在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

マルケ!!

2008-04-30 06:02:00 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
マルケに行きました。
3泊4日、といっても実質は2日半だけど、12人の国際色豊か??なグループで、ワイナリー訪問の旅でした。
マルケ出身の友達がぜーんぶオーガナイズしてくれて、小さな町の市町主催の夕食に始まり、ワイナリーは6社訪問、生産者を含めての試飲は合計8社。
マルケの、それもヴェルディッキオの真っただ中だったので、ヴェルディッキオ、ヴェルディッキオ、嫌でもヴェルディッキオの旅でした。
やっぱりね、というところ、これ~?って感じのところ、なんかこれすごい!というところなどなど、いろいろ。
とても楽しく、有意義な4日間でした。
訪問したワイナリーについては、またアップしていきたいと思います。

写真は、コロンチーノのガイオスピーノの畑のヴェルディッキオです。

”サグランティーノ・ディ・モンテファルコ 2003””モンテファルコ・ロッソ 2005” アンターノ

2008-04-29 00:55:53 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
“Sagrantino di Montefalco 2003” “Montefalco Rosso 2005” Antano -Umbria
とても面白い発見だった。
飲んだことのないワイナリーだったので、ちょっといい、と思っても、最終的に判断するまで間をちょっと置きたい。
で、試飲会で2度飲んだが、これはいける。
ワイナリーをよく知っている友人がいたので聞いてみると、完全ビオとのこと。
嬉しい話である。

サグランティーノから。
品種はもちろんサグランティーノ100%。
色は濃い目のルビー色で、つやがきれい。
香りは、ややアニマルが立つ。つまり若干の臭みがある。フルーツはよく熟してコンフィに近く、黒い森の木の実、革などのスパイスも出る。
味はアタックがとても良い。ボディあり、酸とタンニンがきれいで、バランスよく、後味がとても良い。苦味の強いサグランティーノありがちな渋さが全くなく、フルーツが広がる感じで、とてもきれい。

モンテファルコ・ロッソ。
モンテファルコ・ロッソは、モンテファルコと名前が付いているのは間違えやすいが、サグランティーノベースではないのに注意。
一般にサンジョヴェーゼがベースになる。
これも、サンジョヴェーゼ65%にサグランティーノが20%、そしてメルローが15%入っている。
色はきれいなルビー色。ちょっとおもしろい(つまり興味深い)香り。リンゴ(スターク種)、花(スミレ)、フルーツ(サクランボ、森の木の実)などがきれい。そして、スパイスは、甘草、タバコなど。フルーツとスパイスのバランスが良い。
味は、ボディがしっかりしていて、酸とタンニンがきれいで、こちらもバランスが良い。全体にとても好感が持てる。

もう一つ上のサグランティーノがあるのと、パッシート(デザートワイン)もあるようなので、いつかぜひ試してみたい。

”サグランティーノ・ディ・モンテファルコ 2004” アントネッリ

2008-04-23 23:27:44 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
“Sagrantino di Montefalco 2004” Antonelli –Umbria
サグランティーノは、最初に飲んだとき、なんと渋いものかと思った。
かなり苦味の強い品種である。だから、渋いワインはどうも~と言っている人に勧めてはいけない。
しかし、このアントネッリのは、渋みが酸味に隠れるようで、エレガントであった。
こういう感じなら、サグランティーノは渋くてダメ!と言っている人にも勧められる。
品種はサグランティーノ100%。
色は、深みのある落ち着いたルビー色。
香りは、酸味volatileを感じるくらいで、花は小さなバラ、ゼラニウムなど、フルーツは、レッドベリー、小さな森の木の実など。スパイスはまだ少なめで、奥にややあり。そして、香草。
味は、サグランティーノにありがちなタンニンではなく、酸がきれいに出ている。タンニンの質も良く、酸とのバランスが良い。香りから想像するよりボディがあり、最後のサグランティーノらしい

”リボッラ・ジャッラ・ルッタルス” プイアッティ

2008-04-22 07:31:21 | Friuli フリウリ
“Ribolla Gialla Ruttars” Puiatti –Friuli Venezia Giulia
プイアッティのワインはかなり長いこと飲んでいなかった。
ヴィンテージは確か2005年だったような気がする。
品種はリボッラ・ジャッラ。
色は標準的な麦藁色で、つやがとても良い。
香りは、ミネラルがじわっと出る感じで、変化が結構あり、良い。もちろんきれいにフルーツもあるのだが、それより、ミネラルやスパイス、香草などがきれいで、パフォーマンスが良い中、落ち着きもあり、好感がもてる。
味は、最初、ふわっとまろやかさを感じる。ボディはかなりある。酸、そして、苦味がやや出てくる感じがあり(白なのにタンニンを感じるような感じ)、最初のまろやかさがだんだんと消されていく。持続性はほどよくある。
値段は決して高くなく、その割にパフォーマンスが良い。
うわべだけの華やかさだけではなく、ちゃんと芯を持っている感じで、なかなか捨てたものではないと思った

”リボッラ・ジャッラ 2002” ラディコン

2008-04-11 16:29:43 | Friuli フリウリ
“Ribolla Gialla 2002” Radikon –Friuli Venezia Giulia
一番最初にラディコンのワインを飲んだのはヴィニタリーである。
その頃は、ラディコンもスタンドを出していた。
しかし、その次の年かさらに次の年にはまだ出ていたが、その後はやめてしまった。
そうやって出店しなくなった優良ワイナリーがどれだけいることか。
だから、ヴィニタリーはもう面白くないのである。

その時、赤、白ともに何種類か飲んだのだが、一番印象に残っているのは、メルローの、かなり古い、7,8年はたっているヴィンテージのものだった。
友達の間で、噂が回ってきて、スタンドを探して訪ねていった。
同じ年、友人が協力していたスタンドでも自然派ワインをずいぶん飲んだが、今思い起こすと、自然派ワインとのふれあいの初期だったと思う。
その頃は、何がなんだかよくわからなかったと、今は正直思う。
どうして今頃、こんなに古いヴィンテージを出すのか?
(リリース直後ではないと思ったが、飲み頃を知ってもらう為に出していた感じだったと思う。)
共通して「臭み」がある。
こういうワインもワインなのか?
普通のワインとは大きく違い、では、何が違うのか?
美味しいと言えば美味しいが、それより変わっている、というのが印象だった。
その後、頭の片隅にいつも残っていたとは言え、「一般的な通る道」を通ることとなったので、よりボディのあるワイン、よりパフォーマンスの良いワインに魅かれる時期があった。
バローロで言うと、伝統的よりモダンなタイプ、という感じである。
しかし、そういったワインに飽きてくるようになると、頭の片隅から、再び出てきた。
決して飽きの来ないワイン。体に優しいワイン。自然の恵みとしてのワイン。
今はその良さが理解できるようになった。

こういう自然派ワインを、最後まで好きになれない人はいるだろうが(このところローマで有名になったジャーナリストF. T氏は、「自然派ワインなんて、みんな同じ」と豪語したようだ)、年とともに好きになっていく人も多いと思う。
その時に、経験があるかないかで変わるわけではないが、経験があった方が良いような気がする。
あの時にはこう感じた、今はこう感じる、という比較は面白いものだと思うからだ。
というわけで、初心者には絶対に美味しいと感じないとは思うのだが、一度飲んでおくことをお勧めする。
もちろん、飲むワインは、ラディコンでなくてもいい。グラヴネルでもヴァレンティーニでもぺぺでもいい。自然派ワインの洗礼は早い方が良いと、個人的に思う。

で、ラディコンのリボッラ・ジャッラ。
色は、玉ねぎの皮を濃いめにした色。白だが、皮を漬け込んでる(macerazione)とわかる。
香りは、若干臭みがあるが、自然派好きにはこれが良い、とも言える。パフォーマンスのあるワインのようなふくよかさではなく、ワインの持っているふくよかさ、豊かさが表現されている。複雑で、揮発酸volatileが若干強く、酸化臭が感じられ、オレンジ、丁子、日本人ならわかる(日本人でないとわからない)シソ、梅の香、そして、スパイス臭、ドライ・フルーツ、イナゴマメcarrubaなど。
味は、酸が強い。ボディは、程よく、最近、どーんとしたワインが多すぎるよね~と感じる。白なのにタンニンを感じるくらいの口当たり。持続性かなりあり、タンニンの心地よい渋さが消えたこと、甘さが出てくる。

なお、容量は、研究の末のこだわりで、750mlではなく、500ml。
ボトルの首の直径なども一般のものとは違っている。

”リボッラ・ジャッラ 2007” ロンキ・ディ・チャッラ

2008-04-08 02:49:09 | Friuli フリウリ
“Ribolla Gialla 2007” Ronchi di Cialla –Friuli Venezia Giulia
うちの近くのエノテカ(酒屋)「ディ・ビアジョDi Biagio」は、真夏、クリスマス、復活祭の時期を除いて、毎週土曜日の午後に、立ち飲みの試飲会を開いている。
気軽に誰でも立ち寄れ、たまたま用事があって買いに来た人でも臆することなく何種類かのワインを飲める雰囲気が嬉しい。
その時によって、1社のものを数種提供したり、品種を決めていくつかのワイナリーのものを提供したり、バラバラである。
時にはフランスのワインが出ることもあるし、また、他の試飲会をオーガナイズしている団体と提携したりして催し物を行うこともある。
そして、経営者のアウグスト氏は、とてもgeneroso(心が広い)で、追加ワインを出してくることもままある。
今回も、リボッラ・ジャッラRibolla Giallaというテーマで5種(それでも多い方)が出ていたが、途中で1本追加して計6種となった。

さて、リボッラ・ジャッラはフリウリのややマイナーな品種であるが、個人的に大好きである。
リボッラ・ジャッラの試飲会、と聞いたら、他の用事をキャンセルしてでも行きたい。

ロンキのリボッラは、フリウリのワインにしては値段がかなり安い方で、10ユーロ弱。
その分シンプルなワインであるが、そういうシンプルさが嬉しい場面では大活躍するだろう。
色は、かなり薄め。やや緑がかる感じがあり、とてもツヤがある。
香りは、最初にミネラル、次にスパイス臭を感じるが、あまり強くはなく、ちょっとニュートラルな印象。しばらくするとフレッシュな柑橘系の香りが出てくる。いかにも若い、という感じ。
味は、当然酸が優っている。フレッシュな感じが心地よく、ややほろ苦さがあり、最後にアルコールの熱さ、ふくよかさがやや残る感じがある。
夏の暑い時に、海の幸の前菜と共に飲みたい1本。

”ラ・トッレ・ディ・ニッケ” アレッツォ -トスカーナ

2008-04-07 01:22:47 | レストラン
"La Torre di Gnicche" Arezzo -Toscana
アレッツォは、日本でも話題になったイタリア映画「ライフ・イズ・ビューティフル」の町である。
トスカーナにあるが、高速(1号線)の右にあるせいか(あんまり関係ない??)、比較的ウンブリアに近いせいか、あれ?トスカーナだっけ?ウンブリアじゃなかった?と言う人もいなくはない。
トスカーナは、フィレンツェをはじめとして、あまりに有名どころ満載という感じなので、可哀そうだが、アレッツォで既に、「ややマイナー都市(観光地)」のグループに入ってしまうような気がする。
しかし、とてもきれいな町である。

かくいう私も、長くアレッツォには行ったことがなかった。
初めて言ったのは3年くらい前。友達のMちゃん(今はアフリカ在。元気かな~)がいいとこでしたよ~、「ライフ・イズ・ビューティフル」の撮影の町なんですよ~、と教えてくれた。
映画は、何度見ても泣けるすばらしい映画だと思う。監督、主演のロベルト・ベニーニ氏はオスカーも受賞したが、間違いなく「イタリア映画界の才能ある人物の一人」である。
その彼の出身地がアレッツォ(近郊)。当たり前だが、カンパネリズモ(おらが村一番!)のイタリア人は、どこの町が一番好きですか?と聞かれると、答えは決まっていて、もちろん自分の故郷なのである。
だから、ベニーニが最も好きな町はアレッツォだし、そのアレッツォを映画の撮影に使った。
アレッツォの町を歩いていると、時々、映画の写真、場面のセリフ入りの看板が見つかる。全部で9つあり(だったと思う)、撮影で使われた広場、町角、劇場、小学校前などに立っている。
このワインバーの入り口のすぐ隣も映画の撮影に使われていて、その向かいに看板が立っている。

で、ワインバーの方はというと、ここではイーゾレ・エ・オレーナのキャンティを飲んだから、そこでもちょっと書いたが、小さなお店で、テーブルは7つ位しかない。四角い部屋の白い壁に、ずらっとワインが並べられている。
暖かい日で、ちょっとのどが渇いていたので、ビールで始めたい気もしたが、一応聞いてみるとビールはないと言う。(ワインバーでビールなんて!という人もいるかもしれないが、最近はとても面白いビールを置いているところも出てきたから、決して失礼ではないのである。場合によっては、とても良い出物に出会える)で、ワインリストをお願いすると、ない、と言う。壁に置いてあるのを見てね、と。ワインバーでワインリストがないのも面白いが、小さなスペースなのでこれで十分なのだろう。
ワインは地域別に分けられていて、やはりトスカーナのものが多い。しかし、北のもの、南のものも、ちらっと見た限りではなかなか良い品揃えである。(人が座っていると、じろじろ見るわけにいかないよね~。。。)ボトルにわかりやすく値段が張ってあって、直接ワインを見ながら選べる。

料理の方は、チーズを使った料理が多いが、セコンド(メイン)の中に、グリフィという聞いたこともないメニューがあった。トスカーナは、仕事でもプライベートでも何十回と行っているが、聞いたことがない。面白いものには、できる範囲で(よほど変なものでなければ)挑戦してみたい。何かと聞くと、牛のほほ肉の煮込みだという。かなりボリュームのある料理。出てきたのは、小さなお皿に入った美味しそうな煮込み。量はやや少なめだが、これくらいがちょうどいい。ゼラチン質のプリンとした触感と、良く煮込んだ肉の柔らかさが絶妙であった。
日本だとマッシュポテトなどと一緒に食べるのだろうが、こちらでは、トスカーナの塩なしパンと一緒に食べる。冬の寒い時、お腹が空いている時にはとても嬉しい一品だと思った。
ところで、今では、牛のほほと言うと結構高級系部位に入るのかもしれないが、近郊の市の中心地アレッツォで、余りものの部位を使って作り始めたのが起源というから、もともとはピアット・ポーヴェロ(貧しい農民の料理)に入る。また、グリフィとしてメニューに載るのはアレッツォだけとのこと。つまり、典型的なアレッツォ料理ということになる。
なお、前日に食べていたので、ハム、サラミ頼まなかったが、間違いなく品質の良いものを出すと思う。
テーブルにさりげなく置いて行ったオリーブオイルも、地元のものでとても美味しかった。(こういうところで、酸化してしまってるオリーブオイルができてたら興ざめだが、結構あり得る。。)
トスカーナ典型的料理リボッリータも美味しかった。
こういう、シンプルでも質の良いものをさらっと出す感じがとても良い。
もちろん値段も安くて嬉しい。

”ヴィニェート・カ・ブリオーネ 2001” ブレセスティ・グイド

2008-04-06 18:01:39 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“Vigneto Ca' Brione 2001” Bresesti Guido -Lombardia
これもS氏の「あまり趣味の良くないラベルのワイン」に出てきた、強烈なラベルのワイン。
最初の印象はカラーコピー?? でも、きっとワードで造って印刷、が正解のような気がする。
まあ、生産数が少ないから仕方がないというか、それなりに頑張ってラベルを造り、多少皺が寄ってもがんばって(?)張っているのがわかる。
見ようによっては、かわいい手作りラベルとも言えなくない。

肝心なワインの方は、ヴェルテッリーナで造られるネッビオーロのワイン。ネッビオーロは、バローロ、バルバレスコの品種で、地元ヴァルテッリーナではキアヴェンナスカと呼ばれる。
色は、2001年ということもあってガーネット色で、爪はオレンジ色。かなりの澱が見れる。
香りは、アニマル臭をはじめとして、結構臭みがある。面白い香りが多く、リコリース、キノコ、トリュフ、オレンジ、丁子、ゴム、オリーブ、肉、タバコ、バルサム臭、土、血など。でも、香の変化が大きく、決して悪くない。
味は、酸がきれいに出ている。タンニンはまろやかになり、かなりデリケート。塩味があり、後味も決して悪くない。

”キャンティ・クラシコ・リセルヴァ・ドッチョ・ア・マッテオ” カパルサ

2008-04-05 17:58:36 | Toscana トスカーナ
“Chianti Classico Riserva Doccio a Matteo 2004” Caparsa –Toscana
S氏主宰の試飲会のある日のテーマは、「あまり趣味の良くないラベルのワイン」だった。
こういうテーマを持ってくるとはS氏らしいのだが、おかげで、変なラベルに変なワインが集まっていた。(ワイナリーには失礼だが。。。)
ラベルで中身を判断してはいけないが、確かに、もう少し良いイメージを持ってもらうためにはラベルのデザインは重要だと思う。(立派にデザイナーという職業もあるわけだし。)
手書き風のラベルは他にもあるが、まあ、確かに、ここまで殴り書き風だと。。。うーん。。縦と横とが一緒だし、まあ、ご愛敬かも。。
でも、こういう殴り書き風がいいね~、と思う方もいるとは思うが。。

で、中身である。
キャンティ・クラシコの、それもリゼルヴァ。なんと値段は7ユーロ。これなら悪くないかも、という中身であった。
品種は、サンジョヴェーゼ主体だが、かなりの濃い色あいから、コロリーノは混ぜっていると思う。
色は、グラスにべたっと色が残るくらい濃いめのルビー色。
香りは、血と土と革。もちろん、熟した黒い森の木の実、ブラックチェリー、丁子、チョコ、バルサム臭、カカオ、黒コショウなどがある。飽きない程度に変化あり。
味は、アタックがドーンと。ボディあり。タンニンはやや粉っぽさがある感じだか、酸とのバランスは良い。強さのあるワイン。
7ユーロでこれなら悪くない。トスカーナの野獣の煮込みにはぴったりと言える。

ローマのバス・地下鉄チケット自動販売機の怪

2008-04-05 17:44:40 | もろもろ、つれづれ
Macchinetta di biglietto di metro ed autobus a roma
ローマに長く住んでいても、あまりバス、地下鉄に頻繁に乗らなければ、知らないことかもしれない。
ローマのバス(地下鉄も共通、1回券1ユーロ)のチケット販売機は、おつりが「4ユーロ」までしか出ないのである。
え~??それは詐欺だ~!とある人は言った。確かに、日本だと「詐欺」になるかも知れないと思うが、イタリアはこんな国なのである。

最近は、嬉しいことに販売機も新型が増えた。
旧型は、壊れているものが多かったし、よく壊れたし、ちゃんと確かめてでないと使うのが怖い代物だった。
だから、へたなリスクを負うより、新聞スタンドやタバッキ(タバコ屋)で買った方が早く確実なので、こちらに住んでいれば、販売機を使う頻度は決して高くない。だから、おつりうんぬんなんてことを長く知らなくても、あまり不思議はない。
ちなみに、機械をちゃんと確かめるというのは、何台かある機械のうち、「誰も並んでいない機械」では買わないということ、それとなく買っている人を覗き見て、正常に作動しているか確認することである。しかし、基本は、目の前にタバッキと機械があったら、必ずタバッキの方に入ることである。
おっ、空いてる。こっちの機械は誰も並んでないじゃん、なんて思って買うと、入れたお金が返却されればいい方で、そうでないと機械が「貯金箱」になっている。入れたのが1ユーロならがまんできるけど、5ユーロや10ユーロじゃ、泣きたくなる。
そうなると、機械をドンドンと叩きたくなるのが人間の常で、昔は、あちこちでこの光景が見られたものだ。(という私も、よくやった。これでたまに、お金が出てきた。叩かれていたものは、公衆電話が一番多かったが。。)
そういう意味で、複数のチケットを買う際、まず、1ユーロを入れて、1枚だけ先に買って作動するか確認するというのも、防衛手段の一つである。

さて、小銭がない場合、紙幣は何が使えるか見る。
ここで、お、50ユーロも使えるじゃん、と思ったら甘い。1週間券(16ユーロ)を何枚か買うなら別だが、そうでないと、高~い買い物をすることになる。
1枚買うのに、10ユーロ紙幣も入れてはいけない。
新型機械で、「おつりは4ユーロまで」の表示がだいぶ大きくなったが、気が付かないと泣き寝入りすることになる。
そういう意味では、今も昔も、チケット販売機は「貯金箱」的なものかも知れない。
ローマに旅行する方は、十分気を付けてください。

写真は1回券。(デザインはいろいろある。)

”キャンティ・クラシコ 2003” イーゾレ・エ・オレーナ

2008-04-04 00:18:34 | Toscana トスカーナ
“Chianti Classico 2003” Isole e Olena -Toscana
アレッツォで入ったワインバーは、ワインバーというのにワインリストがなかった。
とても小さくて、真四角の造りの壁にずらっとワインが並んでいる。
地域別に並べてあるという。
たまたま座ったところの後ろの壁には、モンタルチーノとキャンティが並んでいた。あっちの方をみるとベネトのワインやら、南イタリアのものやらいろいろとあるが、人が座っているのを、ちょっとごめんなさい、と割り込んでワインを見るのもなんだし、トスカーナにいるわけだしで、キャンティではやや平凡だが、後ろの棚から選んだ。

キャンティのワイナリーの中では、とても好きなところの一つである。
そして、ヴィンテージは2003年と、少し経って飲みごろになっているのが良い。
品種は、サンジョヴェーゼ80%、カナイオーロを含めた他の品種20%。
色は、若干の透明感を含むガーネット色。きれいなサンジョヴェーゼの色。
香りは、ドライのスミレ、熟したフルーツの香り、スパイス臭、タバコ、リコリース、革などが立ち上る。主張し過ぎず、どーんとしたワインに慣れていると一瞬物足りなく感じるくらいだか、そこが良い。複雑性を帯び、ふわっと広がる。
味は、最初、口に含んだとき、とても優しい。控え目な感じがあるが、しっかりした芯を持つ。タンニンの質も良く、スパイス臭が長く残る。
こういうワインを、美味しい食事とともに、決して気取らずに飲めれば最高である。そして、そこによき友がいればささやかな至福の時である。

”ドルチェッド・ドヴァダ・リ・スカルスィ 2005” ジュゼッペ(ピーノ)・ラット

2008-04-03 01:26:33 | Piemonte ピエモンテ
“Dolcetto d’Ovada Gli Scarsi 2005” Giuseppe (Pino) Ratto -Piemonte
非常に不思議な味である。
自然派ワインなので、変わっていても不思議はないが、それにしても、不思議なワイン。
70年ものの畑、スカルスィの畑のドルチェット。70年の樹齢は冷静に考えるとかなりの年齢。それもドルチェット。

色は、透明感のある明るいきれいなルビー色。
香りは、かなり甘く、イチゴ、それもイチゴジャム、イチゴ味ガム、お酒に漬けたチェリーの香りなど。とにかく、アルコールがぷんぷんである。そして、酸化臭。マデイラとまでは言わないが、なんとなくすえたような香りがある。その他、コショウ、洋梨(赤なのに)など。
そして、味は、日本酒風。そう、ワインなのに、赤ワインなのに、日本酒風の味なのである。香りも、そういえば、アルコールが立ち、すえた感じと立ち上る甘さ。。日本を思い出してしまった。もう少し寒ければ、一緒におでんが食べたいとか。。
アルコールの熱さが甘さを感じさせ、酸はあるが、ちょっとおさえられ気味、苦味が残る感じがあり、最後にまたアルコールの熱さが続く。
悪いわけではない。賛否両論、好みの完全に分かれるワイン。

”ペコリーノ・ウニコ” テヌータ・ウリッセ

2008-04-02 21:08:36 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
“Pecorino Unico” Tenuta Ulisse –Abruzzo
再びペコリーノを飲む機会があった。
しかし、ブラインドで飲むと、まるでソーヴィニオンのようだった。
確かに、緑くささがソーヴィニオンを思わせるのだろう。それとなく臭い感じが、猫のおしっこ臭とは言わないまでも、ある種のソーヴィニオンらしい感じでもある。
ペコリーノ→羊→緑の草、ということになるのか。
ところが、ペコリーノだった。
最近、アブルッツォでは、ペコリーノが流行りである。
土着品種に注目が浴びている中、これから良いものが出てくることを期待したい。

色は、やや緑がかる麦藁色。
香りは、サルビアなどの緑の香りに、グレープフルーツが混じる。他は、黄色の花、白桃など。シンプルだが、きれいな香り。
味は、アタックにまろやかさを感じ、その後、すぐに酸が出てくる。ちょっと硬めの酸。ボディは普通で、塩味が結構ある。サルビア風のほろ苦さが残るが、持続性はまあまあ。

ヴィンテージの記載はなしの為、2006年と推定。
なお、ボトルは、ガラス栓だった。意外や意外、こんなところまで普及しているとは。。
ところで、ウニコと名前を付けるとは、大胆な。。と思ったのは私だけ??
まあ、あのウニコとは間違えようがないが。。


4月の魚 -エイプリル・フール

2008-04-01 20:44:21 | もろもろ、つれづれ
pesce d'Aprile
今日は、魚の日である。
4月1日のエイプリル・フールを、イタリアでは何故か「4月の魚」と呼ぶ。
何故魚なのか、と言われると、おそらく誰も説明できないと思うが、肉でなく、野菜でもなく、魚なのである。
しかし、クリスマス・イブのように、特に魚を食べるわけでもない。

子供の間で行われる、たわいもない、一番一般的なジョーダンは、魚の絵を描いた紙を背中に張り付けることだろう。
厚着をしていると気が付かないのか、かわいそうに、どんくさいというレッテルを張られてしまうかもしれない。
日本ほど、子供たちの間に強烈なイジメがないのが救いだが。。

”オルヴィエート・カンポ・デル・グアルディアーノ 2003” パラッツォーネ

2008-04-01 16:28:58 | Marche, Umbriaマルケ、ウンブリア
“Orvieto Classico Campo del Guardiano 2003” Palazzone –Umbria
イタリアに来たばかりのころ、ずいぶん飲んだオルヴィエート。
ローマ近郊のワイン産地と言えば、フラスカーティ(白ワインの産地)が一番有名だが、ウンブリア州に入るとはいえ、車でほんの1時間ちょっとで行けるオルヴィエートのワインは、すっかりローマっ子の日常ワインとして定着していたので、よく飲んだものだ。
フラスカーティもそうであるが、水のように、ごくごくと飲める。
きんきんに冷やして飲むと、おいしい。
食べ物は、肉でも魚でもこだわらない。
という飲み方が一般的だった。
(今考えると、ちょっと恐ろしい気もする。。。)

ここ数年、記憶にある範囲では全く飲んでいないオルヴィエートを久し振りに飲んだ。
ウンブリアのとあるワインバーで、注文したものを見て、ソムリエが決めてくれたワインである。
こういう場合は素直に従おう。
肉、魚両方のメニューが入り、軽め、ちょっと重ためも入っていた。そして、白という注文を付けた。
一瞬、うーん、と考えて、肉でも魚でも良く、程よいふくよかさ、しっかりしたボディもあり、アルコール度も高いので肉料理にも満足感がある感じのワイン、ということである。

パラッツォーネは、程よい値段の赤、白、デザートワインを幅広く造っているワイナリーである。
そういう意味で、ちょっと飲むのに外れがない。
久しぶりのオルヴィエート。
品種は、プロカニコ50%、グレケット25%、その他25%。
アルコール度13.5%で、水のようなオルヴィエートとはちょっと違う。
色は、普通のオルヴィエートよりかなり濃いめ。
香りがとてもきれいで、なかなかのパフォーマンスがある。熟したフルーツの香りがきれいで、ほんのりアカシアのハチミツの香りも漂う。ミネラルなども含み、なかなか複雑な香りを出している。一瞬、樽使用かと思うが、樽は使っていない。
味は、ふわっと広がりがあり、ふくよかで、ボディがしっかり。後味にオルヴィエートらしいほろ苦さ、ミネラルが感じられる。持続性もよく、ほろ苦さが心地よい。
肉料理でも十分合う白ワイン。オルヴィエートだから、値段も決して高くないのが嬉しい。