在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

ローマのボッタクリタクシー その手口(の一つ)

2016-05-28 22:05:09 | もろもろ、つれづれ
ローマのボッタクリタクシー

実際に経験したことである。

市内から空港へ、新婚カップルのお客様とタクシーを利用して行った。
空港までは、一律料金で48ユーロ。
しかし、常識的にチップを渡すので、50ユーロ渡してください、と案内する。

さて、空港に着いて、いざ支払いとなった。
私は前の席に座っている。

お客様が、50ユーロを、20ユーロ札2枚と10ユーロ札1枚で支払った。
幸い新札ではなかったので、ちらっと3枚のお札が見えた。

しかし、一瞬ののち、ドライバーが20ユーロ札1枚をカップルに見せびらかすように見せている。
一瞬、訳がわからないのは、カップルもだが、私も。

カップルは50ユーロを払ったつもり。

私も50ユーロ払ったのを見届けた。

それなのに何故、20ユーロ札を見せているのだろう???
お釣りでもないのに。

と思ったら、20ユーロしかもらってないよ、とドライバー。

すぐに、もしかしたら私が間違っていたかも?と思い、カップルに確認。
20ユーロ2枚に10ユーロ1枚出しましたね?3枚のお札があったように見えたのですが?間違いないですね?

当然、カップルは、はい、と回答。
当たり前だが、何が起こったのかよくわかっていない。

ここで、当然、抗議。
払ったでしょ!!!
ごまかさないでよね!!!

あー、ごめん、ごめん。

そう、ドライバーがお札を受け取った時、一瞬、片手を不自然にもさっと隠す場面があったのだが、その時にお札2枚を隠したのだった。

カップル二人だけなら、断固として抗議しないとやられてたかも。。。。
最近、親切ドライバーが増えたとは思うのだが、まだこうやってごまかすボッタクリタクシーがいるんだぁ、と逆に感心してしまった。

皆様も気をつけてくださいね~

Malena di Giuseppe Tornatore 邦題:マレーナ

2016-05-28 00:03:50 | 何故か突然イタリア映画
Malena マレーナ
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ

あまりに美しく生まれると、こうも不幸になる。。。。



ジュゼッペ・トルナトーレ監督の2000年の作品。
トルナトーレは、イタリアを代表する、日本でも有名な監督なので、観た人も多いだろうと思う。代表作は、「ニュー・シネマ・パラダイス」。泣いた人も多いだろう。(私は大泣き。。。)

マレーナは、マッダレーナのあだ名。シチリアのある小さな町で暮らす絶世の美女。
綺麗な上にスタイル抜群で、町中の男性の憧れ、そして、思春期の若者たちにとっては、ちょっとセックスシンボル的存在の女性でもある。
しかし、品がないわけでも、あばずれなわけでもなく、むしろ逆に、いたって品行方正、純粋で、綺麗な心の持ち主。
たぶん、こんな人、そういないよね~。。。と思うくらい。

戦争(第2次世界大戦)が始まり、心から愛する夫は戦争に行ってしまった。
そこで、海のそばの1軒屋に一人で暮らし、時々、学校教師であるお父さんの世話に出かける。

美しく生まれることが罪というか、あまりに美しすぎると、さらに、心が綺麗過ぎると不幸になる。(そんなぁ)

しばらくして、夫の戦士が知らされる。

涙にくれるマレーナだが、町の男性にとっては、これはチャンス。

真面目に、寡婦になったマレーナと付き合いたいと思っていた男性もいたが、転勤状態になり消え、残る男性は、虎視眈々と狙うか、狙えなくても、舐めるように見るか、実際に手を出してくる輩もいた。

しばらくして、町が空襲される。

爆撃で、壊れた建物に住んでいたのはマレーナのお父さん。そこで、父親まで失くしてしまった。

夫も父も失くし、食べていくにはなんとか仕事をしなければと思うのだが、あまりに綺麗すぎて、仕事もない。
男たちは、マレーナに仕事をあげようとすると、妻から文句を言われるので、雇ってあげることもできない。
町中の女性たちのすごい嫉妬。町中の女性からは村八分にされる。

そこで、とうとうマレーナが決意したのは、ドイツ軍の娼婦になること。

長い黒髪をバッサリ切って、赤く染め、町を闊歩するマレーナがカッコイイ。

カフェでタバコを取り出すと、さっとライターを近づける男性が何人も。(あくまで映像だとは言え、カッコイイ~)



そして、シチリアのドイツ軍による占領が終わる。

当時、ドイツ軍の娼婦として稼いでいた娼婦たちがリンチにあったというのは本当だが、町中のいろいろな意味での嫉妬の対象になったマレーナが、建物から引きずり出され、町の女性たちのリンチに合う。
この場面は結構壮絶。私も女だけど、女は男より怖いかも~特に、女の嫉妬は怖い~

マリリン・モンロー風(時代が違うが。。。)に、金髪に染めていた髪をズタズタに切られる。
女優のモニカ・ベルッチの、綺麗なだけじゃないね~の体当たり演技。
抵抗するがかなわず、半裸になり、髪をバサバサに切られ、叫ぶ。
この叫びがすごい。
マレーナは、画面全体で文句も言わず、自分の不幸な境遇に耐えているのだが、この叫びに全てがあわらしている感じ。

仕方なく、一人、ひっそりと、シチリアでは大きな町にあたるメッシーナへ向かう列車に乗り、町を出て行く。

さて、戦争が終わって、なんと戻ってきたのはマレーナの死んだはずの夫。
マレーナはいないし、家はわけがわからない人たちに占領され、いったい何が起こったのか説明してくれる人もいない。町中の人が何か隠している。なんだか、バツが悪いように冷たい。

さて、何が起こったか、手紙で説明してくれたのは、一人の少年。
マレーナに恋い焦がれ、ずっと、ある意味ストーカーなのだが、見届けていた少年レナート。

そこで、夫は、マレーナが町を出て行き、メッッシーナに行ったことを知る。

さて、1年後、なんとマレーナと夫が町に帰ってきた。。。

ストーリーだけなら、まあまあある戦争ドラマ的なのだが、マレーナをずっと見つめてきた少年レナートの成長が描かれているところがとてもいい。
さすが、トルナトーレ。
そして、かの大成功作「ニュー・シネマ・パラダイス」を思わせる雰囲気。
(逆に言えば、またぁ~??ではあるのだが。。)

少年の視点で、少年の希望と憧れと、大人になる過程が、シチリアの田舎の町の海と風景と実にうまく混じり合い、映画全体の風景をなしている。

そして、今ではだいぶ年を取ったが(それでももちろん綺麗)、イタリアではナンバーワン美人女優と言われていたモニカ・ベルッチの円熟期(当時30代半ば)は、長い黒髪のイタリア女性大好きの男性は絶対にお見逃ししないよう。



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6 Pinot grigio ピノ・グリジョ 6種 ヴィエ・ディ・ローマンス、ノヴァチェッラ 他

2016-05-23 13:15:16 | Friuli フリウリ
6 pinot grigio
Schiopetto 2014
Di Lenardo 2015 Gossip
Livio Felluga 2015
Ronco del Gelso 2014 Sot lis Rivis
Abbazia di Novacella 2015
Vie di Romans 2013 Dessimis



いつものエノテカでの土曜日の無料試飲会。
また今回も6本。
ホント、ここまで大判振る舞いのエノテカは、今時はそう多くはないと思う。

気軽に行けるし、誰でも参加できて、たいてい何か買うが、強制ではないし、買わなくても文句も言わない。時間にもゆとりがあり、好きなだけいることができる。もちろん、1-2種類しか飲まなくてももちろんOK。
そこで、買い物ついでにちょっと試飲という近所の方々も結構やってくる。

それぞれのワインのインフォメーションまで用意してくれている。
オーナーのアウグスト氏も、息子のマルチェロ氏も本当に良い人。
彼らとのワイン談義もとても面白い。

さて、今回はピノ・グリジョ。

フリウリとアルト・アディジェに多い品種で、今回は、5種がフリウリのもの、1種がアルト・アディジェのもの。



Schiopetto 2014 フリウリ
すごくデリケート。アルコール度も12度と低く、インパクトがあるワインではないが、かえって、今時はこういうワインの方が新鮮に感じる。香りは強くなく、グラスを回してフルーツがやっと出てくる感じで、奥にはミネラル臭があるのがわかるが、前面に出てくるわけではない。
味も同じくシンプル。デリケートで、強さがあるわけではないが、余韻はきれいで優しい。++(+)

Di Lenardo 2015 Gossip フリウリ
18時間のマセレーションというこで、若干色が付いているタイプのピノ・グリジョ。華やかで、花や小さなフルーツなど、甘い感じが上がってくるが、全体にシンプル。複雑なわけではない。ボディがあり、余韻が消えた後に、残念ながらほろ苦さが残る。++

Livio Felluga 2015 フリウリ
さすが、フェッルーガ、香りがかなり魅力的。万人に受けるタイプ。モモ、ややビタミンを思わせるような香り、比較的柔らかい感じのミネラル臭にグリーンがさっと香り、程よく複雑で、とてもきれい。ボディもしっかりあり、酸と塩味がバランス良く余韻に残る。持続性も申し分なく、満足感あり。++++

Ronco del Gelso 2014 Sot lis Rivis フリウリ
ちょっと樽香が強すぎ。奥に、きれいに熟した甘いフルーツの香りがあるのはわかるが、かなり隠れてしまっている。しっかしりした香り、味も、ボディがあって、酸が効いていて(若干不釣り合いな印象)樽の香りの余韻と一緒に残るのだが、とにかく樽が前面に出すぎ。ただ、白ワインで樽香の聞いた感じを好む人もいるので、その場合は良し。++(+)

Abbazia di Novacella 2015 アルト・アディジェ
一部に樽を使用している。が、樽の香りはほとんど感じられず、とてもバランスがいい。柑橘を含むフルーツ、白い桃など、程よい華やかさで、かなりきれい。味も程よいボディと酸と塩味のハーモニーが心地よい。持続性も申し分なし。++++

Vie di Romans 2013 Dessimis フリウリ
きれいなワインで定評のワイナリー。樽を使っているいるワイン、使わないで透き通るようなワインも造るが、これは樽を使っているバージョン。
さすがに貫禄がある。やや樽香が出過ぎの感があるが、ローマンスらしく、強さの中に上品さがある。花、フルーツ、明るい色のベリー系の香りも出ている。柔らかい香りが心地よい。味の方はしっかり樽香を感じるが、出しゃばってはいない。持続性も良く、余韻にほんのり樽香が残るので、樽が嫌い、という方には向かないかも。++++


ピノ グリージョ アバツィア ディ ノヴァチェッラ 2014 白 750ml
アバツィア ディ ノヴァチェッラ(TUSCANY)
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フェルーガ ピノ・グリージョ 白2013
フェルーガ
フェルーガ

ケータイを消せないイタリア人

2016-05-22 17:51:27 | もろもろ、つれづれ
どーして消せない? ケータイ

いつもいつも思うのだが、イタリア人はどうして携帯を消せないんだろう。
これは、電源を切る、または振動音だけにする、のどちらかのことである。

消さない、ではなく、消せない。
つまり消し方を知らないのではないかと思ったり。

いつものビエッティ氏の「オペラ・レッスン」、今回もまた携帯が鳴った。
たいてい4-5回は鳴る。

始まって3分程度でまず1回。
ここで、ビエッティ氏が、携帯は消してくださいね、とやさしく言う。

バッグをがさがさ、この辺りで大抵の人が携帯を消す。
しかし、全員ではない。

どうしてなんだろう。
これがいつもいつも不思議。

どう考えても、携帯が鳴れば迷惑、そしてかなり恥ずかしい~、ヒンシュク場面だとわかるのに、始まる前に消さないのか。

いや、人間、誰でも間違える。
そこで、誰かの携帯が鳴って、消してくださいね、と親切に案内があった時、あれ~消すの忘れた、自分のじゃなくでよかったぁ~とホッとしたら、早速消せばいいのに、それでも消さない。

またどこかで携帯が鳴る。

それでもまだ消さない人がいる。
だから、また鳴る。

そして、この辺りで鳴る人の携帯は、バッグのいったいどこにしまってあるかわからない人のが多いので、取り出すまで鳴り続け。。。。。ヒンシュク。

だんだん間隔は空き、最後はもう鳴らないかと思うのだが、なぜかここでトドメの1発。会場全体が呆れているのがわかる。超ヒンシュク。

もし隣に座っている人のが鳴ったら、睨んだり、文句言ったりしたくても、さすがにそれはちょっと。。。と思うので、逆に、

携帯の切り方知らないんですか?

と聞いてみたい。

持ってきているとは思わなかったのよ~と答えるだろうと思うのだが、持ってても持ってなくてもいい携帯なら、最初から持ってくるな!と文句言いたい~


Lezione di Opera di Giovanni Bietti マエストロ、ビエッティのオペラ・レッスン

2016-05-22 14:20:23 | もろもろ、つれづれ
Lezione di Opera di Giovanni Bietti



ジョヴァンニ・ビエッティ氏の「オペラ・レッスン」に通いだして1年以上になる。
毎回は行けないが、面白い出しもの時は絶対行くようにしている。かなり面白い。

ローマのオペラ座のプログラムの一つで、1年に10回程度、オペラ座での演目の始まる2週間程度前から数日前のタイミングで行われるレクチャーである。
このタイミングがなかなかいい。
このレクチャーを聞いてからオペラを観に行く方が、はるかに面白くなる。

主要なオペラが行われるのはオペラ座、正式名称コスタンツィ劇場だが、そこからすぐのところにこじんまりしたナツィオナーレ劇場というのがあり、小さな催しに使われている。
その劇場で、平日の夜のこともあるが、たいてい日曜日の午前中に、1時間半から1時間45分くらい、休憩なしで行われる。
ぶっ通しなので、ちょっと眠くなる時もないことはないが、行くだけの価値あり。

映像はないが、若干の録音を使い、ピアノのアドリブが多数入るオペラについての解説。
当然イタリア語がわからないと理解できないし、専門用語も多いのではあるが、時代背景も含み、目からウロコ、という内容が次々に出てくる。
おじさま、おばさまが多い中、若い人も結構来ていて、メモを熱心にとっている人が割といる。
専門家にとってもかなり充実した内容なのだろう。

さて、このマエストロ、ビエッティ氏、かなり素晴らしい人物である。
ピアニストでもあり、作曲家でもあり、音楽研究家でもある。クラシック、オペラ、なんでも来い。
イタリア国営放送ラジオRAI3に「ミュージック・レッスン」という番組があり、クラシック・ファンには隠れた人気なのだが、その番組にも出演していて、担当している音楽のマエストロの一人である。

という多才なビエッティ氏、音楽関係の本も多数出版しているので、本も書く人なのであるが、実はなんと、ワインの本まで書いている。



つまり、音楽の専門家であるだけではなく、実はワインの専門家でもあるというわけ。
ただし、彼が書いているワインの本は、自然派に関してのものなので、若干マイナー。
しかし、かなりよく書けている。ソムリエどうこうではなく、自然なものを飲みたい、という純粋な気持ちが表れた、とても良い本、私の愛読書の一つである。

私はワインの本の方から入ったので、あの人とこの人が同一人物???と最初は思ったが、まあ、世の中にはマルチな人は多数いるわけで、今はビエッティ氏の才能に納得。

ということで、突然、オペラ座~から、自然派ワイン~へ行ってしまうのである。

で、今回の出し物は「椿姫」。ほぼ満席。
演目内容を書いたコピーも配布される。
オペラ座ではあさってから。






すし飯おにぎり

2016-05-13 14:39:43 | もろもろの食べ物
少しのことだが、おにぎりを食べたら、ご飯がすし飯だったのよね~、という話を聞いた。
へー、そうかぁ、寿司用に余ったご飯を使って作れば節約かもね、と思った。

ところが、私もすし飯おにぎりを食べることになるとは思わなかった。
もしかしたら、流行っているのだろうか??

少し前のことだが、日本のバザーに行って家族のものがおにぎりをテイクアウトしてきた。
取っておいてくれた、残ったおにぎりを食べて一口。なんか違う、味が濃い。
で、ふとその話を思い出した。

  すし飯だ~

味がしっかりしているし、中身はシャケ(火が通っている)で、そうなると形のちょっと違うお寿司のようなものだと思って食べるようなもの??と思いながら食べた。

日本食レストランにはそう頻繁に行かない。
大して美味しくないのに当然値段が高く、もともと洋食で育っているため我慢できることもあり、日本へ帰った時にお寿司を「食べだめ」して満足している。

だから、こちらの日本食レストランのメニューの中に普通におにぎりがあるか定かではないが、場所によってはあったような記憶もある。
おにぎりなんて自分で作ればいいだけなので、わざわざ高いお金を払ってまで頼んだことはないので今まで気がつかなかった。
そうかぁ、すし飯でおにぎり。

余ったご飯ではないだろうが、炊いたご飯を分ける必要がないので、節約になるよね~。
もちろん、てんぷらやトンカツなど、定食を出している、つまり白いご飯を出しているところではちゃんとご飯を分けて、すし飯ではないおにぎりを出しているのだろうが、基本、お寿司しか出さないところなら、こうなるか。。。

すし飯のおにぎり、なんかちょっと開眼。
でもやっぱり、すし飯でないおにぎりのほうがおにぎりらしい。
というか、すし飯のおにぎりに食べ慣れているイタリア人に本当のおにぎりを食べさせたら、これはおにぎりではない!なんて言いそう。。。。。。

ちょっと久々にご飯を炊いて思ったこと。


6 Sauvignon blanc : Vie di Romans, Terlano ecc. ソーヴィニオン 6種 ヴィエ・ディ・ローマンスなど

2016-05-10 16:13:18 | Friuli フリウリ
6Sauvignon:
Pascal Jolivet 2014 フランス
Di Lenardo 2015 フリウリ
Livio Felluga 2015 フリウリ
Cantina Terlano 2015 Winkl アルト・アディジェ
Vie di Romans 2013 Vieris フリウリ
Saint Clair 2015 Marlborough Premium ニュージーランド





ソーヴィニオン6種。
緊急の仕事が入り、すっ飛んで帰ったため、ボトルの写真を撮るのをすっかり忘れた。。。。。


いつも大判振る舞いのアウグスト氏の試飲会で、なんと今回は6種のワインが振る舞われた。
土曜の午後、立ち飲みだが、グラスもしっかりしていて、なんと無料。。。。。。
最低4種は出るが、なんと今回は6種、それも、フランス1種、ニュージーランド1種、イタリア4種というインターナショナルな内容だった。
予約もいらず、ふらっと立ち寄るだけ。

ホント、今時、こんなに嬉しい試飲会は他にそうないと思う。
土曜日、行けない時は残念。

さて、今回の6種は以下。

しょっぱなからフランスワイン。そして、6種のワインの中で最も値段の高いワイン。
一番安いワインを一番最初のワインに持ってくるのが普通だが、ここは違う。。。。
確かに、同じソーヴィニオンでもいかにもイタリアのドンとした雰囲気のあるものの後に飲むと、フランスワインに飲みなれていないと特に味がボケてしまう。
ということで、一番。

Pascal Jolivet 2014 フランス
かなり繊細。ソーヴィニオン独特の香りの前に優しい白い花の香りが立ち上る。そして、猫のおしっこ臭。イタリアのソーヴィニオンは猫のおしっこ臭はほとんど感じないが、フランスのソーヴィニオンは納得できる。そして、柑橘、アスパラガスの頭などの緑、繊細なミネラルがとてもきれい。香りは主張しすぎず、エレガント。
酸味がとてもきれいで、余韻が長い。ひたすらエレガント+++++

Di Lenardo 2015 フリウリ
フランスからイタリアへ。まさにそういう雰囲気。
猫のおしっこ臭ではない、緑が強く、そこに白粉のような甘さが時々よぎる。シンプルで、残念ながら変化は少ない。味は強く、ほろ苦さと緑がフィニッシュに残る。程よい長さ。イタリア~という感じ。++(+)

Livio Felluga 2015 フリウリ
香りはかなり良い。万人受けの香り。花と緑のバランスがよく、程よく複雑でとてもきれい。味も程よいボディ、酸味より塩味の方が目立つ感じ。フィニッシュのほろ苦さも心地良いくらい。ただ、余韻が、最後すっと消えるのがやや気になる。+++(+)

Cantina Terlano 2015 Winkl アルト・アディジェ
花、柑橘、ミネラルにトマトのヘタのような緑が混じり複雑で申し分ない。ボディもあり、甘いくらいの柔らかさが程よい感じで、余韻は長く、フィニッシュにはソーヴィニオンらしい緑が残る。バランスがパーフェクト。++++(+)

Vie di Romans 2013 Vieris フリウリ
最初は閉じているが、緑がだんだんと出てくるのと同時に、木樽の香りも出てくる。ソーヴィニオンらしさは劣るが、複雑、かつエレガント。味も木樽熟成がはっきりとわかるので、これは違う、と思ったら好きにはなれないと思う。しかし、木樽が決して強いわけではなく、柔らかさを与え、ボディは主張し過ぎず、持続性がかなりある。フィニッシュにもやや木の香りが残る感じ。
同じソーヴィニオンでもPierreはステンレスのみ。つまり、木樽未使用と使用をはっきりと分けているので、好みによって飲み分けができる。+++++

Saint Clair 2014 Marlborough Premium ニュージーランド
最後、イタリアからニュジーランドへ。
再びガラッと変わって、緑と柑橘。イタリアのソーヴィニオンより、フランスのものにぐっと力を入れた、という感じ。若干力入れ過ぎ感はあり、柑橘ジュース、野菜の香りも混じる。酸味は当然のごとくあり、柑橘の残る余韻はきれい。++++


かなりオススメ

ソーヴィニヨン ウインクル テルラーノ 2014 白 750ml
テルラーノ(TUSCANY)
テルラーノ

Dolcetto Roagna, Sagrantino ecc. 6 vini ロアーニャ、サグランティーノ、ノヴァチェッラ など6種

2016-05-08 21:01:23 | Piemonte ピエモンテ
Praepositus Riesling 2012 Abbazia di Novacella
Les Vieux Clos 2006 Nicolas Joly
The Owl Post 2010 Neethlingshpf
Montefalco Sagrantino 2010 Antonelli
Sagrantino di Montefalco 2000 Antonelli
Dolcetto d’Alba 2014 Roagna



少し前に、友人のアンドレアが持ち寄りワイン、ブラインドの試飲会を開いた。
場所がローマの全く反対側で、何故か用事も重なり中々行けないのだが、今回は予定を何とかして行ってみた。
「飲まない伴侶」も含めて(その後の夕食のみ参加)8人、6本が揃った。

別の友人ルカもたまにこう言った主旨の試飲会を開くのだが、その時はある程度テーマを決める(赤、とか、単一品種、とか)。
が、アンドレアは、なんでもOK、という条件で開いた。

当然イタリアワイン、というメンバーでないこともある。

偶然は本当に面白いというか、偶然は、うまく働くときが多く、驚き。
ルカの試飲会のワインの順番はサイコロを振って決めるのだが、何故かいつも「上手い順番」に決まることが多くみんなでびっくりなのだが、今回のアンドレアの試飲会も、なんとなく決まった順番が実に上手い具合に決まっていた。

赤でも白でもという条件で集まった6本、赤が4本に白が2本。
グラスは3つ。

そこで、とにかく白2本と、偶然決まった3番目のワイン(赤の1番目)から始める。
その後、残りの赤3本。

蓋を開けると、イタリア4本、フランス1本、そして南アフリカ1本、という顔ぶれだった。

そして、偶然というのは、なんと、うち赤の2本が同じワインのヴィンテージ違いだったのである。
それも、4番目と5番目、実に上手い具合に配置され、誰も知らなかったのであるが、偶然、10年違いの縦飲みをしていたのであった。

Praepositus Riesling 2012 Abbazia di Novacella
一瞬、リースリング、と思うのだが、次にまさかね~と思ってしまう。
白と黄色の花、柑橘、(リースリングらしい)火打ち石、ミネラル、グリーンが入り、かなりエレガントできれい。香りが非常によく、華やかな香りがリースリングらしさをかなり消してしまっている。ボディがあり、綺麗な酸味、塩味がかなりある。これでリースリング?
最近、ドイツ系のリースリングしかほとんど飲んでいないので忘れていたが、そういえば、イタリアにはこういうリースリングがあった、と改めて認識させてくれた。++++

Les Vieux Clos 2006 Nicolas Joly
オレンジ系の色。色だけ見たらかなり古いワインなのかもと思ったが、それにしては輝きがある。となると、自然派というよりビオディナミ?
と思ったら、ニコラ・ジョリーのワインだった。
わずか酸化臭を感じる。鉄の香り、氷のような香り、そして、梅、いや、あんず。酸味がかなりある。最後あともう少しという感じできえる感があるが、ビターオレンジ、梅風の香りが余韻に残る。

The Owl Post 2010 Neethlingshpf
かなり難しい香り、というか、今までほとんどであったことのないような香りだと思った。ブレンドかと思ったら単一品種という。蓋を開けたらピノタージュ。。。
南アフリカのワインとは嬉しいが、これでは勉強にはならない。。。。まあ、ブラインドで勉強しようというより、美味しいワンを飲もうという趣旨の会なので、これもありだが。
オレンジ、鉄、血の香り、土の香り、香りは強く、複雑でもある。ボディもあり、酸味が赤にしては感じられ、そしてほろ苦さも余韻にある。イタリアのワインとはかなりの違いを感じた。+++

Montefalco Sagrantino 2010 Antonelli
アルコールがやや上がる感じがある。胡椒などのスパイス、フルーツはアルコール漬け。しばらくするとチョコが出てくる。
タンニンはやや丸くなっている感じ、余韻はまずまずの長さでほろ苦さが心地よい感じ。+++

Sagrantino di Montefalco 2000 Antonelli
濃いめのガーネットで、だいぶたっているのがわかる。熟成臭が出ているが、若干下り坂に入っているのがわかる。黒い森の木の実のフルーツ、血の香りがやや。タンニンがかなりまろやかで余韻には熟成臭、そしてほろ苦さが残る。++(+)

10年の違いでラベルの名前も違う(笑)
それにしても、本当に偶然。それもちょうど上手い具合の順番になるとは。

Dolcetto d’Alba 2014 Roagna
私が持参したのはドルチェット。ちょうど開けたいと思っていたところでもあったのと、公平な意見を聞きたいワインでもあったので、これ。
完全に自然派で、言われないとドルチェットとは全くわからない。色にはドルチェットらしくない透明感があり、まるでバルベーラのような酸味、ドルチェットのほろ苦さがない。
香りは、チェリー、ややアニマル臭などで結構強く、酸味がかなり感じられ、余韻は長いが最後まで酸味が残る感じ。+++(+)


ノヴァチェッラのワインは華やかで美味しい

プレポージトゥス リースリング アバツィア ディ ノヴァチェッラ 2012 白 750ml
アバツィア ディ ノヴァチェッラ(TUSCANY)
アバツィア ディ ノヴァチェッラ



ロアーニャのこちらはバルバレスコ。超オススメ

ロアーニャ・アジエンダ・アグリコーラ・イ・パリエーリ / バルバレスコ・パイエ [2010]
ロアーニャ・アジエンダ・アグリコーラ・イ・パリエーリ
ロアーニャ・アジエンダ・アグリコーラ・イ・パリエーリ

La migliore offerta di Giuseppe Tornatore イタリア映画 邦題:鑑定士と顔のない依頼人

2016-05-08 17:29:42 | 何故か突然イタリア映画
La migliore offerta 鑑定士と顔のない依頼人
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ

トルナトーレの前作。
傑作ではない、むしろ駄作かも。しかし、面白い。
一度はおすすめ。そして、一度見たら2度見たくなる。



「ニュー・シネマ・パラダイス」で超有名になった映画監督、ジュゼッペ・トルナトーレの前作。2013年。

賛否両論。
評価する人と駄作だという人と。

画面はきれいだし、演技はうまいし(役柄的にうますぎ)ストーリーも面白いのだが、結果的には私も後者かと思う。

しかし、とにかくもう一度見たくなる作品。

日本では、2回目1000円、という映画館があったよう。
ユニークな企画だと思うが、確かに2度見たくなる。

途中で何かおかしい、と違和感を覚え始め、え?また、え?ええ?そして、最後はええ?えええええ~?????

ネタバレを読んで、騙されないぞぉ、1回で理解してやる、と力んで望んでも、やっぱりかなりの確率で、あれ?え?あ!そして、ええ~??くらいにはなるだろう。(そして、やっぱり、もう一度見る。。。)

60代の優秀有能鑑定士ヴァージルは、オークション業で超がつく金持ち。性格は短気、超潔癖、女性嫌いで一度も付き合ったことがない。(つまり童貞。。。)
才能普通の元画家ビルは、ヴァージルの長年の友人だが、ヴァージルに才能を認めてもらえない。

二人は結託し、ヴァージル司会のオークションでビルが「女性」の肖像画を安く落札、裏でヴァージルが引き取り、自宅の秘密の部屋にコレクションしている。(100枚以上ありそう。有名な女性の肖像画がたくさん~)
毎晩、秘密の部屋で悦に入り、偽物の女性に囲まれて満足しているヴァージル。

ある日、クレアと名乗る女性から、亡くなった両親の大きな屋敷にある、高級、骨董的価値のある調度品を全部売りたい、との電話が来る。
約束に行くと、クレアは現れず、待ちぼうけ。

何度目かに、実はクレアが屋敷の中に住んでいて、極度な広所恐怖症、15歳から12年間、屋敷の外に全く出ず暮らしているということがわかる。

ある日、クレアの姿を盗み見し、若く美しく、そして、ミステリアスな部分に惚れ、メロメロになっていく。

ところで、屋敷に行くたびに、何かの部品の歯車が落ちている。
拾って、友人の機械、時計技師、ロベルトに見せると、18世紀の機械人形の一部らしいということがわかり、組み立てていくロベルト。
彼女もいる一見フツウの好青年で、ヴァージルの恋愛相談係りになる。

ヴァージルが強姦に襲われるという不運が一転して幸運に。クレアは外の世界に 出、二人は一緒に住み始め、結婚を約束する。

世界中を駆け回るオークション業を止め、ずっとクレアと暮らすことを決めたヴァージルの最後のオークション、ロンドンから帰ってみると。。。。

  秘密の部屋の肖像画が全て盗まれていた。



クレアは消え、ロベルトの店も消え、GPSでヴァージルの位置が確認されていたし、屋敷も施錠され入れない。
全てが、友人だと思っていたビルの仕業だとわかる。
そして、屋敷の向かいのカフェの窓際にいつも座っている謎の小人症の女性クレア(同じ名前)によると、クレアは広所恐怖症などではないし、彼女の屋敷でもないという事実がわかる。

つまり、全員に騙されていたということがわかり、ヴァージルは気が狂う。

2度目は、ばれたネタを振り返り、ふむふむ、と見て行くのと、反対に、つじつまの合わない部分(粗探しではない)を探していくことの同時作業。

とにかくおかしいところが多い。
辻褄が合わないことだらけで、ある意味ストーリー全てがおかしい。
列挙したらきりがないくらい。

そして、みんなの演技がうますぎ。つまり、実は広所恐怖症などではないクレアの迫真の演技(役柄の中の)、同じくロベルトも、屋敷の管理人も。
つまり、「どこまで」がビルのグルなのか、それは、ロベルトの彼女も含むのか、ヴァージルの秘書までも含むのか。。。。
そして、気が狂ったあとの映像。どこまでが本当の出来事で、どこからが想像の世界なのか。

正解はないと思う。

つまり、実は全く何も考えずにふんふん、ふむふむ、ふーん、へーで終わらすのが一番正解かもしれない。

キーワードは「偽物の中にも真作はある」。
全体がそんな感じ。
とにかく、一度、そして一度観れば2度観ることになるだろうが、おすすめ。


それにしても、日本語のこのタイトル。。。。。。。。。。。
誰が一体つけるのか。イタリア名は、英語と同じ、「ザ・ベスト・オファー」。
オークションのオファーのこと。
シンプルに、こっちのタイトルの方がいいような気もするのだが。。。。


とにかく2度は見たくなるので、DVDが正解。

鑑定士と顔のない依頼人 スペシャル・プライス [DVD]
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4 Barolo : Borgogno, Scavino, Prunotto ecc. バローロ 4種 ボルゴーニョ、スカヴィーノ、コンテルノなど

2016-05-05 23:58:04 | Piemonte ピエモンテ
4 Barolo : Borgogno 2000, Scavino 2003 ecc

4 Barolo
Paolo Conterno 2003 Ginestra
Paolo Scavino 2003 Carobric
Giacomo Borgogno 2000
Prunotto 1998



少し前に、大変光栄にもヴィテルボの図書館の館長で、芸術家でもある大変素晴らしいパオロ氏を紹介していただいた。
同僚に当たるカルロ氏も同時にご紹介いただいたのだが、このカルロ氏が1500本のワインを所有しているという大のワイン好きで、当然意気投合。
今回の夕食をバローロの夕べにしてくださる約束をしていただいたのだが、それが実現。
多分他のメンバーは、バラエティに富んだワインの方が良かったかもしれないかとは思ったのだが、光栄にも選んでいただいたのがバローロ4本。
メンバーは8人。

もちろん、その前にフランチャコルタやら、その後にも食後酒などプラスアルファがあり、この人数でバローロ4本はやや多すぎる感があったのだが、午後からすでに抜栓していた。すでに開いているわけだし、これは飲むしかない。
ローマまで、夜中、1時間半かけて運転しないといけないのだけど。。。。。。。。。。

ヴィテルヴォの町から10数キロ離れている、周りに何もない、見事な一軒家。
調度品も見事で、田舎の一軒家の雰囲気と、モダンな感じと、美術品のコレクションはもちろんのことなので、アートとが品良く調和している。

さて、お昼から抜栓していたというバローロは以下。

Barolo Ginestra 2003 Paolo Conterno
このワイナリーだけよく知らない。
ピエモンテにコンテルノという名前はよくあるので、おそらく枝分かれしたコンテルノ?
軽やかな雰囲気のバローロ。どしんとした感じはなく、モダンな雰囲気が鼻に付くわけでもなく、女性がステップを踊っているような雰囲気のバローロ。ワイン初心者でも、なかなかおいしいじゃない!と思うタイプ。風格には欠けるが、悪くない。何本も飲む最初のバローロとしてはぴったりの選択。+++(+)

Barolo Carobric 2003 Paolo Scavino
次はおなじみスカヴィーノ。何度もワイナリーを訪問していて、よく知っているワイナリー。このクリュは若いうちから飲めるタイプ。ややアルコールが高いというより、アルコールがやや出過ぎなのが気になる。しばらくしてカカオやチョコレートが出てくるように、かなりモダン。鼻に付くほどではないが、伝統派好きにはややモダン過ぎ。+++(+)

Barolo 2000 Giacomo Borgogno
3番目はボルゴーニョ。2008年以前のボルゴーニョは喜んでいただく。
スカヴィーノとの違いは大きい。モダンから一揆に超クラシックへ。やはり個人的に、一番好きなタイプ。みんなで、うま~い、と唸る。+++++

Barolo 1998 Prunotto
最後はプルノット。1998年だから、開けた本人も心配。でもとダメでもても良い経験になる。
案の定、やや行き過ぎ、下り坂に入っているのは否定できない。これもうだめ~という人もいるが、何事も長所と欠点があるはず。
つまり、ダメと否定してしまうのは簡単。その中に良さを見つける。
かなり閉じているのをグラスを回して、開かせると、決して悪くはない。下り坂に入り始めているが、十分飲める。++とオマケ+


スカヴィーノはフィアスクも

バローロ ブリック デル フィアスク パオロ スカヴィーノ 2009 赤 750ml
パオロ スカヴィーノ(TUSCANY)
パオロ スカヴィーノ



2000年~

ボルゴーニョ バローロ・リゼルヴァ 2000
ボルゴーニョ
ボルゴーニョ



プルノット・ブッシア 2008年

プルノット バローロ・ブッシア 2008 750ml
ANTINORI (アンティノリ)
エノテカ


La corrispondenza di Giuseppe Tornatore イタリア映画 通信 監督 ジュゼッペ・トルナトーレ

2016-05-05 22:55:16 | 何故か突然イタリア映画
La corrispondenza 通信
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ

愛という名の幻想はかくも魅力的
死んだはずの愛人から次々にメッセージとプレゼントが届く




ニュー・シネマ・パラダイスの監督ジュゼッペ・トルナトーレの最新作。
トルナトーレは、現在のイタリアを代表する監督の一人。
日本でも間違いなく公開されるだろう。

60代の天体物理学の教授エドは、優秀な元教え子のエミーと関係を持っている。
エミーは大学に在籍しているが、まだ卒業はしていない。
スタントマンなど、体を張った仕事をしている。(空手も得意、アダ名がカミカゼ~)

二人が会うのは月に1回程度。
教授の別荘(家族のものには出入りさせないプライベートな空間)や学会で会ったりするのみで、あとは毎日頻繁に交わす携帯メッセージ、スカイプを使ったチャット、送られてくるビデオメッセージなど。
こんな半分ヴァーチャルな関係が6年も続いている。

ある学会に、教授が珍しく、今回は行かないと言う。
一人で学会に出席するエミー。しかしそこで、エドが、実は病気でしばらく前に亡くなっていることを知る。

昨日も一昨日も、いや、しばらく前もメッセージが普通に入ってきていた。
今、この瞬間にもエドからのメッセージが携帯に入る。
狐に包まれたようなエミー。エドの死が信じられない。

その後も、死んでいるはずのエドから、贈り物、ビデオ、携帯メッセージなどが次々に届く。
二人の記念日、誕生日、試験の日。。。まるで全てが見透かされているように。

次々送られてくるビデオを、訳がわからない状態で見るエミー。
ある時、エミーの過去について言及した内容のビデオが届き、怒って、通信を経つメッセージを送ってしまう。
それから、メッセージも贈り物も途絶え、大きく後悔するエミー。
なんとか、エドのすべてのメッセージを見たいと、あらゆる手を尽くす。

上映後のインタヴューにラフな格好で現れたトルナトーレ監督。
かなり饒舌。

この映画のキーワードは「距離distanza」。
エドが死に、生と死の間に大きな距離があるが、二人が生きていた時も距離があった。(いわゆる遠距離恋愛)

1984年から構想を温めていたという、非常に長い年月をかけて実現した作品。

テクノロジーは非常に好きで、現在では、このように死後もメッセージを送り続けるようなことは、忍耐さえあれば可能だと思う、と。
(さらにお金も必要な気がするが。。。。。)

トルナトーレ氏は「ウソ」が嫌いな監督の一人だったと思うが、ほとんど全てが画面通りに存在しているそうで、そういう点、画面に全くと言っていいほど「わざとらしさ」がない。
撮影に関しても、エミー役の女優が「初めて」エド役の男優に会ったのは画面を通した二人の場面を全て撮り終わった後で、それまでは、ビデオを通じてしか本当にエド役の男優を見たことがなかったのだそう。(映画の一番最初で二人の絡みが出てくるが、これが唯一の生身の二人の場面)
その後、エミー一人の場面を撮り続けたので、孤独で、かなり精神的にキツイ仕事だったと思う、と言っている。

音楽は、言うまでもなくエンニォ・モリコーネ氏が手がけている。
二人の関係は27年続いているそうだが、このあたりも質問が出た。
嫌になったり、馴れ合ったりしないのですか?という質問に、普通ならそうなるだろうが、私たちの関係は反対で、むしろより厳しく意見を言い合うようになっているとのこと。
特に、今回の作品には印象深い音楽は不必要で、静かに流れるBGM的な音楽を求めていたので、その辺り、かなり話し合ったそう。

質問は、トルナトーレ氏とシチリアについても及んだが、「バーリア」(邦題:シチリア!シチリア)を最後にして、シチリアに関しては「完結」したと思っている、とのこと。
再びシチリアを舞台にする作品がないとは言えないようだが、その場合は違った形で取り上げることになるようだ。



さて、個人的にとても良く練り上げた作品だと思う。
非常に深い純愛。

ただ、個人的に不満だったのは、ほらまた、60代にもなったおじさんが惚れるのは若い女性!
どーせ、女性は若くないと!って言いたいんっでしょ、と言いたい。。。。
親子より年の離れた女性に鼻の下伸ばして~ クソ親父~!
セリフの一つに「ボクの犯した間違いは、君ともっと早く会わなかったことだ」というのがあるが、私は心の中で爆笑だった。
親子も年が離れて、それはないでしょ。足長おじさんの世界?ペドフィリアになるわよ~

それから、月に1回強の逢瀬として、6年、合計100回会ったとしても、二人が一緒にいた日にちの合計は1年にも満たないかも。
それで、ここまで人を愛せるものか?
もうこれは、人をここまで深く愛している自分を愛している領域に入るような気が。。。。。究極の自己愛~

まあまあ、個人的感情が入ったが、それは置いておいて、もちろん、ここまで深く人を愛せたら羨ましい。
愛してもらえたら、さらに羨ましい。



インタヴューの最後になって、トルナトーレ氏の携帯が鳴った。
会話を終えた後、これはプログラムされた電話じゃないからね、と。
45分ほどに渡る、いつもよりかなり長いインタヴューは笑い声の中、終了。

日本での公開をお楽しみに。



『バーリア」がこんなタイトルになっちゃうんだぁ、と感心。。。

シチリア! シチリア! [DVD]
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角川書店

Un bacio イタリア映画 キス

2016-05-01 10:13:43 | 何故か突然イタリア映画
Un bacio キス
監督 イヴァン・コトローネオ

(一応)高校生のいじめがテーマ。
途中までは良かったのだが、ちょっとビックリ急展開。ちょっとそれないんじゃないの~




最近、ゲイが、それも主役で出てくる映画が多くなったような気がする。(ちょっと多過ぎの感)
レズもゲイも、知り合い(友達ではない)の中に相当数いて、遺伝子的な問題もあるのだろうし、趣味が違うだけだと思っている。
最近は公のゲイも多いし、ゲイパレードは行われるし、すっかり市民権を得ている感じである。

ただ、思春期の世界でもそうなのだろうか?

もちろん、日本では(ほとんど??)皆無だろうが、ここはイタリア、まあまあいるのかもしれない。

主役は16歳、高校生の3人。
北イタリアの中規模都市ウーディネ(とても綺麗な街)の高校3年(こちらは5年まである~)のクラスに、あるファミリーに引き取られた少年ロレンツォが転校してきた。ゲイを公にしている。

カッコイイ~という感じだが、やっぱりちょっと浮いている。

ブルーという、大人びた、小説家志望の女の子とすぐに仲良くなる。
かなり辛辣な面があり、クラスで浮いている。

ロレンツオが惹かれたのは、クラスの変わり者としていじめられているアントニオ。
男らしい体格でバスケがかなりうまい。

3人がとても仲良くなり、行動は常に一緒。
学校に旋風を巻き起こす。(よくあるパターン~)

ロレンツォはアントニオのことが好き。
アントニオはノーマルなのでブルーのことを好きになる。

でも、ちょっと微妙。。。。

ロレンツォにキスされ、俺はゲイなんかじゃない~!違う~!という心の叫びが大きな行動に出たとはいえ、まさかここで

殺さなくてもいいんじゃないの?????

おお、ビックリ!

監督曰く、アメリカで13歳の少年がクラスメートを射殺した事件があった、ということだが、そこまでするには心理描写が掘り下げられていないような。
実際、上映会後の監督のインタヴューで、思春期の少年たちの心理を深く掘り下げていないのではないかと言った記者もいる。
監督自身は、できるだけ掘り下げてみた、とのこと。

うーーーーーん。。。。。。微妙なところ。
いじめをクローズアップしたとは言え、これで?とも思うし、こんなものかなぁ、とも思う。

映画の評価は決して悪くはないのだが、映画館での上映は長くは続かなかったそう。

とにかく、同じ思春期なら自分の置かれている環境、おじさんおばさん世代なら、置かれていた環境によって、共感できる人と全くできない人に完全に分かれるような気がする。

一部、アニメを取り入れた描写と、アントニオの死んだ兄が亡霊(には見えないが。。)で出て来る設定はとても面白かった。

おじさんおばさんが多い(それもほとんどが外国人記者)上映会で、なんだが、すごーーーーーく不釣り合いな映画であった。。。。