在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Rossetto 2018 Stefano Berti

2019-04-24 20:11:45 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Rossetto 2018 Stefano Berti



ステファノ氏のワインの大ファンである。

本当の自然派だが、自然派によくある臭みはなく、心を癒してくれるような優しさがある。
値段も正直で、お財布にも優しい。

そのステファノ氏のロゼがマルコのところに届いた。
届いたよーというので早速頼む。

発泡でないロゼワインもあるが、これは発泡。いや、微発泡の部類に入る。

最近流行りのアンチェストラーレ、昔ながらの製法、ボトルでの再発酵。

品種は、エミリアロマーニャのサンジョヴェーゼ。

ところで、ラベルにヴィンテージの表記がない。。。




とても綺麗な桜色。
スプマンテではなく、発泡性のワイン。
だから、グラスに最初に鼻を突っ込んだ時にブワ〜と来る(ちょっと嫌な)感じがなく、しかし、決して泡が弱くもなくちょうど良い。

香りはやや弱い。
本当はもう少し欲しいところではあるが。
ほのかな、桜を思わせるような香りと、木苺の甘いような、ほろ苦いような香り、熟しかけのイチゴの香りなど。

口に含むと、とにかく優しい。
酸味が綺麗だが、それよりほろ苦さが出る。木苺とりんごの味が余韻に残る。
残念ながら余韻は短い。
フルーツの味が出たと思うと、ふっと消えてしまう。ここもちょっと残念。

でも、時には、余韻の長さは問題がなくなる。
飲みやすくて、身体に優しい。
くいっといける。
気取らず、ググッと飲める。
この軽やかさが、これからの季節にはとても良い。++(+)

Pinot Nero 2014 Case'

2019-04-07 15:31:14 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Pinot Nero 2014 Case'



グラスに注いだ時から、すぐにビオ〜。

いや、ラベルから、ビオ〜、と言っても良いのであったが。


2年くらい前に、家の近くにワインバーができた。
男性二人で経営している。
二人ともビオに傾倒していので、揃えているワインはほとんどがビオ。
それも、結構バリバリのビオも多い。

たまーに行くので、行ったついでに買ったのがこのワイン。

だから、購入した時から、ビオ〜
でもあったのだが。


エミリア・ロマーニャのワインには非常に興味がある。
某ガイドブックの試飲グループに入った時、当然最初は、「小さな州」から始める。
何年もやっているうちに、トスカーナまでたどり着いたのではあるが、たどり着くまでには、いろいろな州の試飲を担当した。

そんな中、エミリア・ロマーニャ州の試飲もすることがあり、あれもこれも試飲するうちに、結構好きになってしまっていた。

また、当時は、ブルネッロ、アマローネ、ボルゲリ。。。と随分重たいワインを飲んでた。
若かったから、でもあるが、それが今は、重たすぎ〜、結構です〜
もう少し、軽めのワイン、優しいワインはないですか〜
になってしまった。

そうなると、エミリア・ロマーニャのワインはぴったり。

軽やか、気張らず、優しく、嬉しいことにおサイフにまで優しい。

ということで、エミリア・ロマーニャのピノ・ネーロ、ということで即購入したのであるが。。。。




グラスに注いだ時の色から、ビオ〜

ヴィンテージはないのだが、ロットから2014年だとわかる。
つまり、購入したのは、少し前だが、少し経っている。

色は、ピノ・ネーロなので薄くて良いのだが、完全にガーネット色。
香りは、完全にアニマル。アニマルが立っている。
フルーツにアニマル、ではなく、アニマルにフルーツ。
アニマルがまず最初にあり、革、丁子などのスパイス、そして、ベリー系のフルーツが出てくる。
アタックは優しい。ビオらしく、とても心地よい。
タンニンがふわっとするくらいまろやかで、その後で、柔らかい酸味が出てくる。
持続性もよいのだが、余韻に残るのは、再びアニマル、そしてスパイス。。。


うーーん、ちょっと行きすぎかなー

フルーツがあってアニマル、ではなく、アニマルがあってフルーツがある。

飲んでも飲んでも鼻に付く。
うーん。。。
アニマルが強すぎるわけではないので、こういうビオ好き、という人はいると思う。

一応、ビオとしてよくできているので+++
個人的な好みとしては++(+)

ビオも難しい。

Soave 2017 Tamellini

2019-03-27 08:22:07 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Soave 2017 Tamellini



ローマにいるとソアーヴェはそう飲まない。

ソアーヴェが北の、北イタリアベネト州のワインであることもあるが(距離的に遠い)、いたって普通のワインとしては、ローマ近郊にはフラスカーティとその周辺のワインがあるので、高級ではないにしても、ぐびっと飲むワインではなくなる。

いつも行くエノテカの土曜日の試飲会、無料で、何かを買わなくてはいけない義務は全くないのでが、ついで、という感じで何かを買うことが多い。

試飲ワインは割引で提供しているが、お買い得コーナーのワインがあるので、ちょっとソアーヴェが目に付いた。

何気なく購入。



フルーティさがとても綺麗に広がる。香りのインパクトがしっかりしていて、しかし、程よい奥行きを持ち、かなり心地よい。
洋梨、黄桃、黄色の花、香草、ミネラルなど、申し分ない。
味のインパクトもよく、程よいボディに、まろやかさが酸味を覆うところがあり、酸味の強いワインが苦手な人にもちょうど良い。そして、しばらくして塩味が出てくる。
持続性はまずまず、しかし、これも申し分ない。++++

たまにはソアーヴェで軽いランチ。

亜硫酸無添加について Nona' 2016 Stefano Berti

2018-03-23 18:13:43 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Nona' 2016 Stefano Berti



ワインの製造過程における亜硫酸の使用に関しては、ほとんど必須と言っていいと思う。
収穫後から瓶詰めまでの過程において、幾つかの場面で、幾つもの理由で、どの程度の量を使用するかは、ワイナリー次第(もちろんワイン次第)である。

今では、使用量に関して、赤、白、糖度などに応じてEUで使用量が制限されているが、その量は決して少なくはない。
その制限量を守れば、規定通りのワイン(Convenzionale)、自然派ワイン(もちろん有機栽培であることが必須)となる。

さて、自然派ワインにもいろいろあることは(幸い)もう知れてきているが、自然派ワインだからといって、亜硫酸を使用していないわけではない。
もちろん、全く使わないでやっているところもあるの だが、酸化防止が主な目的の亜硫酸を使わないということは、酸化のスピードが速くなる、つまり、ワインが持たないという問題に直面してしまう。

そこで、亜硫酸に代わる酸化防止をもたらす成分(酸やタンニン、その他)を多く生成させる、正確にはその生成されたものを守るように努める、ということになる。

酸を添加して、亜硫酸を使わず、ハイ、亜硫酸無添加です〜、というワインも(単純に言って)ないわけではない。
しかし、それでは、亜硫酸を使わない本当の意味の自然なワインにはならない。

つまり、亜硫酸を全く使用せず、よくできたワインを造ることは非常に難しいことなのである。
亜硫酸を使わずに美味しいワインを造りたい、とは、本当に自然なワインを造りたいと願っている生産者なら誰もが思うだろう。
しかし、言ったように、そう簡単にはいかない。
(ところで、亜硫酸は、発酵の過程で微量だが自然に生成される、ということは付け加えておく)

さて、このワインは、やっとローマで手に入るようになった、というか、知り合いのエノテカに入れていただいたので、購入した3本(3種)の最後。

Nona'、よく見るとaの上にアクセントが付いているので、ノーナではなくノナNo ha、つまり持っていない、という言葉をかけているのだと思う。
おそらく、No ha solfiti aggiunti (亜硫酸添加なし)。



ステファノのワインには結構惚れ込んでいるが、彼の造るワインでも、亜硫酸を添加していないものはこれだけ。
つまり、他のワインは少量であっても亜硫酸を使用している、ということになる。

品種は、サンジョヴェーゼ。エミリア・ロマーニャのサンジョヴェーゼで、トスカーナのではない。
裏のラベルに、しっかりと、赤字で「亜硫酸無添加」と書いてある。

色は、明るい、とても魅力的な色。
香りはかなりニュートラル。花の香りが強いわけでも、フルーツの香りが強いわけでもなく、もわっと霧がかかったような中に、ふわっと酸味を感じる。
時間が経つと、酸味の少ない梅干しの香りのような、シソのような香草の香りもないわけではない。
ここで、良いワイン、それを評価の高いワイン、と置き換えると、それとは違うと思う。
香りの強さ、複雑さ、そういうものがこのワインの特徴ではないからである。
しかし、一口含むと、やや突出した酸味と優しいタンニン、若干の塩味が体に染み渡る。
強さとか持続性とか関係なく、カラダに優しい、そして、ココロに入り込むワイン。

あとは、このワインがどの程度もつか、しばらくたってどんなワインになるかにすごく興味。
また買いに行かなきゃ。



Bartimeo 2016 Stefano Berti

2018-03-22 05:57:33 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Bartimeo 2016 Stefano Berti



品種はサンジョヴェーゼ。
エミリア・ロマーニャのサンジョヴェーゼ。

明るくやや透明感のあるガーネット色。
小ぶりの花の香り、小さな森の木の実、木苺、レッド・ベリー、明るい色合いのさくらんぼなどにスパイスの香りがほんのり混じる。ビオらしい臭みも若干あるので、すぐにビオだとわかる。
複雑ではないが、まっすぐに香りが立ち上る。
アタックは優しい。ひたすら優しい、という感じ。
しかし、酸とタンニンもちゃんとある。出てくる。
一瞬酸味を感じ、その後、タンニンが舌にややざらつくが、気にはならない。
ワイン自体の優しさが、打ち消し、余韻が長いわけではないが、優しく続く。+++(+)



気がつくと3分の2を開けていた。
普通なら半分以上は飲めないのだが、するっと入ってしまう。
本当の自然派ワインはひたすら優しい。

Ravaldo 2016 Stefano Berti

2018-03-03 21:17:47 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Ravaldo 2016 Stefano Berti



エミリア・ロマーニャのワインと言うと、イメージは決して良くないと思う。
代表はランブルスコ。。。。
大変おいしいものもあるのだが(例えばRadiciはうちのハウスワイン)、そうでないものの方が多いのが現状。

そして、エミリア・ロマーニャにサンジョヴェーゼはあるが、お隣トスカーナにはキャンティ、ブルネッロ、モンテプルチャーノがあり、

エミリア・ロマーニャにもあるの〜??

と言う人もいると思う。

が、エミリア・ロマーニャにもある。
サンジョヴェーゼ・ディ・ロマーニャ。

若いうちは、どーんとした重たいワインも平気で飲めるし、おー、ブルネッロ、という感じだが、年とともに、だんだん優しいワインが心地よくなる。
インパクトのあるワイン、パフォーマンスの良いワインもいいけれど、だんだん疲れてくる。


さて、エミリア・ロマーニャのワインとの付き合いは長い。(方だと思う)

ワイン年鑑のテイスティング・グループに入ったとはいえ、新人は、まずマイナーな地域から始める。
ヴァッレ・ダオスタ、そして、エミリア・ロマーニャ、ラツィオ、サルデニア。。。。
その後、だんだんと「のし上がって」行く。

今思うと、とても良い経験をさせていただいた。
そうでないと、ヴァレ・ダオスタのワイン、エミリア・ロマーニャのワインなどを真剣に、そして、相当の数を試飲する機会などないからである。

ステファノ・ベルティのワインと出会ったのはそんな頃。

彼のワインには非常に惹かれるものがあった。

まだ、自然派ワインがちゃんと認識されていなかった頃である。

当時は、ブショネだった場合のことを考えて、一つのワインにつき2本をいただいていた。
そこで、2本目はお蔵入りすることも多く、ステファノのあるワインも1本、お蔵入りすることになった。
というのも、このワインをかなり長く置いて飲んでみたかったからである。

しかし、時は過ぎ、もうダメになってるかも、と思う頃開けたら、素晴らしく、見事に素晴らしく素敵な(そしてかなりセクシーな)ワインになっていたのである。

そのことをステファノに話したら(セクシーになったことは話してない)あのヴィンテージ(2001年)は、それは素晴らしいヴィンテージだった、とのこと。

そうなると、あれー、飲んじゃった。。。。もうない〜、と後悔したりもしたのである。



そのステファノ・ベルティのワインを、よく行くエノテカで入れていただいた。
どこのエノテカでも見ないと思ったら、ローマで初、とのこと。
ローマでは、エミリア・ロマーニャのワインはなかなか見ないから(または、隅にひっそりと置いてある。。。)珍しいわけではないのだが、今はどんなワインになっているか、どんなワインを造っているかをぜひ知りたい。

3種類ほどだが、入れていただいて感謝。
これで、いつでも飲める。

まず1本目を開けたのだが、期待を外さない出来。


すぐにビオワインとわかる、若干の臭みはある。
そして、ワインらしい(ヴィノーゾという)香り。
花の香り、小さなフルーツの香り。。。
強すぎず、複雑ではないが、微妙な臭みとともに続く。
しかし、しばらくするとスパイスが出てくる。繊細なスパイス。

味は、優しい。ひたすら優しい。インパクトのあるワインと比べると物足りないかもしれない。しかし、この優しさが体に、心に染み込んでいく。
酸より塩味が効いている感じだが、フルーツのほんのり甘さと、繊細なタンニンとが混じり後味に残る。+++(+)

自然派ワインに飲みなれていないと分かりにくいと思う。
でも、心に響く、体に優しいワインがよければ、ぜひ試してほしい。
自然派ワインの認証は関係ない。
どういう造り方をしているか、が肝心なのである。

Fattoria Zerbina Albana e Scaccomatto

2017-11-09 00:35:16 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Romagna Albana 2016 2012 2011
Scaccomatto 2013
Fattoria Zerbina



この前の試飲会、Life of Wineにて。

このワイナリーだけ贔屓にするわけではないが、エミリア・ロマーニャのワイン、ワイナリーには思い入れがある。

ついこの前の友人モニカのアルバーナの試飲会で、隣に座ったのが、このワイナリーの人。
そして、Life of Wineの試飲会で再開。

あらー元気?

そして、この前飲んだのはアルバーナの2016年だったが、古いヴィンテージとともに、私の大好きなワイン、スカッコマットを持ってきていた。
それもマグナムボトル。

こんなにうれしいことはない。

ゼルビーナは、エミリア・ロマーニャでは大御所ワイナリーの一つ。
個人的に好きなワイナリーの一つでもある。



Romagna Albana
2016 酸味がきれい+++(+)
2012 酸がある中、わずか甘さが出てくる++++
2011 蜂蜜、酸と甘さが同時にきれいに出る+++(+)

Scaccomatto
甘いだけのデザートワインにはもう飽きている。品の良い甘さの中に酸味がないと面白くない、一口で飽きてしまう。
アルバーナに貴腐がついたもので造る。
個人的に、イタリアのデザートワインの名品の一つだと思う。

洗練された香り、ふわっと広がる甘さ、品の良い酸味、そして、細く続く余韻。
マグナムボトルとはさらに嬉しい。+++++

Case' Pinot Nero 2014 Alberto Angiussola とうちのそばのワインバー

2017-11-02 14:02:44 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
うちのすぐ近くに春にできたワインバー
Case' Pinot Nero 2014 Alberto Angiussola



友人の友人二人が始めたということもあり、オープニングには行ったのだが、なにせあまりに近すぎて全然立ち寄っていなかった。

それに、最初はワインの品揃えも少なく、また、友人パオロが卸しているワインもあり、それなら他でも飲めるし買える。

同じ一人でふらっと飲むなら、すぐそこが家。
家にはワインが山ほど。。。

飲みに行くとなると、ローマの中心に行く習慣ができてしまっているので、なんだか、家のすぐ近くで飲む習慣がない。

ということで、全く立ち寄っていなかったのだが、日曜日に開いているということもあり、パオロと一緒にふらっと立ち寄った。

品揃えは増え、自然派に特化し、なかなかよくなっていた。

かなりのビオを揃えているので、パオロも私も知らないワインが結構ある。

その中で1本、エミリア・ロマーニャのピノ・ネーロという変わったワインを見つけたのでこれに決める。

エミリア・ロマーニャは個人的に結構好きだし、エミリアのピノ・ネーロとは珍しい。

グラスに注がれ始めてすぐ、枯れた色に気がつく。
フィルターがけもしていないだろう。

熟成臭が出ていて、ヴィンテージを聞いたら(古いとは思わなかったので)2014年、とのこと。

一瞬、2014年でもうこの香りとは、と思ったが、これはビオ、頭の方を変える必要がある。

グラスを回すと開き始め、柔らかさが出てくる。
バルサム、革、アニマル風、腐葉土。。。かなり複雑。
アタックは優しく、酸が強すぎない程度に感じられ、繊細なタンニンが広がる。
余韻は良い。再び熟成臭。

この味と香りでこのまま何年も行きそうな気がする。

ただし、これがピノ・ネーロか、と言われると、ピノ・ネーロでいいのだが、ブラインドで当てるのはかなり難しい、と答えるしかない。

ワインの発見は尽きない。
だから、ワインは面白い。


月曜日休み
交通量の少ない広場と道路に面し、二重駐車でもいけそうなところがうれしい。
(駐車場がなかなか見つからない地域)
ワインはグラスでもボトルでも。
どれも値段手頃、有名どころのワインはない。
自然派を安く手軽に飲みたいとなると穴場。
ツマミしかないが、タラッリは絶品


DOCG Romagna Albanaの規定

2017-10-30 19:11:32 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
DOCG Romagna Albana 規定



アルバーナの試飲会ついでにアルバーナの規定を調べて見る。

なお、今はRomagna Albanaロマーニャ・アルバーナを呼ばれているが、以前は、Albana di Romagnaアルバーナ・ディ・ロマーニャと呼ばれていた。

ロマーニャは、エミリア・ロマーニャのロマーニャ、つまり、東側の地域にあたり、生産地域は、ボローニャ、ラヴェンナ、フォルリ–チェセーナ県。

アルバーナ・ディ・ロマーニャとしては、実は一番最初の白のDOCGワイン(知らなかった人には驚き、というか驚いてください)で、制定が1987年という古さ。
なお、当然その前にDOCになっているわけで、それは1967年。

現在のDOCG ロマーニャ・アルバーナとして大きく改定されたのは2011年。

アルバーナは房の大きな、というか、かなり長い品種。



1。種類。

以下の5種類。デザートワインのカテゴリーがリゼルヴァも含み、これだけあることに注目。つまり、アルバーナは、実はデザートワインでその本領を発揮すると言っても過言ではないことがわかる。

Romagna Albana Secco (asciutto)

Romagna Albana Amabile

Romagna Albana Dolce

Romagna Albana Passito

Romagna Albana Passito Riserva

2。品種

当然、アルバーナだが、95%以上。
5%までは、その他、認可されている白ブドウ品種を混ぜることができる。

3。生産地域  

ボローニャ県 7市町村
フォルリ–チェセーナ県 10市町村
ラヴェンナ県 5市町村

4。収量

ヘクタールあたり 10t、これはかなり多い。

5。液量

Romagna Albana Secco (asciutto)  70% ヘクタールあたり 7000l

Romagna Albana Amabile 70% 7000l

Romagna Albana Dolce 70% 7000l

Romagna Albana Passito 50% 5000l

Romagna Albana Passito Riserva 50% 5000l

液の収量が75%ないし55%を超えた場合、DOCGとすることはできない。

凝縮したモストの使用は可能だが、最高1度まで。

パッシートとパッシート・リゼルヴァは、干したぶどう(翌年の3月30日まで可能)を使用すること、10月15日以前の醸造は不可。
干すのに、空調、除湿機の使用は可能。
糖分は284g/l以上含むこと。
遅摘みぶどう(貴腐が付いている場合、付いていない場合も)を使用する場合は10月15日以降、でなくでも良い。
貴腐のついた遅摘みぶどうを使用する場合は、DOCG Romagna Albana passito riservaとすることができるが、アルコール度4%以上、醸造の際に、400g/lの糖分を含んでいること。

醸造の際に、木樽の使用は可能。

Passitoの販売は翌年の9月1日以降、Passito riservaは翌年の12月1日以降に可能。

6。特質

Romagna Albana Secco (asciutto)  アルコール度12%以上

Romagna Albana Amabile 12、5%以上 残糖分は12−30g/l

Romagna Albana Dolce 8、5%以上(潜在アルコールも含め12、5%) 残糖分は45−80g/l

Romagna Albana Passito 12、5%(潜在アルコールも含め17%)

Romagna Albana Passito Riserva 4−11%(潜在アルコールも含め24%)



Romagna Albana 他 アルバーナ 10社 10種

2017-10-30 13:57:04 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
ロマーニャ・アルバーナ 10社 10種 全部辛口


 
*Forlì Bianco 2016 Marta Valpiani
*Romagna Albana Secco Bianco di Ceparano 2016 Fattoria Zerbina
*Progetto 2016 Leone Conti
*Corallo Giallo 2016 Gallegati
*Vigna Rocca 2016 Tre Monti
*GioJa 2016 Giovannini
*Ravenna Bianco SabbiaGialla 2016 Cantina San Biagio Vecchio
*Santa Lusa 2015 Ancarani
*Vino Bianco Arcaica 2015 Paolo Francesconi
*Ravenna Bianco Montere 2014 Vigna dei Boschi





友人のモニカがアルバーナの試飲会を開いた。
ローマでアルバーナの試飲会が開かれたのはほとんど初めてのような気がする。少なくとも、品質の良いアルバーナを、10社の生産者を招いて、着席できちんとした試飲会はかなり珍しい。

完全招待者のみで、テレビに出ているジャーナリスト、ワインページの代表者、レストラン関係者など、50人程度の試飲会だった。

アルバーナには個人的にはちょっと思い入れがある。
某ガイドブックの試飲を始めた頃、まだ新米だったこともあり、担当としていただけた州、地域は、当然イタリアでもマイナーな地域。
その中に、ロマーニャも入っていた。
しかし、そういう機会でもないと、こういった地域の試飲を真剣に、そして、集中して、それもほとんどのワイナリーのワインを試飲するような機会はなかったと思う。

ヴィニタリーでも、他にもっと美味しいワインを飲みたい。。。と思いながら、担当のマイナーな州を回った時期があったが、今思うと、非常に勉強になったし、貴重な経験だった。

さて、今回の10社。
10社全てを知っていた招待客はいないよう。
最後に、大御所たちも、口々に、数社しか知らなかったので、とても良いサプライズになった、と言っていた。
同感。

ちなみに、今回のアルバーナは全部辛口のもの。
アルバーナはデザートワインもかなり美味しい。


①Forlì Bianco 2016 Marta Valpiani
通常の試飲会は購入はできないのだが、少し前に、購入もできる試飲会が開かれた。
そこで見つけ、安くて良かったのだが、戻った時には売り切れになって買えなかったワインと再会。

花の香り(柑橘系)、品の良いフルーツの香り(白桃など)に緑の香りが入り、柑橘をプシュッと絞った感じが加わる。
思うよりボディがあり、酸味はまずまず、ほろ苦さも残るが、持続性は決して悪くない。+++

②Romagna Albana Secco Bianco di Ceparano 2016 Fattoria Zerbina
柑橘と緑のバランスがよく、エレガントでとても綺麗にできている。
アルバーナらしい酸味が際立ち、重たさがなく、余韻にとても綺麗にミネラルが残り、持続性がかなりある。+++(+)

③Progetto 2016 Leone Conti
がらっとかわって、色がかなり濃く、一見してビオ。
ニワトコ、熟したフルーツ、フルーツのジェラティーナ、ミネラル、はちみつが出そうな雰囲気で甘く、太さがある。
アタックに強さ、ボディがあり、太さのある持続性。でも、全体にアルバーナの印象とはちょっと違う。++++

④Corallo Giallo 2016 Gallegati
前のワインの次では仕方ないのだが、その分、エレガントな印象が出てくる。海藻も含め、ミネラルがふわっとでる。
酸が綺麗に出ていて、ややほろ苦さが残り、持続性も十分だが、面白みに欠けるかも。+++

⑤Vigna Rocca 2016 Tre Monti
前のワインが細い感じだったのもあり、やや太さ、重さがでる。
しかし、酸味はあり、ほろ苦さとともに残る、持続性は良い。+++

⑥GioJa 2016 Giovannini
ビタミン、柑橘、藁、桃など、結構複雑。
ボディよく、全体的になかなか良い。+++(+)

⑦Ravenna Bianco SabbiaGialla 2016 Cantina San Biagio Vecchio
色濃いめ、ビオの臭み、チョーク、トリ。。
酸味があり、ビオの臭みが最後まで残る。持続性はよいのだが。+++

⑧Santa Lusa 2015 Ancarani
柑橘、花など、香りのバランスが良い。
エレガントで、やや細め、持続性もあり、酸とほろ苦さが残る。
シンプルだが、個人的には好み。+++

⑨Vino Bianco Arcaica 2015 Paolo Francesconi
ビオディナミで、マセレーション60日、10%にアンフォラ熟成を使用。
色はほぼオレンジ、アプリコットが綺麗とはいえ、セメダインの香りも混じる。かなり複雑。酸もあるが、タンニンもかなり感じられ、持続性は良い。好きか嫌いか、良いか悪いか、賛否両論タイプ。+++(+)

10 Ravenna Bianco Montere 2014 Vigna dei Boschi
くさみがなかり強く、完全にビオとわかる。
ボディがあり、(白だが)タンニンも感じ、酸を多い隠す感じ。持続性も良いが、個性強すぎ。好きな人は病みつきになるだろう、と思うタイプのワイン。




8 vini di Podere Pradarolo

2017-10-07 17:13:06 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
8 vini di Podere Pradarolo
マセレーション170日と270日。。。





お誘いいただき、ポデーレ・プラダローロの縦のみ試飲会に参加。
エミリア・ロマーニャのパルマ近くに位置するワイナリー。

自然派ワインはもう当たり前のようになり、あちこちで自然派ワインの試飲会、自然派を多く、または自然派だけを扱っているエノテカもできている。
今回行われたコロッセオ近くのカフェ(というより、バー&レストラン)カフェ・プロパガンダには初めて行ったのだが、最近オーナーがかわって、自然派ワインに(ほぼ)特価するようになったらしい。



さて、プラダローロのワインは、ラベルを覚えていたので、1−2回は飲んだことがある。
しかし、意識して飲んだのは初めて。

エミリア・ロマーニャは、個人的には好きな、というより、幾つかとても好きなワイナリーのあるところだが、イタリアの中では安ランブルスコのイメージが強く、どうしてもマイナー、ハンディの大きい州である。
そんな中、キラッと光る小粒のワイナリーが、こうやって存在しているのが非常に嬉しい。

試飲のワインはバラエティに富み、赤1種、赤のスプマンテ1種、白3種(縦のみ)、スプマンテ3種(縦のみ)と合計8種。
しかし、残念だったのは、グラスが1個。(涙)
バー・スペースでの開催で、テーブルのスペースの問題もあるが、周りを見ると、ぐいっと飲み干している人が多かった。ちょっとしたアペリティフ感覚で訪れているのだろう。(笑)

さて、赤から試飲を始める。
赤から始める試飲は、白が良いものである場合、非常に嬉しい。

Velius Rosso Asciutto 2011
品種はバルベーラ。
フルーツがとてもきれいで、パフォーマンスが良い。バルベーラの酸がほのかに香り、自然派特有のアニマル臭はない。グラスを回すとタバコ、わずか土っぽい香りが出てくるが、全体に非常に心地よい香り。
アタックは、自然派らしくとても優しく、可愛らしく、酸味はあるが、フルーツの甘さととても良い対比。タンニンも悪くなく、シンプルだが、心地よいフィニッシュ。++++

Indocili Rosso Frizzante 2014
同じくバルベーラ。
こちらはニュートラルな香りで、やや弱い。アニマル臭が、強くはないが出ている。
味は超辛口。先のバルベーラの心地よい甘さはなく、酸とタンニンのほろ苦さが勝り、フィニッシュにほろ苦さが残る。++(+)

Vej Bianco Antico 2007
品種はマルヴァジア。
マセレーションは170日。7日でもなく、70日でもなく、170日、つまり約6ヶ月。
色は濃い目のオレンジ。輝きが大変よく、香りはとても魅力的。
バラ、オレンジ、ベルガモット、ニワトコ、バルサム臭、バター、ナッツ、化粧品の香りもある。除光液の香り、緑の香りがやや付いてくる感じで、かなり複雑、非常に良い。
もともと熟した白は好きというか、白も置いてから飲みたい方なので、こういう風に見事な熟成が出ている白には感動する。
アタックは強さと優雅さを持ち、酸よりタンニンの方が強いくらい。そのタンニンがとてもきれい熟して丸くなっている。まとわりつくような柔らかさ、まろやかさが出ていて、見事な余韻。持続性もある。+++++

Vej 2011
こちらは270日のマセレーション。270である。タイプミスではない。
いったいどうして?と思うが、別に誰かに教わったというわけでもなく、毎日毎日試飲して、楽しみながらワインを造っているよう。
5−6ヶ月くらいの時点で、ワインががらっと変わってくるのだそうだ。
そして、さらに置いて、こちらは9ヶ月のマセレーション。
だから2007年とガラっと味が違う、というより、この年から木の使用を止めた、ということもあるとのこと。
薬草の香りが前面に出て、ちょっと殺虫剤風の(ごめんなさい)香り、でもそれが悪いわけではなく、他は、みかん、ユーカリなど。
アタックは優しいが、その後すぐに酸とタンニンが一気に出て、最後はほろ苦さが残る。+++(+)

Vej 2014
こちらも270日。
これまた全然違う。花の香りがきれいで、細く、エレガントさが出て悪くないが、味の方は細すぎの感。酸が際立ち、タンニンも感じるが細め。持続性もまずまず。
色も、270日のマセレーションとは思えないほど、薄めの色。+++

それぞれの年のスプマンテ(2007年、2011年、2014年)3種は、クラテッロと一緒に飲めるようにスプマンテにした、とのこと。
なお、メトド・クラシコの2次発酵にはモストを使用しているそうで、最近、メトド・ソロ・ウーヴァとも呼ばれているやり方。かなり凝っている。
でも、伝統的に、自然のやり方で、自然以外のものを混ぜずに造ろうと思ったら、誰の真似をするということではなく、結局はこういうところにたどり着くんだぁ、と思った。

Delyus 2016 Marta Valpiani

2017-05-28 21:07:06 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Delyus 2016 Marta Valpiani
エミリア・ロマーニャの白ワイン。



少し前、ローマで、初めてと言っても良い、その場でワインを買える試飲会が開かれた。
記憶によると初めてだと思う。

そう、試飲会では、(ある程度)好きなだけ飲めるが、ワインを買うことはできない。
これは、ヴェローナで行われるヴィニタリーでも同じである。

売って〜と言っても売ってはくれない。

さて、この試飲会は、そうとは知らないで行ったのだが、先に来ていた友人に、買えるんだよ〜と言われ、購入できます、との放送が流れ、本当に買えるんだぁ、とちょっとびっくり。

と言っても、現金だけのところが多いし、うちのワインクーラーはいつも満杯状態で、そうたくさんは買えないのだが、適当に数ケースを購入した。

うち、ちょっと買ったワインの1本がこれ。

本当はサンジョヴェーゼの2015年を買いたかったのだが、これは、結構早めに売り切れていた。(やっぱり目指すものは同じ)
そこで、これから暑くなるし、白を2本購入。



品種はブレンドで、Trebbiano Romagnolo, Grechetto Gentile、土着品種のAlbanaがわずか混ざっている。

色はそれほど濃くない。
熟した白いフルーツのちょっと甘い香りに、塩味〜という香りが覆いかぶさる。上品にミネラル臭、とかではなく、塩味〜( 塩)辛いですよ〜と香りに出ている。
アタックからすでに塩辛い。その後酸味がつん、と出たかと思うと、また塩味が出てくる。酸味と塩味が余韻に残る。でも、全体に悪くない。面白い。+++

エミリア・ロマーニャのワインが好き、という人は少ないと思うが、ランブルスコは置いておいて、サンジョヴェーゼも、白も結構好き。
かしこまらず、気軽に飲める。
重たいブルネッロよりいい、という人は少ないだろう。
しかし、選べば結構よくできていて、値段も安い。
ちゃんと選べば、かなり狙い目。

Bro' Bianco Forlì 2015 Noelia Ricci

2017-03-12 11:44:33 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Bro’ Bianco Forli’ 2015 Noelia Ricci
Trebbiano, Emilia Romagna



ちょっと忙しくなると全くほったらかしになってしまう。
シチリアから帰ってきて、やっと少し時間が取れたので、いつものマルコのところに立ち寄った。
週末はジュリアが大抵いる。
彼女もワインに詳しく、また、結構好みが似ている。
テキトウなワインを飲んでいたら、飲んでみて、とグラスを持ってきた。

色はちょっと薄め。
ミネラルがかなり強い。しかし、どっしりしたミネラルではなく、細く優しい感じ、加えて、柑橘がほんのりただよう。
塩味が強い。酸味があるのだが、塩味に隠れてしまっている。ボディはちょうどよく、余韻がそれほど長くはないのだが、心地よく消える。+++(+)

へぇ、結構いいじゃない、と思ったら、リッチのトレッビアーノだった。
当然、ビオ。しかし、ビオにしてはビオ独特の臭みがない。

エミリア・ロマーニャのワインは結構好き。
思い入れもある。

リッチは、最近、マルコが気に入ってかなり仕入れている。
動物のラベルが印象的で、一度見たら忘れないデザイン。

これは、ラベルが横長でうまく撮れなかったのだが、クジラ。。。。



凝っているのが箱(6本入り)で、マルコ曰く、世界で一番美しい箱。
私には、世界で一番恐ろしい箱。

その理由は、外側は普通、開けると内側に、とても美しい(私には恐ろしい)ちょうの絵柄。
そう、余談だが、私はちょうが死ぬほど嫌いなのである。。。。


Prosecco di Valdobbiadene superiore Bosco di Gica s.a. Adami

2017-02-08 13:05:58 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Prosecco di Valdobbiadene superiore Bosco di Gica s.a. Adami
ヴィンテージなし



久々のアダミ。
昔はよく数種類を買ったのだが、この10年の間にプロセッコも良いものがどんどん出てきているので、ご無沙汰になってしまった。
久々にラベルを見て、1本購入。

アダミはエクストラ・ブリュットが好きだったと記憶しているが、これはブリュット。
辛口。



白い花に黄色い花が混じるくらいの花束の香りに柑橘。レモンよりはオレンジ、ややマンダリン、柑橘の花の香り。シンプルだが、悪くない。
程よい泡、程よい酸味、ほのかに花の香りと柑橘の香りが、ほろ苦さと混じり余韻に残る。さらっと飲むには悪くない。++(+)

ラベルに、長く冷蔵庫に置いておかないでね、とあるのに笑ってしまった。

Solco 2015 Paltrinieri

2017-02-01 22:42:30 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Solco 2015 Paltrinieri
ランブルスコ〜




個人的にかなり好きなRadice(ラディーチェ)を造っているワイナリー、パルトリニエーリのもう少し低価格のワイン。

ラディーチェの品種はランブルスコ(ソルバーラ)100%。
こちらのソロコも同じくランブルスコ(サラミーノ)100%。



ただし、ラディーチェがごく薄いピンク色に対して、ソロコの方はクラシックなランブルスコの色、結構濃いめの赤。

かなり濃いめの色合いのフルーツの香りがどんとする中、若干フォクシーな香りがある。甘い香りも混じり、森の木の実のジェラティーナ風。ややほろ苦いタンニンの香りも混じる。
口に含むと一瞬わずか甘さがあるが、その後、ほろ苦さが出てきて、余韻に残る。シンプル。ラディーチェにはかなわないが、悪くはない。++