在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Casperia カスペリア その3 −オリーブオイル 畑と搾油所

2016-10-29 21:51:46 | オリーブ・オイル
サビーナはローマ近郊、非常に高品質なオリーブオイルを生産する地域。





サビーナのオイル、ラ・モーラLa Moraと言ったら、昔から有名なオリーブオイルである。
賞も取っているレベルである。
そのラ・モーラの畑の収穫を見学。



私が日本にいた頃は、オリーブオイルと言ったら黄色か茶色が普通だった。
イタリアに来たら黄色になり、たまに緑のがあると、おお、きれいな緑〜と思ったものだが、今は緑色が普通になっている。

と言っても、実際にオリーブオイルのテイスティングをする際に、実は色は見ないので、ある意味、色は品質には関係はない。

しかし、昔、茶色に近かったころのオリーブの収穫は12月や1月だったし、それがだんだんと早くなり、11月に収穫するところが出てきて、今は10月に収穫をするところも多くなっている。

これは非常に好ましい変化である。

緑の実がまだ多いくらいで収穫するので、色も黄色から緑色になる。

(初歩的な内容だが、緑の実と黒い実は、同じ品種である。最初は緑、それがだんだんと黒く色付いていくのであって、品種が違うのではない。)

カスペリア一日エクスカーションの最初の訪問はオリーブ畑の収穫から。

案内をしてくれたのは、23歳の時から、すでにうん十年オリーブオイルを作っているというイギリス人、ジョニー。

イタリアのオリーブオイルに関してイギリス人に教わる、というのはジョーダンみたいな話だが、実はイタリア人でも、オリーブオイルのことを知らない人が意外に多い。
ジョニーはイギリス人だが、オリーブオイルの国際的なパネルテストにも参加するという、知識と経験の非常に豊富な、素晴らしい人であった。

バスの中でオリーブオイルに関しての簡単な講義。

オリーブオイル・ソムリエ(オーバーな言い方なので個人的には好きではない。。。)の資格も持っているが、最近はちょっと離れているため、ちょうど良い復習。

ジョニーの講義は実に的確、簡潔。



さて、10月ですでに収穫をしているというラ・モーラのオリーブ畑は、見事に綺麗な畑だった。

収穫の模様を、撮影、取材、見学する。

そして、ラ・モーラのオイルも搾油している搾油所へ。

収穫の時期なので、フル稼働していた。
オリーブが運ばれてくる。



オリーブの周りをちらちらと飛んでいるのは憎きオリーブバエ。
温暖化もあるのだろうが、つまりハエにとってより生育しやすい気候になっているのかもしれないが、このところ被害が大きい。
以前は隔年で被害が出ると言われていたものだが、今では毎年のように被害を聞く。

オリーブはかなり丁寧に洗われる。
なお、最近、と言ってもここ15年程度で流行になっている「種無し」の方法はここはとっていない。

洗われたオリーブは潰され、捏ねる。

その後、固形分を分離(デカンタ)して、さらに、まだ残っている水分を分離する(セパレーター)。

同時にいくつもの生産者のオリーブを捏ねることができるシステムは初めて見たが、かなり高品質な搾油所だと見受けられた。



Piuma di Roan Johnson ピューマ(羽)

2016-10-28 12:07:38 | 何故か突然イタリア映画
Piuma  ピューマ(羽)
監督 ロアン・ジョンソン

羽子ちゃんのお父さんとお母さんの物語〜



うちの子供達がこうでなくて良かった〜!がまず思ったこと。

そういう意味では、基本的部分でかなりイライラさせられる映画だったが、映画自体はすごく面白かった。笑える場面がいっぱいの爆笑コメディ。

さて、個人的にイライラさせられたのは、18歳の高校生カップルが妊娠してしまい、子供を産むことに、という映画の最も基本的部分。

上映後の監督の会見で、監督曰く、堕ろす、というのが前提になっていないことからストーリーが始まる、ということだったが、その通り。

まだ勉強があるのよ、とか、大学はどうするの?とか、高校卒業旅行もあるじゃない、とか、子育てって言ってもお金がないでしょ、とかの話で堕胎を説得する場面は最初、ほんのわずか。

それも、以前堕ろした時の後遺症で、これを逃すともう2度と妊娠できないかもしれないという言い訳(見え透いたウソ)に屈して、双方の両親ともに黙認。

私が親だったら絶対に説得する!と思うと、親の態度にイライラ。

しかし、よーく考えてみると、18歳で妊娠して産む選択をする人たちが多くなれば、人口は増えるよね、と思ったり、親になるのに年齢はない、いつになっても親に適さない人がいるかと思うと、18歳でも良い親になれる人はいるだろうし、とも思う。

結局は、自分の人生が幸せだったかなんて、死ぬ間際になってみないとわからないわけで、こういう選択もありかもね、と思ったり。
しかし、やはりこれが自分の娘(息子)に起こったら、と考えるとイライラしてしまうのであった。

本当に起こらなくて良かった〜

18歳の高校生カップル。フェロとカテ。
高校卒業試験が迫ってきているのに妊娠してしまった。
フェロの家は郊外に住む中産階級だが、カテの家は、お父さんは博打でお金をすってしまう、はちゃめちゃな性格、ルーマニア人のお母さんも変わり者で、ちょっと荒れた家庭。
こんな家庭に育ったら、妊娠でもして、早く家を出たいと思うかも。。。

フェロのお父さんの演技が上手い。
そして、フェロのおじいさん役が、スパイスが効いていてとてもいい。
それから、親戚のステッラという女性も、ちょっとこじつけ部分はあるが、なかなか。

卒業試験はなんとか通り、卒業旅行のモロッコ行きは断念、暑い夏をローマで過ごすことになるのだが、そんな二人が少しずつ親になる自覚を持っていく様子が面白おかしく描かれている。

女は妊娠した時から母親になるが、男は生まれた子供を見た時からだよね〜
途中でフェロがふら、くらっときてしまう場面もあり、また爆笑。

8ヶ月目になって、親になるのは早すぎる、と悟った二人が子供を養子に出すのを決意するが。。。。

ピューマは羽の意味。
二人が付けた、生まれてくる女の子の名前。

監督曰く、イタリアにもやっとcine panettone以外のよくできたコメディ映画が登場してきている、とはホント。痛快。
(cine panettoneとは、クリスマスに向けて上映される、どーでもいい、実にくだらない、笑うだけのコメディ。パネットーネはクリスマスに食べるお菓子で、パネットーネ・シネマの意味)



Rubino 2014 Bulichella ルビーノ 2014ブリケッラ

2016-10-27 21:13:15 | Toscana トスカーナ
Ribino 2014 Bulichella



ご存知の方も多い宮川氏のワイナリー、スヴェレートにあるブリケッラのワイン。

色はとても綺麗なルビー色。光沢も申し分ない。
シンプルでワインらしい花の香りとベリー系のフルーツの香り。一瞬甘いが、その後、スパイス臭が出てくる。そして、革の香りなど。タンニンの渋みが鼻をくすぐり、アルコールが上がるのが気にならないことはないが、ワインらしい香りが心地よい。
ビオワインらしく、インパクトが優しい。するっと喉を通るこの優しさは、一瞬心を癒す。酸味がほどよくあり、しかし強すぎず、タンニンも優しく嬉しい。まろやか、というのとは違う優しさがある。その後、タンニンの渋さがやや出てきて存在感を見せ、フルーツの甘さと程よい渋みに加え、アルコールのほろ苦さが余韻に残る。++







同じ宮川氏のワイン


コルディピエトレ・ロッソ 2009 ブリケッラ イタリア トスカーナ 赤ワイン 750ml
コルディピエトレ・ロッソ
ブリケッラ

Casperia カスペリア その2

2016-10-27 16:44:45 | もろもろ、つれづれ
カスペリアの町を、昼間の間かなりくまなく歩いたような気がしたのに、料理学校なるものは全く見かけなかった。
夕食はカスペリアの町の料理学校Gusto al Borgoというところでということになっている。

この小さな町のいったいどこに料理学校が??と思ったら、ある建物の2階にあった。



とても素敵な料理学校。
キッチンは4−6人程度が使えるようになっている。

雰囲気家庭的、広さも申し分なく、景色も抜群。

ニョッキの作り方の簡単な講習。

ニョッキは、安物だと小麦粉の量が増え、その分歯ごたえは良くなるが、ぐっと重たくなる。
使う小麦粉の量が少ないと、その分軽くて香りが良く、柔らかいが、作りにくい。

見ると、ジャガイモの量に対して、かなり少なめの小麦粉の量。

山のようなジャガイモと少量の小麦粉、卵と、パルミジャンチーズは結構たっぷり、そして、香り付けにナツメグ。おお、ナツメグかぁ。これは今度やってみよう。

なにせ1日の内容豊富、時間に限りがあるので、簡単な講習だったが、何事もタメにならないことはない。

実際に試食する部屋は、まるで普通の家の、といっても普通の家にしては非常に広いのだが、サロンのようになっている。とても品の良い造り。
ここのテラスからの眺望も素晴らしい。

ニョッキの試食の前に、くるみとチーズのサラダ、ブッラータ(モッツァレッラに似たチーズ)を入れたラビオリ、ニョッキの後にはローストビーフのぶどうソース、そしてデザートまで。





なんて贅沢で幸せな1日。

そして、みんな気取らず、個性は強いが、面白、愉快なメンバーばかり。
本当の取材を兼ねているので、あちらこちらでテレビカメラが回っていたり、インタヴューしていたり、その合間に、みんなよく食べて、よく笑って、よく歩いた。

本当に素敵な1日を過ごさせていただきました〜

なお、カスペリアの周辺にもアグリツーリズムなど宿泊施設がいくつかあるようだが、カスペリアの小さな町の中にも、それはそれはかわいらしいアパート、B&Bがある。
中を見せていただいたが、可愛い〜可愛い〜すっごく可愛い〜

小さな道を挟んだ隣り合わせに2つあり、アパートがよければPietre di Aspra、B&BがよければLa Torretta。
Pietreの方はシンプルでモダンな居心地の良い清潔なアパートが3つ、キッチンもあり、テラスからの景色が綺麗〜
La Torrettaの方は、カスペリアでB&Bを初めてオープンしたという老舗。サロンの壁には、改築で出てきたというフレスコ画。昔の宮殿の雰囲気を味わえる。しかし、部屋はシンンプルモダンで、こちらも可愛い。

こんなところで1週間くらい過ごしてみたいものだ。
心が洗われそう。

ローマからの距離は車で1時間。




Casperia カスペリア −サビーナ(有名オリーブオイル産地)周辺にある宝石のような町

2016-10-27 11:40:01 | もろもろ、つれづれ
イタリアには無数の宝石がある。
各地に、宝石のようにきらっと輝く町、村があるのである。
その数は尽きない。本当に尽きない。

カスペリアという小さな町に行ったのは偶然。
光栄にも、外人記者クラブの取材エクスカーションにお誘い頂いた。

カスペリアという町を知っていたかというと。。。残念ながら聞いたこともなかった。
そころが、なんとまあかわいらしい、それは魅力的な町(村)だったのである。

精力的なエクスカーションの、1日で回る内容のあまりの濃さにはびっくり。大きく期待。
そして、その期待を裏切るどころか、期待以上のものを見せて頂いた。
天気に恵まれ、汗を掻くほど暑かった1日、その多くを、カスペリアという町で過ごした。

イタリアの小さな町の中心は、大抵車が入れない。
道が狭く、馬車に合わせて作られた町に現代の車が入るのが難しかったり、道が入り組んでいるため車を締め出したり、理由はいろいろだが、カスペリアの場合はどうやっても入ることができない。
何故なら、町の道路のほとんどが階段でできているからである。

門は南側にローマ門、反対側にラティーナ門の2つ。
どう迷っても、どちらかの門にたどり着く。

中心となる教会、サン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会を中心に道が三重に、その間はちょっと急な階段で結ばれている。
緩やかな階段も多いが、結構急な階段も多い。。。
最初は迷路のようだと思ったが、歩いていると同じところに出る。
それくらい町の規模が小さく、迷いようがないことがわかってくると安心。
面白くなる。



ローマ門から入り、早速階段を上っていくとテラスに出るが、そこに噴水がある。
こういう丘の上にある町は水が問題で、噴水が造られた時には市民が歓喜したというが、本当だろう。




貴重な水を有益に使うために、人間が飲み、動物が飲み、そして、洗濯用の水と、大きく3段に渡るように「噴水」が作られている。
そこに、実においしそうな気さくなレストランが1軒。

もう少し上がると、地元の農家の野菜を売っているオシャレな八百屋が1軒。





さらに上がると市庁舎のある広場に出る。

そこにレベルのとても高い洋裁学校がある。



1年間に受け入れる生徒は9人までという、小さな学校。
フェンディの工場が近くにあるそうで、フェンディの協力で運営しているという超高品質の洋裁学校。
若い女の子たちが実習をしていたのだが、いずれ素敵なドレスを作るようになるんだろうなぁ。。。

さらに登ると、教会。16世紀のサン・ジョヴァンニ・バッティスタ教会。
教会も可愛らしいのだが、奥の部屋に、カスペリアの街角を再現したという壮大なプレセピオが展示されている。
かなり大きく規模がすごい。
この手の「模型」は個人的に好きなので、見ていて飽きない。




昼食の前のアペリティフは、フォラーニ宮殿のカンティーナで。
宮殿も素晴らしいが、その地下に当たるカンティーナはとても綺麗に整えられて、こういったイベントを行うのに最適。

今年の収穫のオリーブオイルとスーパーで販売されている安価なオリーブオイルの違いを味わってみたり、地元の実に美味しいハムを試食したり。
柑橘の香りがするカポコッロ、高品質のチーズ、噛むほど香りが出る生ハム。。。。




しかし、これで昼食前のアペリティフ。

昼食は地元のパスタの作り方実践を見た後、試食を兼ねての昼食。





Pinot Nero 2014 Tramin

2016-10-26 22:55:27 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Pinot Nero 2014 Tramin



アルト・アディジェのワインは好きなのでよく飲む。
小さなワイナリーが多いところだが、いくつか、ある程度大きい有名どころのワイナリーがある。

トラミンはその一つ。
数年前にぐっとモダンなラベルになった。
シンプル過ぎて、実は、個人的にあまり好きではない。

というか、ルーチョ・フォンタナを思わせる。
美術はもともと好きなのだが、ルーチョ・フォンタナを思わせるが当然違う、というのが好きではないのだと思う。
ラベルはワインの顔のようなもので、ワイン自体がクラシックなものから突然モダンに変わる訳はないのだが、ラベルがガラッとわかるとワインのイメージまでが変わってしまう。

ということは置いておいて、私たちは冷静にワインを判断する必要がある。
だからこそ、ブラインド・テイスティングが有用なのだが。

さて、このところ全く飲んでいなかったトラミンのワイン。
訳あって、ピノ・ネーロのハーフボトルを買った。

ヴィンテージは2014年。

ハーフボトルであることもあると思うが、色調はすでに落ち着いたガーネット色が爪の周りに見えていた。
もう少しイタリアのピノ・ネーロらしい華やかな香りを期待していたら、かなり落ち着いた香り。
そして、かなりまろやかな印象。といっても、アルコールが強いとか、グリセリンが多いというわけではない。酸味が少なく、タンニンもあまり感じないので、まろやかな印象を持ってしまう。しかし、最後は渋みが少し残るので、決してタンニンの存在感がないわけではない。
フルボトルはもう少し若さが残っていると思う。飲みやすいので、ワインに飲みなれていない人にかなりオススメ。++



カンティーナ・トラミン トラミン ピノ・ネロ 赤2014 750ml
カンティーナ・トラミン
カンティーナ・トラミン

Liberami di Federica Di Giacomo 解放してくれ (勝手に付けた邦題: キツネ憑き)

2016-10-21 11:53:32 | 何故か突然イタリア映画
解放してくれ(勝手につけた邦題:キツネ憑き)
監督 フェデリカ・ディ・ジャコモ



先日行われた(9月)ベネチア映画祭のドキュメンタリー部門(sezione Orizzonti)で最優秀作品となったもの。
監督は女性でフェデリカ・ディ・ジャコモ女史。

エクソシスム(悪魔祓い)を3年にわたって追ったドキュメンタリー映画。

シチリアでエクソシストとして非常に高名なカタルド神父は77歳、彼の元に、遠くからも悪魔を追い払って欲しいと大勢の人が詰め掛ける。

毎週火曜日に催される集団での悪魔祓いのミサでは、何人もが、まるで別人のように豹変する。

個人的な悪魔祓いを依頼する人も多く、無事にサタンから解放される人、何度も通っているがまだ解放されない人なとがいる。

意地悪く、演技?と思う人もいるだろうが、いや、違うと思う。
思春期の少女もいて、この演技は絶対にできない。

それにしても、みんないたって普通の人。
ところが何かの拍子にまるでサタンのように(日本ならキツネが取り付いたように)豹変する。
そして、神父が手を当てる、祈ることにより、声までもが変わり(かの有名映画「エクソシスト」を思い出した。。)暴れ、しばらくしておとなしくなり、元の状態に戻る。

うーん、演技ではない。

それにしても、いったいこの悪魔(日本だとキツネ???)はどこから来るんだろう。

電話でエクソシスムをするのは爆笑場面だったが、私は笑うよりビックリ。

そういえば、何年か前、バチカンでエクソシスト養成講習会をやった話題は薄っすらと思えているが、エクソシストは、現代でかなり必要とされているらしい。
カタルド神父も当然参加していた。

最後、エクソシスト認定証をもらった神父の話が出るが、カタルド神父のように、結構乱暴な場面はあるし、集団でもエクソシスムをやってしまうのでは認定証はもらえないのだとか。
そんな紙切れより、1人でも多くの人をサタンから救いたい、と思っているだろう後ろ姿が印象的。

本当に、1日も休まず、遠くからも来る人の救いに手を貸しているそう。

ところで、この前、金縛りになった人がいた。
上から誰かがのしかかってくるような感じだった、とのことだが、中学校の頃からよく金縛りに合うという人は(医者)、疲労などで体が疲れているのに、頭だけが異常に覚醒している状態ですよ、と言った。

昔、霊に非常に敏感な人がいて、霊を見る、金縛りに合うことも多い、ということだったが、いたって普通の、むしろ頭の切れる人だった。

瀕死の状態から生き返った人のかなり生々しい話を聞いたこともあるが、霊も見たことがない、金縛りにあったこともない私は、たまに足がつる程度で(笑)想像の範疇外である。
へー、ほー、うわぁ、えー、である。

本当にサタンがいたら神がいるのだろうし、神の存在を認めないということは悪魔の存在も認めないわけで、では、科学的に考えると脳波の異常?
しかし、映画の中の何人かの証言では、ここへたどり着くまでに病院は何箇所も通い、脳波の検査もしたという。異常なし。

。。。日本ならキツネだぁ (笑)

上映の後の監督との会見は、今回は長かった。
ちょっと意外と言っては失礼だが、背が高くてかなりの美人監督。
モデルができそうな体型で、こういうドキュメンタリーを撮るのか。。すごーい。(と変なところで感心)

ご本人は無宗教だそうで、だから冷静に、中立的な立場で撮れたのではないかと思う。

パレルモの、下町の汚い界隈、庶民を主に映し出していたため、階級の違い(イタリアは階級社会。。。)に関しても話が出たが、頭の良い人でも、階級が上の人でもこういう状態になることはあり得る、と。
個人的には、むしろ、より多いのではないかと思ったり。

もちろん、エクソシスムをトライする人もいるだろうが、この映画の出演者のように公言しないだろうし(もちろん映画内でも出演、発言を拒否した人はいたとのこと)、精神科へ通う(想像より多い)、精神病院で治療する、しまいには入院する、家族によりさせられる、ということになるのだろう。
知り得ないが、そういう人たちの脳波がどうなっているのかには興味がある。

サタン?キツネ?脳波の異常?霊にとりつかれた???

映画は、日本での配給が決まったそうで、日本でも上映される。

この手の話題にちょっと興味があればぜひ見て欲しい。宗教映画ではないし、ホラーでもない。
あくまでもドキュメンタリー。

それにしても、普段は全く普通の人。
しかし、何かの拍子にこういう状態になる人が意外と近くにたくさんいるのかもしれないと思うと、背筋がちょっとゾッとなる。
いや、いつの間にか、自分が気がつかないうちにそうなったりして。。。。。

キツネさん、私には取り憑かないでくださいね〜


また行きたい3つ星 Piazza Duomo

2016-10-20 18:59:09 | レストラン
また行きたい3つ星



あまり期待していなかったというと失礼だが、非常に良かった。
ピアッツァ・ドゥオーモならすごく良くて当たり前でしょ~、3つ星なら当たり前でしょ~、と言われるかも知れないが、本当に過度の期待はしていなかった。

もちろん美味しいだろうとは思っていたし、3つ星なりの風格があると想像していたが、ここにはそれ以上のものがあった。

予約がかろうじて取れたのが昼。
13時までには絶対に来て欲しいと言われ、そのために午前中のワイナリーの予約を前倒ししないといけなくなった。

無事に前倒しできたので、心配はしていなかったが、13時、13時、それ以降は絶対ダメ。。。と心の中で念仏を唱え(笑)時計を何度見たことか。

おかげでだいぶ早めに着いてしまった。あれ~ (笑)

おそらく一番乗りだったような。
人数が多かったので個室に通される。
だから、その他の部屋は見ていないが(ちらっと遠くに見えただけ)とにかくレストラン全体の大きさ、スペースの贅沢さにはびっくりした。

かなりゆったりした造り。

そして、シンプルで明るい雰囲気、軽やかな雰囲気も持ち合わせ、肩が凝らない感じがとても良い。



さて、一番最初に持ってこられたお皿。
三日月型のお皿にちょこんとオリーブが二つ。緑のオリーブと黒のオリーブ。これだけ。
さらに何か追加されるのかと思ったのだが、それもなし。これだけ。
え~!?どう見ても本物と思ったのだが、なんと偽物だった。

エビのタルタルと牛のレバーで作ったのだそうな。ほお、へー。みんなびっくり。
これが美味しいかは別にして、偽物には絶対に見えない作り。
偽物だよねー、の言葉はなく、誰もが本物だと思った。。。
先日の某レストランのキャビアは、本物じゃないよね~、とすぐにわかる作りだったが、こちらは本物そっくり。

そして、サラダ。
最初にピンセット。これにはちょっと爆笑。お箸代わり?それならお箸の方がいいような気もしたり。。。
そしてお品書き。使った材料を全て書き出してあって、その数120。



しかし、そうれほど大きくはない容器に、本当に120の違う材料が使われているのだろうか??(とちょっと疑ってみる)

さて、この容器がかわいい。
ガラスで、本物の鉢のように、下に穴が空いていて、つまり、使ったドレッシング(と一応呼ぼう)が底のお皿に落ちる仕組みになっている。
それにつけて食べたり、最後には飲む。
日本のだし(鰹節と昆布を使用とのこと)がベースになった優しい味になっている。

大いに楽しんでくださいね、と言って去った。

ピンセットでつまみながら、色々な味の野菜を食す。
山のようだった野菜や葉っぱ、花びらなどが空になる。
美味しかった。緑いっぱい幸せ気分。でも、一番喜んだのは胃ではないかと思う。
お花畑が舞い込んでようだったのではないかと。



次のポテトのクリームスープも美味しかった~。
これまたガラスの容器がかわいい。
そして、中に埋もれていたうずらの半熟卵が美味。(半熟卵大好き~)

どれもシンプルで、でも凝っていて、優しい味わいに仕上がっていて、完食。

そして、メインの鹿肉、これまた想像以上に絶品で、完食。
量、味、また見た目も美しく、シンプル・イズ・ベストを行っている。



ということで、若干リゾットを残した人がいた以外、みんな完食。

ああ、また行きたい。

次は、一体どんな料理を出してくれることやら、と、予定がないにもかかわらず、楽しみ~


ランキング4位


偽メッセージには注意しましょう

2016-10-20 18:38:51 | もろもろ、つれづれ
先週のことだが、友人が、変なメッセージが来たよ、と連絡してくれた。
ツイッターのメッセージだったらしい。



どこの誰に届いたかわからないが、こんなメッセージが届いたら、今後も開けないでいてほしい。

ツイッターは、正直、使い方をすっかり忘れてしまって(笑)、グーグル・ブログをアップするのにしか使っていない。
(だから、逆に、本当にメッセージをいただいても、返信できすに無礼してしまっている。。。)
blog. gooだったら本物だが、それ以外、何かの宣伝メールを送るようなことは絶対にない。(絶対にしません〜)

10月に入って、仕事で忙しかった時、フェイスブックのアカウントに誰かが入ろうとして、ブロックしました、とメールが入った。
忙しくて、フェイスブックどころじゃない時だから、そのままにしていた。

ブログを書く暇もなく、こっちもほったらかし。

忙しいのが終わり、さて、と、ブログを更新し、いつものようにツイッターにアップしようとしたのだが、パスワードを変更してください、と出た。

誰かが入ろうとしたらしい。
これはフェイブックの1件と一緒なのだろうか?全く偶然あっちにもこっちにも入ろうとしたのか。。。??

しかし、友人に送られたメッセージで、とにかく誰かが入ったということがわかった。

これ以上の被害がないと良いのだけど。。。。。
本当にはた迷惑。



2度行かなくていい2つ星 アルノルフォ Arnolfo

2016-10-17 15:54:17 | レストラン
2度行かなくていい2つ星(2度と、ではない。念のため)



アルノルフォに行くのはこれで3度目なのだが、最後に行ったのはもう何年も前。
そこで久々の久々である。

実は、過去に行った2度とも、同じことを思った。
1度で充分。

また行きたいレストランと、もう行かなくていいと思うレストランの壁は、ある意味紙一重のような気がする。

基準になるのは当然 、味、品質、そして値段。雰囲気、サービス、私の場合はワインの品揃えとワインの値段、というのも加わる。
どんなに素晴らしい品揃えでも、ワインの値段を知っている分、ボッタクリ値段だと興ざめ。

アルノルフォは素晴らしいレストランだと思うが、雰囲気、重すぎ。仰々し過ぎ。
そういう風に造っているので、そういう雰囲気が好きでなければ行かなければいい。

調度品はどれも立派だし、豪勢、シャンデリアが下りてきて、花瓶もグラスもバカラばっかり。(ザブトン1枚!?)






お皿はかなり変わっていて、スペインのデザイナーのもので、これは非常に面白かった。
本当の木の切り株から型を取ったと想像できるお皿もあったり。

お通しが3品づつ、合計6品。
そして、コースが始まるのだが、どの皿も2品から3品で構成されている。

その品の間に共通性があれば良いのだが、あまり共通性のないような内容で同時に出てくる。

皿数で言ったらいったい何皿になるだろうか。(数える気なし)
ここまでくると、これでもか〜、まだ参らんか〜、という感じ。

しかし、どのお皿も見た目がとてもきれいだし、芸術的とは言える。
目の保養になる。




最初の何皿目かで、キャビアのようなものが乗っている1品が出てきた。
キャビアにしては粒がやや大きいので、本物のキャビアではないとみんな思ったと思う。

聞いてみると、黒トリュフをジェルのようにして、注射器で一粒ずつ抽出したのだそう。
へえー、ほう、だったのだが、黒トリュフの香りはイマイチ。

ところが、同じものが乗ったお皿がまた後で出てきた。

。。。これなら、本物の黒トリュフをさらっと数枚スライスにして乗せた方がいいのに。。。。

そう、なんだか結構いじくり回している。
凝っているのは分かる。
しかし、もう少しシンプルな方が、美味しさも美しさも引き立つと思うのは私だけ??




トドメは最後に出てきたハト。
ハトは美味しかったのだが、その横に小さな葉っぱが1枚たたんであって、中に牡蠣が入っているという。

ひらっと葉っぱをめくると、確かに小さな生牡蠣が一つ。。。。。
これほど小さな牡蠣は見たことがない。
美味しそう〜

しかし、ハトを何口か食べたあとに生牡蠣。。。。。。。。。。ぐぐぐ。。。
一番最初に食べたかった。。。。。

とにかく全てのお皿がかなり凝っていて、2つ星である事は納得できる。

Civiltà del bereのイタリアレストランランキングでは50位。


フィレンツェ ドームには予約して登ろう Duomo di Firenze; Cupola del Brunelleschi

2016-10-16 19:59:18 | もろもろ、つれづれ



ドゥオーモのドームの上に最後に登ったのは10年以上前であることは確か。
かなりの行列で待ち時間が長く、上に登りたい〜、という人はいても、列の長さを見て諦め、いつもジョットの塔の方に登っていた。
そこで、こちらは何度も登っている。

さて、今回は、チケットを買うとき、予約ができますよ、と教えてくれた。
なるほど。
これは意外と知れない人が多いのかも知れない。

そう思ったのは、予約がすんなり取れたのと、未だに長い列に並んでいる人がいること、あっちの人は何?と聞いている人もいたからである。

チケットの売り場は洗礼堂の前(入り口の前の建物)とドゥオーモ美術館の入り口。

本当は美術館だけ入ればよかったのだが、共通券になっていて(15ユーロ)、こうなったら久々にドームの上まで登ろうと思った。
列は長いけどまあいいかぁ。。。。と思っていたところ、予約できますよ〜、と言われた。

おお。

なるほど、チケットを購入した後、テレビの機械操作で予約ができるようになっている。
(ネックは、チケットを買わないと空き時間が分からないということ。つまり、チケット売り場では予約状況は分からない。つまり、当日の予約が全ていっぱい、というのもあり)

画面の操作は、初めてだと今ひとつ分かりにくいが、予約できるようになったとは画期的。

共通券で入れる5箇所のうち、予約できるのは、ドームとジョットの塔と美術館。
美術館は予約なしで十分、ジョットの塔の方も、たまにまあまあ並んでいるのを見かけるが、大した列ではない。
しかし、ドームはいつも行列で、あの長い列に並ばなくていいのは非常に嬉しい。

少し早めに行ってみると、数人がパラパラ、待っていると10人程度がやってきた。
予約時間より早めに、ディズニーランドのファストパス風に入れてくれて、本当に待ち時間なしで入れた。
すごい時間の節約。

さて、久々に登ったドーム。
うる覚えの印象は、意外と簡単、だったが、そうだった。
かなり楽勝で上れる。
463段、斜めになって上るところはほとんどなく、階段の幅と高さがちょうどよい具合にできていてかなり上りやすい。
たったか、リズミカルに上れる。
急で幅が極端に狭く、上りにくいのは最後の最後の部分だけ。



一部、両方通行のところは狭いところもあり、上りと下りで譲り合うためにどうしても詰まってしまうが、一方通行のところも多い。

帰り道、かなり下ってくると、小さな展示室に出る。オリジナル、そしてその後の修復の時に使った道具が展示されている。
ドゥオーモ美術館にも同じような展示があるのだが、興味深い。

そして一気に下りる。
段数は多いが、かなり登りやすいので、ぜひ予約して挑戦。

景色は良いし、ジョットの塔に登っている人を結構間近で見れる。


途中でドームの内側に出るので、内部の壁画がよく見える

フィレンツェ ドゥオーモ美術館 Firenze Museo dell'Opera del Duomo

2016-10-16 19:01:56 | もろもろ、つれづれ



少し前だが、珍しく、フィレンツェの休日をいただいた。
やる仕事はあるので、ホテルで少し仕事、しかし、せっかくなので、昨年の秋にニューリアルオープンしたドゥオーモ美術館に行ってみることにした。
もともと好きな美術館だったのだが、昨年の秋の法王フィレンツェ訪問の機会にニューリアルしようと、かなり前(たぶん2年くらい前)からずっと閉まっていた。

ところで、これを逆に考えると、法王のフィレンツェ訪問は2年ほど前から決まっていたわけで、他の都市もそうなのだろうか??と思ってしまった。
すごい計画性。。。

さて、ドゥオーモ周辺の建物はどこも何度も入っているので、ドゥオーモ美術館だけ見ればそれで良かったのだが、今は5箇所が全部入れる48時間有効の共通券しかない。
5箇所は、教会(無料、これはチケットがなくても入れる)、教会地下のサンタ・リパラータ教会、洗礼堂、ジョットの塔、ドームで、15ユーロ。
1箇所だけみたい場合でもこの共通券しかない。

つまり、時間がなくて1箇所しか入らない場合は割高だが、2日間で全部見よう、という場合はかなりお得。

さて、日本人は時間がないので、ドゥオーモの中にも入らないことが多い。
これは、いつも列が長いこともある。(ピーク時は20分程度は並ぶ)
しかし、上手く時間を外せば5分で入れるので、ぜひ中に入っていただきたい。(前述のように、教会だけ入るなら無料)

いや、時間があれば、ドゥオーモ美術館の方から見た方がより分かりやすいと思う。
オススメ。

共通チケットは、ドゥオーモ美術館の入り口で買える。(または洗礼堂の入り口の前の建物)

中は、映像を生かした、飽きさせない、モダンな展示になっている。

ドゥオーモの建設の様子とプロジェクトの変更の様子がうまく映像で紹介。

洗礼堂の天国の扉と北側の扉(どちらもギベルティの作品)が表と裏の両方から見れる。
(洗礼堂にあるのはコピー)


北側の扉

ミケランジェロの晩年の作品の一つ、ピエタ(ドゥオーモのピエタ)もある。(個人的に大好き)

かなり面白いのが、ブルネレスキのドゥオーモのドームの模型や、あの強大なドームをどうやって造ったか、簡単な映像で紹介。(イタリア 語と英語で交互)

他、ドナテッロのマッダレーナ像や、数多くのオリジナル作品が展示され、思ったより大きい。

欠点は、各部屋に番号が分かりやすく付いているので、その順番を行けばいいと思ったのに、15番の部屋あたりから隣の部屋へと移ってみると、突然22番になったりして番号が飛んでいる。

チケット売り場にパンプレットが置いてあるので、それを見れば迷わないのかもしれないが、最初は気づかず。
うまく番号順に進めばいいと思ったのだが、番号が突然飛ぶのにはびっくりした。
次の部屋を探してあっちうろうろ、こっちうろうろ。終いには係員に順路を聞く。

どうしてこんな部屋順になっているのか聞いたら、最初に「外の作品」(上へ)、そして、「内部の作品」(下へ)を見せる、という趣向になっているのだそうだ。
そこで、ヨコへスライドすると番号が飛ぶ。。。

まあ、それはともかく、先にこちらを見てから、ドゥオーモ、そして洗礼堂の見学をすると分かりやすい、全体像がつかみやすいと思う。

場所は、ドゥオーモの真裏。

T.N. 06 20013 Thomas Niedermayr

2016-10-07 19:19:19 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
いつも大判振る舞いのアウグスト氏のエノテカ、恒例の試飲会が9月になって再開された。
基本的にクリスマス前とか、バカンス時期とか、忙しいか人が少ないかの時期を除いて、毎週土曜日の午後、ほぼ定期的に行っている。
いったいもう何年になるだろうか。10年以上は経っているような気もする。



それも、2−3本安いワインを開けるのではなく、時にはかなり高級、いや、正確には高額なワインも開けてしまう。
行けない時も多いが、できるだけ行くようにしている。

さて、テーマはその時、ある意味適当で、だから、面白くもあるのだが、今回はシチリアのワイナリーの紹介。

値段の手ごろな、つまり、ここは極普通のお客様も多いので、そういう方々が試飲をして、気に入ったら気軽に購入できる価格帯のワイン。(試飲のワインは10%割引というお得もあり)

全く知らないワイナリーだったので、安くて手ごろなワインでも興味がある。

結果はまずまず。
でも、10ユーロ以下で、気軽に飲めて、決して悪くない。

こちらがシチリアのワイン。


で、突然、アルト・アディジェのワインに移る。

アウグスト氏がとても気に入ったというアルト・アディジェの白ワイン。
高いけれど仕入れることにした、というワインを裏でこそっと飲ませていただいた。
店頭で30ユーロ以上になるという、安いワインが多い(嬉しい〜)アルト・アディジェでは高額な方に入る。
アウグスト氏のエノテカがあるのは住宅街の中だから、数本は売れても、売れ残るものが出てくるのも覚悟。
そうなると、数年経って、何かの試飲会の機会にでも開けることになるんだろうなぁ〜

香りが非常に綺麗で複雑で、エレガント、持続性が非常に長く、ビオワインでもあり、個人的にかなり好み。
ちょっと高いけれど、購入し、しばらくワインセラーで寝かせたいタイプ。+++++