在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

5 Gewurztraminer Terlano Tramin Novacella ecc. ゲヴルツトラミーネル5種 テルラーノ、トラミン など

2016-04-28 10:25:20 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
5 Gewurztraminer ゲヴルツトラミーネル5種

Hofstatter 2014
San Michele Appiano 2015
Cantina Terlano 2014
Abbazia di Novella 2015
Cantina Tramin 2015



このところ映画の話題が多いが、ワインに関してはノートが溜まっている。。。

さて、今回のご贔屓のエノテカDi Biagioでの無料試飲会のテーマはゲヴルツ。
昔はよく飲んだ品種だが、最近はあまり飲まない。
志向は変化するのである。

ゲヴルツというと、バラの花とライチ。

昔は、これが心地良かったのだが、今はどちらかというと鼻に付くようになった。
昔好きだったドルチェットも、今は、例外を除いて、結構です、と言うくらいだし、かなり昔だが嫌いだったバルベーラは大好きだし。
アマローネも好きだったが今は重たすぎるし(年~)、バローロよりブルネッロだったのが、断然バローロだし。

さて、というわけで、たまには飲まないわけではないが、最近ご無沙汰のゲヴルツ5種が今週のワイン。

Hofstatter 2014
1年経ってる、と思った。2014年だが太さがある。ホフスタッテルは、もともとしっかりしたインパクトのあるタイプのワインを造るが、これも、1年経っていることもあり、フレッシュ、さわやか、繊細とは反対。バラもライチもよく熟し、ほろ苦さが余韻に残るが、心地よく、余韻は比較的長い。+++

San Michele Appiano 2015
がらっと変わって15年で、フレッシュ~。やや細身、エレガントな雰囲気でもある。しかし、15年ヴィンテージにしてはやや物足りさを感じる。全体にフレッシュで、柑橘が綺麗に出ている感じで香りはかなり良い。ところが、苦味が結構きつく、それはそれでゲヴルツらしいのだが、その後の余韻がふっと消えてしまうのが残念。++

Cantina Terlano 2014
最初は閉じている。だんだんと香りが出てくるが、出てくると香りがかなりきれい。テルラーノで香りのきれいでないワインはないが。。。ほろ苦さがふっと消えた後、ほわっと甘さが出て、続く。ただ、全体に細い感じ。+++

Abbazia di Novella 2015
クラシックに、バラとライチ。柑橘もあるが、とにかくバラとライチ。とてもきれいなゲヴルツの見本のよう。華やかさが程よく、強すぎず、気取りすぎず、全体がとても綺麗にまとまっている。程よい存在感。余韻が長く、ゲヴルツらしい、しかし上品なほろ苦さのあるフィニッシュが非常に心地よい。++++

Cantina Tramin 2015
香りは非常にきれい。インパクトが強い。しかし、これが好きかと言うと、きっと昔は好きだっただろう。。。という印象。ボディがあり、ゲヴルツではなくアルコールの苦さが出ている感じ。ドシンとした、インパクトのあるワインが好きならうってつけ。アルコール度もアルト・アディジェのワインだが14、5%。個人的には、アルコール度を抑えてその分酸味が欲しい。。。+++


今回のイチオシワイン

ゲヴュルツトラミネール アバツィア ディ ノヴァチェッラ 2014 白 750ml
アバツィア ディ ノヴァチェッラ(TUSCANY)
アバツィア ディ ノヴァチェッラ



アルトアディジェの再優良ワイナリーのひとつ


ゲヴュルツトラミネール テルラーノ 2014 白 750ml
テルラーノ(TUSCANY)
テルラーノ



5本目のしっかりしたワイン

アルト アディジェ ゲヴュルツトラミネール ケラーライ トラミン 2015 白 750ml
ケラーライ トラミン(TUSCANY)
ケラーライ トラミン

イータリーで売ってるスシライス Sushi Rice

2016-04-26 11:00:04 | もろもろの食べ物
イータリーのお米「スシライス」



イータリーに行くとリゾット用によく米を買うのだが、ふと、「SUSHI RICE」そして「米」と書いてあるパックを見つけた。
パッケージのデザインはカワイイ。

そういえば、しばらく前から売っているような気がしたのだが、買ったことはない。
1キロパックだし、多少美味しくはなくてもすぐに終わると思って何気なく買ってみた。
3、5ユーロくらいだったと思う。

ちょうど食べていた日本米「つや姫」が終わり(実は通常、イタリアの「日本米」ではなく、日本の日本米を食べている)炊いてみた。しばらくおいてもう一度。
2度目に炊いた時、少し冷めたお米でおにぎりを作ってみたのだが、日本のお米に比べるとかなりまとまりにくい。

悪くはないが、味と香りがイマイチ。特に、冷めると味も香りもかなり飛んで、不味くはないが、美味しいとも言えない。
うーん、あと少し残りをレンジでチンして食べるかと思ったが、結局はバター炒めライスにした。これなら一応食べられないことはない。

まあ仕方がないし、イタリアで作っている日本米よりはるかに劣るが、スーパーで買う一番等級の低いお米(形が丸く、粘り気がある、ただし安い)よりは美味しい。



昨今は、スーパーの外国食品コーナー(アラブ系、メキシカン系、東洋系などを売っている)でも「スシライス」を売っていたりするが、これだけは怖くて手を出したくない。値段が安いわけでもなく、絶対に美味しくはないだろう。。。。

しかし、イータリーでも、スーパーでも、こうやって「スシライス」を売っているということは多少の需要があるからだと思うのだが、誰が買うんだろう。
現地の日本人、東洋人だろうか。
日本茶をイタリア人が結構飲むようになっているので、家でご飯を炊いていたりして。
オンラインで探せば、すぐに「ご飯の炊き方」ビデオが出てくるだろうし、大きな日本食料品店では(昔懐かしタイプの)電気釜を売っている時代になったし。

世の中変われば変わるものだが、確かに変わった。
スーパーで「スシセット」を見かけることがあるが、そのうちイータリーでも同じようなセットを売り出したりして。。。

考えてみれば、日本で「カルボナーラセット」を売るのと同じと言えば同じだが。。。




やっぱり断然こっち。。

山田屋本店 特別栽培米 平成27年 新米 山形県産 つや姫 10kg(5kg×2)
つや姫
山田屋本店


Accattone / Salo' o le 120 giornate di sodoma di Pasolini イタリア映画 アッカットーネ/ソドムの市

2016-04-23 00:00:44 | 何故か突然イタリア映画
Accattone アッカットーネ
Salo' o le 120 giornate di sodoma サロ または ソドムの120日(ソドムの市)
監督 ピエル・パオロ・パゾリーニ



少し前に、いつもの上映会で観たパゾリーニの死を描いた映画「陰謀」。
昨年が、パゾリーニ没40年(没1975年)だったこともあり製作されたのだが、各地で同時にパゾリーニの展覧会が開かれた。

この前、光栄にもお知り合いになったヴィテルボ(ローマの北60キロ)のさる図書館の館長の方、図書館も素晴らしく、いろいろな催しを行うようだが、昨年はパゾリーニの展覧会がここでも開かれたことを知った。

そこで、パゾリーニの映画を観てみたい気分になり、2本。

「勇気を出して」かの有名な「ソドムの市」(原題は「サロまたはソドムの120日」)。

はるか昔、見た時、ぎゃ~、ヒエ~、ドヒャ~と思ったものだ。
その印象は、こちらが年を取ったせいもあり若干薄れたが、よく作った、そして、よく出演を承知したものだ。実に感心!
出演してくれる人がなかなかいなかったという話は有名だが、それにしても、この映画に出演するほど勇気がいることはないような気がする。。。。。それも時は1975年。

昔、印象に残った疑問が、どうして(あの)女性は飛び降りたのだろう、ということだったが、今回、なんとなくわかったような気もした。全ての人が狂っている中(もちろんみんな正気のつもり)彼女だけがまともだったのかもしれない。

ところで、タイトルの「サロ」は、北イタリア、ガルダ湖湖畔のとても綺麗な街である。友人がいて、数回行ったことがあるのだが、その頃は、サロと聞いてもピンとこなかった。
イタリア人は、現代史を学校で学ぶので、サロの街を名前を知らない人はいないのだが、今思うと、え、どこ?と聞く私の質問を無視し、当たり前のように、サロ、と答えていたのが今はわかる。
(サロは第2次世界大戦中建設された、イタリア社会共和國、またはサロ共和国の首都だった街。正確にはサローと発音)

映画は、かなり歴史の勉強に役立つ。(笑)

さて、この映画は、 間違いなく「世界中の映画の中で最も見たくない映画」に入るので、興味がある方は是非一度は(一度だけは)ご覧ください。

さて、その映画を作ったパゾリーニ。そんな変な映画ばかりを作っていたわけではない。
「まともな」というか、評価される作品も多数作っている。(誤解なきよう。「ソドムの市」の評価も高い)

彼の有名な映画第1作目の「アッカットーネ」を見てみる。
1961年の作品である。白黒~。
主役の男優、フランコ・チッティはついこの前亡くなった。

この時点で、パゾリーニはすでに小説家として知られていたが、これがその後、30本以上制作されることになる、パソリーニの映画の原点。
プロヂューサーはフェデリコ・フェリーニだったらしいが、最後に手を引いたらしい。

アッカットーネは乞食、物乞い、ヒモのような人物を指す。

アッカットーネと呼ばれる、ヴィットリオは、売春婦のマッダレーナで食べている。ところが、マッダレーナが投獄されてしまうと、食べ物にも困る生活。そこに、ステッラという女性があわられ、売春をさせ、稼ごうとするのだが、彼女の心に打たれ、本気で惚れてしまう。
彼女を働かせない為に、なんとか職を探そうとするのだが、そう楽ではない。そこに、仲間と小さな盗みのいい機会。つい、盗みをしてしまう。
それが警察に見つかり、逃げる。ところがバイクで逃げるその時、交通事故で死亡してしまうのである。

今にしてみると、ストーリーはやや平凡かもしれない。

ずっと小狡い生活をしている場面が続き、ステッラが現れるのはずっと後。あっという間に惚れてしまう。
あれ、あれ~という感じなのだが、こういうところにさすが才能が現れている。

男が女に惚れるのにダラダラと長い理由はいらない。

面白くない作品なら、なんで?どーして?となるのだろうが、さすが。納得。
最後の方で、バタバタと急展開が起こっても、納得。
なるほど。

音楽は大好きなバッハのマタイ受難曲。アッカットーネの受難を示唆していると思う。



勇気を出して、どうぞ。。。。


パゾリーニ・コレクション ソドムの市 (オリジナル全長版) [DVD]
クリエーター情報なし
エスピーオー

If Only I Were That Worrior di Valerio Ciriaci イタリア映画 もし僕が戦士であったなら

2016-04-22 01:27:05 | 何故か突然イタリア映画
If Only I Were That Worrior もし僕が戦士であったなら
監督 ヴァレリオ・チリアチ

アフィッレの町とエチオピア
そして問題は「大文字」



私が通っている某イタリア映画賞の今年の上映会も残す所2作品となったが、ここで突然、ドキュメンタリー映画の上映があった。
ドキュメンタリー部門は審査するグループが別なので、いつもの審査員にとっては投票はしない「候補外」となる。

ドキュメンタリーの審査グループが見るのは、選ばれた20本程度の作品。うち、この作品が最も素晴らしかったということで今回の上映となった。
(ただし、この前の「海の炎」のようなドキュメンタリー的作品は通常の候補作となる)

さて、ローマから東へ80キロのところにアフィッレという町がある。
外国人やローマ近郊以外の人では知らない人が多いだろうと思う小さな町だが、私はワインが専門なのでよく知っている。ローマの土着品種チェサネーゼで造る赤ワインの産地として知られている町だからである。

と言っても、ワインとは全く関係のないドキュメンタリー。
アフリカにあったイタリアの植民地エチオピアの話である。

アフィッレの町と植民地エチオピア??? 

いったいどんなつながりがあるのかと思ったら、アフィッレは、まず、1936年、エチオピアが植民地になった時に、副王に任命されたロドルフォ・グラツィアーニという人物が(生まれは違うのだが)住んでいた町。

ただし、それだけならこのドキュメンタリーはできない。

アフィッレの町に、戦没者記念の建物が2012年に造られた。
公園と言いながら、公園というより戦没者記念堂の方がはるかに目立つ。
そして、見ると、戦士Soldatiつまり「戦士」が、小文字ではなく大文字で始まっている。

これが問題なのである。

日本語にはない言葉の問題だが、小文字なら一般的な戦士を指す。これならいい。

ところが、大文字ということは、複数系ではあっても、ここに「ある戦士」の意味が込められている、ということがわかる。

これが問題なのである。

ドキュメンタリーは、ローマの町(膨大な戦争に関する書類が収められている)
アフィッレの町(住民、記念堂、落成式)
エチオピア(現在の様子、イタリア人の活動)
ニューヨーク(に住むエチオピアの人たち)
の4つの箇所にまたがっている。

アフィッレの町では、ムッソリーニの時代に活躍した将軍グラツィアーニは、ちょっとした英雄的存在でもある。
そこで、暗に意味を込めて、戦士の文字がSで始まる大文字になった。
もちろん、反対する住民も多い。

しかし、エチオピアに人たちにとって見ると、戦時中とはいえ、大量殺戮を指揮した将軍、それも条約で禁止されている毒ガスをも使用し、憎き敵の将軍。

現在のエチオピアは、かなり親イタリア的、イタリア料理も食べ、決してイタリア人を憎んでいるわけではないのがだ、さすがに、グラツィアーニを祀った建物が建てられるのは、戦後70年たっているとはいえ心情に反する。

そして、ニューヨークにもエチオピア人のコミュニティーがあり、建物を壊すように要請、運動に力を入れている。

それらを紹介したドキュメンタリーである。

映像が綺麗、4つの町が実に上手い具合に紹介され、また、壊せ~という立場だけではなく、アフィッレの町で、ちょっとした英雄的に慕われているグラツィアー二の麺も取り上げ、一瞬、あれ、反対じゃなかったの??と思うところもある。
最終的には否定的な立場(建物壊せ~)に持って行っているとはいえ、肯定的な立場(まあいいんじゃないの?)も取り入れている公平性がとても良い。

映画は賞をすでに獲得、特に大学などでの上映希望が相次いでいるという。
制作はほぼ二人で。監督チリアチ氏27歳と26歳、現在ニューヨークに住み、この若さ。
短編は撮ってきたがこれが初の長編(70分強)とのこと。

今後に大いに期待。
投票の対象外ということで観に来たメンバーは少なかったのだが、来て良かった、と思える作品であった。

なお、映画のタイトルはアイーダの歌詞から取ったそう。粋。


Davide di Donatello 2016 ドナテッロのダヴィデ賞 2016

2016-04-19 16:34:56 | 何故か突然イタリア映画
ダヴィデ賞 発表



イタリアの映画賞の中でも有名なものの一つ。
ドナテッロのダヴィデ賞。単にダヴィデ、とも呼ぶ。
今年が60年目。

ちなみに、ダヴィデ像というと日本ではミケランジェロのダヴィデが圧倒的に有名だが、それに負けないくらい有名なダヴィデはドナテッロのもの。
ミケランジェロのダヴィデと違って、長い髪でハンサムなダヴィデ。
(同じフィレンツェにあるのでぜひどうぞ。ミケランジェロのダヴィデ像のコピーのある(元々置かれていた場所)シニョーリア広場のすぐ裏、バルジェッロ博物館にあります。)



受賞者が受け取るトロフィーはダヴィデ像。こういうところ、イタリアは粋だなぁ、と思う。

さて、ダヴィデを決めるのは「イタリア映画アカデミー」。
昨夜発表になったが、予想通りというか「皆はこう読んだ 鋼鉄ジーグ」が多くを受賞。
そして、やはり「完璧な他人」が追いつけ、追い越せ。(実際に追い越している)


作品賞はパオロ・ジェノヴェーゼ監督の「完璧な他人」。
かなり面白かった、今時の携帯は怖い~というブラッックジョーク的作品。

参考までに他の候補作品は以下の4つ

-ジャンフランコ・ロージ監督の「海の炎」(日本でも公開します~)
-マッテオ・ガッローネ監督の「童話の中の童話」(私が通っている賞では昨年の候補に入った)
-クラウディオ・カリガーリ監督の「いじわるしないで」
-パオロ・ソレンティーノ監督の「若さ」(これも昨年の候補に入る)

(参考まで、作品賞候補に「鋼鉄ジーグ」は入っていない。。。)

全作品で見ていないものはなし。ただ、昨年見たものと今年見たものに分かれ、個人的には甲乙つけ難いが、「完璧な他人」は妥当な受賞のような気がする。
(全て記事を書いているので、興味がある方はどうぞ~)

最優秀監督はマッテオ・ガッローネ。(個人的に嬉しい~!)

最優秀新人監督賞は「鋼鉄ジーグ」の監督、ガブリエレ・マイネッティ。

最優秀脚本賞は「完璧な他人」の面々。

最優秀主演男優賞は「鋼鉄ジーグ」の主役、ジーグ。
最優秀女優賞も「鋼鉄ジーグ」の主役の女優。(なんと、主役抜擢初めての作品)
最優秀助演男優賞も「鋼鉄ジーグ」の悪役。
最優秀助演女優賞も「鋼鉄ジーグ」の悪役の女性。
ここで「鋼鉄ジーグ」が総ナメした感じ。

最優秀音楽賞は「若さ」。「シンプル・ソング」が素敵だった。

そして、コスチューム、化粧、髪の毛部門(日本では何て言うの~??)部門は「童話の中の童話」が総ナメ。

そのほかいろいろ賞はあるが、以上が主なもの。

うち、通っている賞の候補作品の上映会の監督のインタヴュー時の情報で、日本で公開が決まっているのは「鋼鉄ジーグ」と「海の炎」。
でも他の作品も日本での上映を期待!

イタリア映画もたまにはぜひ見てくださいね~!

5 Fiano di Avellino; Marsella, Villa Matilde ecc. フィアーノ 5種

2016-04-19 00:31:49 | Campania カンパーニア
Fiano di Avellino

Mastroberardino 2014 マストロベラルディーノ
Pietracupa 2014 ピエトラクーパ
Ciro Picariello 2014 チーロ・ピカリエッロ
Villa Matilde 2014 ヴィッラ・マティルデ
Guido Marsella 2012 グイド・マルセッラ



いつものエノテカ、近所のDi Biagioでの試飲会。
土曜日の午後、無料で、今回は5つのワインを振る舞う。
昔はこういう無料試飲をあちこちのエノテカでやっていたが、不況になってからだいぶ少なくなったのではないかと思う。(逆に、有料の試飲会は増えたような気がするが)

心の広い経営者のアウグスト氏は、大判振る舞い。
グラスもちゃんとしているし、試飲のワインの数もいつも4つか5つ、時間にも幅があり、今時、信じられないくらい豪華な無料試飲会。
店内のスペースもあり、また、グラスを持って、ワインの棚を眺めながらちびちびとは最高の幸せ。

さて、今回はフィアーノ。
ワイナリーは5つ。

Mastroberardino 2014
香りが、思いの外、と言っては失礼なのだが、かなり良い。華やかで、しっかり甘みを帯びるくらいの柑橘が綺麗に出ている。
マストロベラルディーノのワインを飲むことはかなり少なくなったが、決して悪くはないと再認識。ただ、香りと味を比較すると、香りの方がよく、味の方は期待にあともう少し。+++

Pietracupa 2014
がらっと変わって落ち着きが出ている。華やかなマストロの後では、好きか嫌いか極端に分かれそう。
つまり、華やかなタイプが好きなら、香りがやや弱めで、渋みを帯びた(タンニンではなく)雰囲気のこちらは物足りなく感じるが、逆に、マストロの華やかさが鼻に着くようならこちらが好きだと思う。実際に極端な意見が聞かれた。味は、やや持続性に物足りないところ、ほろ苦さがかなり出ているところがやや気になった。++(+)

Ciro Picariello 2014
柑橘系が綺麗に出ている。酸味もあり、悪くないが、ある意味、一番印象に残らなかった。。。++

Villa Matilde 2014
昔はよく飲んだものだ、と懐かしかったのだが、ラベルががらっと変わって残念。マストロもそうだが、この雰囲気のラベルが流行り??? 悪いがちょっといただけない。マストロと同じく華やかでモダンな雰囲気。黄色の花、熟したフルーツが綺麗。余韻がややほろ苦いが、これも個性。+++

Guido Marsella 2012
良いのだが、文句をつけたくはないのだが、値段が高すぎ。フィアーノに33ユーロ???うーーーーーーーーん、25ユーロで限界か。。。確かに、いつも他のフィアーノより頭ひとつかふたつ、品質も値段も秀でていたのは認めるが、33ユーロはちょっと高過ぎ。いつの間にかこんなに上がったとは。。。。。++++


マルセッラはこれ。一度も飲んだことがないという人は、絶対に一度は飲むべき。

フィアーノ ディ アヴェリーノ グイド マルセッラ 2012 白 750ml
グイド マルセッラ(TUSCANY)
グイド マルセッラ




マストロベラルディーノはこれ。いたってクラシック。


■【12本セット】 マストロベラルディーノ フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ[2014](750ml)白 Mastroberardino spa Fiano di Avellino[2014]
オンラインワインストアWassy's
オンラインワインストアWassy's




こちらはヴィッラ・マティルデ。結構ファンの多いワイナリー。


フィアーノ ディ アヴェッリーノ ヴィッラ マティルデ 2014 白 750ml
ヴィッラ マティルデ(TUSCANY)
ヴィッラ マティルデ

怒っちゃあいけない ここはイタリア

2016-04-15 19:47:05 | もろもろ、つれづれ
約束は流れる可能性が高いと思うのが正解


友人A(男性)が
ー週末にみんなで会わない?よかったらB(女性)に言ってオーガナイズしてよ。
ーOK。Bに伝えるね。
とは私。
早速、Bのオーガナイズで、金曜日の夜、いつもの場所、20時に集合となった。行けるのはこの時点で、BとC(女性)と私の3人。

しかし、週末しかローマに帰らないAは、今週はいつもより忙しいらしく、金曜日と知った時、
ー遅くなると思うけど、なんとか合流できそうだったら合流するね~
との回答。

声をかけたもう一人の友人D(女性)も今ミラノで、
ー金曜日にローマに帰ると思う。連絡するね~。

金曜日の夕方になった。一応、出かける支度をするのは私。でも、そこでふっと、思うところあり、オーガナイズしたBにメッセージを入れてみた。
  まさかね~
そう、そのまさかであった。

ーなんか、みんなダメそうだから行かないわ~

ここで、ぐぐっと堪える。ここはイタリア。
突然、全てがドタキャンになっても怒ってはいけない。(出かける支度をしたのに。。。)

しかし、私は日本人。
連絡がなかったDは多分来ないからいいとして、ミラノから、うまく早めに帰れたら本当に来るだろう友人Aには、今日の約束は流れたと連絡。


ここで連絡しなかったら、どうなるんだろう。
ミラノから、ちょっと急いで帰って、タクシーで場所に乗り付けて。。。。誰もいない。。。。
日本人なら怒るよね。

いや、実は、その思考自体が日本人。(とは知っている)
イタリア人なら、

 ミラノから、ちょっと急いで帰るはずがなく、だからやっぱり来れない



 ミラノから、ちょっと急いで帰るはずがなく、タクシーでのんびり場所に着いたけど誰もいなかった。でも、そこで、1杯飲んで適当におしゃべりして帰った。
 ーあはは、今日、約束してたけど誰も来なかったんだよね~
 と言いながら。

今日はのんびりお家ワインに変更。。。。


こんなのも飲みたい。


サッポロ 旬のワイン 苺のワイン 500ml
旬のワイン
サッポロビール

Vinitaly 今年も行ったガソリンスタンド 生牡蠣とフェラーリ

2016-04-15 17:06:30 | イタリア・ワインABC
今年も行ったガソリンスタンド(と言っても給油ではない)
スプマンテと生牡蠣と生のスカンピ(手長海老)を食べに



ヴェローナのヴィニタリーのすぐ隣にあるガソリンスタンド。
場所柄、結構大きめのガソリンスタンド。
メインの入口、カングランデから見て左、サン・ゼノの入口の裏にある。

いったいいつからこの商売をやっているのか、またヴィニタリー以外のフィエラ(見本市)の時もやっているのかは未だにミステリーなのだが、その昔、某団体のメンバーと某ワイン年鑑のためにヴィニタリーに行っていた頃は聞いたことがなかった。
まだまだ未熟な頃、(イタリア人の)先輩方にヴィニタリーのコツやらなんやらいろいろと教わったものだが、このガソリンスタンドの話は出なかったと思う。

しかし、想像するに、当時はまさかガソリンスタンドを居酒屋並みに変身させる許可はとれなかった(というよりそんな許可はなかった?)だろうから、やはりなかったような。。。
この手の許可が取りやすくなった数年前ではないだろうか???
許可なしではできないだろうし。

それにしても、ローマじゃあ、絶対に取れないだろうなぁ~この許可。
さすが、と言っていいのか、ヴェローナ。信じられない。

  ガソリンスタンドで生牡蠣、生エビをスプマンテと共に食べる

が嫌いな人も多いと思う。
(参考までに、ビールもあるし、カフェもあるし、ハム、チーズ系ももちろんある)



とにかく人が多いし、何を言ってもガソリンスタンドだし、うるさいし、ガサガサしてるし。

ガソリンスタンドは夕方から営業休止。
中にもテーブルはあるが、外に、8-10人はかけられる大型の木のテーブルが15位は出ている。
ちょっと遅くなると、それももう超満員。すごい盛り上がり。
初めてだと、ここはどこ??の雰囲気。

しかし、こんなところだが、これが結構美味なのである。
好きならやめられない。



実は、生牡蠣はちょっとショボい。しかし、海から遠く、かな~り遠く離れているヴェローナで、それもガソリンスタンドで食べるとなると、付加価値(???)が付き、意外と美味しく感じる。
ところが、生のエビ(スカンピ)の方は、これが結構美味しいのである。
どこぞのトラットリアで出てくるものより、身がぷりっとしている。



そして、スプマンテ。
プロセッコ、などという人はいないんだろうなぁ~(という雰囲気。悪くて巨大ジョッキのビール)
ジャンパンを開ける人もいるし、普通でフランチェコルタ??
フェラーリはいつも人気。
そこで私たちもフェラーリ。

エビも生牡蠣もプラスチックのお皿に盛られ、フォークもプラスチックなのだが、一応雰囲気はある。(ちなみに、調理したものはない)

レストランに行く前のアペリティフ。
なにせ、周りの道路は超渋滞。それなら、ここでちょっと時間を過ごしてから出発という方が粋だったりして。

また来年も行くんだろうなぁ。。。。きっと。



フェラーリ!!

フェッラーリ マキシマム ブリュット NV 750ML 1本
フェッラーリ
日欧商事 株式会社

Il top delle guide vini 2016 ワインガイドトップ2016

2016-04-14 18:03:22 | イタリア・ワインABC
Civiltà del bere: il top delle guide vini 2016



ヴィニタリーに行くと必ず買うものの続き。
ホント、この2冊は欠かせない。

実は雑誌の一部を別冊にしたもので、雑誌を買っても同じなのだが、別冊でコンパクトになっているのが嬉しい。
そしてヴィンタリーに行けば手に入るのも。

過去に、私が持っているのを見てオーダーした人がいるが、振込みやら、郵送料はかかるしで結構面倒なようだった。

さて、レストランに続き、今度はワイン。

言ったように、これはワインガイドではなく、ワインガイドのガイド。
レストランは点数で換算し1位からずらっと順位が出ているが、ワインは別な方法で「換算」している。

ワインの年鑑本は年とともに増え、主要なものは現在8冊。



イタリアソムリ協会AISが発行している Vitae
イタリアソムリエ協会から独立した旧イタリアソムリエ協会ローマ支部、現FIS発行の Bibenda
ガンベロロッソ創立者の一人チェルニッリ氏発行の Essenziale ai vini
レストランガイドも出している L’Espresso
おなじみ Gambero Rosso
ワイン・ジャーナリスト ルーカ・マローニ氏の Migliori vini italiani
スローフード発行の Slow wine
亡ワイン・ジャーナリスト ヴェロネッリ氏を引き継いだ I vini di Veronelli

点数で採点しているガイドもあるが、あとは、グラスやらぶどうやらで採点。
その中で、最も良いクラスのワインをエクセレントワインとして「換算」する。

Vitaeは 90点以上のワイン(ぶどうの木4本)472ワイン
Bibendaは 91点以上のワイン(ぶどう5房)591ワイン
Cernilliは 95点以上のワイン 198ワイン
L’Espressoは 20点中18点以上(ボトル5つ)223ワイン
Gamberoは グラス3つ 421ワイン
Maroniは 84点以上をお勧めワインにしているが、92点以上を対象 448ワイン
Slow wineは グランディ・ヴィーニ 408ワイン
Veronesiは スーパー3つ星 301ワイン

として換算し、幾つのガイドを「獲得」しているかを見る。

今年の全てのガイド獲得(8冊)ワインはたった1本。

サッシカイアSassicaia2012



7つまで獲得しているワインは3本。

ソライアSolaia2012
ルンガロッティのルベスコRubesco Vigna Monticchio2010
ジャンフランコ・フィーノのエス Es2013



6つまで獲得しているワインは15本
5つ獲得は22本
4つ獲得は59本
3つ獲得は130本
2つ獲得は342本

1つのみはその他ずらっとリストになっている。
そして、今年のワインというのが別にある。



赤 サッシカイア2012
スプマンテ フェラーリのリゼルヴァ・ルネッリRiserva Lunelli2007
      ベッラヴィスタのヴォットリオ・モレッティVittorio Moretti2008
      テルラーノのテルラーネル・グランデ・キュヴェTerlaner I Grande Cuvee2012
白 ヴァレンティーニのトレッビアーノTrebbiano d'Abruzzo2012
デザートワイン トラミンのテルミヌム・ゲヴルツトラミーネルTerminum, Gewurtztraminer2012

要は、それぞれのカテゴリーで最も獲得数の多かったもの。(だから、スプマンテのように一つとは限らない)

そして、今度はワイナリー。

最近はワインだけでなく、ワイナリーも評価している。
全ての本(8冊)で優良ワイナリーの評価を受けたのは4ワイナリー。



ロンバルディアのカ・デル・ボスコCa’ del Bosco
トスカーナのアンティノーリMarchesi Antinori
      サン・グイドTenuta San Guido
シチリアのタスカ・ダルメリータTasca d’Almerita

7つ獲得ワイナリー 16
6つ獲得ワイナリー 30
5つ獲得ワイナリー 53
4つ獲得ワイナリー 101
3つ獲得ワイナリー 146
2つ獲得ワイナリー 233

そして、同じく、1冊でだけ優良ワイナリーの評価がされているワイナリーはその他としてずらっとリスト。

この懲りよう。。。。。。

そして後まだ若干続くが、以上が主たる内容。

過去の評価の明記もあるが、見ると、ほぼ毎年サッシカイアは入っている。
しかし、この評価には若干落とし穴があるのは歪めない。

点数制ではないので、良いワイナリーで、生産ワインの数(量ではない)の少ないワイナリーがはるかに有利になるということである。(そのワインに評価が集中する)
つまり、バローロのようなクリュが幾つかあるところは、年によってばらつきが出てくるので不利になる。
また、ジャーナリスト、マローニ氏の評価は「フルーツの香りのあるワインvino frutto」なので(困ったちゃん。。。)、フルーツ的な味、香りの少ないバローロや、重たのあるブルネッロなどが不利になるということである。

そこであくまで参考であるが、細かく見ていくといろいろと見えてくるものがあり、面白い。



これです。2012年

サッシカイア 2012 750ml
サッシカイア
エノテカ



もう1本はこれ。これも2012年

ソライア テヌータ ティニャネロ (アンティノリ) 2012 赤 750ml
テヌータ ティニャネロ (アンティノリ)(TUSCANY)
テヌータ ティニャネロ (アンティノリ)

Fuocoammare イタリア映画 海の炎 日本でも公開!

2016-04-14 15:18:23 | 何故か突然イタリア映画
Fuocoammare 海の炎
監督 ジャンフランコ・ロージ

待望と言っても過言ではない、期待の作品。
イタリアは南の端、ランペドゥーサ島でのアフリカ難民の生と死を描いた名ドキュメンタリー



ついこの前、2016年ベルリン映画祭で「金のクマ賞」(日本語にすると名前が可愛い。森のくまさん~)を取っている。
イタリアでは2月半ばから映画館で上映されているので、映画館に観に行けばいいだけの話なのだが、やはり監督の生のインタヴューが聞ける、それもかなりプライヴェートな状態で、は、やめられない。
(いつもいつもご招待いただき、ありがとうございます~!感謝感激です)

さて、今回の上映は、映画に先立ち、イタリアの海上警備隊の方の出席、挨拶と、5分程度のプロモーションフィルムの紹介があった。

挨拶は、海上警備隊の宣伝部の部長の方。
365日、24時間活動をしている。活動は多岐にわたり、もちろん移民の救出だけではない。
挨拶後、早速質問が飛び交う。

所属は警察組織ではなく海軍。
大型の船は2槽だが、40メートル級のものはたくさんあって、絶対に転覆しない船とのこと。つまり転覆しても起き上がる船なのだそうだ。へぇ~
かなりの難民が大きな火傷をしている。それは、重油と水が混ざると化学反応を起こし、濡れた洋服でかなりひどい火傷を起こすのだそう。え~!

プロモーションフィルムもよくできていた。
5分程度だが、活動内容がよく分かるものだった。

海の消防士。陸の消防士もだが、本当の勇気を持った人たちだと思う。

さて、映画はすでに64カ国での上映が決まっていて、日本も含まれているとのこと。(日本でも上映ですよ~見てくださいね~!)

なお、今日、まさに今日、舞台になったランペドゥーサで初上映している。(天候の関係で若干予定が遅れたそう)

映画は、本当のドキュメンタリー。ドキュメンタリー風に作ったとかドキュメンタリーに若干の場面を加えたとかではなく、本当のドキュメンタリー映画。



一匹オオカミ的な監督なのだと思う。
2014年から1年にわたり、一人で島に乗り込んで(なお、それ以前はランペドゥーサ島に行ったことはなかったとのこと)撮影。
撮影したフィルムは80時間にも及び、台本があるわけでもなく、本当にそのままを撮った、本当のドキュメンタリー映画。
それも、最初の4ヶ月(!)は、カメラも持たず、人(俳優ではない)を探し、アイデアを練るためにだけ出かけたとのこと。
主役の少年、サムエルは、しばらくして見つけたそうだが、見つけた時すぐに、彼だ!と思ったそう。

今は難民問題というとオーストリアなどが問題になっているが、2014年時点では、アフリカから海上を渡っての難民問題(そして若干トルコ)が取り上げられていた時代なので、ランペドゥーサへのアフリカ難民を焦点にあてたとのこと。

映画は、少年サムエルの日常と成長、漁師、DJもやっている島の放送局、難民に関わっているドクター、海上警備隊の活動、難民たちのインタヴューなど多くの角度から取り上げられている。
その間に関連があるわけではなく、何かストーリーがあるのではないが、モザイクのように映し出され、だんだんと最も大きく、基本的な問題が見えてくる。

  「難民」。海を越えて逃げてくる。希望を持って。しかし、それは死と隣り合わせの冒険。

映画中に語られることもあるが、語られないこともある。
インタヴュー中に監督が、同じような問題を持つパキスタンの記者が熱っぽく語る。

アフリカからの航海は1週間、船は2段か3段構造、甲板は1500ドル、甲板下は1000ドル、船底は800ドルだそうだ。
悲惨なのは当然船底で、モーターから排出されるガスが入ってきて、ガス室並みだそう。
そして、先に述べた重油と水が混ざり、入ってくると洋服に沁みて火傷になる。
船底に押し込められる時、そうとは知らなかったのだろう、拒否すると暴力で押し込められる。
女性は暴行される。
映画中で、難民の女性のエコグラフィーが映るが、父親は誰かわからない。
船の操縦は、3日程度訓練を受けた程度の人が行い、グルではなく、たぶん安く乗せてもらっているだけの同じ難民。
150人乗っていれば、助かるのは100人。50人は生きて陸には上がれない。

もっと刺激的な場面も多くあったそうだが、カットして、100分に収めている。

少年サムエルの、演技ではない表情が素晴らしい。
タイトルの「海の炎」は歌のタイトルからとっている。
流れる懐かしのメロディーも画面を引き立てている。

必見。

ヴィニタリーで見たちょっと(かなり)びっくり 人が倒れる

2016-04-14 00:08:05 | もろもろ、つれづれ
Vinitalyで見たちょっとびっくり

人が倒れると、こうなるんだぁ。

午後、いい加減に疲れた頃、パビリオンとパビリオンの間の廊下にあるカフェのすぐ近くで友人のマルコと立ち話をしていた。
何を食べるわけでもなく、カフェを飲むわけでもなく、たまたま、これからどこに行く??というような話をしてた時。

突然、私は、バタン!と、かなり大きな音を聞いた。
マルコは、突然、oh dio!(あれ~)と叫んだ。
かなり真剣な顔。
びっくりして振り向くと、人がまっすぐ、見事にまっすぐ硬直して、目を開けたまま倒れていた。

今度は、私が oh dio!
ひえ~ ひえ~ ちょっとやばいかも???
目はピカッと見開き、棒のようにまっすぐ、完全に意識がなく、すごい硬直。
35歳くらいの細身、背の高い男性で、本当に棒のように、すごい硬直状態。

一瞬、みんなびっくり、どうしたらいいのか分からないモードで、こっちが硬直しそうな感じだった。
しかし、一大事だと悟り、動き出す。
すぐ隣にいた人が頭を触ってみる。まだ硬直。
少し抱き起こすようにしても、まだ硬直。全く意識がない。目は見開いたまま。

医者~ 救急車~ とみんな叫んでいる。
足、足を上げた方がいいよ!と叫んでいる人もいる。
私は、私が入るジャーナリスト専用の入り口のところに医務室があるのを知っていたので(いつも、何かあったらここにある、となんとなく思っていた。。。)インフォメーションは?
マルコは、日本でいう110番に電話をかけようとしていた。

と、わずか2-3分ほどで、多分巡回していた救急隊員が様子を見て駆けつけた。
それからすぐに3人くらいが来て、直ちに処置。
その頃には意識が少し戻り、硬直が少しほぐれてきている。
しばらくして、一応半身を起こせるようになった。

大きく、ほっ!

あのままだったらどうしよう。。。。。。。。。。。。と本当に心配した。

偶然、倒れるのを見たマルコは、本当に棒が倒れるようだった、と語るし、その瞬間は見なかったが、すごい音だったし(相当頭を打っただろうなぁ)棒が倒れたままの状態を見たのは初めて。

それにしても、今年は、巡回の人の数が違う(かなり多い)と思ったが、お見事。
イタリアもなかなかやるね~!と思った瞬間でもあった。


さて、その日の夜、ローマまでの帰りの列車に乗る。
15分くらいして、アナウンスが流れる。
車内にお医者様はいませんか?いたら至急6号者にいらしてください、と。
あれ~ 私の乗ってる号車だぁ。でも、満席で、私の席の後ろ、だいぶ離れたところのようで、詳しい様子は分からない。

なんでまた???

数分後には睡魔が襲ったのでその後のことは分からない。

飲み過ぎにはくれぐれも気を付けましょう。


Il top delle guide ristoranti 2016 レストランガイドトップ 2016

2016-04-13 14:54:24 | レストラン
Civiltà del bere: il top delle guide ristoranti 2016

ヴィニタリーに行くと必ず買うものがある。



Civilta’ del bereの2冊の小雑誌。

雑誌自体は滅多に買わないが(ごめんなさい)この2冊だけは欠かせない。
vinitalyにたまたま行かなかった年は買わないが、そういう年はわずかなので、わずか抜けている他、2000年代の最初のころの号から捨てずに持っている。
(興味がある方は個人的にご連絡を。また毎年ではないけれど、過去何度かアップしています)

年鑑本が流行りの昨今、ワインに関しても、レストランに関して、ガンベロだのいろいろ買っていた時もあるが、もう面倒くさいので買わない。
これを見ればある程度がわかるからである。

この2冊とは、

Il Top delle guide vini 2016
Il Topo delle guide ristoranti 2016

ミソは、ワイン、レストランのトップではなく、ワイン「ガイド」、レストラン「ガイド」のトップ。

つまり、ワインとレストランの年鑑本の結果を集計してしまう、というコンセプト。



特にワインの方は若干無理があるが、レスランの方は使いやすい。
これ1冊で本当に足りてしまう。

さて、まずはレストランから。

年によって微妙に変わるが、今年は5冊の年鑑本を集計。
5冊は以下。

ミシュラン Michelin
エスプレッソ Espresso
トゥーリング Touring
ガンベロ・ロッソ Gambero Rosso
イデンティタ・ゴローゼ Identita’ Golose



各本とも、採点の仕方は違うので(星やら点数やら。。。)、それを無理やり集計するとことも面白いのだが、その集計方法は以下。

さて、1位に輝いたのは。。。。。当然、フランチェスカーナOsteria Francescana。世界、トップランキングの上位3位を占めるくらいのレストラン。



以下は、こちらを。



今年は674位までが掲載されている。

各週別、各県別リストもあり、また、住所と電話番号も最後にリストされている。
各レスランの説明やおおよその値段などの記載は全くないが、あとは調べればいいこと。

超豪華ディナーを希望なら順位が上のレストランを。
値段ほどほどでオススメは500、600位台。

Vinitaly 来年は 3月26-29日

2016-04-13 11:10:32 | イタリア・ワインABC
今年のヴィニタリーが終わった。



と言っても今日が最終日なので、まだヴィニタリーは続いている。
ただ、最終日になると午後15時くらいから閉めてしまうスタンドが出てくるので、最後の数時間は開店休業、というとオーバーだが、そうとも言える状態になってくる。そこで、今日の午後、いつもの上映会があるため、4日をやめて3日間。

スタンドが時間(終了18時)より早く閉めてしまうというのは、日本では考えられないだろう。
そんなスタンドがあったら「時間内に行ったけれど誰もいなかった」とクレームになりそう。。。。
いや、その前に、主催者からの注意事項として「ちゃんと時間を守ってください」と注意書きがあるだろう。

なお、こちらもいい加減、イタリア人たちと行くようになってから、朝早くから行くことはなくなったが、昔、日本人同士で行っていた時は、オープン時間(9時30分)前には必ず着いていて、オープンと同時には入ったものだが、早朝もまだ閉まっているスタンド多数。
当然、スタンド関係者は早めに入れるのに、早めに入り準備万端入場者を待つ、というスタンドはそう多くはない。(笑)

こういうところがイタリアの可愛いところであり、困ったところでもあり、イラつくところでもあり、しかし、愛せるところ。

さて、今年の開催は4月だったこともあり(予想に大きく反して)天気に恵まれ、暑いくらいだったが、来年は3月の終わり。
会わない人には絶対に合わないが(当たり前)ふっと、懐かしい人に出会えたりして、そんな時がとても嬉しい。

2017年は3月26日から29日。
いろいろ批判はあれども、やっぱりやめられない。
一度もいらしたことのない方は是非どうぞ。

ヴィニタリー良いとこ一度はおいで

来年ぜひお会いしましょう。

Barolo chinato s.a. Cappellano バローロ・キナート カッペッラーノ

2016-04-07 15:41:40 | Piemonte ピエモンテ
Barolo chinato s.a. Cappellano



アルマンドのネッビオーロのコルソもそろそろ終盤。
残すところあと1回だけだが、最後はヴェルテッリーナなので、3回に分けたバローロが終わり、これでほぼ終わったような感覚。
そこで「最後」のワインとしてアルマンドが選んだのはコレ。

私はマッソリーニのヴィーニャ・リオンダと踏んだのだが、またはもしかしたらジャコモ・コンテルノのフランチャ。。。

ところが蓋を開けると、なんと

フランチャが一番最初のワイン(コレを一番最初に出してしまう試飲会はそう他にはないだろう。。。。。。)

ヴィーニャ・リオンダが最後から2番目のワイン(ただし、辛口のワインとしては一番最後。一応当たった。。。)

そして、最後がカペッラーノのキナートだった。

おお、と感嘆を上げるしかない。

他の6つのワインに関してはまた別に書きたいのだが、そして、3回に分けた他の回についても書きたいのだが(ネッビオーロの他の回に関しても。。。いつになるやら)とにかく最後のワインに権威を表して。

Barolo chinato s.a. Cappellano
s.a.=senza annata ヴィンテージなし

バローロとバルバレスコの規定の記事で書いた。(見てない方はぜひどうぞ)バローロにはキナートがあるがバルバレスコにはない。これから先誰かが作るかもしれないが、とにかく今はバルバレスコは辛口のワインだけ。
バローロはキナートがあるので、正確には辛口ワインと甘口ワインがあることになる。

カペッラーノは、辛口のバローロも当然造っていて、2種あるうちのピエ・フランコPie Francoが大好きである。
もう一つのピエ・ルペストリスPie Rupestrisも素晴らしいが、ピエ・フランコにはかなわない。



ちなみに、ピエ・フランコとはアメリカの台木に繋いでいないもののことを指す。
(ただし、それは、このワイナリーのぶどうの木だけがフィロキセラから逃れたというわけではない)

さて、このカペッラーノがバローロ・キナートを造った。
1895年、薬剤師だったので考えたのだろう。13種類の薬草を混ぜて造ったのが始まり。
中でもキーナの使用量が多いことからこのキナートの名前が付いているが、キーナだけを漬けたものではない。他、糖分、アルコールが「添加」されている。

アルコール度。デザートワインはアルコール度が高いが、17、5%。
潜在アルコール、つまり糖分として残っているのは18%。

そう数は多くないとはいえ、バローロ・キナートは他、幾つかのワイナリーが造っている。
しかし、カペッラーノのものは別格。雲の上に位置すると言ってもいいくらいである。

当然甘いが、そして薬草酒なので、薬草の香りがプンプンするわけだが、この品の良さ。
ベタつく甘さは全くなし、酸味が程よく、余韻がすごーーーーく長い。
いつ飲んでも素晴らしいワインである。
いつも感動的。至福。

必ずと言っていいほど、これは何と合わせたらいいんですかぁ??と聞く輩がいる。
これはこれだけで飲むべし。
それがこのバローロ・キナートの正しい飲み方。



カッペッラーノのキナートが日本に入っているのかはわからないが、ロアーニャのを見つけた。
ロアーニャはこれまた素晴らしい超自然派のピエモンテのワイナリー。
飲んでみる価値はある。絶対。

バローロ キナート ロアーニャ NV 甘口リキュール 750ml
ロアーニャ(TUSCANY)
ロアーニャ




La macchinazione イタリア映画 陰謀

2016-04-07 00:00:23 | 何故か突然イタリア映画
La macchinazione 陰謀
監督 ダヴィド・グリエコ

パゾリーニの映画。パゾリーニが作ったのはなく、パソリーニを描いた映画。それも彼の死に関して。



ピエル・パオロ・パゾリーニを知らない人は日本ではたくさんいると思うが(残念。。)ヨーロッパ、特にフランスで、そして北欧でもかなり人気があったというのが今日の北欧の記者たちの弁。

生まれは1922年、映画監督が一番有名だと思うが、詩人、小説家でもある。
最も有名な映画作品は何と言っても遺作となってしまった「ソドムの市 Salo’ e 120 giorni di Sodoma」だろう。
数ある映画の中で最も「見たくない」映画に挙がるだろうと思われる映画。(頑張ってもう一度見る。。。?うーーーーん。。。)
今から40年前、1975年の作品である。

彼の死も1975年。11月1日の夜から2日にかけて暴行に合い惨死、2日の朝、ローマ郊外のオスティアの海岸で遺体が発見された。

バリバリのコミュニストで、ゲイ(当時はホモといったほうがふさわしい)で、今と違ってゲイは社会から否定されていた。
当時付き合ってたのは17歳のチンピラ少年。結構な美少年(写真からは美少年とは思えないが。。。)で、かなり惚れていたと推測する。

パゾリーニを殺害したのはこの愛人のチンピラ少年ピーノだということになっていた。
それは自白によるもので、裁判にかけられ(未成年だったので76年に再審)9年の懲役となった。

しかし、当時からパゾリーニの死を疑う人はいて、ただ、ピーノが自白内容を変えなかったこともあり、そのままになっていた。(家族に危害を加えると脅されていたらしい)
それが、2010年になり、パソリーニの死が再度調査されることとなり、意外(と言っても推測されていたことのようだが)な事実が発見されたのである。

パゾリーニが着ていた服が保管されていて、5人のDNAが発見された。
つまり、ピーノが単独で殺害を起こしたということと一致しないし、数日後に現場を撮ったビデオがあり、再捜査すると、とても一人で暴行したと思えない状況などがわかってきた。

ピーノ自身も、両親が亡くなった後であることもあり、実際に殺害したのは当時、ピーノも属していたチンピラグループ(ネオファシスト)の一員、麻薬密売などをやっていた兄弟だと告白するようになった。
パゾリーニがホモであり、バリバリのコミュニスト、そして有名人、映画監督として金ズルになっていたこともある。
当時、ホモで共産党であることがかなりの憎悪の対象になっていたようだし、実は、殺害の前に「ソドムの市」のフィルムが盗まれていて、交換に多額の支払いが求められていた。

誰がフィルムを盗んだかパゾリーニにも想像がついていたようで、返してもらう約束を11月1日とした。
ピーノもその場にいて、彼はむしろ、パゾリーニの死を救おうとしたようだが、殺人犯の濡れ衣を着せられることになってしまった。

映画は「ソドムの市」の撮影が終了し、リモンタージュをする頃から死まで。

ところで、その頃、パソリーニは「石油 Petrolio」というタイトルの小説を書いていた。(未完のものが1992年になって出版されている)
かなり危ない内容の小説で、つまり、当時の隠れた石油王(Cefisという人物)を偽名で弾圧した内容で、いずれは殺される運命にあった、と言われている。

つまり、真実は、単純にチンピラグループが金目当て、ホモで共産党という憎悪から殺害しただけではなく、裏にパゾリーニがいなくなることを喜ぶ政治と経済の社会が存在していたということらしい。

映画監督は、友人でもあった(特に母の友人だったそう)ジャーナリストのダヴィド・グリエコ。
生前、パゾリーニのアシスタントを務めたこともあるという彼が、2014年にフェラーラという監督により製作された「パゾリーニ」という映画の参加を最終的に拒否し(ゲイであるプライベート部分が強調されていることが嫌だったそう)、新たに自身でパソリーニの死について制作したのがこの映画。
小説家でもあり、小説にもなっている。
聡明で、おそらく頭脳明晰、今日のインタヴューは、イタリア現代史を含むかなり難しい内容になった。(冷や汗。。。。)

ピンクフロイドの音楽が映画をとても引き立てる。
そして、パゾリーニ役がなんとまあ、びっくりするくらい似ている。画面に最初現れた途端、似てる~と声が上がったほど。
私も生前のパゾリーには映像でよく見たから知っているが、まあ本当に瓜二つ!

パソリーニに全く興味のない人は見る必要はないが、興味がある人は絶対に見たほうがいい。
なお、意外とイタリアでは、パゾリーニを知らない若い年代で反響が大きいとのこと。



こちらのビデオは「世界で最も見たくないグロテスク映画」、超有名「ソドムの市」、パソリーニの遺作。
勇気がある人は勇気を持って見てください。。。。
フィルムが盗まれたので、残されたコピーで制作されたとのこと。

ソドムの市 ~制作40周年記念~ [DVD]
クリエーター情報なし
是空