在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Cur Bambinuto Grecoのスプマンテ

2018-05-29 21:23:23 | Campania カンパーニア
Cur Bambinuto



品種はグレコ。グレコのスプマンテ。

色は完全に透明ではない。
それほどではないが、濁りがある。

通常、濁りのあるスプマンテというと、臭みがあり、綺麗な香りとは言えないものが多いのだが、これは違う。
ほのかに柑橘があるが、あとは花の香り、全体にニュートラルで、突出した香りがあるわけではない。

ただし、1年ほど我が家のワインクーラーに眠り、かなりまろやかになったからだと思う。
最初はもっとアグレッシヴな面を持っていた。

アタックは、優しさと、炭酸が一瞬弾け、酸味がきつくない程度に感じられ、余韻も程よく長い。

バンビヌートをほとんど一人で切り盛りしているマリレーナからいただき、年号わからず。(忘れた+ラベルに情報なし)

本当はもっと早くに開けようと思ったのだが、開ける機会を失い、1年ちょっとたってしまった。

時間が経って、まだまだ実験的なワイン(スプマンテ)だとは知っていたので、ダメになっている可能性もなくはなかったわけだが、そんな心配は吹っ飛んでしまった。

丁寧に造ればスプマンテはもつ。

もちろん、超高級スプマンテの世界とは違う。
しかし、1年経って泡が消えてしまうようなスプマンテも多い中、お見事。
マリレーナは、グレコを使って、デザートワインも含め、実にいろいろなワインを造っている。
グレコが素晴らしく良く育つ土地で、心を込め、いろいろな実験も含め、多様なワインを造っている。
スプマンテもその実験の一つだったわけだが、生産数の少ないスプマンテの1本1本に、彼女の魂が入っている。++++


Bruno Pilzer, grappa (non solo...) di Trentino

2018-05-22 09:43:17 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Bruno Pilzer, Grappa (non solo) di Trentino
ブルーノ・ピルツァー氏の造るグラッパ、いや、それだけではない。。。。




どうしてもやらなければいけないことがあり、長くブログもFBも、何もかもほったらかしにしてしまった。
その間、ブログなんて誰も見ていなかっただろうと思うのに、意外や意外、そうでもなかったことに感謝。

なーんにも更新していないのに見てくださっていた方、本当にどうもありがとうございます。
心からの感謝です。

さて、書きたいと思う記事は溜まっている。
それをぼちぼち。。。




あまりに忙しい日々を終えたばかりの、まだ興奮冷めやらぬ翌日、北イタリアはトレントから 友人の(友人と呼ばせていただくにはおこがましいのだが。。。)ブルーノ氏がローマにいらした。

以前から、ローマに行くからね〜、と言われていたのが、やっと実現した。
とにかくお忙しい方である。

目的は彼のグラッパ(他)のプレゼンテーション試飲会。

試飲会のオーガナイザーの方に、友人を一人招待したい、と言ってくださり、それはもう、うれし〜




ブルーノ氏、ブルーノ・ピルツァー氏は、トレント郊外のヴァッレ・ディ・チェンブラというところで、兄弟で小さな蒸留所を経営している。

しかし、それだけではなく、イタリアでは最も良い醸造学校の一つ、アルト・アディジェの醸造学校で蒸留の講師をし、校内の蒸留所の管理を任されている。

それだけではない。
蒸留酒の世界コンクールの審査員も務め、

それだけではない。
蒸留機械の生産者ともタイアップを組み、研究を重ね、

それだけれはない。
町の市長までも務めていた

という素晴らしい経歴をお持ちの方である。

そして、それだけではない。
彼の造るグラッパは、素晴らしく綺麗で美味しいのである。

まだまだ、それだけではない。
グラッパだけではなく、フルーツの蒸留酒も造り(これがまた、誠に美味)、ジンも造り、ブランデーまで造ってしまう。

そして、これが、全部、見事に美味しいのである。




彼が造る蒸留酒は、どれも綺麗で、あのグラッパ独特の臭みがない。
そして、幾つもの品種のグラッパを造っているが、それぞれ、個性があって(個性を出していて)みんな違う。

フルーツの蒸留酒は、これまた、蒸留酒なんて苦手という人にこそ勧めたいくらい美味しく、フルーツの味そのものが生きている。

ブランデーも、とても良い品があり、かなりいける。




ローマでは、まだ買えるところが少ないのだが、少しずつ、置いていただけるエノテカが増えると嬉しい。

なお、日本でも手に入るので、ぜひお試しを。

Langhe Favorita 2017 Conti di Roero

2018-05-21 20:48:00 | Piemonte ピエモンテ
Langhe Favorita 2017 Conti di Roero



香りが華やかではっきりしている。
よく熟した黄桃、シロップ漬けのパイナップル、グリーンの香りもないわけではないが、ミネラルの香りと一緒になって打ち消されてしまう感じ。

ピエモンテの白ワインの中では、ファヴォリータは売りにくい品種だそう。
ピエモンテというと赤ワインというイメージがあるし、白でもアルネイス、コルデーゼ、そして最近はティモラッソが流行り。
そこで、安め、軽い(アルコール度という意味ではない)イメージのあるファヴォリータ、つまりヴェルメンティーノは、確かに売りにくいのだろう。

決して悪くはないのだが。



この週末、FIVIの試飲会があった。
FIVIは、このところかなり延びている、ヴィニタリーでもかなり大きなスペースを占めるようになった協会で、イタリアの独立した生産者協会、という意味。

ビオ系の生産者が多いが、ビオである必要はない。
小さな生産者が多いが、その中でも超有名生産者、例えばプーリア州のシャンフランコ・フィーノやカンパーニャ州のモンテヴェトラーノなども参加している。
ローマでは、昨年が多分初めて?
つまり、多分今年が2回目。
珍しく、その場で好きなワインが買えます、という趣向の試飲会。(通常の試飲会は、ヴィニタリーも含め、飲めるが販売はしない)
ただ、これもなかなか難しいところがある。
参加生産者にしてみると、どれくらい売れるかわからないので、何本ワインを持参して良いかわからない。
余ったら、送り返すにも送料がかかる。
買う方も、エノテカで買うより安く売ってくれているので嬉しいのだが、やはり、車に積み込んだりの手間はかかる。



さて、ファヴォリータに戻って、香りは強く、ピエモンテの品より、ピエモンテにも太陽がある、というイタリア的明るさを表している。
アタックもはっきりしていて、北イタリアのワインにしては結構ボディがある。
酸味が心地よいのが嬉しいが、それよりも塩味の方が強いくらい。
ちょっとスパイシーな感じの塩味と、熟したフルーツが余韻に綺麗に残る。
お得な値段で、ちょっと重たいが購入した1本。
取っておいでも良いのだが、と思いつつすぐに開けてしまった。
++++

Il Mimo 2017 Cantalupo, rose' di nebbiolo

2018-05-20 19:54:27 | Piemonte ピエモンテ
Il Mimo Collina Novaresi 2017 Cantalupo
ピエモンテ、ネッビオーロのロゼワイン



色は薄め、どちらかと言うと暗めの、しかし個人的には好みの色。
明るくて華やかなピンク色も良いのだが、個人的には落ち着いた色合いの方が好み。
ツヤと輝きがある。

温度が低いので、香りが上がるという感じではなく、こちらもしっとり。
花の香り、小さな森の木の実の香り、木苺風の香りが控えめに感じられる。

香りがそれほど強くはないので味もそんな感じかと思うと、ちょっと期待を裏切るというか期待以上。
甘さが広がり、口の中に木苺が広がる感じ。そしてほろ苦い。このほろ苦さが甘さととても良いバランスを取っている。
余韻も心地良い。



カンタルーポポはゲンメなどのピエモンテ北部の優良生産者。
なお、オーナーは顔の似合わず(失礼)ピアノがうまい。
ワインも上手く、ホクホク。
++++

久々の再開。。。Langhe Riesling 2011 Vajra

2018-05-17 20:53:06 | Piemonte ピエモンテ
Langhe Riesling 2011 Vajra



しばらく、ブログどころではなく、FBもインスタも何もかも完全にお休みしてしまった。
見ない、当然人のも見ない、何もアップしない、まるで世捨て人のような生活を1ヶ月半した後の再開。

ひと月は、家でワインを1本も開けなかったのだが、後にも先にもこんなことはもうないだろう。。。。
飲んでる暇もない、という生活。

それも無事に終え、ぼちぼち再開。

ワインクーラーもちょっと片付け、あれー、こんなのあったんだぁ、というワインがまた出てきて、それはまた次の機会に。

リースリングでも開けるかー
の勢いで開けた。

2011年なので、ぼちぼち年月が経っている。
そこで、もう少し、炭水化物系の香り(イドロカルブーロ)がでているかと思ったら。。。

イタリアー

イタリアのリースリングー

という感じで、フルーツが邪魔をする。

よく熟したフルーツの香り豊かに、グラスを回すとイフォロカルブーロやら香草、ドライナッツ、スパイスやらが出てくるが、それらの香りが落ち着くとまた

フルーツー(笑)

イタリアー(笑)

いかにもイタリアのリースリング。
色は濃く、黄金色、香りに太さがあり、はつらつとして、ドイツのものとは全く違う。



アタックも豊か。
どーんと入り、パッと口の中に広がる。
酸味はあるが、それよりほろ苦さの方が強いかも、という感じで、やはりドイツのリースリングとは両極端の位置にある。
余韻は長く、心地よく、甘酸っぱさが残る。
++++

次はドイツのリースリングでも開けるかー