在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Grattamacco 2008, L'Alberello 2009 e Bolgheri 2010 -Grattamacco

2012-04-26 19:06:57 | Toscana トスカーナ
“グラッタマッコ 2008”“ラルベレッロ2009”“ボルゲリ2010” グラッタマッコ -トスカーナ州

グラッタマッコは忘れられないワイナリーである。もういったい何年前か、Vinitalyで話し込んでいてバッグを見事に盗まれた。しかし、スタンドのかなり奥、テーブル席に座っていたわけで、立ち飲みとか、通路の近くにいたわけではない。ワイナリーの人も二人同じテーブルにいて、私のほうも一人ではなかった。しかし、立ち上がったときには消えていたのである。誰かが近づいた気配もなかった・・・(近づかなきゃ盗れないけどね。)
あれから、極力気をつけているが(バッグは必ず足の間に挟む!)、Vinitalyに行かれるかたはくれぐれも気をつけてくださいね。
ちなみに、バッグは、金品、携帯などデジタル系のものを除いて、翌々日には出てきたのでした。(すでにローマに帰っていたので、送ってもらうのに一苦労でしたが・・・)

グラッタマッコ
深みのあるルビー色。
香りが文句なく魅力的で、強さとエレガント、複雑性がきれにマッチしている。よく熟したフルーツ、サクランボの香りがきれいでワインらしく、そこにユーカリの緑、スパイス、赤コショウなどの香りが混じり、あきさせない。
良いボディ、まろやかさ、バニラの心地良さ、そして、タンニンも上等で、最後にカラメル風の味わいが長くきれいに持続する。かなりパフォーマンスの良いワインだと思う。(92点)


ラルベレッロ
ルビー色で、グラッタマッコに比べると若干透明感がある。(ちょっと不思議)
フレッシュな森の木の実、バルサム臭、やや硬い香り、奥には緑、コショウ、ミネラル、アニスなど。
酸味とタンニンのバランスがよく、持続性あり、エレガントな味わい。よく出来ているのだが、セカンドの立場が、なんだか中途半端な感じがすると思うのは気のせい?(87点)


ボルゲリ
透明感のあるルビー色。輝きが良い。
ローザ・カニーナ、森の木の実、赤コショウ、香草、緑のフレッシュな香りがきれい。心持ちシンプルな感じではあるが、重たくなく良い。
タンニンは割と繊細、酸味が心地よく、最後にほろ苦さが残る感じがとても心地よい。いつも重たい主張のあるワインばかり飲むわけではないので、ちょっとした日に飲むにはぴったりのワイン(85点)

Grattamacco 2008 di Grattamacco:
rubino profondo. Al naso ampio, molto bello con frutta matura e in confettura, amarena, ciliegia, un tocco verde di eucalipto da una finezza, spezie, pepe rosa. Intenso e complesso. Bello anche in bocca, ottima struttura, rotondo, sfumatura di vaniglia, legno fresco e PAI lunga con un finale di gusto di caramello(92/100)
L’Alberello 2009:
rubino e luminoso. Al naso abbastanza austero, elegante, toni balsmici, graffiti, piccoli frutti di bosco, sfumatura verde in fondo, minerale, pepe, anice. Buon equilibrio tra freschezza e tannicita’ e PAI lunga (87/100)
Bolgheri 2010:
colore rubino e luminoso. Pepe rosa, rosa canina, frutti di bosco, un tocco verde e erbe aromatiche, discretamente ampio. Tannini abbastanza fini, buona morbidezza, fresco piacevole ed un finale ammandorlato molto gradevole. Ottimo qualita’ -prezzo(85/100)


Guado al Tasso 2008 e Il Bruciato 2010 -Antinori

2012-04-25 10:58:18 | Toscana トスカーナ
“グアド・アル・タッソ2008”“ブルチャート2010”アンティノーリ -トスカーナ州

どんなに良くてもなんとなく惹かれないワインがある。
グアドが私にとってそうだと思う。美味しいし、めちゃくちゃ高くはないし(そうでもない?)、生産量もある程度あり手に入りやすいし、味は安定しているし、文句のつけようがないと思うのだが、何度飲んでも、うわっ、と感動したことがない。
美味しいのだが・・・

グアド 2008
色はルビー色でつやがとてもきれい。
香りに緑が出ていて、エレガントな印象。フレッシュなヴィッショラ(酸味のあるサクランボ)、小さな森の木の実、ユーカリ、ミント、香草、サルヴィアなど。酸味がきれいに上がってくる。
酸味が生きていて、タンニンが繊細、ミネラル分がやや塩味を出している。後味に残る緑の感じがとても心地よい。(89点)


ブルチャート 2010
初めて飲むと思う。記憶にないワイン。グアドのセカンドだよ、と言われて飲んだが・・・

若干の還元臭。心持ち気になる(ちょっと嫌な)香りがあり、シンプルであまり変化がない。フルーツに加え、若干アニマル臭、革、土、バルサム臭、黒タバコなど。
ボディは程よくあり、タンニンはやや渋さを感じさせ、口の中に渋みが残るのが最後に気になる。(81点)



Castani 2006 e Piastraia 2008 -Michele Satta

2012-04-24 19:47:14 | Toscana トスカーナ
”カスターニ 2006””ピアストライア 2008”ミケーレ・サッタ -トスカーナ州

久しぶりにサッタを飲んだ。
そういえば、結構混ぜるんだなぁ、と改めて思ったりして。いまどき、単一品種の方が人気があるのではないかと思うが、ブレンドしたものも個人的には好きである。たとえば、フリウリも単一ものよりフリウリらしいブレンドが結構好きだし、トスカーナも伝統はブレンドである。


“カスターニ”ミケーレ・サッタ 2006
色はルビー色で落ち着いた色合い。
香りにも落ち着きが出ている。バルサム臭、スパイス、黒タバコ、ブルーベリー、リコリース、革、アニス、アニマル臭、血、土っぽさなどに加えて、奥に緑が出ている。エレガントで浮いた感じがなく、個人的には好みの香り。(結構渋い感じが好きなんです。)
しかし、味の方は、タンニンが繊細で、ちょっと意外な感じだが、とてもまろやかに感じる。酸味とタンニンのバランスがよく、後味が細く長く続く。(88点)


“ピアストライア”2008
濃い目の色合いのルビー色。
若干の還元臭が出ている。(こういう還元臭が嫌いな人もいるんだろうなぁ、と一瞬考える)香りに強さがあり、ふくよかで、こちらは甘いタバコ、スパイス、バルサム臭、そして、熟したフルーツの香りがきれいでなかなか魅力的。
味は、しっかりしたボディに、決して邪魔ではない甘いバニラの香りが広がり、落ち着いたバルサム臭と一緒になり続く。(86点)



Collio - Edi Keber 2011

2012-04-24 07:04:35 | Friuli フリウリ
”コッリオ” エディ・ケベール -フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州

色は麦わら色で割と濃いめ。
緑の香りと、ミネラル、さわやかな柑橘がはっきりと出ている。グレープフルーツ、レモンの葉、サルビアなどの香草、ニワトコ、そして、ノリの海藻の香り。
味わいにもミネラルがきれいに感じられ、程よいフレッシュ感と若干の塩辛さのバランスが良く取れている。そして、ほろ苦さが心地良く持続する。
簡単な寿司と一緒に飲んだが、ノリ風のミネラルの香りが日本食合う。フリウリのワインは、アルコール度が強いものも多いが、そうでなければ、日本食には比較的合うワインだと思う。(87点)

Sauvignon -Movia 2007 Slovenia TRIPLE A

2012-04-20 22:20:56 | vini stranieri イタリア外のワイン
スロヴェニアのワインである。そして、TRIPLE “A”。(裏のラベルに書いてある)
私はこのワイナリーは知らないのだが、友人の希望で選んだ。ソーヴィニオンとある。
しかし・・・こんなソーヴィニオンは初めてだった。
色はかなり濃い目だが、グリーンの色合いが混じっている。
香りは、ライチとバラ。…と来ると普通はゲヴルツになる。似ている。でも、ゲヴルツの、その他はあまり感じない香りとは違って(もちろんいろいろなゲヴルツがあるので一概に言えないが)奥には実にたくさんの香りがある。ミネラル、木、白のコショウ、香草、ドライフルーツなど。スキンコンタクトが30日以上のせいだと思うが、ソーヴィニオンのフレッシュな緑の香りがほとんどない。そして、バリック熟成のソーヴィニオンとも違う・・・かなり不思議なワインでした。
味は、さすがにフレッシュさがあるが、かなり抑えられている。その分、30日のスキンコンタクトなのでタンニンを感じる。目をつぶれば赤!と答えるかもしれない。持続性は悪くない。点数を付けたくないワインでした。
さすが、TRIPLE “A”。



Sassicaia 2009 e Guidalberto 2010 -Tenuta San Guido

2012-04-20 01:10:05 | Toscana トスカーナ
“サッシカイア2009”“グイダルベルト2010”テヌータ・サン・グイド -トスカーナ州

日本人は話題とか有名であることとかが好きなので、たとえば、ルーチェが話題になったときは、みんながルーチェを探していた。
サッシカイアはさらに以前の話なので、まだそのころは猫も杓子をワインを飲む時代ではなかったため、ルーチェほどではなかったように思うが、これも、85年が欲しいんです、などとよく言われた。
今思い出すと、85年は持っていた。これ何?重たいからいらない、という人に、いいんですか?と、有難くいただいた。
ああ、でも、しばらくして飲んでしまったのである・・・。(あっても、当時は保存状態が悪かっただろうから、文句は言わないが)
さて、サッシカイアも以前ほどではないと思うが、まだ十分後光は差していると思う。
それに、イタリアのワインの歴史を作ったことを考えると、敬意を表したいワインである。

Difese 2010
サッシカイアのサードワイン、というより、サン・グイドのサードワインのほうが正しいかも?
この前飲んだばかりなのでパス。ただ、この前よりはかなり印象がよい。


Guidalberto 2010
こちらはこの前2009年を飲んだ。
深みのあるルビー色。
何故かすぐにショウガの香り。よく熟したブラックチェリーにコショウの香りが鼻をくすぐる。タバコ、バルサム臭、香草風、ユーカリの緑の香りがきれいで、かなり複雑、魅力的。
アタックに主張があり、まろやか、タンニンは繊細で柔らかく、良くできているなぁ、と感心。PAIはスパイス、緑の香りと心地よいほろ苦さが続く。
この前は、サン・レオナルドと一緒だったので分が悪かったか、ヴィンテージも違うが、ずっと良い印象。(90点)

Sassicaia 2009
こちらはこの前は2006年だった。
つやのあるガーネット色。バニラの香りが甘く、女性的。美人で魅力的なグラツィアーナ女史らしい。しかし、甘いだけではなく、ミント、ユーカリの緑の香りがアクセントとなり、パイプタバコ、リコリースなどのしっかりした香りも加わる。香りの広がりは当然よく、印象がとても良い。
当然まだ若いのだが、タンニンはビロードのように繊細で(これも女性的)甘いスパイスが見事に続く。(93点)
この前の2006年は澱が多く、香りが出てこないというか、全体の印象がややぼけていて、良いワインであることはわかるのだが、際立った個性がなかった。(サン・レオナルドと一緒もまずかった・・・)それに比べると大変良いのだが、全体が甘い印象、すでに華やかで良い味なので、そう長くは持たないような気がする。うちに90年代前半がまだ1本あるが、「ちょっと怖いワイン」に入っているような気もしてきた・・・早く開けなきゃ。でも、いつ?そして、誰と?(後者が大きな問題である・・・)


Enoteca Buozoni e Porta del Vento MIra - Marco Sferlazzo

2012-04-19 11:22:50 | Sicilia シチリア
ローマのエノテカでどこが一番良いかと言われると、私はBulzoniだと思っている。
個人的にひいきのところもあるし、大きなところ、品揃えの良いところ、市中心で便利なところ、超有名どころを中心(ほぼ、のみ(笑))に揃えているところなどいろいろあるが、とにかく個人的に一番だと思っている。
Alessandro氏は3代目ということで、今は兄弟で経営しているが、とにかくbravoである。そして、彼のテイスティング能力が素晴らしいのは有名である。
彼もすっかり落ち着いて、風格が出てきたような気がするが、初めて、ワインを購入にではなく「飲みに」行った。


こういった老舗のエノテカは、カステッリ・ロマーニあたりから大樽で運ばれてくるワインを大きなガラス容器(ダミジャーノ)に入れて売っていた。容器はその場で買ってもいいし、家から持ってきてもいい。3リットルとか5リットルなどの大きなもので、家族消費用、1週間もあればすっかりなくなってしまうような時代だった。よき、懐かしい時代。
さて、以前は、ちょっといいワイン、有名どころ、または面白いワインを探したければBulzoniに行けばあるよ、と言われたものだが、今は、すっかり自然派ワインを中心に揃えている。
以前は、小さなカウンターで立ち飲みができるだけだったが、今は、店内にいくつかテーブルを置いて、座って飲んでつまめるようになっている。
ワインに囲まれ、美味しいワインを飲む幸せなひと時ほど好きなものはない。どんなに高級なレストラン、エレガントなレストランより、ワインに取り囲まれているだけで幸せ・・・(素敵な人と一緒ならもっといいのだが・・・はぁ~ため息・・・)
店内のボトルも飲めるが、グラスでも飲める。グラスのセレクションは、全て自然派ワインである。そして1杯の値段がとても安い。自然派ワインを少しでも飲んで親しんでもらいたい、というコンセプトなのだそうである。
さて、スプマンテ2種の中からシチリアのものを選んだ。ついこの前、シチリアのスプマンテってあったっけ?と疑問に思ったが、ここで解決。シャルマー6ヶ月以上だそうである。
品種はカタラット。

写真のようにかなり濃い目の色。琥珀色をしている。
熟したフルーツを超えて、ドライ、そしてナッツなどが出ている。自然派です、というインパクト。普通の人には、すっぱい香りだね~となるかもしれない。すっかりドライになっている花、藁、ミネラル、スパイスなど。
酸味がきれい。しかし、添加されたワインにあるきつい酸味ではなく、やさしい、心地よい酸味。タンニンを感じるくらいで、スパイス、タロッコの皮、何故かほんのりサーディンなどがほろ苦さと共に残るのでした。そう長くはないが、そんなことはどうでもいい。(ビオ好き85点、ビオ嫌い81点)


Ornellaia -Tenuta dell'Ornellaia 2005

2012-04-18 09:23:41 | Toscana トスカーナ
”オルネッライア"テヌータ・デッロルネッライア 2005 トスカーナ州

オルネッライアは訪問して大変印象の良かったワイナリーである。
ワイナリーは実際に行ってみると、ちょっとがっかりとか、これだけ?とか、意外と汚かったり、または、あまりにテクノロジーが過ぎて付いていけなかったり、逆にとても丁寧だったり、非常に清潔だったり、すごく印象が良かったり、いろいろである。
オルネッライアは非常に印象の良かったワイナリーである。大きいとか、素晴らしいとかではなく、ある意味訪問者が世界からやってくるので機械的にならざるをないところ、時間をかなりオーバーしてまでも話し込むのに付き合っていただけたからだと思う。

少し前の試飲会でMassetoが出るはずだった。しかし、ほとんど当日になって変更になったようで、Massetoは??との質問がずいぶん出たが、そういえば、Massetoにはなかなかお目にかかれなくなった。昔は、頻繁にではないか、時々試飲会でお目にかかれたものだが、厳しい世の中になったものだ・・・

きれいな明るいルビー~ガーネット色。ブラックチェリー、桑の実などのコンフィが非常に魅力的に出ていている。リコリース、ミネラル、スパイス、奥にミントの香りが全体を引き締める感じで、広がりが素晴らしい。いつも思うが、優雅で凛としていて、優等性的というか、文句の付け所がないようなワインだと思う。(人の好みはそれぞれだが)
ただし、味は、今回、するっと入った。もう少し強いインパクトを知らずのうちに期待していたからかもしれない。(個人的に、どーんと入ってくるワインが好きなわけではないのでそれ以上気にならないが)タンニンは繊細(まあ当たり前だよね・・・)そして、余韻がエレガントに続く。上品で、控えめで優雅、ひけらかすことがない。(92点)


Paleo 2008 e Bolgheri 2010 -Le Macchiole

2012-04-18 07:40:06 | Toscana トスカーナ
Paleo 2008 Bolgheri Rosso2010 –Le Macchiole

“パレオ2008”“ボルゲリ・ロッソ2010”レ・マッキオーレ -トスカーナ州

レ・マッキオーレのワインを飲むのも久しぶりである。


Bolgheri Rosso 2010
品種はmerlot50%, caberbet 30%, syrah 20%
森の木の実のなど、熟したフルーツの香りがなかなかふくよかで、スパイスが加わる。パイプタバコ、リコリース、レッドペッパー、酸味のきいたヴィッショレ(酸味のあるサクランボ)など。しかし、香りの変化はやや少なめ。
程よいボディがあり、酸味がおしゃれ、最後にややアルコールが残る。(86点)

Paleo 2008
品種はカベルネ・フラン100%。
イタリアでカベルネ・フラン100%は珍しい。造っているワイナリーはあるが多くはない。トレンティーノのEugenio Rosi氏の造っているカベルネ・フラン100%を樽から飲んだ時は感動した。あの、青臭い、ピーマン臭がなく、とてもエレガントだった。やればこれだけのものが出来るじゃない、と強く思ったものだ。また、プーリアのワイナリー、ロンゴ氏のところでもカベルネ・フラン100%でワインをリリースしている。

色は深みのあるルビー色。香りが立つようで、パフォーマンスが良い。ヴァニラ、やや生木っぽい感じもある。全体に落ち着いた香りでカカオ、バルサム臭、黒タバコなど。インパクトがはっきりしていて、タンニンと酸のバランスが良く取れている。スパイスなどが残る余韻は長く続く。当然、まだかなり若い。こういうワインを今飲むのはもったいない、とつい思ってしまう。(90点)


Le Serre Nuove dell'Ornellaia -Tenuta dell'Ornellaia 2009

2012-04-17 17:22:16 | Toscana トスカーナ
”レ・セッレ・ヌオーヴェ・デッロルネッライア”オルネッライア2009 -トスカーナ州


自然派なのであるが、自然派だけが好き、自然派だけを飲むわけではない。
オルネッライアは、個人的に好きなのである。いつ飲んでも裏切らないというか、華やかで、でもエレガントで、そして、人にあげても喜んでもらえる。そして、セッレなら値段も手頃だし。そこで、時々、機会があると飲むワインである。

濃い目のルビー色で深みがある。
熟したフルーツ、コンフィになりそうなフルーツがとてもきれいで、お見事。ミネラル、スパイスは甘いタバコ、バニラ、心持甘いくらいのトースト臭、そして奥には緑があり、ミント、ブラッド・オレンジ、エレガントさが出ている。
しかし、味は・・・若かった。タンニンがまだざらついている。質は良いし、まろやかさはあるのだが、そこにタンニンのざらつき、調和していない感じがちょっと気になる。持続性はあるし、大変心地よいのだが、まだもう少し待つ必要があると感じた。(88点)



Giovin Re -Michele Satta 2010

2012-04-17 16:41:44 | Toscana トスカーナ
”ジョヴィン・レ”ミケーレ・サッタ 2010 -トスカーナ州

サッタを飲んだのは久しぶり。特に白はめったに飲まないなぁ、と思いつつ。
品種はヴィオニエ100%。
ヴィオニエらしい、華やかで花の香りいっぱいの、女性に受けるワインかと思った。

色はかなり濃い目の黄金色。樽を使ってます、という色。
香りは、黄色の花が満開という感じ。黄桃など、熟したフルーツ、強さとふくよかな広がりがある。かなりパフォーマンスが良い。他、ミネラル、火打ち石、バニラ、メロン、ニワトコなど。
味はかなりインパクトがあり、白にしてはかなりのボディ、塩味と酸味のバランスが取れている。木、バニラの香りがあるが、強すぎるほどではない。(もちろんバリック嫌いには強く感じるが)まろやかさがあり、熱さも含め長く持続する。(88点)


Shiraz -Casale del Giglio 2001

2012-04-16 22:54:03 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
”シラー”カサーレ・デル・ジリオ -ラツィオ州

うちにはたいしたワインがあるわけではないが、ワインクーラーに入りきらないワイン、ガレージにおいてあるワイン、そして、家の隅になんとなく放ってあるワインがある。
家の隅と言っても冷暗所、発泡スチロールで管理しているので、保存が極端に悪いというわけではない。
そこに、こう言ったら失礼だが、「開けるのがちょっと恐ろしいワイン」がある。
そのほとんどが買ったワインではなく蔵出しの試飲用で余ったもので、それがなんとなく手つかずで残っている。もちろん良いワインはワインクーラーに入れているので、まあごく普通のワインがほとんどである。だから、年数がたつと、いったいどうなっているんだろう?と、つまり「開けるのがちょっと恐ろしいワイン」になってしまうのである。

しかし、そろそろ開けないと、ダメになっているのではないかと思い、いくつかを恐る恐る開けることにした。
このワインは、ちゃんとしたワインで、恐る恐るではないのだが、ヴィンテージを見たとき、2001年か~と思った。

ラツィオ州のシラー。カサーレ・デル・ジリオはかなり大きなワイナリーである。

色は、かなり暗いガーネット色で、オレンジをおび、レンガ色と言ってもいいくらい。爪はやや薄く、茶色。ぱらぱら澱が見えるので、底には結構たまっているだろう。

香りは、結構来ている。でも、決して悪くはない。アニマルと言うか、発酵臭がする。また、完全に丸くなっているので、酸味が上がってくる。ブルーベリーのコンフィ、ヴィッショラ(酸味のあるサクランボ)、腐葉土、カカオ、オリエンタルスパイスなど。持続性はあるが、変化は少ない。
タンニンはまろやか。まあ当然である。酸味と、そして、塩味がかなり残っていて、塩辛い。かなりと言ってもいい。オリエンタルスパイスが強く、クミンなど、カレーの味がある。それも福神漬けをたっぷりかけたカレー。(食べたくなってしまった・・・)持続性はまあまあで、酸味とアルコールが残るが、あとは残念ながら消えてしまう。
2001年だから仕方ないと言えば仕方ない。本当は5年くらい前に飲むんだった・・・(81点)



Pastificio Secondi di Roma e pasta alla genovese

2012-04-15 20:16:40 | もろもろの食べ物
Pastificio Seondi (ローマ)と ジェノヴェーゼのパスタ pasta alla genovese

その昔、イタリアに来たばかりのころ、町にパスタ屋があまりに多くてびっくりした。しかし、それがわかるまで、ちょっと時間を要した。というのは、パスタ屋は普通店構えが小さく地味で、店先にウィンドウがあるわけでもなく、ここはいったい何の店なんだろう、とのぞくと、奥になんだか機械があり、その手前にウィンドウがあり、作られたパスタがテキトウに並んでいる。飾り気もなく、近所の人がこれまたテキトウに入り、テキトウに買っていき・・・
そして、そんなお店が実はかなりの数があることに気がついた。
しかし時は遅し。イタリアにも慣れて、買い物が自由にできるようになったころには、町の懐かしいパスタ屋はバタバタと消えていった。食料品屋が品揃えを増やし、スーパーが台頭し、真空パック入りのパスタが普及してきて、保存のきく乾燥パスタを食べるようになって、代が変わるとともにやめていったのだと思う。


パスタはもちろん自分で作る人もいる。本当にこだわるなら自分で作ればよいのだが、そこまでする気にはなれない性格をしている。というのは、私の義母が月に1度か2度は作っていてとても美味しかったのだが、どうしてもコシに欠け、コシのあるパスタを自分で作るのは結構大変なのではないかと思っているからである。


さて、いつも行くエノテカは酒屋だが、その他、生ではない食料品、そしてお菓子類を豊富に置いている。そこのオーナー、アウグスト氏が見つけてきたPastificio(パスタ製造業者)Secindiのパスタは実に美味しかった。
試食を兼ねてスプマンテと共に試飲会をしたが、パスタが、それもどうも美味しそうなパスタが出る(タダで、そしてスプマンテつき)というので、試飲会は盛況だった。
そこでも何種類か食べたが、まあ美味しいこと。
懐かしい、コシのある、そして香りのあるパスタ。
これから毎週1回、お店に届くと言うので、これはクセになりそうである。
値段は高いが、これだけ美味しいものはどこでも手に入るわけでない。たまの贅沢としよう。


そして、パスタの隣に美味しそうなジェノヴェーゼが置いてあった。
去年、ジェノヴァで食べた、素晴らしく美味しいパスタ、おかわりまでしてしまったパスタがよみがえってくる。もちろん、パスタは違うし、あちらはレストランの手作りのはずだから(そのくらいの格だった)違うとはいえ、コシのあるパスタで香りあるジェノヴェーゼを食べてみたくなり、ご購入。
パスタの黄色とジャノヴェーゼの緑がきれいで、想像通りコシのある、大変美味しいパスタに満足したのでした。

Acqua Reale (Trento), Ribollanero (Friuli), Luigi Ghislier (Marche) -pasta e bollicine 3

2012-04-15 18:09:32 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Pasta e bollicine 3 - ultimi 3 spumanti

Ribollanoir -Primosic(Friuli)
Luigi Ghislieri Cuvee del Presidente- Colonnara (Marche)
Aquila Reale -Cesarini Sforza 2004 (Trentino)

こう見ると、スプマンテにもまあいろいろあるんだぁ、とわかっていても改めて感心。
イタリア人はスプマンテというとプロセッコ、甘ければアスティというイメージで、ちょっとワインをわかってくるとフランチャコルタ。しかし、全国各地、ヴァッレ・ダオスタからプーリアでも造っているよね~と。
(おっと、シチリアではどんなのがあったか、出てこない・・・)


Ribollanoir Primosic - Friuli
プリモジックがスプマンテを造っていたとは知らなかった。
リボッラは私の大好きな品種。数は多くはないが、リボッラでスプマンテを造っているところは他にもある。でも、概して、スプマンテではなくワインの方が好み。それも、できれば、かもしを10日とかしたタイプが。

品種は、リボッラ・ジャッラが中心のようだが、ピノ・ノワールも混じっている。
柑橘がかなり際立つ。グレープフルーツ、レモン、緑が混じってライム風、そして、フレッシュなパイナップル。酸味の好きな人には喜ばれるだろうと思うほど、さわやかな感じ。
そして、若干ほろ苦さが香りにも出ている。
シンプルなフレッシュさが心地良いが、若干ほろ苦い後味が続くのが気になる。(82点)


Luigi Ghislieri Cuvee del Presidente Colonnara - Marche
コロンナーラは一度訪れたことがある。結構大きなワイナリーだった。
品種はヴェルディッキオ。これもまた個人的に好きな品種である。
なお、タンクではなく、伝統的方式となっている。
花と柑橘、結構熟したフルーツに香草の香りがきれいで、パンの香り、ナッツの香りが香ばしい。
なかなか良いボディ、細かい泡がとても心地よく、トーストしたナッツのほろ苦さが残る。悪くない印象。(85点)

Aquila Reale Cesarini Sforza 2004 -Trentino
2004年、ミッレジマート(ヴィンテージもの)である。
品種はシャルドネ。当然、伝統的方式。
このスプマンテは飲んだことはあるだろうが、記憶にない。このエノテカで売っているのは見ていたが、絶対に手を出さないスプマンテだった。値段が結構高い(40ユーロ前後)のと、この値段なら他が、まあ贅沢は言わないけれどシャンペンも買えるかも、と思うことと、ラベルが苦手なのである。
ラベルで判断してはいけないとはいつも思うのだが、やはりラベルはワインの顔である。
クラシックかモダンかという違いではなく、やたら派手なラベルは苦手なのでした・・・

中身はちょっとびっくり。
エレガントであるが、そして強さがある。
色もしっかり、泡にも勢いがある。
甘いバニラの香りが漂い、よく熟したフルーツ、ナッツのトースト、バターなど。花も柑橘もあるのだろうが、隠れてしまっている。広がりがあり、魅力的な香り。
甘いパイナップルを思わせるインパクトで、心地よい味わい、泡は口の中ではじけ、しっかりしたボディがあり、個性、主張がある。トーストが長く持続し、満足感が大いにある。
ラベルのようにちょっと派手、華やかで、大変良いのであるが、個人的にはもう少ししっとりしたものが好みかと思った。しかし、よく出来ている。(90点)



Franciacorta Sanseve' Saten -Monterossa Pasta e bollicine 2

2012-04-14 22:06:57 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
“フランチャコルタ・サンセヴェ・サテン”モンテロッサ -ロンバルディア州

フランチャコルタと言えばザネッラかベッラヴィスタというのにもそろそろ飽きてきたかというころ、モンテロッサが優雅に登場した。
まず、ラベルがきれい。(ラベルでワインを判断してはいけないのだが、ラベルはワインの顔でもある)
そして、優雅さと力強さを兼ねている。今は星の数ほどフランチャコルタのワイナリーはあるが、モンテロッサの地位は揺らがないだろうと思う。

サテンなので品種はシャルドネ100%。そして、気圧が少し抑えてあって優しく女性的。

優雅な花と優しく香る柑橘、白桃、ゴッチェ・ドーロ(プルーン)、ほのかにパイナップル、緑の香りがアクセントに、そして、クロワッサン風の香ばしいトーストの香りが奥にある。広がりと複雑性は文句なし。
味わいは、しっかり主張があり、インパクトがきれい。泡が口の中ではじけ、ナッツ、トーストのほろ苦さがとても心地よく、PAIが長い。まあきれいにまとまっていること、と感心。(90点)