellino フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ7種

2015-05-08 23:27:00 | Campania カンパーニア
Fiano di Avellino Radici 2014 Mastroberardino マストロベラルディーノ
Fiano di Avellino 2012 Guido Marsella グイド・マルセッラ
Fiano di Avellino vigna della congregazione 2013 Villa Diamante ヴィッラ・ディアマンテ
Fiano di Avellino 2009 Rocca del principe  ロッカ・デイ・プリンチペ
Fiano di Avellino Refiano 2012 Tenuta cavaliere pepe テヌータ・カヴァリエレ・ぺぺ
Fiano di Avellino 2013 colle di lapio コッレ・ディ・ラピオ
Campania Fiano IGT particella 928 2012 Cantina del Barone カンティーナ・デル・バローネ



友人のルカが試飲会を再開した。第1回の前回はあいにく Vinitalyに行っていたので参加できなかったが、今回は参加してみた。
前回がグレコ・ディ・トゥーフォだったので、フィアーノの今回はその続きということになる。

ルカはワインの試飲をブラインドでする派である。
最近は絶対にブラインドだよね、という風潮はあるが、ブラインドでやらない派はちなみにたとえばアルマンド・カスターニョ。
まあ、彼ほど有能であればこだわることはないし、もちろんブラインドで試飲をすれば、素晴らしい才能を発揮する人である。
対して、サンドロ・サンジョルジは絶対にブラインド派で、試飲会に行くと(最近は行っていないのだが)注がれたワインを、時間制限付きで試飲、つまりしーん(座布団を取り上げられる?)とみんな黙ってメモを取る。
AIS(現在のFIS)は、何度かブラインドらしきことをやったが、一般にはブラインドでやらない派である。(最近はほとんど参加していないので、変わっているかもしれない)

ルカの試飲会で以前面白かったのは、全くバラバラの、いったいどこの国かわからないワインもごちゃ混ぜにしてのブラインドだったが、これが意外に不評だったそうで(ある程度のレベルになると、「外れる」のではないかと怖くなる)やらなくなった。
または、テーマを決めた時はブラインドではない試飲にしていた。
という2種のやりかたをしていたのだが、今回はその中間のやり方であった。

つまり、テーマは決まっているのでワインは何かわかっている、しかし、ワインのタイプやワイナリーはわからない、という方法であった。

他の人の意見はわからないが、私にはちょっと中途半端だった。
以前、やはり某団体が、ワインはわかっているが、どれかはわからないというやり方での試飲会を開いた時、どれかわかっている講師がワインに付いて話すので、気が散るし、話の内容と力の入れ方にこちらの意見も左右された。
今回もそれにわりに近かった。
ルカが好きなワインばかりを選んだというが、やはりどうしてもあるところで力が入ってしまう。
すると、こちらも、感情的にどうしても修正したくなってしまうのである。

さて、ルカが選んだフィアーノ7種は、樽使いのはなく、ステンレス(セメントもあった?)のみ。
やや遅摘みタイプを中心に、自然派も含めて7種。
試飲の準備は、ダイスを転がして決めた全くの偶然。
偶然は奇なりではないが、本当に偶然なのに、とても面白い順番になったと思う。



Fiano di Avellino Radici 2014 Mastroberardino
ご存知ラディーチの白。赤は有名だが、これは白。そういえば白もあったんだ。香りは甘く、熟したリンゴなどに冬メロンまで混じり、わずかスパイスが香りを引き締める。香りはとてもよくできている。味は、酸と塩味が強く、口が乾く感じがあり、最後はほろ苦さが残る。++(+)
Fiano di Avellino 2012 Guido Martella
色が濃いめ。先のワインとは、同じフィアーノでも全く違うタイプだとわかる。ミネラル、燻製っぽい香り、ナッツ、そして、ミルク系の香りもあり。だんだん香りが変化していくのが面白い。味がかなり良く、ボディもあり、持続性も良い。最後にやはり燻製っぽい香りが残り、心地良い。++++
Fiano di Avellino vigna della congregazione 2013 Villa Diamante
さらに色が濃い。3つのうち2つまでがかなり色が濃く、フィアーノはこんなに色が濃かったか?と思ってしまう。かなり変わっている。辛口の香りにカモミール風の香りが混じり、やや酸化した感じも取れる。酸だけでなく、塩味もあり、持続性がすごくあるわけではないが、消えたと思ったらまだ戻って来る感じ。+++(+)
Fiano di Avellino 2009 Rocca del principe 印象がかなり面白い。新しいヴィンテージではないのではないかと思ったら(一応、古いヴィンテージが一つあるとのインフォあり)、2009年だった。よく熟していて、樽を使ったのではないかと一瞬思わせるくらい。アタックは優しい感じにだが、しっかりしたボディもあり、酸がきつくなく、ナッツが余韻に残る。こういう少したった白が個人的に好きなのだと納得。+++(+)
Fiano di Avellino Refiano 2012 Tenuta cavaliere pepe
香りが最初は閉じていて、だんだん出てくるが、ややビオ風の臭みがある。エレガントな雰囲気もあり良いのだが、やや個性に欠ける感じがなきにしもあらず。+++
Fiano di Avellino 2013 colle di lapio
可もなく不可もない感じ。色は最初のワインのように薄め。酸が際立ちほろ苦さが残る。++
Campania Fiano IGT particella 928 2012 Cantina del Barone
再び色が濃くなる。栗やハチミツなど、個人的に好みの香り。ミントのような緑の香りが加わり奥行きがある。アタック良し、酸がきれいで、持続性も申し分なし。++++

全くバラバラのワインの時は結構はっきり優劣、好みが分かるが、とにかく全てフィアーノで、好みの順を付けるのはかなり迷った。





Marisa Cuomo 4vini マリーザ・クオモ 4種

2015-03-08 11:40:12 | Campania カンパーニア
Furore bianco 2013
Ravello 2013
Fiorduva 2012
Furore rosso 2013
Marisa Cuomo マリーザ・クオモ



お昼にドルチェットを飲んだ後、夕方は試飲会。
比較的近いところにあるアウグスト氏のエノテカ、Di Biagioでの、ほぼ恒例の土曜日の試飲会。
立ち飲みで、気軽に行けて無料。アウグスト氏の人柄がまたこれは素晴らしく、行ける時は行くようにしている。テーマを決めたり、最近はワイナリーの紹介が多い。
今回はMarisa Cuomo。
同時に、プーリアワインとオイル、食材の紹介のスタンドも出ていて、今回は大盛況だった。

さて、久々に飲んだクオモのワイン。
出た頃、話題になったのを覚えている。
昔はよく飲んだし、今でもナポリ近郊のレストランで、リストにあると時々頼むのだが、品切れが実に多い。それだけ人気のワインになったのだろう。

実に残念。
Furore bianco 香りが弱い。もちろんあるのだが、期待度には達していない。味も悪くはないが、こちらも全体に弱く、余韻も長くないし、存在感に欠ける。レストランで食事と一緒にこれだけで飲むと、それはそれで悪くはないのだと思うが、こうやってちゃんとワインだけを飲むとバレバレ、という感じ。そして値段。アウグスト氏のエノテカは値段が安い方なのであるが、それで18ユーロ。オーナーのアウグスト氏自身も、高過ぎだよねー、と。(笑)しかし、今では有名ワインの一つなので、買う人は買うのだろう。++ 値段を考慮すると+

Ravello こちらは悪くない。香りもフルーティーでしっかりしているし、存在感がある。酸味のバランスが良く、余韻も期待通り。今まで、Furoreのほうが上という先入観があったが、今度からはこちらにしよう。値段も1ユーロ安い。(笑)+++

Fiorduva うーん。45ユーロ。もうここまでくるとノーコメント。25ユーロまでなら出してもいいが(いや、やっぱり25ユーロで他のワインを買うだろう)、45ユーロにまでなっているとは。昔はいくらだったっけ?と考えてしまった。絶対に、45ユーロで他のワインを2本買う。ワイン+++(+) 好みと値段を考慮すると++(+)

Furore rosso 個人的にワインワインした(Vinosita’)ワインが嫌いで、最初一瞬、好きではないと思ったが、しばらくして落ち着いてきた頃には悪くない、と思うようになった。魚に赤ワインを飲みたいと思ったらこのワインを少し冷やし目にして悪くないと思うし、地元で肉料理でも食べたいと思ったら、これまた夏でも悪くないと思う。+++  

Taurasi Serpico Piano di Montevergine 2001 2007 2008 2009 Feudi

2013-10-03 12:38:36 | Campania カンパーニア
Feudi di San Gregorio
Taurasi Serpico Piano di Montevergine
2001 2007 2008 2009


久々、実に久々にFeudi、それもアリアニコを飲んだ。昔は良く試飲したし、レストランでも割と頻繁に頼んだものだが、ワイナリーの数が星の数ほど増え、昔はどこにでもあったFeudiのワインを置いているところも若干少なくなり。。。(いまだに置いているところはたくさんあるので、レストランの数が増えたこともあるだろう)


ワインは全部で12。
TaurasiとSerpico とPiano di Montevergine
2001年、2007年、2008年、2009年

2001年とその他の年の間には大きな開きがあるが、まあそれは良しとしよう。

2001年
Taurasi 色はいまだに濃く、華やかで、熟したフルーツからコンフィにかけての香り、甘いスパイスの香りがきれいでインパクトがかなりある。タンニン完全にまろやか、酸がほんのりで飲みやすくてよいのだが、持続性は。。。ない。(あまり、と言う意味)そして、20分たたないうちに、香りが消えてしまっていた。
Serpico 最初、やや閉じていているが、フルーツにタバコ、カフェなど交じり、Taurasiよりインターナショナルな感じ。酸がきれいだが、同じくタンニンは完全にまろやか、香りにも出ているが、ブラッドオレンジが後味にも残る。そして、30分後には、やはりかなり消えていた。。。
Piano 最初かなりの時間閉じていたが、出てくると、ミント風の緑の香りとミネラルが奥の奥にベースになり、とても良い。スパイスの香りが複雑で、バルサミコ、カカオなど、エレガントで香りが長い。味のほうもエレガントで、酸とタンニンのバランスがよく、持続性もかなりある。きれいに熟したアリアニコ。

2007年
Taurasi インパクトよく華やか。ある意味、インパクト良すぎ。。。フルーツ、花、甘いスパイス。。。誰にでも受ける香り。酸がきれいでタンニンがかなり繊細。持続性もよく、かなり良くできている。
Serpico 最初やや閉じていると思ったのだが、いや、全体に香りが弱い。アルコールが、他よりやや強く上がってくる。味の持続性は中くらい。
Serpicoに関して、実はずっと昔、一番最初に飲んだとき、裏のラベル(表は名前だけ)がイタリア語ではなく、ドイツ語だったような記憶がある。そうか、イタリアより外国で受けるワイン、と思ったのを覚えている。個人的には、3つもアリアニコを造らず、2つに絞ったほうが良いのに、と思うのだが、わけはちゃんとある。試飲会の最後で出た質問に関連した回答:アメリカで一番売れるのは、Serpico。まさに!
Piano 個人的には、Pianoがまじめで控えめで、しかし、主張があり、好きである。ヨード、複雑なスパイス、メープルの木など。理解するのにちょっとかかるかもしれないが、エレガントと荘厳さがある。

2008年
Taurasi ふくよかで、あいかわらず印象が良い。受ける。フルーツ、花。若干アニマルがあるが、そういう感じもかえってよい感じ。タンニンはまろやかで、繊細、酸も程よく、しかし、持続性は、中の上くらい。
Serpico 全体に香りがやや弱いが、フレッシュなサクランボ、プラム、梅風、ミント、タバコなど、心地良い。
Piano かなり閉じている。しかし、出てくると複雑でエレガント、ミネラルがベースに感じられ、持続性も良い。

2009年
Taurasi 言うことなし。すでにまろやか、受ける。
Serpico まろやか~。香り良し、華やか、完全にインターナショナル。パーカー93点、なるほど。まさに。アメリカ人が好きだろうと思える味と香り。個人的にはこの手は好きではないが、ワインをあまり飲み込んでいない人には絶対に受けるタイプ。
Piano これまたかなり閉じているのだが、上がってきた香りは、ふくよかで、やや木が出ていて、だいぶモダンな感じに変わっている。うーん。。。ちょっとがっかり。これから、このスタイルになるのだろうか。。。

Fiano di Avellino -Joaquin

2013-02-19 10:24:22 | Campania カンパーニア
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ 2009 ジャクイーン

自然派ワインの良さをわかってもらうことは非常に難しい。
昨今、自然派ワインが宗教がかっていることもあると思う。
無神論者に神の存在を教えるようなものだ、とある友人は言った。
確かにそれに近いかもしれないと思う。

そして、何をして自然派ワインというか、というこの定義がまずあいまいである。
ビオの証明書は畑だけの話である。
自然派が全て亜硫酸を添加していないわけではない。むしろ多くが使っているし、私個人も、使わないことに賛成ではない。量をいかにして少なくするか、を深く考えていればいいと思う。(安易に使うのではないという意味)
ビオは当然のことで、あえてビオであると言わないワイナリーもある。
昨今の自然派ブームに乗っているだけのニセ(と言ったら失礼だが)自然派ワイナリーもある。
ビオだからおいしい、と、ビオのラベルだけを見ておいしいと思い込んでいる人もいる。
そして、なんだか、ビオの神様、ビオが神様のようになっているところもあり、そういうところが宗教がかっている理由のひとつでもあろう。
うーん、マンダム・・・(かなり古いというか、若い人は知らないオチ・・・)

良いビオと、あまりほめられたものではないビオがあり、ビオディナミも自然派も同様で、難しい。
自然派だから好きとか嫌い、というのを出来るだけ基準にしないでいただきたい。
ただ、味、香り、品質はちょとおいておいて、造り手の意気込みや心、造り方に敬意を評したい自然派があるのは別のこととしたい。



さて、フィアーノ。
色は自然派らしくかなり濃い目。
香りは、スパイスとフルーツ、ミネラルがかなりを占め、アニマルっぽい香はしない。良く熟したフルーツ、柑橘の砂糖漬け、ハチミツの甘い香り、わずかグリーン、ユーカリ風の香り、ナッツ風のドライの香り。自然派だと、色からも分かるが、香りからもはっきり取れる。
香りの変化がなかなか良い。
インパクトは比較的易しく、しかし、フィアーノらしい強さ、程よい酸味がある。ほろ苦さではなく、乾いたナッツの風味が残る感じがある。持続性は、短くはないのだが、後もう少し、といいたくなる感じがある。
頻繁に飲みたいフィアーノ。

ワイナリーのオーナーと知り合う機会があり今ではFBの友人。
良い自然派のワインを造る、人工的(極端だが)に造られたワインには興味がない、というちょっと頑固な人。
ちょっとおしゃれな自然派、信頼できるフィアーノ。

Montevetrano 2009 -Montevetrano

2012-11-30 19:23:55 | Campania カンパーニア
”モンテヴェトラーノ2009”モンテヴェトラーノ -カンパーニア州



昔、よく飲んだ。まだ値段がそれほど高くはなく、でも、品質しっかり、安定、誰が飲んでも好かれ、当時、南のワインでこれほど評価の高い
ワインは他にたくさんあったわけではないので、話題性もあり。
縦飲みも何度かやった。
しかし、ちょっと久しぶり。
そして、全くのブラインドで飲んだのは初めて。いったいなんだか全くわからないワインのうちの1本。

悪くなかった。明るくきれいなルビー色で、濃く、とても印象の良い色。いいねェと思わせる色と言える。
香りは、やや香水、化粧品などの人工的風な香りがあるが、花(バラ)の香りがきれいで、フレッシュなフルーツの香りが心地よく、スパイスは甘く、強さがあり、好印象。
酸味も申し分なく、ボディはしっかり、タンニンもよく、後味がとても心地よい。
よく出来ていると思うが、好きかと聞かれると・・・と言う感じ。優等生的で、これ!という感動はない。・・・でふたを開けてみたらモンテヴェトラーノでした。
(よく出来ていると思うと90点、好きかと聞かれると88点)

Montevetrano 2009
Bel colore rubino intenso.
Al naso all’inizio sottili sentori di profumo e trucchi, poi rosa rossa, frutta fresco, amarena, frutti di bosco, varie spezie dolci e complesso.
Buona freschezza(magari un po' di piu'), ben strutturato, tannini rotondi, PAI piacevolmente lunga. Vino ben “fatto” (90/100 ma da gusto personale...88/100)

Montevetrano 2007 2008 2009 e 2010 -Montevetrano

2012-10-09 08:13:37 | Campania カンパーニア
“モンテヴェトラーノ2007 2008 2009 2010”モンテヴェトラーノ -カンパーニャ州

ローマ郊外で行われたエノポリの試飲会。
久々のモンテヴェトラーノ。昔はよく飲んだが、このところご無沙汰している。
ダニエレ・チェルニッリ氏による小さな縦飲みの試飲。4ヴィンテージ。

2007年
モンテヴェトラーノらしい色の濃さ。ルビーに、淵が本当に少しガーネットがかっている。
きれいに開いていて、今が飲み頃という感じ。(逆に言うとあまりもたない) コンフィ、よく熟したフルーツのアルコール漬けの香り。そして、軽くチョコ、カカオが出てくる。
タンニンがモダンで国際的。かなり滑らか。ボディもよく、強さも良く長さも良いが、最後にややアルコールが残る。現時点で最高の状態。やや単調な感じがある。(90点)

2008年
非常に素晴らしい。最初、かなり閉じている。まだ若いくらい。フルーツは当然、バルサミコ、リコリース、タバコ、そしてとてもエレガント。
酸がかなりきれいで、タンニンが酸に隠れるくらい。タンニンは、まさにビロード、そして塩味が割りと強く、持続性があり、素晴らしくエレガント。とても魅力的な後味。5年後と10年後に是非飲みたい。(94点)

2009年
藁等の緑がやや出ている。スミレの香り、フルーツはフレッシュと熟した感じが半々。酸がわずか上がる。心地良いが小さくまとまっている感じ。
酸とタンニンのバランスが良い。持続性もまずまず。非常に良いのだが、他に比べてまとまりすぎで、モンテヴェトラーノらしい個性には若干欠けるかも。(91点)

2010年
最初、ミルクキャラメル、カスタードなどトースト臭が感じられる。そしてパイプタバコ、靴磨き、緑の香りがふっとそよぎ、土などが熟したフルーツに混じる。
強さとエレガントさの両方がある。ボディがあり、酸がきれいで、タンニンは若いがかなり質がよく、持続性も十分あり、印象的。モンテヴェトラーノらしいバランスと個性が出て期待できるヴィンテージ。(93点)

Montvetrano 2007 2008 2009 e 2010:
La degustazione organizzata dall’Enopoli e una piccola vertical di quattro annate di Montevetrano, guidata dal sig. Daniele Cernilli.
2007: gia’ aperto. Pieno di frutta rossa e sotto spirito, spezie dolci, inizio di cacao. Tannini belli rotondi, ottima sturuttura PAI lunga. Ora al suo massimo(90/100)
2008: meraviglioso. All’inizio molto chiuso, mostra ancora gioventu’, naso complesso e notevolmente elegante. Piacevolissima acidita’ e abbastanza sapido, tannini vellutati (!), PAI lunghissima e il finale davvero elegante(94/100)
2009: frutta fresco e matura, viola, fieno. Leggermente piccolo. Ottimo equilibrio tra acidita’ e tannicita’. PAI molto buona ma manca appena la personalita’ di Montevetrano confrontando altre annate(91/100)
2010: all’inizio caramello, leggera tostatura, poi tobacco da pipa, lucido scarpe, un tocco verde su frutta matura. Intenso e contemporaneamente elegante. Ben strutturato, freschezza molto gradevole, persistente, esprime una bella personalita’ di Montevetrano(93/100)