在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

ワインを語ろう 第3回目 フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州のワインの紹介

2021-10-19 19:56:40 | Friuli フリウリ
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州のワインの紹介




すみません。前後しました。。。こちらが3回目の記事です。

今のところ、4回目のシチリアまでアップされていますので、その後は、アップされ次第紹介させていただきます。



フリウリ・ヴェネチア・ジュリア州のワイン


フリウリのキーワードは、

⭐️ 白ワインの品質はイタリア1!

⭐️ 皮の漬け込みをしたものなど、濃厚な白ワインも多い

⭐️ オレンジワインや、素焼きの壷を使ったワインが面白い

⭐️ デザートワインに希少ワインもある




Vintage Tunina 2002 Jermann

2018-01-03 22:52:17 | Friuli フリウリ
Vintage Tunina 2002 Jermann



新年の朝、日本からの電話で起こされた。
仕事。
30分後には家を出て、そのまま、1日10時間以上の仕事体制を3日続けている。
明日(あさっても)は、その半分の5時間で終わりたいものだ。

さて、1日には何を開けよーと考えていたのが宙に浮き、そんなヒマなし。
第一食事をするヒマもない。

そこで、やっと今日(3日)になってワインを開けた。
正確には開ける気になった。
あまりの忙しさに、ハチャメチャ、適当なワインを取り出し、開けたのがこれ。



2002年。

ヴィンテージ・トゥニーナは、まだ90年代のものが何本か眠っている。
2002年は、後世に残るほど悪い年だった。
夏は震えるほど寒く、雨。
そこで、いい加減に開けてしまおう。

一瞬、ブショネか?
確かにわずか、ブショネがあるのは認める。
うーーん、ここで捨てるのは惜しい。。。

グラスを回すと、ちょっと捻たパイナップルの香りが甘い。
ちなみに色は、明るく濃い黄金色。
スパイスの香りもある。
全体に、すごく複雑とか、香りが長いとかはないが、甘さが際立つ。
アタックもパイナップル。甘い。(糖分ではない)
酸味がやや甘さを打ち消してくれるのが嬉しいが、余韻もパイナップル。
パイナップルジュースを飲んだ感じのフィニッシュが、嬉しいか悲しいか、見事に綺麗に続く。+++

残りの90年代も早く開けよー
と言いながら、まだあと数年そのまま眠るかもしれない。。。



Gravner Bianco 1991 Gravner グラブネル ビアンコ 1991

2017-12-10 09:17:06 | Friuli フリウリ
Gravner Bianco 1991 Gravner



先日ワイン会をしたお宅のカンティーナに眠っていた1本を開けさせていただいた。

心から感謝。

義理のお父様所有のカンティーナとのことで、地下に結構な数が静かに眠っていた。
90年代のものが多いが、中には80年代もかなり、もっと古い60年代のものもあった。

どれか開けましょう、との光栄なお言葉。

ワイン好きにとって、美味しい(だろう)と思うワインを開けられること以上の喜びはない。

そして、その美味しい(だろう)と思うワインは決して高級ワイン、超有名ワインとは限らない。

もちろん、ドンペリの古いのを開けましょう、と言っていただけると大変嬉しく(先日、ある方のお宅で、大変ごちそうさまでした)、サッシカイアの80年代は、さすがにもう持っている方は少なくなり、こういった貴重ワインも心から嬉しいのだが、それだけとは限らない。

面白いワイン。
これがまた興味をそそる。

グラヴネルの古いラベルを見つけた。
見ると1991年、私が最も面白いだろうと思ったのがこれ。

光栄にも、開けましょう。
いいんですか???

もうラベルがすっかり変わってしまっているので、このシンプルなのが懐かしかったのだが、そう、この時代はまだ「テーブルワイン」。(笑)

品種はいくつかをブレンドし、アンフォラ(素焼きの壺)ではない。



色は、輝くような黄金色。艶がとても綺麗で、見事。
25年以上経っているのに、全く衰えが見えない、というか、25年以上経って、ますます輝きが増している、という感じ。

香りは当然複雑で、なんでも入っている。
ドライフルーツが強いのは当然だが、はちみつ、カラメル、ミルク、カカオ、そして柔らかいミネラルなどなど、ゆっくり、あくびをしながら出てくる感じ。
味も見事。すっと入った方と思うと、すぐにふわっと広がり、このくらい経ったワインに良くあるツンとした酸味はなく、口の中にワインがまとわりつく。至福。
余韻は当然長く、その後、食事を続け、デザートも食べ、実は、帰り道、ふっと香りが上がってきた。
もう軽く1時間は経っているのに。

お見事でした。

そして、感謝。
ここまでとっておいていただいた方に、開けさせていただいた方に、そして、ワインを造ったヨスコ・グラヴネル氏に。

やっぱりワイン好きはやめられない。。。
(これをただの呑兵衛とも言う)


Piere Sauvignon 2014 Vie di Romans

2017-12-04 13:44:53 | Friuli フリウリ
Piere Sauvignon 2014 Vie di Romans



ひさびさにイタリアにいらした友人を家にお誘いして開けた1本。

もう少し取っておいても良かったのだが、2年程度家に置いておいて、ちょうど飲み頃になっていると思ったらその通りだった。



ヴィエ・ディ・ローマンスは綺麗なワインを造るので大好き。

これも、まさに、透き通るという表現がぴったりなくらい、優雅で、繊細で、見事に洗練されていた。
(ラベルも品が良い)

リリースされたばかりだと、味わいがちょっと物足りないくらいだが、やっぱり数年の熟成を経ると、白は絶対に美味しくなる。
2014年だから重たすぎず、やや軽めの仕上がり。
ソービニオンのコクが増して、満足。++++(+)

やっぱり、白は数年置いて飲むに限る。

こちらのソーヴィニオンは樽使いではない方。
樽が好きな方は、Vierisを。
私は樽使用ではない方が好みなので、Piereの方が好き。

なお、今は、PIere Sauvignonではなく、単にPiereになっているよう。
樽使いのソーヴィニオン、Vierisは、シャルドネで似たような名前のがあるので(Ciampagnis Vieris)があるのでご注意を。 

間違って買ったら品種が大違い。(笑)

VinOro 2014 Gaspare Buscemi

2017-07-11 17:21:04 | Friuli フリウリ
VinOro 2014 Gaspare Buscemi




ちょっと忙しくなると、というかすごく忙しいのだが。。。全く何も書けなくなる。
ワインは飲んでいるが、この状態では書く気にもなれない。

さて、すこーーーーーーーしだけ時間ができて、ローマではピカイチの肉屋、ロベルトのお店に行った。

そこでワインを数本購入。
帰ってすぐに開けたのがブジェーミ。

すぐにビオとわかる香りだが、そこまで強くはない。
熟した柑橘の香りが若干、あとは白いフルーツの香り、結構しっかりしたミネラル、10ユーロもしないワインだから、シンプルかつ単純な面はあるが、とにかく体に優しいですよーーーーという香りがする。
インパクトも優しく、でもしっかりとした面も見せ、酸味もあるが、きつくはなく、ビオらしい香りが残る。程よい長さ。

こういうワインを毎日飲みたいのだけれど。
同じくロベルトのところで買った肉をちょっと焼いて、この暑い夏を乗り切る。

ブシェーミはマルコのところにも置いてあるが2種類しかない。
ブシェーミの、安いランクのワインだが、この暑さではこれで十分。

Perle d'Uva fondo...in fondo imbottigliato nel 2011 di Gaspare Buscemi

2016-12-25 21:21:20 | Friuli フリウリ
Perle d’Uva fondo..in fondo 2011年ボトル詰め Gaspare Buscemi



ブシェーミのお手頃ワイン。
スプマンテではなく、発泡性ワインで、王冠。コルク栓ではない。
マルコのところで残っていたのか(ブシェーミを喜んで買う人は少ない。。。。)、2011年の秋にボトル詰めしたもの、とラベルに記載がある。
つまり、収穫は2009年か2010年の物で、5年以上は経っていることになる。

スプマンテではなく自然の発砲酒、つまり、糖分を添加せず、自然に持っている糖分で発酵、発生した炭酸ガスを閉じ込めた物。だから、アルコール度も12%とかなり低い。
最近流行りのコル・フォンドで、濁りがある。

色はかなり濃い。
香りはすぐにビオだとわかるが、ビオ独特の臭みが強すぎるほどではない。
若干田舎っぽい、つまり洗練されている香りではないのだが、この荒削りな感じが良い。白でも、マセレーションをしてますよ〜という香りで、嫌いな人も多いだろうと思う。特に、軽め、キリッと引き締まったワインが好きな人には受けないだろうと思う。
しかし、この臭み、フルーツの香りに程遠く、スパイスでもない、ミネラルでもない香りが、ビオワインを好きにななるとやすらぎの香りにも感じる。
12%なので軽く、さら、ごく、グビ、と飲める。
酸味もほどほど、タンニンの存在感もほどほど、余韻は実は結構長い。+++

一人でちびっといくワインは、こういうワインが嬉しい。

評価の高いワインだけを見ている人は絶対に買わないワイン。
自然派ワイン好きでも、こういうマイナーなワインはやはりちょっと番外編かも。
でも、この軽さ、田舎っぽい感じが時には良かったりする。

なお、Perle d'Uvaとなると結構値段が高くなり、軽くちょっと開けるという感じでなくなるが、こちらのfondoの方は品質と価格のバランスが抜群。

Piere Sauvignon 2006 Vie di Romans

2016-11-22 10:30:01 | Friuli フリウリ
Piere Sauvignon 2006 Vie di Romans




ヴィエ・ディ・ローマンスは個人的に好きなワイナリー。
そして、ソーヴィニオンも好きな品種。
なんとなく買って、置いておいたボトル。

ちょっと好きなワインを開けたい気分になりワインクーラーを見回すと、あーあれもあった、これもあった状態。
ふっと目についたのがコレ。
ちょうど10年。
どう変わっているか。。。

白をかなり置いて飲むのが好きとはいえ、10年。

実は、同じ夜、立ち寄ったいつものマルコのお店で、シルバーネルの2008年というのを飲んだばかりなのだが、その勢いも付いて、超熟白の夜になった。

なお、ヴィエ・ディ・ローマンスは、樽と樽なしのソーヴィニオンを造っているが、これは樽なし、ステンレスの方。

色はかなり濃く、黄金色になっている。

かなり複雑な香り。スパイス系のピリッとする香りが最初に出るが、グラスを回すとすぐに甘い香りが出てくる。よく熟したフルーツからトロピカル、苦味のあるオレンジのマーマレード、ほのかに蜂蜜、そして、フメ風のやや煙たい香りも混じる。
べたっとした甘さがなく、よく熟した白ワインの香りに仕上がっている。

アタックは優しく、酸も柔らかい。塩味の余韻と甘い味わいが交差しながら続く。

ソーヴィニオンの、青味がかった感じ、キリッとした酸味がなくなり、もう少し早く飲んでもよかったと思うが、またこれもワインの楽しみの1つ。+++(+)


Ribolla gialla 2010 Klenec Medana

2016-09-25 12:22:12 | Friuli フリウリ
正確にはスロベニア
Ribolla gialla 2010 Klenec Medana



友人のルカが久々に家で何か開けよう、と言うので、私は1本持参、そして、彼のカンティーナから何かを選ぼうということになった。

私の持参したワインは、(自画自賛ではないが)それはそれは素晴らしかったステファノ・ベルティのエミリア・ロマーニャのサンジョヴェーゼ。
いたって普通のワインなのだが、大変気に入っていて、絶対にこれは素晴らしいものになると確信していた。
とは言え、さすがに15年も経つと不安になっていたワイン。

ルカならダメになっていたとしても、何持ってきたの??とは絶対に言わないので、一か八か持って行ったのである。

ルカの方も、マイナーなワインを数本選んでくれていて、中から、多分知らない?いや、飲んだことがあるかもしれないがよく覚えていないワインを選んだ。
バリバリのビオワイン。

ビオワインはかなり飲んでいるとは思うが、マイナーな物も多く、また、試飲会で飲んだだけだと、ラベルも名前も覚えていないことが多い。
ビオの有名ワイン、また、それはそれは特徴があるというものは別にして、やはり残念ながら覚えきれない。

さて、そこで、ラベルを見たことがあるような気がしないでもないが、というワインにした。

これで、赤と白、1本づつ。



ビオ、バリバリのビオと言うが、なるほど、色は濃い。マセレーションをかなり長くしているというのがわかる。
香りは、バリバリビオに良くあるアニマル臭、野菜臭などはしない。ひと嗅ぎですぐにビオだとわかるが、落ち着きのある綺麗な香りで、ミネラル臭が強い。
辛口の真面目な、まっすぐな香り。そして、タンニンがあるね〜とわかる。思うより複雑で、香りの変化が早い。
味も酸味が極端に強いわけではなく、程よい程度、そして、タンニンを感じる。持続性は申し分ない。
その後何時間かたっても、赤もそうだったのであるが、全く衰えることなく、素晴らしい複雑さと持続性を保っていた。++++(+)

その後赤ワインを試飲し、また白に戻ったわけだが、赤の後でも、全然見劣りしなかった。
何度も白と赤を行き来しする。
どちらもいい。
そして、どちらも全く色あせることがない。
こちら(白)を飲むとこちらのワインの特徴や良さが際立ち、あちら(赤)のワインを飲むとあちらの良さと特徴が感じられ。。。
全然共通点のない2本のワインだったのだが、不思議な調和を醸し出していた。

こういうところがワインの楽しみ。
だからワインはやめられない。

Bressan Pinot Nero 2006 e Schioppettino 2010 ブレッサン ピノ・ネーロ2006とスキオペッティーノ2010

2016-06-24 22:24:51 | Friuli フリウリ

Bressan Pinot Nero 2006 e Schioppettino 2010




フルヴィオと友人の友人がいる。
何を思ったのか、いつもの場所に行ったら、2本目のピノ・ネーロを開けていた。
10年前のブレッサンのピノ・ネーロがどこからか出てきてしまうのが、このワインバーなのであるが、どうも2本で打ち止め、3本目はなかったよう。
そこでガラッと変わって、同じブレッサンでもスキオペッティーノの2010年となったのだが、ピノ・ネーロの10年もの(笑)もまたどこかから出てくるかもしれない。

フルヴィオのワインは、線香、というと和風のもののイメージしかなくなるかも知れないのでちょっと違うが、憩いの香り的な線香の香りがする。
他にコショウなどのスパイス。そして、ミネラル。
可愛らしいフルーツの香りがするわけではない。
インパクトは一瞬優しさを含み、その後、フルヴィオのワインらしい存在感、そして、綺麗な酸味。余韻は、香りで感じたスパイスやブラッドオレンジ、線香の香りが残る。

ピノ・ネーロはそれでも花の香りやフルーツの香りを含み、よりノーマル(笑)なのだが、イタリアの愛らしい、逆に言えばイタリア的な甘さが鼻に付くピノ・ネーロとは全く違う。

スキオペッティーノの方は、存在感がかなりあり、フルヴィオの顔が出てくる、「うまいだろ〜」と言っている顔が浮かんでくる感じ。

嫌いな人は嫌い。だいたい値段がかなり高いので、わざわざ飲まななくてもいいと思っている人も多いだろうと思う。
しかし、自然派好き、また、フルヴィオのダイナミックで、インパクトあり、かなり極端な性格を知っている人は、フルヴィオが造ってる〜というだけで、飲みたくなったりもする。

さすがにブレッサンが3本空き、その後、ナイトキャップはヴァイラのネッビオーロとなったが(これまたガラッと変わって、かなりノーマルになった。。。)ヤツが「乗る」とこういうダイナミックな夜になるのである。

6 Pinot grigio ピノ・グリジョ 6種 ヴィエ・ディ・ローマンス、ノヴァチェッラ 他

2016-05-23 13:15:16 | Friuli フリウリ
6 pinot grigio
Schiopetto 2014
Di Lenardo 2015 Gossip
Livio Felluga 2015
Ronco del Gelso 2014 Sot lis Rivis
Abbazia di Novacella 2015
Vie di Romans 2013 Dessimis



いつものエノテカでの土曜日の無料試飲会。
また今回も6本。
ホント、ここまで大判振る舞いのエノテカは、今時はそう多くはないと思う。

気軽に行けるし、誰でも参加できて、たいてい何か買うが、強制ではないし、買わなくても文句も言わない。時間にもゆとりがあり、好きなだけいることができる。もちろん、1-2種類しか飲まなくてももちろんOK。
そこで、買い物ついでにちょっと試飲という近所の方々も結構やってくる。

それぞれのワインのインフォメーションまで用意してくれている。
オーナーのアウグスト氏も、息子のマルチェロ氏も本当に良い人。
彼らとのワイン談義もとても面白い。

さて、今回はピノ・グリジョ。

フリウリとアルト・アディジェに多い品種で、今回は、5種がフリウリのもの、1種がアルト・アディジェのもの。



Schiopetto 2014 フリウリ
すごくデリケート。アルコール度も12度と低く、インパクトがあるワインではないが、かえって、今時はこういうワインの方が新鮮に感じる。香りは強くなく、グラスを回してフルーツがやっと出てくる感じで、奥にはミネラル臭があるのがわかるが、前面に出てくるわけではない。
味も同じくシンプル。デリケートで、強さがあるわけではないが、余韻はきれいで優しい。++(+)

Di Lenardo 2015 Gossip フリウリ
18時間のマセレーションというこで、若干色が付いているタイプのピノ・グリジョ。華やかで、花や小さなフルーツなど、甘い感じが上がってくるが、全体にシンプル。複雑なわけではない。ボディがあり、余韻が消えた後に、残念ながらほろ苦さが残る。++

Livio Felluga 2015 フリウリ
さすが、フェッルーガ、香りがかなり魅力的。万人に受けるタイプ。モモ、ややビタミンを思わせるような香り、比較的柔らかい感じのミネラル臭にグリーンがさっと香り、程よく複雑で、とてもきれい。ボディもしっかりあり、酸と塩味がバランス良く余韻に残る。持続性も申し分なく、満足感あり。++++

Ronco del Gelso 2014 Sot lis Rivis フリウリ
ちょっと樽香が強すぎ。奥に、きれいに熟した甘いフルーツの香りがあるのはわかるが、かなり隠れてしまっている。しっかしりした香り、味も、ボディがあって、酸が効いていて(若干不釣り合いな印象)樽の香りの余韻と一緒に残るのだが、とにかく樽が前面に出すぎ。ただ、白ワインで樽香の聞いた感じを好む人もいるので、その場合は良し。++(+)

Abbazia di Novacella 2015 アルト・アディジェ
一部に樽を使用している。が、樽の香りはほとんど感じられず、とてもバランスがいい。柑橘を含むフルーツ、白い桃など、程よい華やかさで、かなりきれい。味も程よいボディと酸と塩味のハーモニーが心地よい。持続性も申し分なし。++++

Vie di Romans 2013 Dessimis フリウリ
きれいなワインで定評のワイナリー。樽を使っているいるワイン、使わないで透き通るようなワインも造るが、これは樽を使っているバージョン。
さすがに貫禄がある。やや樽香が出過ぎの感があるが、ローマンスらしく、強さの中に上品さがある。花、フルーツ、明るい色のベリー系の香りも出ている。柔らかい香りが心地よい。味の方はしっかり樽香を感じるが、出しゃばってはいない。持続性も良く、余韻にほんのり樽香が残るので、樽が嫌い、という方には向かないかも。++++


ピノ グリージョ アバツィア ディ ノヴァチェッラ 2014 白 750ml
アバツィア ディ ノヴァチェッラ(TUSCANY)
アバツィア ディ ノヴァチェッラ



フェルーガ ピノ・グリージョ 白2013
フェルーガ
フェルーガ

6 Sauvignon blanc : Vie di Romans, Terlano ecc. ソーヴィニオン 6種 ヴィエ・ディ・ローマンスなど

2016-05-10 16:13:18 | Friuli フリウリ
6Sauvignon:
Pascal Jolivet 2014 フランス
Di Lenardo 2015 フリウリ
Livio Felluga 2015 フリウリ
Cantina Terlano 2015 Winkl アルト・アディジェ
Vie di Romans 2013 Vieris フリウリ
Saint Clair 2015 Marlborough Premium ニュージーランド





ソーヴィニオン6種。
緊急の仕事が入り、すっ飛んで帰ったため、ボトルの写真を撮るのをすっかり忘れた。。。。。


いつも大判振る舞いのアウグスト氏の試飲会で、なんと今回は6種のワインが振る舞われた。
土曜の午後、立ち飲みだが、グラスもしっかりしていて、なんと無料。。。。。。
最低4種は出るが、なんと今回は6種、それも、フランス1種、ニュージーランド1種、イタリア4種というインターナショナルな内容だった。
予約もいらず、ふらっと立ち寄るだけ。

ホント、今時、こんなに嬉しい試飲会は他にそうないと思う。
土曜日、行けない時は残念。

さて、今回の6種は以下。

しょっぱなからフランスワイン。そして、6種のワインの中で最も値段の高いワイン。
一番安いワインを一番最初のワインに持ってくるのが普通だが、ここは違う。。。。
確かに、同じソーヴィニオンでもいかにもイタリアのドンとした雰囲気のあるものの後に飲むと、フランスワインに飲みなれていないと特に味がボケてしまう。
ということで、一番。

Pascal Jolivet 2014 フランス
かなり繊細。ソーヴィニオン独特の香りの前に優しい白い花の香りが立ち上る。そして、猫のおしっこ臭。イタリアのソーヴィニオンは猫のおしっこ臭はほとんど感じないが、フランスのソーヴィニオンは納得できる。そして、柑橘、アスパラガスの頭などの緑、繊細なミネラルがとてもきれい。香りは主張しすぎず、エレガント。
酸味がとてもきれいで、余韻が長い。ひたすらエレガント+++++

Di Lenardo 2015 フリウリ
フランスからイタリアへ。まさにそういう雰囲気。
猫のおしっこ臭ではない、緑が強く、そこに白粉のような甘さが時々よぎる。シンプルで、残念ながら変化は少ない。味は強く、ほろ苦さと緑がフィニッシュに残る。程よい長さ。イタリア~という感じ。++(+)

Livio Felluga 2015 フリウリ
香りはかなり良い。万人受けの香り。花と緑のバランスがよく、程よく複雑でとてもきれい。味も程よいボディ、酸味より塩味の方が目立つ感じ。フィニッシュのほろ苦さも心地良いくらい。ただ、余韻が、最後すっと消えるのがやや気になる。+++(+)

Cantina Terlano 2015 Winkl アルト・アディジェ
花、柑橘、ミネラルにトマトのヘタのような緑が混じり複雑で申し分ない。ボディもあり、甘いくらいの柔らかさが程よい感じで、余韻は長く、フィニッシュにはソーヴィニオンらしい緑が残る。バランスがパーフェクト。++++(+)

Vie di Romans 2013 Vieris フリウリ
最初は閉じているが、緑がだんだんと出てくるのと同時に、木樽の香りも出てくる。ソーヴィニオンらしさは劣るが、複雑、かつエレガント。味も木樽熟成がはっきりとわかるので、これは違う、と思ったら好きにはなれないと思う。しかし、木樽が決して強いわけではなく、柔らかさを与え、ボディは主張し過ぎず、持続性がかなりある。フィニッシュにもやや木の香りが残る感じ。
同じソーヴィニオンでもPierreはステンレスのみ。つまり、木樽未使用と使用をはっきりと分けているので、好みによって飲み分けができる。+++++

Saint Clair 2014 Marlborough Premium ニュージーランド
最後、イタリアからニュジーランドへ。
再びガラッと変わって、緑と柑橘。イタリアのソーヴィニオンより、フランスのものにぐっと力を入れた、という感じ。若干力入れ過ぎ感はあり、柑橘ジュース、野菜の香りも混じる。酸味は当然のごとくあり、柑橘の残る余韻はきれい。++++


かなりオススメ

ソーヴィニヨン ウインクル テルラーノ 2014 白 750ml
テルラーノ(TUSCANY)
テルラーノ

Breg 2005 Gravner, Ribolla gialla 2009 Damijan, Lambrusco e Rio Rocca グラヴネル、ダミアン他

2016-02-26 16:10:40 | Friuli フリウリ
Breg Anfora 2005 Gravner グラヴネル
Ribolla Gialla 2009 Damijan ダミアン
Cinquecampi Rosso
Rio Rocca Brut Nature



ササキさんのお家に数人でお邪魔させていただいた。
男の料理は大好き。(レストランではなく家庭料理の話)
女性が作っても、もちろん美味しい料理は美味しいし、第一、人の作る料理は基本的に美味しいものだと思うが、男性が作った料理はなにか違う、と言いたい。
繊細でも豪快でも、盛り付けがきれいでもそうでなくても、それがただのおにぎり、シンプルパスタでも、味付けが多少塩辛くても物足りなくても、どこか違う。
女性は女性に厳しい、つまり男性に甘いということもあるかもしれないが、料理のできる男性は結構得なことが多いのではないかと思う。
そして、ササキさんように料理が好きで上手なら最高。

さらに、セレクションのワインも当然のごとく美味しい。
自然派ワインしか飲まない、それも、昨今多いニセの自然派ではなく、本物の自然派のみ。
自然派というカテゴリーにも入れたくない、というか、ワインは当然のごとくこうあるべき。これが本物のワインであれば、工業製品ワインは一体何?あれもワイン?そうなればこれは?ワインでもなく、ある意味食べ物の一つ?
考えを巡らしても正しい答えにはたどり着かないと思うが(だいたいその必要もない)、こういう本当の自然派のワインは、飲み物や嗜好品という以上の、体が欲しているエキス、のようなものなのかもしれないと思う。

4人で4本。だいたい等量飲むメンバーだったから一人1本になる。
次の日の朝、胃が重たいわけでもなく、二日酔い、頭痛があるわけでもなく、いたって自然。(寝不足は別にして。。。)
きっと体の隅々まできれいにワインが溶け込んでしまっているんだろうなぁ。



Rio Rocca Brut Nature
エミリア・ロマーニャ州のスプマンテで、品種はスペルゴラだそうな。そういえばそんな品種があったよね、という感じ。ボトルでの2次発酵。
温州みかん!のような、柑橘系、柑橘系の木の小さな白い花を思わせるような酸味がきれい。よく冷えているのに開けるときに泡が吹き出しそうになるくらいなので、気圧が心持ち高めなのだろうが、口に含むと炭酸が決してきつくなく、舌に優しくまとわりつく感じが心地良い。酸味はあるが、ツンツンしていなくて優しく、ちびちびずっと飲んでも飽きることがない。プロセッコでは物足りなくなるだろうし、フランチャコルタでは、最初は良くても、そのうちたんだん疲れてくるような気がする。。。

Cinquecampi Rosso Lambrusco
ランブルスコなのでこれもエミリア・ロマーニャ州。ランブルスコ、マルボ・ジェンティーレにマルゼミーノがブレンドされているよう。ボトルでの2次発酵で、亜硫酸の添加はない。
非常に紳士的、真面目なランブルスコのような気がした。飲めないランブルスコが多い中、これまた心地よく、じっくり味わう暇もなく、くいくいと、あっという間にボトルが開いていしまったような気がする。

Ribolla Gialla 2009 Damijan
この前のAISのダミアンの試飲会は知らずに行けなかった。知っていたら申し込んだのだが、すでにオペラ座のチケット買っていたので、時遅し。
今のAISは、情報の発信の仕方が悪いというか鈍いというか、もっとスマートやればいいのに、と思うことが非常に多い。アルマンドの試飲会では毎回喧々囂々。かなりすごいやりとりもする。それくらいオーガナイズが悪いのである。
そこでダミアンの試飲会があるとは全く知らず、オペラ座のチケットをフイにはできないので行けなかったのだが、 超満員だったそうで、試飲会の情報が届いた頃には申し込み多数ですでに締め切りになっていたかもしれない。
さて、いいよね~と唸る。体にスルっと入る。香りやら味やらそんなことは問題ではなく、スルっと入り体に溶け込む。このポワンとした感じがワインらしくない~とおっしゃった方もいるが、逆にこのふわふわっとした優しい口当たりが、心を溶かしてくれるようでいいのである。
また、ダミアンのワインはヨスコ氏のワインと比べて、より取り掛かりやすく、受け入れやすいと思う。

Breg Anfora 2005 Gravner
あれ~、開けちゃっていいの??すごーーーーく嬉しいんだけど。
飲む前に拝むというか、敬礼するというか、ヨスコ氏の方に向いて頭の一つでも下げないといけない。
とは、オーバーだが、そうしたい気持ちになってしまうワイン。
ああもう最高。至福、という文字が頭に浮かぶ。にっこり。

パスタも美味しかったけれど、玉ねぎスープ、最高でした。


Abraham 2013, Toros Tocai 2002, Damijan Ribolla 2008

2015-06-05 15:41:02 | Friuli フリウリ
Abraham 2013
Toros Tocai Friulano 2002
Damijan Ribolla Gialla 2008



時々、素晴らしいワインに出会う。新しいものの場合もあるし、古いものの場合もある。
良いヴィンテージが素晴らしくなっている場合、しかし、悪いヴィンテージが素晴らしくなってるという珍しいこともある。
ワインがもつために必要なものは一般に酸とタンニンである。
酸は酸化防止剤となるが、そこで、南のワインで酸が足りないものをもたせようとする場合、酸化防止剤になる酸を足すことがある。このケースは以外と多いというのがサンジョルジの論。ワイナリーは、絶対に酸を足していますよ、とは言わない。そこで、どのくらいのケースが足しているのかわからないが、意外と多いととっても良いらしい。
赤ワインの場合は酸以外にタンニンが含まれ、日本でもポリフェロールで話題になったが、多く含まれていればその分劣化防止になる。
では、酸か、または酸とタンニンが多く含まれていればワインはもつのかというと、そうはいかない。
つまり、その理論でいけば2002年のワイン、ひたすら酸っぱいだけのワインが持つはずなのにそうはいかないからである。
ただ、逆に、では、2002年のワインが全くもたないかというと、これも違う。
酸化防止になる酸が多く含まれているはずであるので、一応は持つはずなのである。

さて、尊敬するアルマンドとその辺りを話したことがあるのだが、彼の持論は、加えてバランス。
つまり、バランスの悪いワインは、たとえ酸が多くても、タンニンが多くてももたない、ということである。
なるほど、2002年は最悪の年だった。雨が多くて、寒くて、こんな年は他になかった。
ワインを造るのをやめたワイナリー、格下げしたワイナリーなどが続出したのだが、そんな中で丁寧に造ったワイナリーはある。
そして、良い年ではなく、悪い年にどれだけ良いものを造れるかが結局、ワイナリーの実力の差だと思う。

トロスはすごかった。
ワイン名を教えていただけず飲んだのだが、すごい。ただ、最初はここまで古いワインだとは知らなかったし思わなかったので、なんてバランスの良い素晴らしいワインなのだろうかと思ったが、まさか、それが2002年の、まさか13年も経っているワインだとは思わなかった。
数年たったワイン、マセラシオンでバトナージュだと思ったのある。
ところが、蓋を開ければ、これがフランコ氏の実力なのだと思う。
新しいワインを出してきて試飲しただけではどんぐりの背比べ。
10年以上経って明らかな差が出ていると思う。
久々に感動するワインに出会った、と思った。
色は濃く、輝きがあり、やや乳酸系の香り、ほのかにロースト系の香りが出ているが重たくはないし、 アタックが素晴らしく、余韻が実に長い、また、1時間経っても全く衰えることがなかった。+++++++


最初に飲んだのはAbraham。
口当たりの柔らかさから明らかに自然派だとわかる。しかし、臭みは全くなく、白い花、若干ライチ、あとで桃が出てきたが、花とフルーツがとにかく綺麗で、心地よい。
酸がじわっと出てくるのだが、とげとげしさが全くなく、とても可愛らしいワインである。+++


3本目がダミアンの2008年。
色はオレンジ色。輝きはあるが、これは残念ながら、おそらくコルクに問題があった感じ。コルク臭は付いていないのだが、酸化が早いというか、硬さが残り、余韻に苦味が消えない。たまに残念なボトルにあたることがあるが、そんな感じだった。+++

素晴らしい夜を過ごせたことに、過ごさせていただいたことに感激でした。





5 schippettino + Barolo Chinato Cappellano スキオペッティーノ5種+カペッラーノ

2015-02-05 13:41:22 | Friuli フリウリ
schiopettino スキオペッティーノ5種
Ronchi di Cialla 2009
Bressan 2007 x2
Dario Coos 2013??
Gigante 2010??

Barolo Chinato Cappellano カペッラーノ



ああ、ワインのことをイタリア語で書くとやはりすぐに反応が来てしまう。
すべてのワインのことをよく書きたいがそうはいかない。
ただ飲むのでもいいのだが、自分のメモ的目的も含めて評価をすることもある。
評価なんて関係なく、美味しい!(または、まずっ!)とか言って飲んでいるだけが幸せなのだろうが、そうはいかないのが職業病みたいなもの。

いつもの「サロン」Il Vinaiettoでなぜか突然schioppettinoの夕べとなった。
原因はschioppettino2本を持ち込んだ奴がいたからである。

+++でかなりよい。あとはプラス、マイナス。



Ronchi di Cialla +++
まず開けたのはCialla。これは持ち込み。モダンな感じが出ていて、重たすぎず、バランスがとてもよい。香りの強さも良く、フルーツとスパイスのバランスが良く、味もインパクトがあり、納得の味。このままでもいいが、肉料理にぴったり合うワイン。万人に受けそうなワインで個人的には好み。

Bressan 1本目 ++++(ただし、自然派好きでない人には++かも)
これも持ち込み。少し前(数週間前)にも飲んでいるのであるが、かなり個性的。フルーツの香りに青い香り、スパイスの香りが覆いかぶさるよう。バルサミコ、いろいろな香草、そして、オリエンタルスパイス。酸味がきれいで余韻も長く、個性的。自然派ワインが好きでない人には受けないと思うが、個人的には個性に評価を置いて好きである。

Dario Coos ++
これは持ち込みではない。なお、グラス売りようにすでに開いていたもの。ブレッサンの後であることもあるのだが(できるだけ前後のワインに左右されないように気をつけてはいるが)どうしても影が薄くなってしまった。品種の個性はある。色も濃いし、よく熟したフルーツに程よい酸味、味も決して悪くないのだが、持続性が劣ってしまう。これだけで飲んでいると決して悪くないワインなのだが。

Gigante +++
これも持ち込みではない。グラス売り用ではないので開けた。これはちょっと驚き。ジガンテのスキオペッティーノはあまり記憶にないのだが、なかなかいい。Ciallaを一回り小さくしたくらい。ただ、値段は安くなるはずなので、だとしたら結構買いかもしれないと思う。新しい発見。

Bressan 2本目 +++++
正確には3本目。持ち込み。
なぜか、何を思い立ったのか、2本目を買いに行った。2005年を探しに行ったのかもしれない。ただし当然売り切れ、なぜかまた2007年を買ってきた。ところが、これがわずか、ほんのわずかコルク臭だったのである。普通の人は絶対に気がつかないくらいであったが、取り替えに行く、と行って、3本目を持って戻って来た。(ごめんなさい~)
で、この3本目がかなり良かったのである。基本的には1本目であったような緑の香り、オリエンタルスパイスがベースなのだが、緑の香りがやや弱く、その分フルーティー、としてスパイシーな香りが際立ち、そこに透明感とエレガントさ、若干の軽やかさが加わり、いいね~と。ただしかなり個性的なので、好みは大きく分かれ、好きでない人も多いかも知れない。



余談が加わると、その後のお開きはCappellanoのBarolo Chinato。個人的にバローロキナートはあまり好きではないのであまり飲まないが、カッペッラーノのだけは別。これは実に芸術的なバローロキナートだと思っている。
複雑な香りと味、甘すぎないくらいの口当たり。こういうワインは評価なし。ただ飲むだけのものである。至福。

Gaspare Buscemi 10 vini ガスパレ・ブシェーミ10種

2015-01-31 21:31:58 | Friuli フリウリ
Gaspare Buscemi - Friuli  ガスパレ・ブシェーミ

Zero solfiti rosso 2011
Alture rosso 2011
Alture rosso 2003
Alture Riserva Massima rosso 1988
Perle d’Uva 2011
Perle d’Uva 1998
Zero solfiti bianco 2011
Alture bianco 2011
Alture bianco 2003
Ossidazione estrema da uva verduzzo 1988



久々に新鮮だった。
ローマの老舗エノテカTrimaniで行われたBuscemiの試飲会。
試飲会はトリマーニの兄弟の中でもパオロがオーガナイズするものが多いのだろうが、パオロがオーガナイズするものは大抵面白い。
今回はフリウリの超ビオと言えるGaspare Buscemiの試飲会。一番古いワインが1988年のものだったので、25年の歴史を10のワインを通して、というものだった。
ブッシェーミのワインは飲んだことはあると思うが、あまり記憶にはない。ただ、最近、広い範囲でワインをかなり飲み込んでいる友人ダヴィデが時々話題に挙げることがあるので、非常に興味があった。

ガスパレ氏も参加の試飲会。彼にしてみればビオやビオでない、なんて関係ないんだろうなぁ、という印象。つまり、彼にしてみればワインを造ることが普通で、造るワインは手作りの自然なものであるべき、ということだけだと思う。つまり、ワインはワインであるべきで、現在の多くのワインはワインではないだろうなぁ。
人工的な飲み物だったり、工業製品、ステイタスだったっり、まるでお金を飲んでいるようなものだったり。。。

使っている品種は赤が主にメルロー、白がヴェルドゥッツォやその他で、品種を聞いても、xxとかその他、といような答えで、つまり、ある意味適当に(もちろん本当に適当という意味ではなく)植えてあり、毎年、割合も含めて違うというし、発酵の際は基本混ぜるそうで(収穫にあまりのばらつきが出た場合は2度に分けることもあるそう)昔からの自然な造り方をモデルにしているという。

もちろん造り方は多少変えているようであるが、試行錯誤を繰り返し、という同じくフリウリのグラヴネール氏とは似ているようだか違うと思う。
また、使うのはステンレスのタンクのみ。セメントを使うわけでもなく、大樽を使うわけでもなく、今流行りのアンフォラでもなく、ある程度たったら瓶詰め。それだけ。あとは瓶での熟成のみ、というあたりは、マルケのコッレステファノに似ているようだと思った。

ワイナリーには未だに1982年のワインから貯蔵されているようだが、今回は1988年が一番古いヴィンテージ。ただし、1988年が2本もある。
縦のみ試飲で徐々に古いヴィンテージというのも面白いが、今回は、いきなり新しいヴィンテージから古いヴィンテージへ移行し、この趣向がまた面白かった。
なお、試飲は最初に赤、挟んでスプマンテ(白)、そして白の順だった。このやり方は、やはりかなり有能だと思うSangiorgi氏が使うが、個人的には賛成である。試飲会で、赤を飲んだらもう白は飲めない、と思う人が多いが、そんなことはない。

10本のうち2本が亜硫酸無添加。Zero solfitiは亜硫酸無添加のことである。
亜硫酸を使わないことに、個人的には何の意味もない(というと言い過ぎだが、つまり、あまり重要性を感じない)と思っている。ビオワインは亜硫酸無添加のことと誤解したり、本当のビオワイナリーは亜硫酸を使わないよね、と思う人も多いがそうではない。ビオ、自然派の造り手に亜硫酸を使わないという考えの人が多いだけで、ビオワインであることと、亜硫酸を使うか使わないかは関係がない。ビオであることは、畑の栽培だけのことであり、造り方は左右されないからである。
そこで、昨今、畑が有機栽培、つまりビオの承認を持っているが、醸造はごく普通のニセ(これも言い過ぎではあるが、つまりモドキ)ビオワインが多かったり、逆に無理に亜硫酸無添加にしてワインを壊してしまったり、いろいろである。
また、ビオワインは臭くて当たり前、または、臭いのがビオワイン、という間違った考え方も見られたりする。

なお、Zero solfiti以外は亜硫酸を使っているわけだが、かなり少なくせいぜい50mgとのこと。
PHが非常に低いので亜硫酸を使わずに造れる、ということ。そして、マセレーションはかなり長いそう。

ガスパレのワインはビオでも臭くない。全体にオレンジ系の香り、つまり酸味が上がるが、アニマル臭はない。アルコール度が決して高くなく、酸っぱくない程度の酸味が引き立ち、強いインパクトを持つわけではなく、すばらしい持続性があるわけでもないのだが、優しく、自然とも対話、という感じである。

+++が基準で、良い。あとはプラス、マイナス。

Zero solfiti rosso 2011 ++(+)
メルロー、カベルネ、レフォスコ。亜硫酸無添加。色がかなり若く、明るい綺麗なルビーで、透明感と光沢がある。花とフレッシュな森の木の実。酸味が際立ち、余韻にも残る。

Alture rosso 2011 +++
メルロー95%。(残りは?いろいろ)ややガーネット色を帯びたルビー。品種は微妙に違うわけだが、先の亜硫酸なしのものの方がより若さを保っているのは面白い。香りに甘い感じが上がる。フレッシュ感が先のものより劣り、太さが出て、タンニンの存在感が増す。
Alture rosso 2003 1本目+++ 2本目+++(+)
2011年からどーんと2003年にさかのぼる。さすがにボトルごとに違ってくるので、まずまずのボトルにあたったテーブルがあり、1本余計に開けたのも飲むことができた。
どちらもオレンジ色を呈している。2本目の方がより光沢がある。チース風の香りもあるが、オレンジ、オレンジチョコなどで、全体にまだ若いくらい。重たさが全くなく、エレガント。

Alture Riserva Massima rosso 1988 ++++
メルロー主体。完全にオレンジ色。光沢はまだかなりある。どのワインもステンレスに冷たさのような香りがあるが、これは、プラスチック風の冷たい香りも加わる。さらにオレンジチョコに加え、カラメル風の香りがよぎる。タンニンの存在がまだしっかり感じられ、余韻は反して甘い感じでもある。かなり不思議な感覚。

Perle d’Uva 2011 ++
ピノ・グリジョ、シャルドネ、ソーヴィニオン、ヴェルドゥッツォ、マルヴァジアなどなど。
スプマンテ。瓶内2次発酵方式で、そのまま。そこで、プロセッコ・コルフォンドのように濁りがあり、独特の香りがあり、まるで甘くないカルピスのよう。味の余韻は長くない。
2011年となっているが、実際に使われたワインは2007年、2008年、2009年などで、それを混ぜてベースワインにしたのが2011年なのだそう。
炭酸の勢い余って、開けるボトルが次々吹き出し、こちらは笑いで吹き出してしまった、という感じ。
Perle d’Uva 1998 +++
またいきなり1998年までさかのぼる。ただ作り方が完全に違い、2005年のズボッカトゥーラ。つまり、こちらはシャンペン方式となる。色がきれいで光沢がかなり良く、2011年と違って濁りがない。ほんのりパンの香りに、おなじみ、柑橘系の香りが強い。味はタンニンを感じるくらい。余韻は悪くない。

Zero solfiti bianco 2011 ++(+)
ヴェルドゥッツォ主体。亜硫酸無添加。光沢がかなりある。酸味が際立ち、酸味の強いワインが好きでなければ別だが、なかなかよい。

Alture bianco 2011 +++(+)
ヴェルドゥッツォ、トカイ、シャルドネ、ピノ・ビアンコなど。色は濃い目。珍しくアニマル風がやや出ているかも?という感じに、たるなど使っていないのだが、カラメル風の香り、これもまたタンニンを感じる。
Alture bianco 2003 +++(+)
またいきなり大きくさかのぼる。色はかなり濃いめで光沢がかなりある。結構ボディがある感じに仕上がり、余韻も結構長い。かなり面白い。

Ossidazione estrema da uva verduzzo 1988 ++++
さらに面白いのがこれ。極端な還元、というのでサルデニアのヴェルナッチャを想像していたら、だいぶ違う。アルコール度11,5%。だから軽めで重たさがない。わずか甘い感じがかなり心地よい。シェリーのよう、という感じだが、より軽やかな感じで飲みやすいと思う。