在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

なぜかここで洗濯機

2009-01-28 17:58:36 | もろもろ、つれづれ
クリスマスの前に洗濯機が壊れた。

もう、18年くらい使っているもので(かなり当たりが良かったと言われる)何度か壊れているから、原因と、直せるか直せないをまず見ることにした。
そして、今回はあきらめた方がよさそうという結果になり、クリスマス・イブの日に新しい洗濯機を買いに行った。

幸い、電化製品では有名なドイツのB社のものがオフェルタ(特価)であり、これに決めた。その洗濯機が家に届いたのは新年間近の12月30日であった。
これでやっと思いっきり洗濯ができる!それも新しいし気持ちいい。前の洗濯機よりずいぶん汚れが落ちるじゃない、と思ったが、何故か、洗濯機の下の床が濡れているような気がする。

最初は気のせいかと思った。でも、2回、3回と洗濯するうちに、気のせいではないとわかった。年末の忙しい日で、取りつけたら、ちょっと見ただけで行ってしまったから、取り付け工事の不良かも?と、とにかく買ったところに電話をして、取り付け業者をよこしてもらおうと思った。電話というのは、こういう時に、何もわざわざ出向かなくても済むためにあるのだと思う。買ったのは、大手、有名総合電機店のMW。

最初の1回は比較的すぐに交換手が出たが、いくら待っても売り場の人が出ない。
そして、それからというもの、とうとう交換手も出なくなった。つまり、いくら電話しても誰も出ないのである。まるで、私の電話番号に恨みでもあるのかと思うが、まだクレームをつけていないので、そんなはずはない。
そこで、しかたなく、翌日、電機店に直接出向いた。電話とは、いったい何のためにあるのかと思いながら。

事情を説明し、再度取り付け業者に来てもらうことにするが、そうすぐには来ない。ここで、3日待たされた。そして、業者が来たが、取り付け不良ではなく、洗濯機から水漏れがしていると言う。
どうせ、再度電話しても無駄だから、仕方なくもう一度電機屋に出向く。
最初から水漏れ、つまり初期不良だから、新しいものと取り換えて欲しい、と申し出た。

ここでの電機屋の回答はかなりイタリア的。日本なら信じられない!と言えるだろう。
B社の契約のある修理業者が、間違いなく初期不良で取り換える必要がある、と一筆書けば、取り替えます、ただし、もうオフェルタ(特価)は終わったから、正規料金で買っていただくことになります、と。
その差、120ユーロ。最初から水漏れしてるのに、何で差額を払わなくいけないの???と疑問だが、まだ、何が原因かわからないので、とにかく、おとなしく帰る。

そして、今度は修理業者に電話をする。
これが来るのに、また5日は待った。
で、ついに来た。これはドラム缶が割れてますね~、と。洗濯機のドラム缶はプラスチック素材なのだそうだ。安いのを買ったからかと思うと、高いのでもそうだと言う。
でも、ドラム缶なんて壊れるものじゃないし、部品がくるのに1週間、そのあと、引き取って修理して持ってくるのにまた1週間かかりますね~、と。

イタリアの2週間は1か月である。
ここで我慢し、とにかく直してもらうか、我慢しないで正規価格との差額120ユーロを払い、新しいものに替えてもらうか。。。迷ったが、あまりの不条理に、ここまで来たら、徹底的に待つことにした。
日本なら、オフェルタが終わってたって、初期不良の状態なら、絶対に取り換えてくれると思う。だから、イタリアは嫌だ!!!と思いつつ、ドイツも信用できない、と思い始めた。
で、今だに洗濯機は使用不可の状態で、部品も届いていない。

”フローレ・フィオルドゥーヴァ 2006” マリーザ・クオモ

2009-01-22 08:31:40 | Campania カンパーニア
"Furore Fiorduva 2006" Marisa Cuomo
もうすっかり前のことになってしまったが、去年のクリスマス、正確にはイブには何を飲もうか?と思い、これに決めた。
イタリアのイブは、魚を食べる。
イタリアにいるアメリカ人は七面鳥か鳥料理を食べるそうだが、イタリア人は食べない。というより、24日は、肉を口にしてはいけない日なのである。
夜中の12時にキリストが生まれるので、それまで、断食(?)的意味があると言ってもよいのだろう。

だから、ワインは白。
本当は、あと少なくとも1年は取っておきたいワインだったので、もったいないかも、と思いつつ。。
親しい友人がお礼にとくれた、とてもうれしいワインである。
だから、ちょっと早いけれど、こういうおめでたい機会にぜひと思い直し、開けることにした。

一番最初、このワイナリーが話題になったときは、???と思った。
どこのワイン?なんて品種?誰が造ってるの?え~、あんなとこで造ってるの??
そう、あんなところで造っているワインなのである。

最近話題になっているアマルフィ海岸の、アマルフィの町の先にあるフローレで造っている。
あの辺りには仕事でよく行く。
海岸線が一番切れ込んで切るところで、日本語に訳すと狂乱ヶ谷という意味になる。
一番条件の悪いところのような気がするが、そこにワイナリー?ぶどう畑??
それが、あるのである。
畑はすごーい傾斜で、手入れも、収穫も、それは大変。
品種も、わけがわからないといった方が良いくらいの無名の品種。
かなり変な品種もある。
このワインは、フェニーレ30%、ジネストラ30%、リポリ40%と、聞いたこともない品種ばかりである。

しかし、ワインは美味しい。
色は黄金に近い麦藁色でとてもきれいなつやがある。
香りが甘く、とても魅力的。柑橘系の花、柑橘系のフルーツ、シロップ漬けなど、とにかく心地よい。
ボディもしっかしていて、適度な酸に心地よいまろやかさ、塩味が最後にしっかりきく感じで、持続性もあり。
とにかく最後まで気持のよいワインである。

もうだいぶ前になるが、縦飲みをしているのでそちらもご紹介したい。

”バローロ・リステ 2003” ボルゴーニョ

2009-01-19 03:43:45 | Piemonte ピエモンテ
“Barolo Liste 2003” Borgogno -Piemonte
バローロ・リゼルヴァは5つの畑のブレンドだが、リステは単一畑のもの。
アンテプリマ(未発売)で飲んだ。この年から、収穫より10年後に発売することにしたのだそう。つまり、この2003年は2013年に発売される予定となっている。
そうと知っていれば2001年を買っておけばよかった。。と大きく後悔。
常連のエノテカ(酒屋)で、人のために買い占めたら、自分の分がなくなってしまったのである。。今さら、返して~とは言えない。。。あー、惜しいことをした。。。
2003年がそろそろ出るかな、と思っていたのに、2013年まで待たされるとは。。


フルーツの香りが甘く、一瞬、バリック使用?と疑いたくなるくらい。しかし、ボルゴーニョはバリックを使わない。それに、べたべたした鼻に残る甘さではないから、バリックではないのがわかる。
色は濃い目のガーネットで、もうすでに若干の澱が出ている。ブラックチェリー、プルーンの熟した感じで、甘いとはいえ、決して煮詰めた感じではない。かなり心地よい。
味は、思ったより酸味がある。そして、柔らかさ、ボディ、しっかりしたタンニンなど、かなり印象的。フルーツがきれいに残り、さすがリステと頷くばかり。

”バローロ・リゼルヴァ 1961-1996年” ボルゴーニョ

2009-01-19 03:32:42 | Piemonte ピエモンテ
“Barolo Riserva 1961-1996” Borgogno -Piemonte
ボルゴーニョの縦飲みというとてもうれしい機会があった。
今でこそ、大樽が見直されて、伝統的な味わいが再び称賛されるようになったが、90年代はつらかったと想像する。どこもバリック、バリックを使わないと、時代遅れのような印象が先に立ち、ボルゴーニョのようなバリックを使わないどころか、持っていないというワイナリーは影が薄かったと思う。
しかし、そういった時代を乗り越えて、再び伝統に目が行くようになったのはうれしいことである。
いつか、ボルゴーニョの、たとえば、48年たった1961年ものと、バリックバリバリのモダンワインの48年後を飲み比べてみたい。
若いうちは、飲み易いモダンワインもいいが、年を経た後は、いわゆる古臭いワインに軍配が上がると思う。

さて、その1961年。まだDOCの時代。
色はガーネットに、はっきりとオレンジの爪。透明感があり、ツヤがあり、魅力的な色。
小さな花の香がふわっとする。48年たって、まだ花の香り??と驚くくらい。思ったより開いている。お香の香り、腐葉土、リコリース、タバコ(ブロンド)、グドロン、バルサム臭、フルーツの面影、酸味のあるオレンジなどで、だんだんとキノコ、トリュフも出てくる。広がりがあり、アニマル臭などの臭みが全くなく、非常にきれい。
タンニンがまだあるのにも驚いた。酸味が立ち、とてもきれいで、言われなければ61年ものだとは誰も思わないだろう。
このあたりがボルゴーニョの醍醐味と言えそう。

1978年、これもDOC。
残念ながら、リコルクをして、そのコルクが良くなかったのか、コルク臭があった。それも、試飲に持ってきたボトルが全部同じ感じでまさに残念。コルクのロットに問題があったようだ。
78年はそれは良い年だったというから、さらに残念だったと言える。

1982年、DOCG。
一瞬、野菜を思わせる臭みがある。スパイスがきれいに出ていて、若干の刺激があり、そこに甘さが時に加わる。小さなバラ、フルーツなど、まだ若さの片鱗が見られる。湿った土、腐葉土、紅茶の葉、バルサム臭、タイムなど。
味はまだ若いくらいで、きれい。タンニンがまだしっかりある。
全体にややシンプル、エレガントな出来と言える。

1989年
82年よりだいぶ閉じている。
が、かなり良い。革、タバコ(黒)、土、リコリース、アニマル、毛皮、トリュフ、黒い森の木の実など、挙げていったらきりがない。
味は果肉を感じるくらいで、ボディ、複雑性がとても良い。特に、アタックの印象がすばらしい。味にも広がりがあり、持続性がかなりあり、カフェ、カカオがきれいに残り、満足。
89年は、よく90年と比較される。ワイナリーの人も言っていたが、リリースされてしばらくの間は90年の方が名実ともに良かった、しかし、今となっては89年の方がおいしいくらいだ、と。まさに、その通りだと思う。今回は90年と比較して飲んだわけではないが、この89年の出来には非常に満足感がある。そして、89年、90年とを比較して飲んで、89年の方が良かったと思うことが何回あっただろう。。。

1996年
若干金属的な感じ。バルサム臭、スパイス、ミント、ユーカリ、コショウ、ノーチェ・モスカート、キーナ、グラフィティなど。揮発酸が多め。
酸味が出ていて、タンニンがやや隠れる感じあり。89年より熟成が進んでいる印象。

写真のラベルはノーマルなもので、試飲はリゼルヴァ。

”ドルチェット・ダルバ 2006” ボルゴーニョ

2009-01-19 03:26:50 | Piemonte ピエモンテ
“Dolcetto d’Alba 2006” Borgogno –Piemonte
非常に澄んだ印象。色は、やや濃いめのルビー色。
花の香り、良く熟した森の木の実の香り。シンプルながら、まっすぐ(素直)な広がりがある。マラスカ、ブルーベリー、土っぽい香りもある。
タンニンがしっかり感じられ、若さが出る。最後に若干のアルコールとほろ苦さが残るが、苦みはドルチェット特徴でもある。ドルチェットにしては、だいぶ持続性がある。
香り、味ともに非常に心地よい。
こういうドルチェットなら、(比較的)値段も安いし日常的に飲みたい。