在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Pinot Nero 2016 Pojer e Sandri

2017-11-23 00:46:13 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Pinot Nero 2016 Pojer e Sandri



昔から変わらないこのラベル。
最近はあまり試飲会で見かけなくなってしまった。
でも、トレントまで来るとワインリストにあり、もう、すぐにこれに決めてしまう。

わくわく
うきうき



色が薄い。ピノ・ネーロは色が薄いが、イタリアのものはそれでも結構濃いのに、ポイエールのものは薄く、透明感がある。
とても綺麗な明るい色合いで、まるで血の色、と表現した人もいる。

香りからすぐにビオとわかる。
でも、アニマルくさいような香りではなく、ニュートラルな中に、ほのかに花とフルーツ、そして、ふわっとスパイスが広がる。
アタックは優しく、心地よく、酸味が邪魔しない程度に綺麗に出て、タンニンを覆うように、そして、持続性がある。フィニッシュも心地よい。++++

イタリア映画の紹介 Nico ニコ di Susanna Nicchiarelli

2017-11-16 19:23:10 | 何故か突然イタリア映画
Nico ニコ (タイトルは「ニコ、1988年」とも紹介されている)
監督 スザンナ・ニッキアレッリ




ニコという歌手は知らなかった。
日本では有名だったのだろうか。

背が高く、美人だったのでモデルをし、ウォーホルに気に入られ、ウォーホルプロディースのヴェルヴェット・アンダーグラウンドに参加し、成功、ウォーホルのミューズとなる。しかし、グループを去り、ソロ活動をするとは言っても、イメージが強烈すぎたのか、最後は日本でいう「ドサ回り」に近い音楽活動を続けた。

そのニコが49歳で死ぬ前の2年間の音楽活動を描いた作品。

ニコって誰?
80年代のミュージシャン?
モデルもしてたの?
未婚でも子供はいたのね。
何かを吐き出すような歌詞、歌い方。
どこから出るのか、すごいオーラ。

ウォーホル、ストーンズ、ボブ・ディラン、そして子供の父親はアラン・ドロンらしい、など、当時のすごーーーい有名人の名前がニコの周辺に挙がるのだが、ニコが亡くなったのは1988年のこと。49歳。
早い死だったと言える。

タバコプカプカ、そしてドラッグ。いやー、すごい。

こんな時代があったねー

今の50代に人にとって、古き良き時代とは80年代、それを象徴するような映画にしたかった、というのが監督の趣旨。



イタリアの80年代は赤い旅団の風が吹きまくり、決して良い時代ではなかったのではないか、という意見も出たのだが、イタリアに焦点を当てたわけではないし、ドラッグはあれど、それなりに懐かしさ覚える80年代を写したようなニコの、人生最後の数年の行き方を描いてみたかった、とのこと。

映画の中で歌を歌っているのは、本物のニコではなくニコ役の女優。デンマーク人。
ニコは知らないが、こんな感じのオーラを出していたんだろう、というのが見て取れるほどはまり役。

監督は、映画を作ると決めて、ニコの息子も含め、ニコを知っている人に随分あったそう。
だから、幾つものエピソードは本当にあったことだそう。

決してニコのビオグラフィー映画ではないが、きっともっとニコらしい一面を描いたのだと思う。

今年のベネチア映画祭でオリゾンテ(ホライズン)賞を受賞。

聖女チェチリアの素顔

2017-11-15 21:48:41 | 何故か突然アート
聖女チェチリアの素顔



聖女チェチリアは音楽の守護聖女。そこで、ローマで最も有名な音楽院の名前はサンタ・チェチリア音楽院という。
異説はあるが、230年、ローマで殉教した聖女。

貴族の娘でキリスト教徒であったチェチリアは、同じく貴族(異教徒)のヴァレリアーノの元に嫁いだが、神に対して処女であることを誓った、ということを夫に理解してもらった。
夫は、チェチリアの勧めで改宗し、洗礼を受け、家に帰ってくると、部屋の中は音楽で満たされ、花の香り芳しく、そこへ天使が現れたそうな。

また、チェチリアは、賛美歌を、伴奏をつけて歌っていたらしい、ということで、オルガンを発明したとも言われ、持ち物はオルガンになっている。

捕らえられ、蒸気で蒸し殺しにされるはずだったのだが、死ななず、今度は首を3度切りつける、という刑に。すぐには死なず、3日生き延びて息を絶えたそう。

墓は、アッピア街道沿いにあるサン・カリストのカタコンベに作られた。

その墓を発見したのはパスクアーレ1世法王。
チェチリアがに夫ともに住んでいた家が教会になっていたのだが、改築をしている。

さて、中に入ると、教会の主祭壇の手前に、とても魅力的な聖女チェチリアの彫刻が置いてある。

制作者はステファノ・マデルノ(1576-1636)
制作年は1600年。

1599年に、チェチリアの墓を開けたらしい。
その時、マデルノは、見た姿そのままを彫った、と言われるのだが、奇跡のごとく、純白の衣装はそのまま、神を讃える仕草をし、首には切りつけられた跡。

その彫刻の顔が、向こうを向いて、まるで棺のような容器に納められている。
顔が後ろを向いているので、見えないので、チェチリアの顔を見たことはなかった。

音楽の聖女、チェチリア。
処女聖女。
鼻が細く高く、さぞかし、惚れ惚れするような美女ではないか。。。。と思っていたのが。。。。


用事があって、久々にサンタ・チェチリア教会に行き、パンフレットをついでに買って帰り、ふと見ると、彫刻を後ろから撮った写真が載っていた。

ぷぷぷ。

笑ってしまった。(ごめんなさい)



パンフレットの言葉を借りて「クラシックにアルカイック」とあるように、ちょっと鼻が低くて、潰れているわけではないが潰れたようにも見える何てことのない顔をしていた。

すごーい美女かと思ったのに。。。。

聖女チェチリアもなんだか普通の女性だった(奇跡は起こしたが)と、ちょっと身近に感じることになった。


パスポートを失くさないために

2017-11-14 21:36:56 | もろもろ、つれづれ
パスポートを失くさないために

基本はお財布と一緒にしないこと

旅行便利グッズ、大切なもの全部入ります〜、というポーチは使わないこと


イタリアは盗難の多い国である。
これは観光客に限ったことではなく、こちらに住んでいても同じ。

さて、日本から来ると、パスポートを盗まれてしまうのではないか、と心配な方は多いと思う。
しかし、認識が間違っていたら申し訳ないのだが、今時の泥棒が狙うのはパスポートではなくお財布、つまり、パスポートを盗られたら。。。と極端に心配する必要はないと思う。

もちろん偽造用に日本人のパスポートを狙う組織がないとは言えないが、たいていはお財布を狙うので、パスポートだけをわざわざ盗るような盗難はほとんどないはず。

では、何故ゆえにパスポートを盗られてしまうのか。

これは、ほとんどのケースが、お財布と一緒のポーチに入れていたからである。
(紛失は別)

旅行グッズコーナーに行くと、旅の大切なものを全部まとめられます、みたいな、おせっかいなポーチを売っている。

他の国はともかく、イタリアでは、これだけはやめてほしい。

お財布にパスポート、eチケット、そして、スーツケースの鍵、中には自宅の鍵を入れている人もいる。
ぜーーーんぶ一緒、整理しやすくて便利、という気持ちはわかる。
しかし、これをまとめてなくしたら、というか、盗られたらどうなるか???

冷や汗〜 (どころではない)


バッグごと盗られた時は、もうアウト。
その時は仕方ない。両手を挙げて降参。

しかし、一般に、泥棒はバッグの中の「お財布らしきもの」を狙う。

私は化粧ポーチを盗られたこと2回。(うち1回は返してくれた)
つまり、 お財布だとわかっていて盗るのではなく「お財布らしきもの」を盗ることが多い。

お財布ではなく、パスポートを狙う、という盗難は少ないのである。(たぶんほとんどない)


私は、旅の初めに出会った方には必ず案内する。

旅の便利グッズ、大切なものが全部入るポーチを持ってきていたら絶対に使わないでください。

もし、旅行グッズコーナーでそれらしいポーチを見かけても、イタリアに行く予定があるなら、あらー便利〜 買おうかしら〜 とは思わないでほしい。

原則、お財布とパスポートは一緒に保管しないこと。

お財布でも、盗られたら悲しい、困るし、(カードの盗難手続きなどで)面倒なのであるが、さらにパスポートを盗られたら。。。。。


南チロル、アルト・アディジェ ぶどう畑の分布図

2017-11-10 21:51:59 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
この前のアルト・アディジェのワインの試飲会でいただいた小雑誌が非常によくできていたので、一部をご紹介。

アルト・アディジェ、南チロル。
チロル〜 というとハイジ、スイス、のイメージだが、南の一帯はイタリアの領土。

最初の図は、標高別に品種を表したもの。

標高が低いところは、黒ブドウが、標高が高くなると白ブドウが栽培。


「アルト・アディジェの生産は地域全体のわずかの地域にすぎず、標高は1000m以下、アディジェ川とイサルコ川に沿っている。
畑の分布図、標高による品種の違いを図で示している。」

こちらは南チロルのブドウ畑


赤い部分がぶどう畑

この図は、トレンティーノ・アルト・アディジェ州の一部。
なお、トレンティーノ(南部)とアルト・アディジェ(北部)が一緒になった州の名前だが、県名はトレント(南部)とボルツァーノ(北部)。

ちょっとわかりにくいかも知れないが、こちらの地図が州全体のもの。
南はガルダ湖にもかかっている。

上の地図、南チロルは全体の地図の上の方に当たる。



トレントまで行くと、もうすごい山岳地帯、(ローマに住んでいると)まるでイタリアではないような景色だが、さらに北、ボルツァーノまで行くと、完全に山岳地帯。
歴史的にも、ドイツ語を話し、道路表示もドイツ語–イタリア語になる。


イタリア映画の紹介 Amore e malavita 愛と極道 di Manetti Bros.

2017-11-10 11:01:47 | 何故か突然イタリア映画
Amore e malavita  愛と極道 (とでもしよう。。。)
監督 マネッティ・ブラザーズ(アントニオ&マルコ・マネッティ)



今年のゴールデングローブの候補作の方が溜まっている。。。ちょっと久々。
仕事で見に行けない時もあるが、監督インタヴューがあり面白いので、できるだけ行くようにしている。

さて、この前の作品。
134分という2時間を超える大長編。
いやー長かった。でも、長いと思ったけれど、そこまで長いとは思わなんだ、という感じ。

音楽たっぷり、ナポリのチンピラヤクザ、カモッラを題材にしたミュージカル。

ナポリは話題に欠かない町。
映画にするにはめちゃ面白い。
映画制作者ゴコロをくすぐるものがあるんだろうなー(あるある)

ナポリ郊外、スカンピアは、カモッラの本境地としてもうすっかり有名になっている。
海はないのに、そこでムール貝を「養殖」しているカモッラの親分、「魚の帝王」なるドン・ヴィンチェンツォ。

げげっ、ナポリで食べるムール貝は実はこれ〜??
海の養殖じゃないのー!?
と一瞬思ってしまった。(意外と、いや、意外でなくても事実かも。。。)


そこへ敵の来週。
殺された、と思ったら、お尻を打たれただけ(笑)

でも、抜け目ない妻のドンナ・マリア(役柄ピッタリ)の悪知恵で、殺されたことにしちゃって、ストーリーが始まる。。。

やばい場面を偶然見てしまったのは看護婦のファティマ。

ところが、彼女は、ドン・ヴィンチェンツォの二人の子分のうちの一人、チーロの幼馴染で、永遠の愛を誓い合った青春時代の恋人だった。

偶然の再会。

愛を取るか、使命を取るか。。。(愛じゃないと映画にならない〜)

そして、二人の愛の逃避行が始まる。

今では自分も狙われの身。

こうなったら、組織を裏切るしかない。

いったい何人が殺されたか(クイズになりそう)、でも、最後はチーロも仲間に裏切られ、殺られてしまう。。。。。(えー、殺されちゃうのー??そんなー)

スローモーション、フィードバック多数。
トリックも多数で、実は、最後はハッピーエンド。


左 アントニオ氏 右 マルコ氏

プライベートの上映会なので、時々ハプニングが起こる。
今回のハプニングは、歌の歌詞の字幕スーパーがなかったこと。
(間違って、字幕なし版が上映会のために送られてきたらしい。注:劇場用にはある)

それにしても、セリフも歌詞もみんなバリバリのナポリ語。
ナポリ語はイタリア語ではない、と言ってもいいくらい、イタリア人でもわからない言語である。

インタヴューで、全編に(イタリア語の)字幕が欲しかった!という意見多数。

これでも(ナポリ語を)きれいにしてわかりやすくした、肝心なところはイタリア語にした(笑)との回答だが、確かに、なにいってんだかわからん!(笑)という場面も多かった。

それでも、セリフの場面は、字幕なしで映像とともに楽しんでね〜とのこと。

痛快コメディ、歌と踊り多数のミュージカル。
ナポリ、ヤクザ(カモッラ)、極道、そして愛、アモーレ〜
ちょっと長いけど、かなり面白い。

Fattoria Zerbina Albana e Scaccomatto

2017-11-09 00:35:16 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Romagna Albana 2016 2012 2011
Scaccomatto 2013
Fattoria Zerbina



この前の試飲会、Life of Wineにて。

このワイナリーだけ贔屓にするわけではないが、エミリア・ロマーニャのワイン、ワイナリーには思い入れがある。

ついこの前の友人モニカのアルバーナの試飲会で、隣に座ったのが、このワイナリーの人。
そして、Life of Wineの試飲会で再開。

あらー元気?

そして、この前飲んだのはアルバーナの2016年だったが、古いヴィンテージとともに、私の大好きなワイン、スカッコマットを持ってきていた。
それもマグナムボトル。

こんなにうれしいことはない。

ゼルビーナは、エミリア・ロマーニャでは大御所ワイナリーの一つ。
個人的に好きなワイナリーの一つでもある。



Romagna Albana
2016 酸味がきれい+++(+)
2012 酸がある中、わずか甘さが出てくる++++
2011 蜂蜜、酸と甘さが同時にきれいに出る+++(+)

Scaccomatto
甘いだけのデザートワインにはもう飽きている。品の良い甘さの中に酸味がないと面白くない、一口で飽きてしまう。
アルバーナに貴腐がついたもので造る。
個人的に、イタリアのデザートワインの名品の一つだと思う。

洗練された香り、ふわっと広がる甘さ、品の良い酸味、そして、細く続く余韻。
マグナムボトルとはさらに嬉しい。+++++

3 nebbiolo e 2 barbaresco ネッビオーロ3種 バルバレスコ2種

2017-11-06 23:16:54 | Piemonte ピエモンテ
Nebbiolo 2015 Luigi Einaudi
Nebbiolo Capisme.e 2015 Domenico Clerico
Nebbiolo d’Alba Valmaggiore 2013 Sandrone
Barbaresco 2014 Castello di Verduno
Barbaresco 2014 Produttori del Barbaresco



最近は試飲会の値段が値上がりしている。
ちょっとした試飲会、着席で30ユーロは普通、50ユーロも当たり前、それ以上になるとちょっと高過ぎの傾向はあるが、80ユーロでも、もちろん内容にもよるのだがやっているところはある。

立ち飲み式でも10ユーロなら安い方、25ユーロや30ユーロも増えている。

もちろん、関係者は無料または割引のところも多く助かっているが、あちらこちらでまともに参加費を払っていたらたまらない。

エノテカでもちょっとした試飲会、というよりワインを振る舞うことは多いのだが、それにお金を取るところも増えている。

しかし、家から比較的近いところにあり、懇意にしているエノテカ、ディ・ビアジョは、今でも毎週1回、土曜日の午後の試飲会を無料で開催している。(12月や夏など、季節によってはやらないこともあるので注意)

その時によって、ワイナリーを決めたり、テーマを決めたり、いろいろ。

今回のテーマはネッビオーロ。
しかし、ネッビオーロは3種で、バルバレスコ(品種はもちろんネッビオーロ)2種、合計5種のワインを振る舞った。
もちろん無料。

もう、すごい大判振る舞い。

今時、ここまで振る舞うエノテカはローマでは少ない。

しかし、無料とはいえ、できたら何か買うのは一応常識。
当日試飲のワインは10%割引で提供、その他、ワインの品揃えは豊富だし、また、もともとお菓子屋さんから始まったので、お菓子コーナーも広く、実に豊富。
ちょっとした食品も含め、買いたくなるものは見つかる。

Nebbiolo 2015 Luigi Einaudi
ちょうど昨日の夜、マッソリーノのネッビオーロ2015を飲んだばかり。
マッソリーノが花とフルーツにタンニンが少し、軽やかな印象だったのと逆で、こちらはタンニン、そして花とフルーツ、硬い印象。
マッソリーノも魅力的で大好きなのだが、エイナウディのこの硬さ、伝統派のこの頑固さもいい。ちょっと地味、と思う人も多いだろうが、モダンネッビオーロにはない魅力がある。そして、値段が安いのにびっくり。++++

Nebbiolo Capisme.e 2015 Domenico Clerico
今年の夏前に逝ってしまったクレリコ氏。
ワインの勉強を始めた頃、せっせと試飲会に通っていると、いつも見かけた。
ご本人自らワインを注いでくれて、言葉少なく説明してくれるその姿が印象的だった。
彼がいなくなって、またワインが変わっていくのだろう、という気もするが。。。
ワインはすでにモダン。花やフルーツは綺麗なのだが、香りが短い。
タンニンもまろやか〜で、こういったモダン、まろやかワインが好きなら良いと思う。+++

Nebbiolo d’Alba Valmaggiore 2013 Sandrone
サンドローネは、賛否両論のワイナリーだと思う。
20年くらい前、話題に上がり、初めてバローロを飲んだときには感動だった。その後、ちょっと質が落ちたように 思ったが、また回復したような気がする。
値段を考えるとエイナウディの方がいい。ほぼ同じ値段と思うとクレリコより断然いい。
しっかりしたベースに、程よい個性の主張があり、インパクトも良いし、モダンと伝統の中間を行く感じで、香りも味わいも納得出来る。++++

Barbaresco 2014 Castello di Verduno
ヴェルドゥーノは魅力的なワイナリーの一つだと思う。
色が綺麗で、香りも綺麗で、味わいも可愛らしい。
しっかりした味わいというのとは違って、かしこまらない、肩肘張らない。
花やフルーツの香りが綺麗で、女性的。優しいまろやかさがある。++++

Barbaresco 2014 Produttori del Barbaresco
協同組合のワインなのに美味しいのは、アルトアディジェのものとこのプロドゥットーリのバルバレスコではないかと思う。
本当に、いつ飲んでも、どこで飲んでもよくできている。
もちろん他にもっと良いバルバレスコもあるし、同じプロドゥットーリのでもアジリなどのクリュものの方が良いわけだが、それにしても、このベースのバルバレスコはいつ飲んでも納得出来る。+++++

Nebbiolo 2015 Massolino

2017-11-04 09:49:02 | Piemonte ピエモンテ
Nebbiolo 2015 Massolino



夕食のレストランにて。

ローマはまだ、料理は良いがワインの品揃えはまあまあ、という店が多い。

有名所の誰でも知っているワイナリーのワインしか置いていない所。
有名所なんだからいいでしょ、って感じ。

または、特に有名ではない、原価のかなり安い大量生産ワインだけとか。
これを安く置いていたらよいのだが、結構割高にしているところもあり。

このレストランは、素人に有名なだけでなく、優良でもあるワイナリーのワインをある程度豊富に揃えているので助かる。


そして、ローマはまだ、ワインの品揃がまあまあいいからいいでしょ、だけの所が多い。
つまり、グラスが伴わない。

どんなに良いワインがあっても、グラスが大したことなければ台無し。

グラスが小さい、形が悪い、ガラスが厚い、重たい、そして、綺麗に磨いていない。。。。など。

しかし、このレストランは、リーデルのグラスを普通に使っている。
それも、大振りタイプのもの。


家族で時々行く普通のレストラン、値段もほどほど、料理も美味しい。

ワインの数がすごく多いわけではなく、ワインリストはもう少し立派に作っても良いとは思うのだが、飲みたいと思うワインがいくつもある。

しかし、選ぶとなると北のものしか選ばない、目がいかない。(ごめんなさい〜)
で、早速マッセリーノを見つけた。
どのみち一人は飲まないし、軽めで決定。



色に透明感、艶がありとても綺麗。

まだ若いので、花の香りが綺麗に広がり、次にフルーツが出てくる。
小さなバラの花束、そして、小さな森の木の実。
スパイス臭がそれを支え、ワインの香りの芯になっている。

ふっと甘さ(糖分のではない)を感じさせるアタックに、酸味がふわっ、そして繊細だが若いタンニン。
持続性もあり、フィニッシュにフルーツが残る感じ。

アルコール度14度とは思わないくらい、重たさがなく、また、料理と丁度良いスピードで飲める。++++


Life of Wine の試飲会 全部縦飲みの試飲会

2017-11-03 16:46:03 | Piemonte ピエモンテ
Life of Wine



この前行われたライフ・オブ・ワインの試飲会。
今年でもう6回目とのことなのだが、昨年行ってとてもよかったので今年も楽しみにしていた。



毎年恒例の試飲会は、時期や場所がある程度固定されて開催されているものも多く、すでに有名、盛況のもの、仲間内で楽しみにしているものも多いのだが、この試飲会の知名度は今ひとつ。

しかし、昨年行ってみて、人の入りが少ないわけではないが、決して多くはなく、おかげでゆっくり試飲できてとてもよかったのが、この試飲会。

今年はガラッと変わってかなり盛況だった。

さて、この試飲会は他の試飲会とはコンセプトがちょっと違う。

参加ワイナリーは60社程度、ほとんどがワイン1種しか持ってきていないので、ワインの数は多くはないのだが、参加には複数のヴィンテージを持ってくることが条件。
そこで、少なくとも3ヴィンテージ、多くが4ヴィンテージを持ってくるため、合計で200以上のワインの試飲会となる。

試飲で縦飲みは嬉しい。
横飲みはどこでもあるが、縦飲みはどこでもはない。
それが、ここでは、全てのワインが縦飲み。
それも、結構古いヴィンテージを持ってきたワイナリー多数。

また、もう一つの参加条件に、ワイナリーの人が参加すること、がある。
(これはオーナーでなくてもいいし、例えば地域のセールス担当でも構わないのだが、とにかく誰か関係者が必ず参加)

さて、立ち飲みでの試飲会なのでゆっくりメモを取る暇はなく、以下ざっと。
もちろん、他にも参加ワイナリーはあり、また、他にもたくさん試飲しているが、ちょっとメモを取ったもののみ。
(ワイナリーのアルファベット順)

なお+は、普通に良い場合で+++、あとは上下。



*Antichi Vigneti di Cantalupo (Piemonte)
ピエモンテというとネッビオーロ、ネッビオーロというとバローロ、しかしバローロだけじゃない。
もう少し北に行くと、もっと軽く、しかし硬さは持ち、長期熟成耐えるワインがある。ゲンメがその一つ。
カンタルーポはとても良いゲンメの生産者。
去年も感動したのだが、今年も。

Colli Breclemae Gemme 2010 ++++ 2005 ++++(+) 1997 ++++++
1997年が、衰え全くなし、バルサム臭にユーカリが加わる。持続性かなりあり、素晴らしい。
ここまで、飲まれることなく、よくぞ持ってくれた、という感じ。

*Antonelli (Umbria)
モンテファルコで有名な良質ワイナリー。

Montefalco Sagrantino 2012 +++(+) 2004 ++++ 2001 ++++(+) 1998 ++++
サグランティーノはタンニンが多く、飲み頃を迎えるのに時間がかかる。2004年、2001年くらいが今一番、それを超えると、熟成香が出て、タンニンが丸くなり、酸味が勝るようになってくる。

*Badia a Coltibuono (Toscana)
キャンティ・クラシコの大御所ワイナリー

Chianti Classico Riserva 2012 ++++ 2009 +++ 2008 ++++(+) 2007 +++ 2006 ++++
全体にやや弱いのは2009、飲み頃パーフェクトなのが2008、2007は谷間に挟まれ、熟成香が出て、アルコールがやや勝り、フィニッシュがほろ苦い。

*Boscarelli (Toscana)
モンテプルチャーノのワイナリー

Rosso di Montepulciano 2016 +++ 2010 ++++(+) 2004 ++++

*Favaro (Piemonte)
嬉しいことにエルバルーチェ。

Le Chiusure Erba Luce di Caluso 2016 +++ 2015 ++++ 2014 ++++ 2013 +++
2015がバランスが良い。 2014は、かなり細めなのだが、エレガントなところがまた違った魅力。

*Giuseppe Cortese (Piemote)
ラバヤの縦飲みとは、なんて贅沢。
バルバレスコの、個人的に好きなワイナリー。

Rabaja Barbaresco 2014 ++++(+) 2003 ++++ 1998 ++++++
2014で十分美味しいのだが、もちろん飲むには早すぎ。2003年はかなり暑いかった年。そこで、パワーがあるのだが、フィニッシュに熟成香がやや出てくる感じ。1998はパーフェクト。もちろんヴィンテージもよるわけだが、15年以上は待って飲むのが正解。

*Il Colombaio di Santa Chiara (Toscana)
サンジェミニャーノのワイナリー。

Campo delle Pieve Vernacchia ci San Gimignano 2015 +++ 2013 ++(+) 2012 ++++ 2011 ++++



*Maccario Dringenberg (Liguria)
マイナーなリグリアのワイナリーの中では、今はダントツ。
ロッセーゼの縦飲みとは最高に嬉しい。

Posa Rossese di Dolceacqua Superiore 2016 ++++ 2015 ++++ 2014 ++++(+) 2010 ++++(+) 2007 +++++(+)
2014は一瞬弱い感じなのだが、エレガントで悪くない。2010と2007はダブルマグナム。面白かったのは2007、意外な甘さが出てきていた。


クイズ 2問 あなたのイタリア度がわかるかも

2017-11-02 21:27:13 | もろもろ、つれづれ
あなたのイタリア度がわかる クイズ2問
この車は何をしているのでしょう?
(ちなみにイタリアは右側通行)




クイズ1:写真の車は何をしているのでしょう?

1。止まっているように見えるが走っている
2。信号で止まっている
3。エンストを起こし、置き去りにした
4。車を駐車している




正解は。。。。。4。
と答えた方は、イタリア度がかなり高い人。

そう、この車はここに駐車しているのである。

さて、次の問題。

クイズ2:では、なぜ、この車は道の真ん中に駐車してあるのでしょう?

1。頭がおかしいからここに駐車した
2。突然もよおして車を捨ててトイレに走った
3。ここは実は正式な駐車場である
4。最後の1台だけが取り残された





正解は。。。。。。4。
ここまで正解した方はイタリア度100点。

そう、ずらっと並んで駐車してあった前の車がみんないなくなり、ポツンと1台だけ取り残されたのである。

実は、市内では時々見られる光景。
だから、後ろから来た車は、普通にこの車を避けて走り去る。

よく見ると、内側(車の進行方向左側)に1レーンだけ、地下へ入る入り口がある。
ちょうどここが分岐点だが、入るのは写真に写っていないくらいもう少し前の方である。

その横に、どんどん車を停めていく。
合法の駐車場ではないが、特に交通の妨げになるわけでもないので、どんどん停めていく。
たぶん毎朝15台は停まっているだろう。
ちなみに、隣に旧労働省とイタリア国鉄の建物がある。

仕事が終わり、夜になると、「歯抜け状態」になっていくのだが、今晩は、見事に最後の車だけが1台ポツンと取り残されていた。

時々ある光景とは言え、ここまで見事だとかなり恥ずかしい。。。

そして、乗る時はもっと恥ずかしいのである。。。。

一瞬で立ち去る〜

Case' Pinot Nero 2014 Alberto Angiussola とうちのそばのワインバー

2017-11-02 14:02:44 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
うちのすぐ近くに春にできたワインバー
Case' Pinot Nero 2014 Alberto Angiussola



友人の友人二人が始めたということもあり、オープニングには行ったのだが、なにせあまりに近すぎて全然立ち寄っていなかった。

それに、最初はワインの品揃えも少なく、また、友人パオロが卸しているワインもあり、それなら他でも飲めるし買える。

同じ一人でふらっと飲むなら、すぐそこが家。
家にはワインが山ほど。。。

飲みに行くとなると、ローマの中心に行く習慣ができてしまっているので、なんだか、家のすぐ近くで飲む習慣がない。

ということで、全く立ち寄っていなかったのだが、日曜日に開いているということもあり、パオロと一緒にふらっと立ち寄った。

品揃えは増え、自然派に特化し、なかなかよくなっていた。

かなりのビオを揃えているので、パオロも私も知らないワインが結構ある。

その中で1本、エミリア・ロマーニャのピノ・ネーロという変わったワインを見つけたのでこれに決める。

エミリア・ロマーニャは個人的に結構好きだし、エミリアのピノ・ネーロとは珍しい。

グラスに注がれ始めてすぐ、枯れた色に気がつく。
フィルターがけもしていないだろう。

熟成臭が出ていて、ヴィンテージを聞いたら(古いとは思わなかったので)2014年、とのこと。

一瞬、2014年でもうこの香りとは、と思ったが、これはビオ、頭の方を変える必要がある。

グラスを回すと開き始め、柔らかさが出てくる。
バルサム、革、アニマル風、腐葉土。。。かなり複雑。
アタックは優しく、酸が強すぎない程度に感じられ、繊細なタンニンが広がる。
余韻は良い。再び熟成臭。

この味と香りでこのまま何年も行きそうな気がする。

ただし、これがピノ・ネーロか、と言われると、ピノ・ネーロでいいのだが、ブラインドで当てるのはかなり難しい、と答えるしかない。

ワインの発見は尽きない。
だから、ワインは面白い。


月曜日休み
交通量の少ない広場と道路に面し、二重駐車でもいけそうなところがうれしい。
(駐車場がなかなか見つからない地域)
ワインはグラスでもボトルでも。
どれも値段手頃、有名どころのワインはない。
自然派を安く手軽に飲みたいとなると穴場。
ツマミしかないが、タラッリは絶品