在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Degustazione Wine Mining rossi pallidi 7vini

2013-05-31 10:50:54 | Piemonte ピエモンテ
Degustazione Wine Mining -rossi pallidi





ルカがオーガナイズする試飲会はためになる。
今回は、冷やして飲める赤、rossi pallidi、つまりrosso vitigno minoreという感じの試飲会だった。
暑い時期に軽めの赤、のつもりだったのだが、今年は異常気象。どーんとした赤でもいいよね、の気候にはちょっと笑ってしまう。
さて、儲けを気にしないルカの試飲会の会費は安く、お得なのであるが、こういうマイナーなワインが出ると分かっていると参加者が若干少ない。
しかし、こういう試飲会も実にためになるのである。

事前情報は、grignolinoとschiavaがあるらしい、だけ。
フタを開けたら、schiava2種、grignolino3種、そして、gamayとpinot neroだった。
イタリア5種、フランス2種の合計7ワイン。



Schiava1種とgrignolino2種はだいたいわかった。おお、grignolinoを2種持ってきたな、と思った。
何せ、ルカは同じワインを混ぜることもある人なので、これ位では驚かない。しかし、まさか、まだあとひとつずつあるとは思わなかった。
Nebbioloはなさそう、かなり色の濃い1本はteroldego、いや、違うような・・・

色のかなり濃い1本はgamayだった。ボジョレー。
そして、まるでpinot grigioのような薄いgrignolinoにはちょっとびっくり。ここまで色の薄い、赤は珍しい。
Cavallottoは、若干cottoの香りがしたのだが、なんだか、ああ、これ好き、懐かしい味と香り、と思う(cottoの香りがという意味ではなく)ワインだった。
Pinot neroは最初から良かったが、時間がたってもまだまだ香りが続く。。。

今回も結構ビックリ、かなりためになったのでした。

Barolo 2008 Giovanni Canonica

2013-05-25 23:29:54 | Piemonte ピエモンテ
Barolo 2008 Giovanni Canonica



自然派のワインは大好きだが、最近は少し疑問に持つことも多い。
まず、昨今の自然派ブーム。
証明をとっているワイナリー、とっていないワイナリー、ちょっと疑わしいワイナリー、本物の自然派ワイナリーと入り混じり、悲しいことに、少し前に、某有名自然派ワインの試飲会に出ていたワインの検査をしたところ、結構な数のワインから化学物質が検出されたという記事まで目にした。
亜硫酸を使わないことが重要視されたり、自然派だからいい、と手放しに考える人がいたりして、ちょっと戸惑う。

さて、このところ忙しく、久々に(と言っても数日ぶり)にプライベートで試飲をした。時間があまりなかったので2種。
いつものワインバーで、赤、とだけ言ってワインを出してもらった。
そのうちの1種がカノニカであった。
反論はたくさんあると思うが、自然派大好きの私が、どうしても好きになれなかったのである。
なお、ボトルは、当日の朝開けたと言ったが、グラスで出していたので酸化は若干進んでいたと思う。

そう、ブラインドで飲むと、全く違うのである。
ラベルから入ると、バローロ~!そして自然派!美味しいね~となるのだろうが、ブラインドで品種も何もわからないと、大雑把な印象のあとに欠点を探してしまう。(これは、ブラインドでの試飲の欠点だと思う)

感じたのは、フルーツが熟している、コンフィを超えて、煮詰まった感じ、そしてアルコールが上がる。
スパイスにほのかなアニマル、濡れた毛皮、腐葉土などもあるが、そしてラベルを見たあとは、ネッビオーロであることに納得できないわけではないのだが、とにかくアルコールが後味にも残り、ちょっと重たいワインに感じた。
南の品種にこんな感じはないような、でもこの感じは南のワイン、もしこれが北のだったら驚き!と思った通り。。。北のワインだった。
ネッビオーロの良さが消えてしまっている。。。。。
多分、メルロー当たりで造っても似たようなワインになるのではないかと疑問を持ってしまう。

う~ん。ちょっとすぐに結論は出ないが、考えさせられたワインなのでした。

Imeneus 2009 Fattorie dei Dolfi

2013-05-21 19:25:55 | Toscana トスカーナ
Imeneus 2009 Fattorie dei Dolfi



この前のFood & Wineで見つけたワイン。
見たことのないラベルで、試飲は始めて。
Food & Wineはローマでは初めての開催だが、Meranoのワインフェスと同じ団体がオーガナイズしているため、この前のMeranoには出ていたというので、飲んだことがある人はいるかも知れない。

ワイナリーの造っているワインは2種。
2本目はおいておいて、1本目のワインの話に集中しよう。



品種を聞いたらPrugnolo Gentile100%と言うので、モンテプルチャーノ近辺かと思ったら同じPrugnoloでもクローンが違うという。
場所はピサ近くで、250mの標高、海が見える程度の距離だそう。
3000本程度の密植。つまりいまどきの畑にしては少ない。1本当たりの収量はわからないとの回答。つまり、良い葡萄だけを使って、あとは、もう1本のワインに使うか、売ってしまうらしい。
ヴィンテージは2008年が最初の年で、今年は2年目。2500本(ラベルに書いてある。正確には2446本)だが、昨年はわずか1500本だったらしい。
当然全て手収穫。人口培養酵母は使わず、至って自然派の造り手。
熟成は、サッシカイアの樽を買っているということで、当然使い古しなので、ただの容器として使っていると話していた。
以上の話をきいて、ちょっと狐に包まれた感じになった。
ちょうど、ワインのエキスパートの友人がいたので聞いてみると、聞いたことがないというので、試飲してもらった。そして、意見の交換。
文句のつけようがない。狐に包まれているので手放しに素晴らしいとは言わないが、欠陥がほとんどないといえるワイン。
香りは非常にきれいで、自然派特有の臭みはまったくなし。
洗練された香りに、フルーツとスパイスのバランスも良く、味もエレガントできれい。タンニンも非常に細かい。
で、値段は? 300ユーロ。それもカンティーナでの値段で、エノテカで販売したら500ユーロ?まあ、現時点で多分売っているところはないだろうと思うので、あまり深く考える必要はないかもしれない。
その値段じゃ誰も買わないよ、と言っても、誰も売る人がいなければ、誰も値段をつけない・・・
この値段は、300ユーロでも売れる、と某氏が言った為ついた値段らしい。
とにかく生産量の少なさから、コレクション用のワイン。
どこまで持つかが見ものである。


こちらは2本目のワイン

なお、イメネウスという名前は、まるで女のように美しいヴィーナスとバッカスの息子の名前からつけたのだそう。
見つけたらお試しあれ。

Toriidaira Koshu 2000 Yamato Wine (giapponese)

2013-05-19 09:08:42 | vini stranieri イタリア外のワイン
鳥居平甲州 2000 大和葡萄酒



日本のワインのボトルが急に必要になった。
以前持っていた赤は、ずいぶん前に開けてしまったので、今家に残っているのは大和葡萄酒の白2本。どちらも甲州である。しかし、買ったのは10年ほど前、勝沼のワイナリーを見学に行ったとき。いくつか訪問したが、その中でも、ぜひ行きたかったワイナリーであった。
そのときに直接蔵から2本買って、イタリアに持ってきて、ずっとワインクーラーに保存していた。
なかなか開ける機会がなく、歳月が流れ、たぶん10年ほど経ったと思う。
裏のラベルに2013年、ジャパンワインコンペティションのカテゴリー甲州で銀賞受賞、とあるので、発売されたのは2012年か2013年だろう。



急に翌日、日本のワインのボトルが必要になり、それも、できれば殻のボトルが必要であったため、急いで開けなければいけなくなった。ちょうどその夜、友人ルカのオーガナイズした試飲会があり、7種のソーヴィニオンが予定されていたのだが、結局8本目のワインとして開けることにした。

色は濃くはなっているが、つやはかなりある。しかし、甲州はそれほど持つ品種ではないはず。
開ける前は、若干、飲み頃は過ぎているかも知れないが、色からすると大きく過ぎてはいないだろう、とちょっとドキドキ。(大和ワインの方ごめんなさい)
コルクはびっくりするほど小さい(短い)。これは、もっと品質の良いものを使っても良いと思った。(たぶん、今はもっと良いものを使っていると想像します。)
そして、参加者のグラスに注ぐ。注いでいる間に、いいねー、という声が上がる。
ちょっとびっくり。でも、ほっと安心。
さて、全員に注ぎ終えて、飲んでみると、おいしい。
香りは、とにかくりんご。レネッタとコトーニャ。どちらもジャムにするとおいしいのだが、そういう甘い感じが出ている。そして、衰えない。ずいぶんあとになるがバナナも出てきた(悪い意味ではなく非常に美味しい、食欲をそそるバナナの意味)。すごく複雑というのではないが、インパクトが強すぎない程度に、甘くふくよかで、まじめな(日本人らしい?)香りが出ている。味も、甘さ、まろやかさに酸がきれいに生きて、バランスがとても良い。持続性も十分。
さすが日本、とか、日本でもこういうワインを造るんだねーとか、いろいろなコメントをいただいた。甲州を飲んだことがある人はいないし、日本のワインもみんな初めて。非常に良い経験をさせていただいた、ととても喜ばれたのでした。
そして、無事に殻になったボトルは、翌日、大役を果たしてくれました。(これについては6月の終わりごろにまたご紹介します)

I vini senza solfiti

2013-05-18 10:04:57 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
亜硫酸を使わないワイン



自然派ワインがブームである。
ちょうど今日、アブルッツォのワインを試飲していて、あるワイナリーがトレッビアーノの売れ行きが激減、しかし、ペコリーノの売れ行きがすごく、アメリカなどで大人気、イタリアよりアメリカでペコリーノが飲める、と言っていたが、ペコリーノはここ数年の流行である。
そう、ワインは実に流行のある飲み物なのである。
そして、今は自然派ワインの大ブーム。
あちらこちらで、ニセモノ(笑)と本物の自然派ワインが造られている。

亜硫酸を使わないでワインを造る、とコタレッラ氏(リッカルド氏の方)が音頭を取ったワイナリーが26社。そのワインのお披露目試飲会があった。
有名どころから、あまり知られていないワイナリーまで、それぞれが1本から2本程度のワインを持参していた。
ほとんどのワインが2012年、そしてほとんど赤で、白は4種程度。
カプセルにWINE RESEARCH TEAMの名称が入っている。



まず、数の少ない白から飲んでみる。
どれもかなり酸が強い。亜硫酸を使わないと、その分、酸が必要になるのはわかるが、はっきり言ってすっぱい。もちろん、ほとんどが樽からの見本で、完成品ではないということ。しばらくして多少は落ち着くだろうと思うのだが、極端に酸味が強い。思わず顔をしかめるくらい。



赤に移る。
赤も全体に酸味が強く、フルーティーでノヴェッロ風の香りのもの、若干アニマル臭のあるもの、熟したフルーツとスパイスの香りに酸が混じるものなど、結構ばらばら。ただ、どうしても酸と香りのバランス、タンニンと酸のバランスが良くない。
2011年というのを出していたワイナリーがあって、2012年と比べて飲んでみた。結構差がある。2012年は酸味が強く、若さ、フレッシュさがあるが、2011年はだいぶ熟成が進んでいる感じで、普通のワインの1年違いよりは明らかに差が大きい。



他、ちょっとバランスが悪いと思うワイナリーと、まあ悪くないと思うワイナリーともろもろ。
ただ、どれも樽からのサンプルということで、あと少し様子は見る必要はあるだろう。
また、今回は1年目の生産であるが、何年か経験を経て行くうちに良いものになるかもしれない。

さて、余談だが、亜硫酸の話はおいておいて、イタリアの元首相ダレーマ氏のワイナリーのワインが初お披露目だったらしい。ウンブリアのワイナリーで、ご本人も登場。(最初の写真がsfide、D'Alema氏のワイン)
政治家がワイナリーのオーナーに、ということでちょっと物議を醸し出しているが、winememoryをプレゼントした時の対応は非常に紳士的であった。
その他、テレビに登場するジャーナリストなども含め有名人が結構顔を出していて、華やかな試飲会であった。

Ornellaia e Le Serre Nuove 1997-2010

2013-05-17 22:56:16 | Toscana トスカーナ

Ornellaia 1997-2010 14
Le Serre Nuove 1997-2010

オルネッライアとレ・セッレの試飲会が行われた。
このところ、毎日のように何か試飲会があって、うれしく困る悲鳴なのだが、この日もその前にチェレットの試飲会があった。
チェレットの試飲会はそれは盛大で、さすが、という感じなのだが、チェレットのワインはもちろん、シャンパン、ブルゴーニュ、アルザス・・その数いったいいくつ?という感じ、全部飲みたい、でも全部飲んだら大変なことになるというすごいものだった。
オルネッライアの28ワインが後に控えているので、そう飲めない。また、おいしそうなチーズがたくさん出ていたのだが、こちらも控えた。デザートワインは、飲んでしまうと、オルネッライアがまずくなってしまう。そこで、58年ヴィンテージ!と言っている友人を尻目にあきらめた。
こういう盛大な試飲会を同じ日にやらないで欲しい・・・
ところで、チェレットは、これだけ盛大なのに無料。そして、偶然だが、オルネッライアと同じ場所だったため、オルネッライア開始のぎりぎりに上から下に移動したのでした。

そんなわけで、オルネッライアの会場に着いたときには、もうかなりの人が入っていた。上でも(チェレットの方)結構知り合いに会ったが、こちらも知った顔が結構いる。しかし、ぎりぎりの時間だったので、むしろ翌日になって、FBを通して、実はいたのね、という人が何人か出てきた。早めに行っていれば挨拶ができたのだが。

さて、オルネッライアとレ・セッレ、それぞれ14ヴィンテージずつで、合計28ワイン。
AISは、古い方のヴィンテージから飲む。
個人的には新しい方から飲む方が好きだが、こういうときにはこの順番はうれしい。
新しい方から飲んだら、15を越えるころにはいいかげんにわからなくなる。
新しいヴィンテージはまだ飲む機会があるが、あまり飲む機会のない古いヴィンテージに集中したい。
というのも、AISはワインを吐き出してはいけないので、さすがに28ワインの試飲は結構きついのである。
それに、かなり控えたとはいえ、上(チェレット)でフランスワインをかなり飲んだ。
集中力がなくはないと思っているが、20を越えたころには、さすがにいいかげんに嫌になった。

さて、ヴィンテージは1997年から2010年までがそれぞれ。
なお、結構細かくメモは取ったのだが、だいぶ省略。
このところ毎日、本当に毎日試飲会があり、追いつかない。

1997年
澱がすごいが、色はまだ濃く、香りの強さは十分。強さとエレガントさを兼ね備えている。とてもきれいによく熟したワインという感じ。バランスも取れていて、また飲みたいヴィンテージ。
当然、レ・セッレの方もかなり良い。

1998年
残念ながらかなり消えている。すでに飲み頃を通り越した感じ。タンニンはまろやか(過ぎ)、そして持続性がない。
レ・セッレの方は、細く弱弱しい感じでもある。

1999年
98年よりは強さがあるが、やはり持続性がすごくあるとは言えない。鉱物の香りが出ていて、味は酸より塩味が強い。
レ・セッレは、緑の香りが出て、軽め。

2000年
非常に良い。昔、2000年のブルネッロを見たら買え、とか、モンタルチーノの某エノテカが2000年ヴィンテージを揃えているとか言われたが、やはり良い年であるのは間違いない。とても複雑で、深みがあり、ほのかな緑の香りが加わりエレガント。持続性があり、スパイスの香りがきれいに残る。
レ・セッレも非常によく、値段とのバランスはこちらの方が良いかもしれない。

2001年
若干アニマル臭が出ている感じで、酸味の強さが目立つ。
レ・セッレはやや疲れている感じで、アルコールが上がってくる。

2002年
寒い年で、多くのワインが造られなかった年であるが、やはり細い。しかし、この細さはエレガントであるとも言える。ミントやユーカリの香りが色を添える。
レ・セッレも同様に細く、森の木の実の香りがほんのり上がる。

2003年
対照的にかなり暑かった年。フルーツのコンフィやカラメルなど、ふくよかさが出ている。
レ・セッレは、なぜか澱がすごかった。梅としそを感じる。

2004年
バランスの取れた良いワインの多い年だが、とてもきれい。まろやかで、バランスがよく、非常に心地よい。おいしい、と思わずうなるおいしさ。
レ・セッレも同様に良い。

2005年
やや小さくまとまる感じ。個性にちょっと欠ける。
レ・セッレも同じくやや弱く、持続性があまりない。

以下、省略。
どのヴィンテージも、単品で飲んだらおいしいに違いない。素晴らしい、よく熟しているね、とか、良いコメントだらけになると思う。しかし、縦飲みをすると、良い年と悪い年がどうしても出てきてしまう。
ある意味で残念、そして、もったいない話であるが、しかし、やはり貴重な経験になったのでした。

Rossese di dolceacqua Brae 2012 Maccario Dringenberg

2013-05-12 19:37:14 | Liguria リグリア
Rossese di dolceacqua Brae 2012 Maccario Dringenberg


透明感のあるとても綺麗なルビー色。
明るい色が、今時、やたら濃い赤が多い中、ツヤがあってキラッと光り、ちょっとセクシー。某、とても魅力的な友人Cを思い出す。
森の木の実がとても綺麗。そして、小さな赤いバラの花束、女性の香水の甘い香りに男性的な革などのスパイシーなほろ苦さが加わる。
インパクトは良い。程よいボディにほのかな酸味、ここでも森の木の実が主役で綺麗に残り、心地良い。

ローマの老舗エノテカ、トリマーニのパオロ氏が気に入っているリグリアの赤。
セレクションクラスで、出たばかりだそうだが、すぐに気に入った、いいよ~と、ワイン好きがワインを語る時は子供のようになる。
少し冷やせば夏の魚料理にもお勧め。
なお、熟成はボトル、となっている。

Nakone 2011 Tenuta di Fessina

2013-05-06 20:43:30 | Sicilia シチリア
Nakone 2011 Tenuta di Fessina

ローマの老舗エノテカ、トリマーニのパオロ氏のお勧めの白。
最近、気に入ってるんだよね、との言葉。
このワインは飲んだというはっきりした記憶はないが、このワイナリーのワインは何度か飲んだことがある。
そして、ちょっと調べて、Musmeciのワイナリーだとわかった。
Musmeciはなかなかいい。エトナの試飲会でも、飲んだ?なかなかいいよね、と何人かの友人が言っていた。


さて、Nakoneは白、シチリアのシャルドネである。エトナだと言っていたと思ったが、次に会った時に、エトナにも畑のあるワイナリーで、これはセリヌンテあたりの畑との話。(ただし、パオロもちょっとうる覚えだった・・・)

つやのある麦わら色。
冷たいグラスの中で、閉じていた香りが徐々に上がってきて、シチリアの暖かい香りにひんやりした空気が混じっている。柑橘、グレープフルーツ、サマーレモン、そして、やや苦味を含んだ、柑橘の皮のスライスも混じ感じ。ほんのりニワトコ、ジャスミンのような小さな花の香り、そして、緑の香り、香草が鼻につんと来る。奥にはミネラルが控える。わずかだが、乳製品の香りもある。全体にシンプルだが、南のワインらしい強さがある。
味のインパクトは、シチリアらしくかなりしっかりしている。思ったよりボディがあり、ややほろ苦さと硬さを含む酸味がきりっと引き締まっている。塩味と、柑橘系のフルーツの香りがきれいに長く残る。
これからの季節、きりっと冷やして、魚だけでなく、パスタ、野菜、そして、白身の肉料理に合わせてもいい。

Gelato World Tour -Roma

2013-05-06 16:12:22 | もろもろの食べ物

ジェラートのオリンピックというとオーバーだが、2年に一度、というか2年にわたって開催されているジェラート・ワールド・ツアーというのがある。
そういえば、過去にそんなのをやっていたとは思うのだが、情報の動かないイタリアで、FBは実に便利である。今回は事前に知って、ジェラート大好き人間としては、心待ちにしていたのである。
さて、ツアーは、ローマが最初のポイント、その後、7カ国7箇所、合計8箇所で行われ、総得点で優勝者が決まるというオリンピック(?)である。

ちなみに、北米はシカゴ、そして、スペイン、ドイツ、ブラジル、アジアは中国、中東、オーストラリアでの開催で。
余談だが、このところの日本は中国に負けてしまっている。
ホンコンのワイン・エキスポが注目され、Vinitalyにも多くの中国人バイヤーが訪れ、このジェラート・オリンピックのアジア開催地も中国である。
そして、時々、時計を3つくらい並べて「世界の時間」を見せている、たとえばホテルなどがあるが、以前は絶対に東京だった時間が、最近は上海に変わってきている。悲しい。。。
フレー、フレー日本!!


さて、予選を勝ち抜いた16のイタリア各地のジェラテリアの勢揃い。
それぞれが、1種のジェラートを披露する。
リストを見ると、やはり南イタリアが多い。そして、材料にピスタチオを使っているところが多い。
5ユーロ+バス・チケット提示で5種類を試食できる。
最初は全部食べたい!と思ったのだが、ダイエットという強敵が目の前にちらつく。この強敵は手ごわい。そこで、とにかく5種、足りなければさらに5種、というつもりで望んだ。
結局、食べたのは6種。

さて、まずは、友人のお勧め、ローマかなり郊外、スビアコにあるジェラテリアのグランマニエ・クリームを試食。
グランマニエのほのかな香り、オレンジがふわっと混じり、なかなかいい。高級上品系のアイスクリームである。うん、いい。
ジェラートのミニコルソなるものをやっていたので、ちょっと見に行く。子供たちがレモン味のジェラート、ただし、生クリームが入っていないのでスムージーに近いかも?と思われるものを披露。

そして、第2部。
友人が絶対に食べたい、と言ったパレルモのジェラテリアへ。ジェラートのタイトルはザム。ザムとは、アニスベースの飲み物だそうな。
アニス味のアイス。実は、アニスは香り付けに使用されているなら別だが、それだけだとちょっと苦手。リコリースも同じく。
食べ物もほとんどのものが大丈夫であるが、内臓系は苦手、脳みそや、変わった肉は食べたくない。

ここでまた余談だが、この前、FBで回ってきた写真に、犬食いの写真があった。かわいそうで見てられなかった、中国、韓国では本当にいまだに食べているのか。そのために育てた、つまり飼育されたもの、と言うが、戦時中でもないのに、犬を食べる人種の気が知れない。ウサギだって食べたくないのに、犬の肉のどこがおいしくて食べるのだろう。

さて、そのアニスのジェラート。
色は、真っ白。何も、つまり何の粒も、皮も入っていない。雪のように真っ白。見た目はかなり地味である。つまり、食欲をそそる、とか、人の目を引くものではない。
しかし、一口食べると。。。これが素晴らしくおいしかったのである。


原材料に生クリームは入っていない。水と、砂糖とアニスのリキュールのみ。
つまり、シャーベットに近いと言うか、いや、非常に滑らかで、やっぱりジェラートであり、素晴らしくおいしかった。
滑らかさの触感が舌に優しく溶け、程よい甘さと、アニスのリキュールのさっぱり感がのどの渇きを癒す感じ。
おおー!

その後、興味のあったアーモンドのジェラートを試食。これは悪くなかったが、よくできたジェラートを上を行かない。
そして、イタリアらしいクラシカルなピスタチオへ。
ピスタチオを使っているところは、合計4つ。やはりイタリアでの人気素材、そして、投票の獲得数も多いと想像される。うち、最もクラシカルなピスタチオをまず試食。
これが。。。甘かったのである。ピスタチオの味はしっかり、しかし、甘い。イタリアンジェラートは比較的甘いので、イタリアンジェラートが好きな人には受けるのだろうが(そういう客層を狙っているのだろうが)、ちょと甘すぎ。
口直しに水が必要になった。
ここで、ザムのあとは、もう何も要らない、というか、ザムの上を行くものはないのではないかと言う疑問を持つ。
そして、ダイエットという強力なライバルが目の前に立ちはだかり、後3つ、もう1種ピスタチオベールのもの(やはり甘かった)、チョコベースのもの(おいしかったが、ザムの上ではない)を味見して、退散したのであった。
もちろん、味見していないものに素晴らしいものがあったかも知れないが、きっとザムの驚きほどではないのではないかと思う。



写真のジェラテリア、Petriniはローマの新アッピア街道にある。
2008年のチャンピオンで、非常においしい。程よい甘さ、素材の味がしっかり、ピスタチオなどは上品な味わい。
さて、2014年のチャンピオンになるのは誰なのだろう。