在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Terravision 空港までのバスサービス

2014-06-11 20:52:53 | 行ってはいけない
最近日本でも知られてきているバスサービスTerravisionに乗ってみた。ローマの空港へ行くのに、一番安くて品質がいい、というのが謳い文句である。

どうしてもフィウミチーノ空港へ行く仕事絡みの用事があり、車で行くことも考えたが、空港のパーキングはたった1時間でも馬鹿高く、この機会にどんなものか使ってみることにした。

オンラインで予約すると片道4ユーロで、 テルミニ駅脇から出ている。同じテルミニ駅から出ているイタリア国鉄の列車は14ユーロなので、はるかにやすい。
しかし、時間とサービスは最悪の印象だった。

運が良ければ良いのだろうが、運が悪い人は結局タクシーに振り替えている。(という人を何人か見た) オンラインは即支払いなので、これでは節約したのかしないのかわからない。

まず、時刻表はあるが、ほぼ無いに等しい。どうも同じ時間で、相当数の予約を入れているようで、人が殺到している。当然一台のバスに乗れる人数ではない。
たしかに、バスはパラパラとくるが、同時に同じ時間に何台も出発できないので、予約時間を20分以上遅れて、30分経っても前の時間のバスが出発している。
幸い早めに乗り場に着いたので、予定時刻1番に出発するバスには乗れたが、それでも10分遅れで出発した。
時刻表を信頼して予約を入れていては、焦る。絶対に焦る。

システムは非常に分かりにくく、予約していてもボーディングパスとやらを窓口で受け取る。ただ単に何か聞きたいだけの人も同じ列に並んでいて、言葉の問題、面倒な質問をする人に当たると、急いで無くてもイライラしてくる。

おそらく、日本人以外はバスに乗るのに並ぶことなど考えないだろうと思うので、列らしきものはあってないがごとし。荷物は自分で荷物室に積み込むので、ここでもう列は完全にバラバラになり、人がバスの乗り口に殺到する。
アシスタントは一人だけで、喧嘩になる人もいる。
最悪の雰囲気。
そして、アシスタントの感じが良いとは言えない。
丁寧な説明はなく、乗れるか乗れないか、みんな時間を気にしているので殺気立つ。喧嘩腰になっ人には、歩いて空港まで行け!と怒鳴っている。
予約をしたバスに乗るだけなのに、なんでこんな雰囲気になるんだろう。

やっと乗れても、車内の暑いこと。
相当早くに出れば、安くて節約できるかもしれないが、まだ、時間にほぼ正確な列車の方がはるかに良いと思った。

空港からの帰りも、すでに支払っているので利用。時間が読めなかったので、もう少し後の便を予約していたが、用事が早めに終わったので、乗れるか聞いたら、次のバスは満員だから1時間後になる、と言われた。1時間後。。。
予約をしていても、フライトの到着時間なんてどうなるかわからないので、正確な時間のバスに乗れるとは限らないだろうに。
随分待って、とにかくバスが来た。
ここでも乗り口には人が殺到。同じように喧嘩腰の人もいる。
あんたは次のバス!とあしらわれている人もいる。
旅行客ではないので、とにかく席があったら乗せて、と強くお願いしてなんとか乗れた。

タクシーを利用していたら、すでに駅に着いているだろうと思う時間に乗り込む。
うーん。たとえ安くても、もう絶対に使わない。確かに安いが、時間の無駄が多過ぎ、貴重な旅行だったらあまりに時間がもったいない。
そして、サービスとってもいい、は完全に誇大広告だった。
絶対にオススメしない。


Vini nel Mondo

2014-06-02 14:02:38 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
Vini nel Mondo



ワインのグループにお誘いいただきスポレートまで行ってきた。
ウンブリア州のスポレートは文化的に非常に進んでいる町で、昔から「二つの世界」という名前(Festival dei due mondi)のフェスティバルをやっている。今年も6月の終わりから3週間程度行われ、演劇、コンサート、バレエ、ダンスなど、世界中からいろいろな団体が参加する。
それにちなんでか、ワインのイヴェントの名前はVini nel Mondo。
初めて行ってみたが、そこで、ウンブリア州のワインの友人アレシオに会った。
このフェルティバルは彼の発案で、その後、引き継がれていったとのこと。
アレシオはものすごく気さくな人だが、結構すごい人物だと思っている。
知識豊富、そして、かなりよいワインを扱っている。
ワインを造っているというのは初耳だが、彼が今回持ってきていたワインをいくつか、そして、その他、同じくウンブリアでワインを扱っているおじさん(ごめんなさい)と息が合い、そこでもいくつか試飲をした。
グループで行ったのでゆっくり食事を取り、午後は、アレシオお勧めのフランスワインの試飲会に参加し、全体に飲んだワインの数は少なかったがとてもよい一日になった。



試飲したワインのいくつか。



Avignonesi
Rosso di Montepulciano 2012 ++(+)
Vino Nobile di Montepulciano 2011 +++(+)
Grifi 2010 ++++
アヴィニョネージは老舗ワイナリーで、ワインの勉強を始めたころ、モンテプルチャーノの町にあるワイナリーを訪れ、貯蔵庫を見せてもらって、いくつかワインを試飲した懐かしい思い出がある。そのとき、当時は斬新ワインのひとつだったGrifiの「ハーフボトル」を1本買った。。。
最近はあまり見かけなくなって飲む機会が減り、久々に3種試飲したが、モダンとはいえ、モダン過ぎず、モダンが鼻につくこともなく、非常にきれいにできていて、悪くないね~と思った。某ワイナリーよりかなりいい。
個人的にはNobileの方が好きだが、まだスーパータスカン風が好きな人にはGrifiは受けると思う。ボディもあり、インパクトがよい。

Jucundius 2012 +++(+)
これが、アレシオが造っているというワイン。ラベルの写真を見るとわかるが、ぶどうの木がニレの木に引っ掛かっている。昔はこういう風にしている畑は結構あったというが、さすがに今はなかなか見られない。樹齢120年のぶどうの木が300本、1本につき35キロのぶどうが収穫できるという。それを待ちに待って収穫する。昨年の収穫は11月1日だったそう。これがワインになるとかなり変わったワインになる。色が濃く、ミネラル豊富、しかし、自然派ワインによくある臭い香りはほとんどない。品種はトレッビアーノなので、比較的ニュートラル、落ち着いた感じがよく出ている。ローマでは超有名老舗エノテカレストランRoscioliで飲めるというので是非一度飲んでみて欲しい。



Identita'2011 ++(+)
Duality 2011 +++(+)
フリウリのワイン。アレシオお勧めで、Identita‘は4種のブレンド。Dualityはソーヴィニオン100%。前者でもかなり特殊であるが、後者は非常に特殊。前者でもすでに、ミントやローズマリーなどのハーブの香りがきれいであるが、後者はさらにトマトの葉、タイムやユーカリなどの香りも加わり、まるで菜園かハーブ園にいるかのごときの香り。好き嫌いは分かれると思う。しかし、これもまた面白いワインなので、見かけることがあったら、ぜひ一度は飲んでみてほしい。



こちらのワインはアレシオの解説によるフランスワインの試飲会。