在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

7 Barolo; Granbussia 2000 2001 2005 Percristina 2001 Sandrone Rinaldi e Montezemolo バローロ7種

2015-10-31 20:01:56 | Piemonte ピエモンテ
Barolo Granbussia 2000x 2 Aldo Conterno アルド・コンテルノ
Barolo Granbussia 2001x 2 Aldo Conterno アルド・コンテルノ
Barolo Granbussia 2005x 2 Aldo Conterno アルド・コンテルノ
Barolo Percristina 2001 Domenico Clerico (magnum) ドメニコ・クレリコ
Barolo Cannubi Boschis 2011 Sandrone サンドローネ
Barolo Tre tine 2011 Rinaldi リナルディ
Barolo Enrico VI 2011 Montezemolo モンテゼモロ



このところ仕事が忙しく土曜日の試飲会になかなか行けず残念なのだが、長年通っているエノテカDI Biagioで、内輪の試飲会が開かれることになった。
親しい人だけを招いての特別な試飲会である。
エノテカには鍵をかけたごく小さな部屋があり、そこにはガヤを始めとした、高級なワインだけが置いてある。
そこにあるワインの中で、だいぶ経った幾つかのワインを、ダメになる前に開けてしまおうという、いつもいつも寛容なアウグスト氏の意向で開かれたものである。
何を開けるかというと、コンテルノ(アルド)のGranbussia。数ヴィンテージがある。そう簡単にダメにはならないとうか、あと5年でも10年でもいい、と私は言ったのだが、いや、どうせそう売れるわけではないし、開けてしまおう、と。
こういう肝っ玉の大きいことはそう誰でもはできない。
そこで、Granbussiaの縦飲みを中心にしたBaroloの夕べとなったのである。

エノテカに若干早めに着くと、血相を変えたアウグスト氏がいた。
どうしたのかというと、ワインがすでにダメになっているのではないか、これではせっかく来てくれた皆様に申し訳ない、そこで、別のワインも開けている、と言う。
Granbussiaがそう簡単にダメになるわけはないので(保存状態も悪くない)、そんなはずはないと試飲してみると、確かに2000年の1本はまあまあ来ているが超えてはいないし、2本目は素晴らしい。
しかし、すでに別のワインも開けていて、それが2001年のPercristinaのマグナムだったのである。
今日の値段は、xxユーロで、内容からすると超お得値段なのであるが、おまけにPercristinaまでついて、大判振る舞いになった。
儲けを気にしないアウグスト氏にしかできないと思う。

最初に新しいヴィンテージのBaroloが3本、こちらは横飲み、Granbussiaが3ヴィンテージ合計6本の縦飲み、そして、Percristina。めちゃくちゃ素晴らしい試飲会になった。



Barolo Cannubi Boschis 2011 Sandrone
まずは2011年の3本。Granbussiaがダメになっていても、これらは絶対大丈夫、という配慮で3本も。
サンドローネはいつもパフォーマンスがいい。かなり硬いはずのカヌビでこれだけの華やかさを持っている。熟した赤いフルーツ、スパイスも程よく甘く、強さ、持続性も良い。ただ、リナルディがとても綺麗な色を持っているのに対して、爪の淵が薄く、ガーネット以上を帯びている。そして、タンニンがやや粉っぽい感じも受ける。味のインパクトはよく、ボディも申し分ないところに、酸がふっと出てくる。持続性もよく、フィニッシュもとても綺麗。万人受するタイプ。++++

Barolo Tre tine 2011 Rinaldi
個人的に大好きなリナルディ。しかし、先入観は捨てて試飲。色がとにかく綺麗。輝きがあり、明るいガーネットで、サンドローネと比べると明らかだが、色が均一、全体に透明感と輝きがあり、淵まで色がきれいに出ている。香りは一瞬閉じているが、出てくると酸味がきれいで、エレガント。花の香り、まだフレッシュな赤い木の実にわずかスパイスがきれいに続く。インパクトは優しく、酸味がとてもきれいで、タンニンが繊細、長く続く余韻がかなり心地よい。+++++

Barolo Enrico VI 2011 Montezemolo
最初は気がつかなかったのだが、わずかにコルク臭が付いている。まだ付き始めで、何度か嗅ぐうち、ふっとコルクが出てくる程度。
色はリナルディと対照的に濃く、色が濃くないネッビオーロにしてはかなり濃い方だと思う。そして、完全にガーネット。かなり熟したフルーツ(黒)は、ややアルコール漬け風、甘いスパイス、カルーバ、キーナ、そして、バニラ、カラメル、クリームなどが出てくる。インパクトはしっかり、ボディがあり、やや重たい感じ。どーんとしたタイプが好きな人には受けると思う。強さで飲ませるタイプのバローロ。+++(+)

Barolo Granbussia 2005x 2 Aldo Conterno
人数が少ないので1本でも良いのだが、心優しいアウグスト氏は2本用意。そして、2本とも開けてしまう。そこで、縦飲みに加え、2本のボトルの違いまで見れてしまう。
1本目と2本目にはあまり差がない。どちらも最初は閉じているが、まだ花が感じられるくらいで、フルーツもフレッシュ。リコリースなどスパイスも出始め。酸がかなりありエレガントで長う続く余韻がとてもきれい。まだまだ若い。+++++

Barolo Granbussia 2001x 2 Aldo Conterno
1本目と2本目の差はまだ大きくはないが、出てきている。熟成香がきれいで、スパイス、薬草、革、リコリース、キーナ、スモークな香りも。タンニンがかなり柔らかくなって、甘さ(糖分ではない)を感じるくらい。この手のワインは深く考えてはいけない。直感で飲む。1本目+++++ 2本目+++++(+)

Barolo Granbussia 2000x 2 Aldo Conterno
1本目と2本目の差が大きい。1本目はアウグスト氏が心配したように、下り坂を下り始めたところ。マデイラ風の香りも出ているので、飲み慣れていない、枯れたワインが好きでない人は嫌いというかもしれない。タンニンは優しく、フィニッシュに熟成香が残る。
2本目は熟成香が出ていない。1本目+++ 2本目++++(+)



Barolo Percristina 2001 Domenico Clerico (magnum)
このマグナムボトルはアウグスト氏がクレリコ氏から頂いたもので、貴重な1本。エノテカに送られてきたときには手紙が添えてあった。クレリコ氏の、クリスティーナへのオマージュである。もう何も考えてはいけない。ただ、味わうだけ。

Non essere cattivo イタリア映画 意地悪しないで

2015-10-30 14:26:10 | 何故か突然イタリア映画
Non essere cattivo 意地悪しないで



今年もさる賞の審査のための上映会が始まった。
と言ってももう2週間前から始まっていたのだが、仕事やらなんやらで行けず、今年の最初の映画がこれになった。
かなり重たい、考えさせられると言うより、不条理を見せつけられたような気分になった映画であった。

今年の9月のベニス映画祭の審査外の参加作品である。
こちらのさる賞にも審査外で参加することになっている。
というのが、監督が亡くなってしまっているからである。
今年の5月、つまりこれが最後の作品になってしまった。

監督はクラウディオ・カリガーリ、ドキュメンタリーを手がけ、短編ものを作り、長編もので80年代に話題になったのが「中毒なる愛 L’amore tossico」だそうだ。
社会的問題を多く取り上げ、特に若者のドラッグ中毒の問題をあからさまに描いている。
映画上映後行われるインタヴューには亡き監督の友人の某監督が出席。この作品の構想を一緒に練ったということだそうが、亡き監督は映画化を切望し、10年かけて実現させたということらしい。

場所は1995年のオスティア。ローマ近郊の海に面した町である。確かに、今から20年前はこんな雰囲気も持っていたような気がする。
幼馴染の二人の少年(25歳から30歳くらい)は、他の友人もそうだが、お酒を大量に飲み、安っぽい車を乗り回し、ドラッグをやり、日雇いの仕事はろくになく、お金を手にするのに小さな商店のちっぽけな強盗を繰り返し、盗みをし、ドラッグの密売もしたりして生きている。

なんでドラッグなんてものに手をだすのか、と考えるのは単純で、生まれ育った環境によってはそれも当たり前となるというか、そうでもしないと生きていけない、という不条理が見て取れる。つまり、自分に全く関係ない世界ではなく、もし万が一、自分が同じような環境で生まれていれば?というのを考えさせるだけの部分を持ち、この映画にはその説得力がある。
そして、こういう世界は、過去だけの話ではなく、ここまで荒んだ生活ではないかもしれないが存在していて、現在までも続いている問題である。
ドラッグに手を出す若者が絶えない今も、一人でも多くの人にわかって欲しい、というのが監督からの最後のメッセージのような気がする。

最後は、二人の少年のうちの一人が、強盗に入った商店の親父にピストルで打たれ、死亡と同時に逮捕。
もう一人の少年は荒んだ生活から足を洗い始めていた頃。
亡くなった少年の彼女は妊娠していたらしく、1年後、父と同じ名前の乳飲み子を抱えて生きる、というところで終わる。
つまり、現状をあからさまに描くが、そこに希望を託している。

こういうドラッグの世界をほとんど見たことのない私には、リアルな場面がかなり興味深かった。
錠剤を潰し、粉をトランプのカードを使って 分けたり、お札(懐かしいリラ札)を手早く丸めて鼻から吸い込む、その手つき、手さばき、表情がかなりリアル。

映画は13歳から、つまり13歳以下は禁止となっているが、これは正しいような気がする。
つまり、それ以下の、まだ大人のやることを、ただカッコイイというより、カッコイイような気がするだけで真似をする年齢の子供たちが見たら完全に真似するような気がするからである。それだけリアルで、説得力のある作品だった。



Palazzone Musco 2013 e gli altri vini パラッツォーネ

2015-10-24 22:17:51 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
Palazzone パラッツォーネ
Musco 2013 e gli altri vini



パラッツォーネのジョヴァンニ氏自らローマに来てのラフな試飲会があった。
ワイナリーのあるオルヴィエートはローマから車で1時間もあれば着くところなので、ジョヴァンニ氏には時々お目にかかることはあるのだが、今回は新作ワイン「ムスコ」のお披露目も兼ねていたので行ってみた。
場所はローマの南、ちょっとはずれにあるミクソロジーにて。ミクソロジーとは何かと思ったのだが、エノテカではなく、カクテルを中心に教えている教室だった。明るく、設備はかなり整っているよう。なるほど、今はこんなところも造られているのかと結構感心。ワイン系の催しはリゼルヴァ・グランデを主催しているマルコ氏がオーガナイズしているらしい。立ち飲み、比較的時間が自由で、気さくな雰囲気、かしこまらなくていい。

一角にジョヴァンニ氏。かなりの人の入りだが、気さくにワインの説明をしながら自らグラスにワインを注いでいる。
パラッツオーネのワインは気取らない、気張らないところがいい。そんなところ、ジョヴァンニ氏の人柄が出ているような気がする。


Grek 2014 grechetto
軽く飲みやすいワインだが、きちんと造っていてそれなりの存在感がある。フィニッシュがややほろ苦いが、それも心地よい。夏はきりっと冷やして飲むとより美味しい。++

Tixe 2014 pinot grigio
そういえばピノ・グリジョを造っていた、と思い出した。中部イタリアではかなり珍しい。ティクセという読みになるのだろうが、反対から読むとEXITで、この方が覚えやすいような気もする。こういうユニークさは面白い。
ピノ・グリジョは一般には白ワインだが、これは玉ねぎの皮の色が付いたブラッシュ・ワイン。個人的には色のないピノ・グリジョより色のついたものの方が好み。6時間のマセラシオンとのこと。フリウリあたりのピノ・グリジョより色が濃く、香りにも味にも強さが出ている。これも最後はややほろ苦いが、心地よく続く感じ。+++

Terre Vineate 2014 Orvieto Classico Superiore
やや中途半端なワインだと思うが、造っている場所がオルヴィエートなのでオルヴィエート(ワイン)も当然造っている。オルヴィエートは、伝統的、歴史的に最もよく知られているイタリアワインの一つだが、安くて水のような、軽いというより薄いワインが多い。そんな中、これは2種あるうちの下のランクのものだが、丁寧に造っていて、数あるオルヴィエートの中では最も良いものの一つ。++(+)

Campo del Guardiano 2013 Orvieto Classico Superiore
これもオルヴィエートなのだが、オルヴィエートとして飲むより、普通のブレンドワインとして飲んだ方が良いような気がする。ジョヴァンニ氏も大好きというが、看板ワインと言えるワイン。やや濃いめの色調。黄色い花とフルーツの香りが綺麗に出ていて、複雑性は申し分ない。味は、まろやかなところに加わる酸味が味を引き締め、なかなかエレガント。とても美味しい。万人受けするタイプだし、料理は魚中心に幅広く合わせられるタイプのワイン。++++

Rosso 2014
軽くいたって飲みやすいワイン。夏に少し冷やして飲むのもいい。++

Piviere 2013 sangiovese
ロッソとアルマレオの中間的存在。 やや軽め、若飲みタイプのサンジョヴェーゼ。++(+)

Armalo 2013
色が濃く、魅力的な色。ややアルコールは上がるが、フルーツの香り、甘いスパイスと続き、味のインパクトも良く、ボディもあり、タンニンがかなりしっかり感じる。持続性も良い。地元の料理、イノシシなどの肉、キノコ、スパイスを使った料理にピッタリ。+++(+)

Musco 2013
これが噂の、というとオーバーだが、2年経ってリリースされたパラッツォーネの新作ワイン。新作、というのがふさわしいと思う。他のオルヴィエートと同じでプロカニコ主体。小さな洞窟のようなところで、昔使っていた縦型、手動の圧搾機を使い、木の樽で発酵、熟成は栗の木の樽、そして、ダミジャーナという大きなボトルも使い熟成。
50年前、おじいさんが造ってようなワインを造る、というコンセプトで造られたそう。当然、人口酵母は加えていない、自然の恵みそのままのワインである。
色はかなり濃く、綺麗な輝きがある。自然派ワインの香りだが、決して臭くはなく、自然そのものの香り。インパクトは優しいのだが、その後、タンニンがじわっと広がる。目をつぶって飲めば赤ワインかと間違えるだろう。酸味もある。まだまだ荒削り。2年経ってリリースされたが、これが1年、2年と経つうちにどんな変化をするかが楽しみ。
1500本程度の生産量とのこと。



Tignanello 1998 2001 2005 2007 2010 2012 ティーニャネッロ6ヴィンテージ

2015-10-20 16:36:37 | Toscana トスカーナ
Tignanello Antinori 6 annate ティーニャネッロ 6ヴィンテージ
1998 2001 2005 2007 2010 2012

ダニエレ・チェルニッリとレンツォ・コタレッラのコンビでティーニャネッロを6ヴィンテージ試飲。
ダニエレ氏の評価本発表の試飲会での場面。


1970年にキャンティ・クラシコ・リセルヴァとして前身のワインが出る。
1971年、当時の規定で、白ぶどうが使っていないためキャンティとは名乗れず、ティーニャネッロとして発売。(これ以前の白ぶどうが入っていないワインは、サン・フェリーチャのヴィゴレッロだけとのこと)ラベルのデザインは当時有名なデザイナーに依頼し、今では当たり前になったが、初のデザイナーズ・ラベルとも言っても過言ではない。72年、73年、74年は発売されず、75年に20%のカベルネを加えてリリース、その後、現在に至る。
リリースされていない年は、76年、84年、92年、2002年とのこと。
一言でティーニャネッロとは、と言われると、面積(Dimensione)ではなく濃淡(Sfumatura)のワインとのこと。なるほど。


試飲は新しい年から、古い年からいろいろあるが、古い年から始めた。
(+++を良い、として、増減。)


1998年 
きれいに熟成が出ている。色は完全にガーネットで、アマラントを思わせる色。スパイスがよく出ていて、丁子、シナモン、スモーク臭。まろやかになっているがまだ存在感のあるタンニンが一瞬、そして、ボディを感じたかと思うと、塩味が出てくる。酸もあるが、それより塩味が出ていてフィニッシュに残る。持続性もよく、エレガントさも出ている。
++++ 

2001年
やや発酵臭っぽい感じが出ている。色は濃く、フルーツ、甘いスパイスがやや重たい感じで出ている。ボディがあり、タンニンは丸みを帯び、酸があまり感じないため、強さ、太さが出ている、というかやや出過ぎな感あり。ある意味、これは典型的なティーニャネッロではない、という年だろう。
+++ 

2005年
最初はまあまあ閉じている。開いてくると、スパイス、丁子、熟したフルーツ、エレガントでもあり、強さも見てとれる。インパクトは結構いい。ボディがあり、しかし、フィニッシュにはエレガントな面も見られ、割と長く続く。チョコ、カカオなど。
+++(+)

2007年
最初は閉じていたが、出てくると華やかで、よく熟したフルーツ、甘いスパイス、今まさに飲み頃という感じ。バランスがとても良い。フィニッシュがとても心地よく、持続性も 良い。
現時点で++++(+)ただし、頂点に達していて、あまり長くは持たないだろうと思う。

2010年
香りがやや弱く、しばらくしてじわっと出てくる。まだ固まっている感じで、特徴を捉えるのが難しい。ボディが抑えられた感じに酸が立つ。フィニッシュは繊細で、一瞬長くはないように感じられるのだが、細く長く続いていている。スモーキーな管理が残る。
現時点で++++ こちらは、まだまだ先が期待できそう。

2012年
華やかで香りの強さがあり、熟したフルーツ、チョコなど、素直に心地よい。味のインパクトがよく、ボディの存在感があり、とにかく若いのだが、タンニンの質はよく、持続性も申し分ない。フルーツが残る。
++++  



ワイン考

2015-10-20 15:03:45 | イタリア・ワインABC
好きなワイン、美味しいワイン、評価の高いワイン



いつも思うのだが、好きなワインと美味しいと思うワイン、評価の高いワインには、個人差はあれど、結構大きな「時差」があると思う。
ワインを飲み慣れていないと、たとえ他のお酒には飲み慣れていてもその時差が大きいという経験をした。

日本酒の蔵元の方数名をピエモンテへご案内し、さるワイナリーにての試飲から始まった。(ワイナリーの選択は私ではない)
バルベーラとバルバレスコとバローロの3種。
バルベーラは酸味が強く、と言っても、樽使いのどちらかというとまろやか系のバルベーラだったのだが、あまりお好みではないようだった。特に日本酒は酸味が少ないので、突然、バルベーラの酸味は結構刺激的らしい。
次にバルバレスコとバローロを比べる。
飲み慣れない味にクエスチョンマークが出ている感じはしたが、バローロのほうがいい、というより、ちょっと重たいけれど、良いと言われると良い、という雰囲気。
数名は、バルバレスコの方が軽くて好み、とのこと。

夜は、レストランでネッビオーロとバローロ。
多少意見が分かれたとはいえ、ネッビオーロの方が好み、という意見もあった。
どちらも良いワイナリーを選び、評価が高いのはバローロの方であったのだが。
さらに、どうしてこれらのワインが良いのかわからないという、いたってシンプルなクエスチョンマークもちらほら。

翌日は町のトラットリアで再びネッビオーロ。かなり伝統的なところを選んだらこれが今までで一番美味しいという意見が多かった。
確かに個人的にも好みのワイナリーだったのだが、一応、今まで飲んだ中で一番安い。

そして、翌々日、場所も変わり、ワインの場所も変え、某ワイナリーのロッソ・ディ・モンタルチーノを選んでみた。
ネッビオーロ品種漬けの毎日で、イタリアに来てそれしか飲んでいないのもなんだと思い変えてみたのだが、若干モダンすぎるかと思った危惧は当たり、全然違って、今までで一番好みではないという意見が多かった。
このワインから飲み出したら絶対に美味しい、というだろうというものではあったのだが、ネッビオーロ漬けから突然サンジョヴェーゼへの変化もかなり刺激的だったよう。

そしてさらに翌日。
突然、ランブルスコを飲むことになった。ランブルスコの中では「飲める」ものであり、非常に良いものではあるのだが、とにかく「赤で発泡」という点が良いという評価。久々の赤の発泡を刺激的だと思ったのは、今回は私だったと思う。
もちろん全員が気に入ったというわけではないようだったが、いいね、美味しい、という意見が飛び交い、なるほど。

評価の高いワインが必ずしも美味しいわけでもなく、個人的に好きなわけでもないが、なるほど、かなり考えさせられた。勉強になった。
美味しいワインが飲みたい、ということで高級バローロを勧め、しかしその後、ごく普通のワインを飲むと、そっちの方が美味しいとか、どうしてこの値段かわからないとか、いろいろ話題が飛び交うこともあるのだが、美味しく感じるワインには大きな個人差がある。
だからワインは難しい。



Alitalia ロスト・バゲージ

2015-10-08 22:02:56 | もろもろ、つれづれ


ローマからパレルモまでは列車だと12時間かかる。
ミラノまでは列車でたったの3時間、つまり、飛行機から列車に乗り換えている人が大勢いるに違いない。
しかし、12時間と1時間の差は大きく、シチリア路線は未だにアリタリアのメインルートのはず。飛行機もエアバスで大きい。
昨日のパレルモからローマへのフライトも、真昼間のフライトとはいえ満席だった。
国内の旅なので荷物は少なく、機内手荷物のスーツケースで十分である。
そこで、預けるか預けないか一瞬迷うのだが、液体類がなければ、万が一のロストを避けたい、そうでなくても荷物が出るまでかなり待たせれることもある、なければさっと出れる、スーツケースの中身の盗難は減ったが、サービスの悪いアリタリアのこと、何が起こるかわからない、などと思うとやはり機内にスーツケースを持っていく方を選択することの方が多い。
昨日も一瞬迷ったが機内にスーツケースを持って入った。
失敗したのは、いつもならスーツケースのあるときは早めに搭乗口に並ぶのだが、割と最後の方で搭乗したこと。
飛行機に乗った時には、すでに棚は一杯。スーツケースが隙間なく入っていて壮観だった。
すぐさま、スチュワーデスが、こちらで預かります、引き取りは機内預けの荷物と同じように引き取ってください、と言われた。
確かに、棚を全部見て回れば、小さなスーツケースなので、隙間がなくはないと思ったが、一緒にいた人で他に荷物を預けていた人もいた為、承知した。
手書きで名前など、最低限の必要事項を記入、タグをもらった。

さて、ローマに着いたら。。。荷物が出ない。預けた人の話ちゃんと、それも割とすぐに出てきた。
カウンターで怒る。確かに、早めに乗らなかった方も悪いのではあるが、機内に持ち込むということは、いろいろな面倒を避けたいからなのに、めちゃくちゃ面倒なことになったからである。
飛行機から下ろしたのか?と聞くと、下ろした、と確認もせずいい加減な答え。
いや、パレルモ空港に残っているかもしれない、とか。積み込むのを窓側で見た人がいるし、機内で預けたので、つまりだだっ広い空港の敷地にスーツケースを残し、飛行機が飛び去ったとでも言いたいのか?
とにかく、書類を記入して、仕方なく帰路に着く。

夜になってアリタリアから電話が入った。思ったより早かったのは好感が持てた。その後も電話とメールなど何度か いただき、この辺りは改善されたと思う。
ただ、お客様の荷物が20時に着きます、と言ったので、ということはつまり、やっぱり積み下ろさなかったということなのだと思う。
次からは、絶対に早くから搭乗口に並ぶが、もしギリギリになって尋ねられたら、絶対に預けたくありません、ゴネる。
とにかく今日、スーツケースは配達された。





Tè giapponese all'improvviso 突然の日本茶

2015-10-04 10:43:57 | 日本酒、日本茶
突然の日本茶


美味しいお茶がこんなに美味しいとは。
日本では当然日本茶を飲むが、元来洋物が好きな家庭に育ったのでコーヒーも紅茶も飲む。
ただし、飲むと言ってもどこでもいくらでも飲むわけではない。
むしろあまり飲まない、と言った方がいいかもしれないくらいである。
つまり、美味しくないコーヒーも紅茶も飲めないからである。
特にコーヒーの不味いものは飲めない。気分が悪くなってしまう。
だから、飛行機の中、列車の中(最近、ユーロスターでカプセルのコーヒーを飲む機会があった。これならとにかく味は均一) などでは絶対に頼まないし、ホテルの朝食の大量に作るコーヒーも避け、多少不味くても少なくとも気分が悪くはならない紅茶にしたり、場所によって工夫している。

日本茶も好きではあるが、こちらではどうしても美味しくは飲めない(と思っていた)ので全くと言っていいほど飲まなかった。
水が違うので美味しくならない、色がすぐに変わって不味そうになってしまう。(と思っていた)
ところが、世の中物好き(笑)はいるもので、日本茶大好きというイタリア人の友人を持つことになった。
なるほど調べてみると、コーヒー大好き外人(日本人)がいるのと同じで、日本茶大好き外人(イタリジア人)がいても不思議はなく、むしろ日本人の方が日本茶を知らないのではないかと思った。


その方から、超高級というわけではないが、とても美味しいお茶をいただいた。
ここで生活パターンがかなり変わったと言っていいかもしれない。
かなり本格的にお茶を入れているその方から淹れ方を教えていただき、ネットでも調べ、お茶用に水を買い、時間がある時に飲んでいる。
コーヒー、紅茶から日本茶。
紅茶は結構大量に作って(葉は一応良いものを使用)ごくごく飲むのであるが、お茶を飲むひと時はなんだか日本人。
急須などは適当にあるものを使っているが、次回の帰省で良いものを探さないと。
ちなみに今のお茶はマスカットの味がする。