在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Ciro Aris 2014 Arcuri Sergio

2018-01-29 19:10:34 | Calabria, Basilicata カラブリア他
Ciro Aris 2014 Arcuri Sergio
トリプルA




カラブリアのワインらしくない、が本音。

カラブリアのワインが悪いわけではないが、まだまだエレガントなワインが少ない。(と思っていた)

田舎っぽさの残るワインがどうしても多い。(と思っていた)

たまにちょっといいと思うのがあっても例外。(と思っていた)

確かにこのワインは例外なのであるが、あれー、カラブリアにトリプルAのワインがあるんだー



トリプルAは、
Agricoltori(農業従事者)
Artigiani(工芸者)
Artisti(芸術家)

の頭文字3つをとったもの。

つまり、オーナー自らがワインを作品同様に精魂込めて造っている(名ばかりのオーナー、ワイン造りは任せていると言うオーナーも多い)ということが条件。

トリプルAのワインは、たいていシールが貼ってある。
自慢そうに貼っているが、これは自慢してくれていい。
ただの自然派ワインとちょっと一線を画すように、ちょっと違うワインと言っても過言ではないからである。




インパクトがカラブリアのワインらしくない。
そして、エレガント、品が良い。
もちろん、すぐに、自然派ワインだとわかる。
還元臭、アニマル臭、やや臭みがあり、しかしそれほど強くはなく、これらの香りが落ち着いてくると、花の香り、フルーツ、スパイス、
程よい強さで続く。長くというのではなく、しばらくたっても、という意味で、若干安定感がありすぎというか、変化が乏しいわけだが、香りがあまり変化せずに続く。
アタックは優しく、タンニンがやや苦く、酸に覆いかぶさる感じ、塩味を隠すのであるが、程よく長く続く。++++

チロ、ガリオッポ100%。

Basilisco 2009 + 6 campioni vasca 2015 バジリスコ

2016-02-25 10:33:38 | Calabria, Basilicata カラブリア他
Basilisco 2009
6 campioni vasca 2015
(ステンレスタンクからのサンプル 畑違い 6種)



友人ルカが主催する試飲会は面白いものが多い。変わっていると言ってもいいかもしれない。とにかく真面目、ひたすら真面目、また勉強熱心派なので、ひたすらメモを取り、人の意見も聞き、それを色々な角度から統計にしてしまう。
ワインはただの飲み物だい!と思っている人には理解しがたいくらい、とにかくひたすら、いろいろな角度からワインに向き合う。
彼が1年かけたというプロジェクトの試飲会が今回の試飲会。
畑ごとの違いを徹底研究。
ちなみに南のワインが好きなので(私と反対。笑)研究の対象は南イタリアのワインになることが多い。今回対象となったのはバジリカータのアリアニコで、バジリスコの造っている「バジリスコ」。

ワイナリーの協力のもと、6つの畑(ただし後述)の、まだ木の樽での熟成まで達していないワイン見本を持ってきていただき、ブラインドとブラインドではないものも含めて試飲。
ワイナリーのあるヴルトゥレは多くが火山性土質を持っているのであるが、黒い土、黄色い土と色に大きな違いがあり、畑ごとにできるワインに大きな違いが生まれる。幸い品種はアリアニコのみ、樹齢もそう違わないし、標高は違うといえば違うのだが、ものすごく大きく違いではなく、また、畑も数キロ程その距離、つまり、条件的に似ているのに、できるワインにこれだけ大きな違いが生まれるということは、わかっていても結構驚きだった。



さて、資料には4つの畑の詳細。なお、試飲するワインは全て2015年のもの。
A1  ワイン1
A2 ワイン2
B1 ワイン3
B2 ワイン4

ワイン1
黒土。標高が一番低く、収量が一番多く、収穫時期が9月の終わりと、一番早い。
いかにもワインらしい。フルーツ、花の香り、あずきのような香り、やや灰のような香りや、この時点ですでにスパイス風の香りも混じっている。若干重たい感じが味にもあり、太さのあるタイプ。タンニンがやや残る感じがある。+++

ワイン2
同じく黒土。収穫時期は10月初め。
同じ黒土なのにがらっと変わって、メタル、血、鉄などの香り、やや緑の香り、小さな守りの木の実となる。酸味があり、ミネラルを感じ、タンニンは細いのだがややほろ苦さが残る感じがある。+++(+)

ワイン3
黄色の土。ただし、この畑は、畑の中で黒土と黄色い土が斜めに線を描くように混じっていて、黄色い土、黒土、そのミックスと3種が同じ畑にある。それを別々に醸造するのだそうだが、今回のサンプルは黄色い土のもの。収穫量は一番少ない。
すでに沈殿物がかなりある。色が一番濃く、どろっとした厚みがある感じ。熟したフルーツに、アニマルではないが若干の臭みが混じる。酸味より塩味の方があり、アルコールを感じ、ボディがある。タンニンも存在感あり。++(+)

ワイン4
黄色い土。標高が一番高く、また北向きの畑のせいもあると思うが、収穫が一番遅く11月に入ってから。
ミネラルを感じ、紅茶、これも若干アニマルを思わせるような臭み、タタミのような乾いた干し草風の香りも混じる。酸味があり、タンニンが繊細、全体に細胃感じを受け、特にワイン3と対照的。++++

さて、次にワイン5と6が登場。
この2つは順番をその場で決めたもの。一つは黒土のものでもう一つが黄色い土のものとのこと。

ワイン5
正解は黒土のものだった。畑は違うが(C1)A1の畑のワインに似ている。
フルーツ、花の香りがきれいで、口に含んだ時に柔らかさがあり、ある程度のボディもあり、大変心地良い。++++

ワイン6
正解は黄色い土、C2の畑のものとしたのだが、実はB2の畑のものだった。つまり、6つのワインの中に同じ畑のものが2つあったということになる。
確かに、ミネラルを感じ、酸味がきれいで、似ていると思った。++++

これは騙したわけではなく、畑 A1A2B1C1 は火山性の土質の畑なのだが、B2は珍しく火山性の土地ではない畑で、火山性ではない畑はここだけなので、同じ畑から2種持ってくることになったという事。

つまり6つのワインで黒土と黄色い土の比較、火山性の土質と非火山性の土質の比較+同じ畑のワインを当てられるか、をしたことになる。

ただ、同じ色の中でもこれだけ大きな違いがあり、 土の色が違うだけが原因ではないということが明確になり、火山性の土地のワインはいいね~などという人もいるが、確かに火山性の土地のワインのタンニンはややほろ苦さを持つので、意外と非火山性のものをよりおいしく感じたり。


最後に、2009年のバジリスコの試飲。
バジリカータの印象を変えた、ある意味歴史的ワインである。
個人的には、重たく、土地っぽさがあり正直あまり好きなワインではなかったのだが、久々に飲んでみるととてもいい。しばらくたっていることもあるし、細さのある年ということもあるだろうが、最初にやや臭みを感じた以外、スパイスがきれいで、フルーツ、花の香りもまだある。木の香りはあるが決して強くはない。タンニンも繊細、フルーツが心地よく、持続性もあり、ボディはあるが重たさはない。++++(+)





Aglianico -Paternoster, Di Notaio, Madonna delle Grazie

2013-02-02 22:10:49 | Calabria, Basilicata カラブリア他
Di Biagioでの試飲会-アリアニコ5種  -バジリカータ州

Synthesi 2009 Paternoster
Ripertorio 2009 Cantina del Notaio
L’Atto 2010 Cantina del Notaio
Messer Oto 2008 Madonna delle Grazie
Liscone 2009 Madonna delle Grazie

ひいきにしているエノテカ、Di Biagioの恒例、土曜日の試飲会が今年も始まった。
年末や夏の間はお休みにするが、それ以外の時期には毎週土曜日の午後にオーガナイズしている。テーマを決めて4-5種類のワインを振舞うだけだが、無料で、予約も要らないので、立ち寄ってついでに美味しいワインを飲むという感じである。
日本にしばらく行っていたこともあって、年末以来、久しぶりに立ち寄った。

棚のワインは、まあまあ変わる。変わらずあるワイナリーのワインもあるが、なくなったり、新しく入ったり、ワインを飲みながら棚を見回す。
もう見たくないと思っていたラベルがなくなっていたのは嬉しかった。

さて、今回はアリアニコ。5種。
最近飲むワインはほとんどが北のもので、南のワインは自主的には飲まなくなった。
イタリアらしいというのは本当だが、北のワインには、残念ながら勝らない。(ジャンフランコの造るESをのぞいてと言うべきだが)

どうしても全体的にアルコールが強い、強すぎ。そして、重たい。エレガンスに欠ける。
まあ仕方がないし、それでも南のワインが好きな人もいるし、好みは自由である。


Synthesi
赤と黒のフルーツがきれいで、スパイスが混じる。アルコールがどうしても上がってくる。ボディは申し分なく印象は良いが、やや値段が高い。


Repertorio
最初Vinosita’ を感じたかと思うとすぐにフルーツ、そして緑が混じる。黒こしょうがかなりある。アルコールが強く、アルコールのほろ苦さが最後に残る。

L’Atto
香りが弱く、シンプルで変化に少ない。緑がやや強く、持続性にやや欠ける。


Messer
このワイナリーは知らなかったが、なかなかの発見。ただし、こちらはステンレスのみで、シンプル。印象は良いのだが、持続性に欠け、消えてしまう。ただし、香りは花の香り、フルーツなど、かわいくまとまっている。

Liscone
こちらの樽熟成の方はかなり良い。フルーツとスパイス、複雑性がなかなかあり、長く、味も、酸とタンニンのバランスがよく、持続性が非常に良い。10ユーロしない価格とは素晴らしい。

Presso l'Enoteca Di Biagio a Roma:
Synthesi 2009 Paternoster
Ripertorio 2009 Cantina del Notaio
L’Atto 2010 Cantina del Notaio
Messer Oto 2008 Madonna delle Grazie
Liscone 2009 Madonna delle Grazie

La degustazione del sabato presso l’Enoteca Di Biagio.
I vini sui scaffali cambiano. Meno male che non c'erano piu' le certe etichette....

Il tema di oggi : aglianico
Una bella scoperta era Liscone della Madonna delle Grazie. Frutta, fiori, spezie, buona complessita’ e la lunghezza. In bocca strutturato, adeguata acidita’, tannini di buona finezza e PAI lunga.



Gravello 1993 -Librandi (Calabria)

2012-11-24 21:55:22 | Calabria, Basilicata カラブリア他
”グラヴェッロ 1993”リブランディ -カラブリア州



なぜか、突然1993年のグラヴェッロを開ける気になった。
それほどすごいワインは家にはないが、90年代の開けそこなったワインはまあまあゴロゴロという感じである。
保存には気をつけているので痛んではいないはず、で、まだなんとなく残っている。

古いワインを開ける時は、ちょっと怖い。
大して高くはないにしても思い入れのあるワインが多いので、それがダメになっていると悲しいからである。
若干液漏れがしていた。カプセルから漏れるほどではないが、一瞬、もっと早く開ければよかったと思った。
しかし、これがなかなか良かったのである。
グラヴェッロの1993年はガンベロの3ビッキエーリを取っている。
当時、カラブリアのワインというとチロなどをはじめとする、安くて気軽に飲めるワインがほとんどだったが、グラヴェッロは、カラブリアで出た初めての本当に品質の良い高級ワインだったと言える。



品種はカベルネ・ソーヴィニオンとガリオッポ。
色はガーネット色。淵はやや薄めだが、全体に濃い色で、まだ薄くなっていない。
香りは、鉄分、血のにおいがあり、フルーツのコンフィ、バルサム臭、腐葉土、スパイスなどの香りが出ているが、アニマルはあまり感じず、まだもう少しもつ感じがする。しかし、アルコールがやや立つ。
味は、タンニンがすっかりまろやかになっている。その分まろやかで飲みやすくなっているがボディはある。持続性はあともう少しほしいところだが、悪くない。アルコールがやや残るが、きれいにスパイス、フルーツのコンフィも残る。(89点)

Gravello 1993 -Librandi (Calabria)
Cabernet Sauvignon e Gaglioppo.
L'annata 1993 ha preso tre bicchieri del Gambero.
Penso che il Gravello sia un vino che ha sfogliato una nuova pagina della storia vitivinicola calabrese.
L'ho amato sempre e ancora lo amo.
Dopo quasi 20 anni dalla vendemmia ho trovato molto bene e sono contenta che abbia dimostrato la sua longevita'.
Il colore granato, profondo al centro e luminoso.
I sentori; ferro, sangue, confetura della frutta nera, nota balsamica, terra bagnata, bel bagaglio delle spezie, poco animale, leggermente eccessiva nota alcolica.
In bocca, morbido, buona struttura, buona persistenza e il piacevole finale del vino ben invecchiato(89/100)


”ビスィディアエ 2006” セッラカヴァッロ

2007-10-28 05:51:35 | Calabria, Basilicata カラブリア他
“Besidiae 2006” Serracavallo -Calabria
カラブリアという南の暖かい州で造られる、ペコレッラ、リースリング(寒冷地に適している)とシャルドネのブレンドというちょっと(かなり)変わったワイン。
どうして、カラブリアでリースリング?と聞いたら、畑の標高が平均で600m、ペコレッラの一番高いところで1200mになると言う。
カラブリア州は縦に長いが、その北部にはポッリーノ山脈というかなり深い森の山々がある。そこに位置するので、これだけの標高になる。
まだ比較的新しいワイナリー。あまり知られていない。
品種は、ペコレッラ30%、リースリング30%、シャルドネ40%。
色は、麦わら色と黄金色の中間くらい。
香りは、ややくさいが、ペコレッラというヤギという名前のように、アニマル臭があっても不思議はない。確かに、ヤギの臭い?しかし、そういうと、けなしているように思う人がいるかも知れない、決してそうではない。また、青っぽさがやや出るので、ネギ系の臭い、そして、さわやかな柑橘系の香り。
味は、結構個性的。塩辛さがある。酸もまずまずあり、ほろ苦さが、胡桃の渋皮風。
ラベルの感じなども含めて、若干国際的なビジネスを意識している感じがなくもないが、まずまずよく出来ている。今後に期待したい。

”ヴィーニャ・ガッローネ 2003” オドアルディ

2007-08-28 03:55:45 | Calabria, Basilicata カラブリア他
"Vigna Garrone 2003" Odoardi -Calabria
オドアルディは、昔はそれほど良いワインを造っていたとは思わないが、今はすっかり良いワイナリーになった。ちょっと前まで、カラブリアを代表するワインと言えば、リブランディのグラヴェッロだったが、その地位はすっかり脅かされている。でも、グラヴェッロも捨てたものではないが。。(個人的には好きだし。)
さて、このところのガッローネはとても良い。品種は、カラブリアの土着品種ガリオッポ80%、ネレッロ・カプッチョ10%、カベルネ・フラン5%、カベルネ・ソーヴィニオン、メルロー5%となっている。つまり、カラブリアの味に国際品種のコショウを振ったという感じか。
まず色が非常にきれい。濃い目、深い色合いのルビー色である。ガリオッポは比較的色の薄い品種だが、何かトリック(良いブドウのみを使うか、少し干すか、サラッソsalassoをするか。。。)があるかも知れない。。(まあ、とてもきれいな色だから、あまり深く考えるのはやめよう。。)
香りは、バニラ、カラメル、そして、スミレ、ブルーベリー、プルーン、ブラックベリーなど、かなり複雑性を帯びている。そして、ブラッドオレンジ、タバコtabacco scuroなどに加え、緑がほんのり加わる。
味は、ボディがドンとあり、インパクトがある。そして、酸がきれい。フルーツの味が広がり、タンニンはしっかり、しかし質がとても良い。強さあり、持続性もかなりあり、全体的にとても良い。
カラブリアの肉料理に合わせるとぴったりだが、カラブリア以外の料理にも頻繁に合わせたい1本である。

“アシリア 2005” リブランディ

2007-08-24 07:51:39 | Calabria, Basilicata カラブリア他
“Asylia 2005” Librandi –Calabria
このところカラブリアづいている。カラブリアにいるのだから当たり前か。カラブリアのワインを他の都市で飲むのも良いが、やはりカラブリアのワインはカラブリアの海と空と空気が一番合う。しかし、そう言い始めたら、他のワインも全てそうである。しかし、やはりカラブリアにはカラブリアの、少し田舎っぽさが残るが、素直でまっすぐに情熱を語るようなワインが似合うと思う。
カラブリアでは最も知られたワイナリーであるリブランディの赤。DOCメリッサ・アシリア。品種はカラブリア土着のガリオッポ。
色はかなり薄い。ルビー色だが、さくら色に近い。南のワインだから、赤だから、色は濃いはずだ、重たいはずだ、と思うと間違いである。南のワインでも色の薄い品種はあるし、必ずしもボディがドーンとしているとは限らない。そして、ガリオッポは、色が薄いのだ。
香りは、ネギの香りがほんのりある。カラブリアにはトロペア産の甘くてとても美味しい赤玉ネギがあるが、そんな感じと長ネギ風の香り。そして、明るい色のサクランボ(ラヴェンナのサクランボ)、レッドベリー、野いちご、ブルーベリーなどの小さな森の木の実の香り、そして、ややメタリックな香りもある。メタリックなミネラル臭は緑の香りと混ざり、ミントの香りにもなり、サンブーカ(ニワトコ)の香り、しばらくすると馬の汗風の香りも出てくる。と書くとなんだか大変なワインと言う気がするが決してそうではない。これがこのワインの個性であって、否定するつもりは全くない。むしろ、とても好ましい。
味は、タンニンの渋みが少し残るのが気になる。南のワインなのに、酸はきれい。アルコールがやや強く感じ過ぎだが、ボディがあり、味の強さも良い。後味は最後消える感があるが、最後に残る渋みは決して嫌味ではない。

”ポルピチェッロ 2001” オドアルディ

2007-08-12 20:01:06 | Calabria, Basilicata カラブリア他
“Polpicello 2001” Odoardi -Calabria
前述のカストロヴィッラリのロカンダ・ディ・アリアで、最初に「ジュリオ・フェラーリ1992」から始めた為、あとを持たせるのに苦労した。せっかくカラブリアにいて、カラブリアのワインを飲みたいというところ、ついつい希少価値的な方へほろっと浮気してしまったものだから、始末が悪い。人数が多かったので、ジュリオ・フェラーリと赤の間に白を挟み、カラブリアを代表するリブランディの白「エフェソ」(個人的には思い出多い、大好きな1本)とした。洗練された都会の美女から、可憐とは言え、そこは田舎の美女になって、舌に戸惑いはあるもの、ここはカラブリア、やはり、浮気は1度でやめておこう。さて、赤。ピヌッチョ氏、カラブリア在のS氏と共に検討し、カラブリアのワインにしてはめちゃくちゃ高かったけれど、私も初体験のオドアルディのワインとなった。ブレンドしてはいるが、その品種は秘密とのこと。まだリリースされて間もない、新ワインである。(最近はどこもかしこも、新しいワインを出すのが流行っている。。)
色は、かなり濃い。若々しさを感じさせるルビー色。カラブリアのワインのイメージにぴったりである。
香りは、革、それも新革の香りがやや、そして、ブルーベリー、ブラックベリー、プルーンのコンフィの香りがある。さらに、緑の香り。土着品種が緑っぽいのか、カベルネが入って強く出ているのかも知れない。ミントの葉とサンブーカ(ニワトコ)のくささがやや混じった感じ。他には土の香り、そして、南のワインらしくアルコールが立つ。
味は、タンニンの渋みがやや強いがワインが若いからしょうがない。タンニンの質は決して悪くない。酸はあるがタンニンにやや隠れ、ボディ有り、味の強さ良く、程よい長さがあり、革とやや緑の香りが後味に残る。
残念ながらワイン後進国と言われるカラブリアだが、少しずつ良くなっているのが見えるのは嬉しいことだ。