在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”モンティアーノ 2001” ファレスコ

2008-09-23 19:24:29 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
"Montiano 2001" Falesco -Lazio

とある田舎町の、でもスローフード推薦の小さなトラットリアで食事をした。
日本からの方がいたので、せっかくだから、フルボトルで1種のワインを飲むより、ハーフボトルで2種飲みたいということになった。
1本目は地元のごく普通の赤ワインを頼み、2本目は良いものでやや重たい感じが良いとなり、モンティアーノを頼んだ。
だから、ハーフボトルのモンティアーノでヴィンテージは2001年。
2001年がまだ残っているのが驚きだった。
ハーフボトルだからか?普通、イタリア人はハーフボトル、それもモンティアーノのハーフは飲まないよねと考えながら。
でも、アメリカ人も多いレストランなのに、この偶然は幸運だと思った。
2001年は中部イタリアではとても良いヴィンテージである。
しかしハーフ。つまり、熟成がフルボトルより早い。
良いヴィンテージだからその分熟成がゆっくり、しかし、ハーフだからその分早い。
つまり、実際、どの程度の熟成がされているのかが見ものだと思った。
結果はとてもうれしいものになった。
色は、まだ明るい色合いのガーネットで、はつらつとした輝きがある。
香りもまだ若々しさが十分残っていて、よく熟したフルーツの香り、甘い煙草の香り、スパイス臭、そして、バニラの香りなどが混じってきれい。
グラスからきれいに香りが立つ。
味も程よく熟成されまろやかになり、期待以上である。しかし、樽はかなり残る。樽が嫌いな人には向かない(私も個人的には樽が強いのは好きではない)が、そういう個人の嗜好は置いておいて評価すると、ちょうど飲みごろに入った所というかんじでなかなか良い。
少し前に飲んだカンパーニャの某ワインは、期待に若干裏切られたが、今回は良かった。
(あまり期待していなかったからかも。。)

モンティアーノは、リッカルド・コタレッラ氏(カステッロ・デッラ・サラのコタレッラ氏とは兄弟)の作品である。
品種はメルロー。
90年代、非常に評価が高く、ラツィオ州のワインとしては異例で、ガンベロなどの賞をほぼ総なめしていた。当時は、このレベルのワインというとラツィオにはこれしかない状態だった。当時は値段も安かったのが嬉しい。(今はちょっと高くなったが。)
という訳で、実に久しぶりに飲んだのだが、良い経験だった。
まだ、ウチに、かなり古いのが1本あったような気がするが、開けるのがちょっと楽しみになった。

せめて水だけは頼んでください。。

2008-09-23 19:14:28 | もろもろ、つれづれ
普通の若いカップルを案内した。
旅も最後になると散在して懐がさびしくなるのはわかる。
また、このところのユーロ高は半端じゃない。(少しは下がったが。。)
そうなると、食通でない限り、まず削るのは食事だろうか。

お昼を食べていなかった。
夕方になると、小腹が空いてくる。
パニーノでも食べますかということになったが、たまたま立ち寄ったバールには、パスタメニューがたくさんあった。
もちろん、バールで出るパスタは冷凍ものだが、まあ悪くはない。
そこで、パスタにするという。
それも、二人でパスタ一皿で良いという。
。。まあ、いいか。
飲み物はというと、持参しているペットボトルの水があるので、それで良いという。うーん。。。
私は、何も頼まないわけにいかないので、飲み物を頼む。
で、3人で頼んだものが2つ。。。パスタ一皿に飲み物1つ。
中では、それとなく、パスタを二人で分けるんだってー、とあまりひどくはないが、話しているのが聞こえた。

日本を離れて久しいが、日本でカフェに入ったとき、こういうオーダー、つまり、3人で食べもの1つに飲み物1つというオーダーはするのだろうか。。
ラーメン屋さんだと、3人で入ったら3皿を頼むのは常識のような気がするが。。。
ラーメン屋さんとカフェが違うのか、最近はスタバのような、人数に関係なく好きなものを好きなだけ注文できる(つまり、人数より少ない注文も当然OKなのだろう)スタイルに慣れているからなのか。。

でも、ヨーロッパでは、せめて水でいいから、人数に見合っただけは注文してほしい。

トレニタリア -南イタリアまでの旅 インターシティ編

2008-09-08 05:57:46 | 行ってはいけない
Trenitalia: viaggio per sud italia !!

この夏、カラブリアの海に行った。
インターシティのタダ券が1枚出るので、ユーロスターではなく、インターシティでの旅だった。
でも、たまたま予約した列車がパレルモ行きで、それはいろいろ楽しむはめになった。

まず、朝、テルミニ駅から列車に乗る。
30分近く前に着いたので、ガラガラかと思ったら、シーズンのせいかもう既に結構人が乗っている。
で、予約された席に着くと、既に人が座っている。(まあ、イタリアでは当たり前の光景。)
「すみません」と声をかけると、待ってました!という感じで、以下の返事。
「私たちも予約したんだけれど、予約された席がないの。そこで、車掌にどうしたらいいの?と聞いたら、適当な席に座って、と言われたから、ここに座ってるの。」
でも、そこは私の席。
「そういったって、仕方ないのよ。あなたが他の席に座ってよ。」
まあ、ここはイタリア。これくらいでひるんではいけない。
仕方ないので適当なところに座る。この席を予約した人が来ないことを祈りながら。。。
(来たら、「あの人が私の予約の席に座ってて、あの人は自分の席がないから、私の席にたまたま座っただけで、だから、私は適当に座ったけど、それが、たまたまあなたの席で、私が他に移りましょうか?それとも、あなたが他の適当な席に座ってくれますか?」とやりあわなくてはいけない。。。あー、ややこしい。。)
幸い、その席の予約を持った人は来なく、最後まで座っていたれたのは天の恵み(!)と言うほかはないだろう。。。(なんのこっちゃ。。)

ところで、何故、予約された席がないか???
最初は???と思った。しかし、確かに、席がない。
2列がだいたい向かい合って(向かい合っていない席もある)10の桁となり、あとは、各々の席が1の桁となる。
だから、1列目の11番の席から始まり、車両によるが、106番や116番くらいまで。
この「車両による」というのがクセモノなのだろう。車掌の説明によると、事情により車両が変わったらしい。
そこで、最後の3列がなくなり、そこに予約が入っていた人の席がなくなってしまったのである。
困るよね~、そんなことしないでよね~、これが日本だったら大問題よ~、と思ったが。。
駅で停車すると、降りる人もいるが、その席に該当する人も乗ってくる。
すると、毎回、
「えーっと、91、101。。。あれ???104番がない???どーして???」となるのである。
そのたびに、車掌の代わりに説明を「してあげる」人がいて、笑ってしまうが、ほとんど場合は他の席に座って丸くおさまった。

おさまらなかったのは、あるカップル。
彼らは、「ちゃんとある席」の予約がされていたのだが、そこに座っていたのが「席のない」人たちで、満席の上、2人が一緒に座れる席がもう空いてなかったのか、最初は、二人で離れて座っていたものの、しばらくして「ここは俺たちの席だぁ。ちゃんと予約したのに!車掌に掛け合ってくる。」と鼻息荒く、しかし、車掌に掛け合っても、「席のない」人たちを元の席に戻すわけにはいかず(席がなくちゃしょうがない。。)、結局「早い者勝ちで座った人の勝ち」となった。
2人はそう長い旅ではなかったが、最後、降りる時に、まだ文句タラタラだった。

列車が南へ行くと、降りる人の方が多くなり、やや空席ができてきたため、幸いこの騒ぎは収まった。
と思うと、今度は、「エアコンが効かない!」と騒ぎだした人が若干名。
確かにインターシティは暑い。車両が旧型で、エアコンはあるが、真夏の暑い日、暑い時間、暑い南イタリアへ向けてほぼ満席状態では、効くはずがない。
結構寒がりの私が暑いくらいだから、普通のイタリア人はどれだけ暑いだろう。。。
堪忍袋の緒が切れたのか、数人で車掌に掛け合い、かなり長い間もめていた。
それも、憲法の第XX条XX項によると、公共の乗り物は快適な旅を保証する権利がある、とやっていた。どうも若手弁護士らしい。すごーい。。
その後、私は列車から降りたので、最後を見届けられないのは残念だったが、車掌は警察を呼んでいた。
警察が乗り込んできて、事情聴取にでもなり、そのせいで列車が遅れては、いったいいつシチリアに着くんだろうな~と、人ごとのように心配しながら降りたけど。。。

今回は格別楽しんだ旅であった。(暑かったけど。。)
でも、真夏のシチリア行きのインターシティには乗ってはいけないのである。
(シチリアにはユーロスターは通っていないが。。。)

長ら-くご無沙汰です。

2008-09-07 22:01:58 | もろもろ、つれづれ
長らくご無沙汰しています。

この夏は、なんだか、ビールの消費が圧倒的に多かったような。。
日本では、招待されていった何げないイタリアンで、普通にイタリアワインを飲んでいたのに、最後のデザートの段階で大好きなワイナリー、ヴェネトのアンジョリーノ・マウレ氏のワインが出てきたのにはちょっと感動でした。

私は昔から声を大きくして言っているのですが、デザートにはコーヒーではないのです。午後のティータイム(コーヒータイムとは言わないが。。)ならケーキとコーヒーでもいいけれど、食事のあとのデザートは、デザートワインと合わせるべきで、デザートワインがいらなければ水で、コーヒーはさらにその後、プチケーキと合わせるか、ビスケット類と合わせるか、小さなチョコと合わせるかで、デザートとコーヒーの組み合わせは正式な場合にはないのです。
でも、日本ではデザートとコーヒー、また、もっとひどいのは食事とコーヒーがまかり通っていて、困ったものです。

つまり、デザートと一緒にコーヒーを頼んだつもりでも、デザートは出てくるがコーヒーは待てども出てこない、ということがありえるし(一緒にコーヒーを出すことが失礼)、そうなると、ここはコーヒーも持ってこない!と腹を立てることにもなりかねません。
食事とコーヒーは、さすがに、隣に座った人がびっくりして、食欲をなくすと思います。。。

という訳で、日本でも少しはデザートにデザートワインという習慣が浸透してきたのかも?と思うと嬉しかったのでした。
そして、それも、自然派の代表とも言えるマウレ氏の「レチョート・ディ・ソアーヴェ」で、デザートワインが浸透しただけでなく、自然派ワインも浸透してきた??と思うと、二重に嬉しかったのでした。

夏は暑いので、白ワインばかり、それも、味わうより、水代りにごくごくと。。。
これからやっと本格的なワインの季節です。
今後もどうぞよろしくお願いします。