在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Primitivo; 6 rossi プリミティーヴォ 6種

2014-10-30 18:37:55 | Puglia プーリア
Botromagno AD 2010 ボトロマーニョ
Felline Fellone 2012 フェリネ
Mottura primitivo 2011 モットゥーラ
Produttori Vini Manduria Madrigale 2011 プロドットーリ・ヴィーニ・マンドゥリア
Vigne & Vini Papale linea Oro 2011 ヴィーニェ&ヴィーニ
Hiso Telaray Anto' 2011 イソ・テラレ(とでも読むか)



アテネウムがタイアップしている(のだと思う)Puglia Top Wine Roadshow。
ローマの老舗エノテカで行われた昨日の試飲会のテーマはプリミティーヴォ。
プーリアの数ある品種の中で今、一番乗っている品種である。
赤ワイン6種、そして、オイルが2種、さらに地元の食材がおつまみで付きで無料という嬉しい試飲会だった。



Felline
昔、ガンベロ・ロッソで値段と品質のバランスナンバー1に輝き、安くておいしいと評判、ファンの多かったワインの、これはさらに上のクラスだと思うが、Fellineのワインは久々に飲んだ。
色がかなり濃く、プーリアらしい土っぽさがあり、ふくよかなフルーツの香り、アニマル少々、バルサミコなど、香りの印象が華やか(派手)。やや人工的、つまり、造った感じはあるが、全体にバランスが取れていて、今飲むには良い。酸もあるが、二次的で、強さがあり、熟したフルーツが残る。++(+)

Hiso Telaray
プリミティーヴォにしては色が薄めでやや透明感が見える。全体に細い感じで、緑がわずか、エレガントではあるが、ちょっと弱い。タンニンは細く、フルーツが残るのは良いが、消えてしまう。++

Vigne & Vini
熟したフルーツの香りの中に、やや鉄分的な香りもあるが、甘くやわらかい香り。柔らかさが出ていて、かなり熟したブドウを使ったと思われる。その分酸味が感じられず、最初はとても良く感じでも、食事の最後には疲れてしまうかも。ふくよかでまろやか、酸味の嫌いな人には非常に良いと思う。++(+)



Mottura
フルーツとスパイスのバランスが良く、バルサミコ、マラスカ、わずか鉄分、わりとエレガント。ただし、味はやや土っぽさが感じられ、長さはほどほど、心持ちほろ苦い感じ。++(+)

Produttori Vini Manduria
還元臭が感じられ、最初はやや臭みが鼻に付く。香りの強さが抑えられている感じで、長熟タイプ。味はかなり良い。余韻が長く続き、タンニンがやわらかく心地よい。+++

(+++が基準でプラス/マイナス)


トリマーニでの試飲会 白3本 赤3本

2014-10-10 13:00:11 | Friuli フリウリ
Colutta ribolla gialla 2013
S. Maddalena Dellago pinot bianco 2013
Pieropan Cavarino soave classico 2012
Dalzocchio pinot nero 2010
Dirupi Valtellina superiore 2010
Cubi Morar amarone 2009



またまた(いつものごとく)かなりご無沙汰をしてしまった。
書きかけのものもあるが、書きかけではしょうかないのでアップできず。

さて、2014年の夏は家族の不幸があり、忘れられない夏になってしまった。
そんなわけで、結構長く日本にいて、そうなると「日本酒愛好会」(なんてものは存在しないが)の一員としては、日本酒をできるだけ飲み、夏はやっぱりビールだったりすると、ワインから少し遠ざかってしまう。
そこで、久々にちょっと落ち着いて、それもかなりリラックスして、試飲会に参加。

FBにアップされた試飲会のお知らせのワインを偶然見て、全て北のワインであるが、あまりにバラバラなのに逆に驚いた。
白あり、赤あり、品種は全て違い、州も北のいくつかにまたがっている。
いったいどういう趣向の試飲会かわからず、逆に興味を持って、参加することにした。
忙しい谷間の「パッセッジャータ(散歩)」にはちょうど良い。
行ってみると、トリマーニのカルラが何回かにわたってオーガナイズしているものらしく、たまたまその1回が目についたのだった。



州は、アルト・アディジェ、フリウリ、ロンバルディア、ベネトの4州、その中から白3、赤3、そして、ワン・プレートが付いている。
どちらかと言うと初心者向けの、だから、非常にリラックスした試飲会になった。たまには、こういうのもいい。
頭を柔らかーくして、試飲。



なお、普通に良いワイン+++が基本であとはプラスマイナス。

Colutta Ribolla Gialla COF 2013 ++
あまり堅くはないミネラル。香りは比較的ニュートラルで、花やフルーツがほんのりと。わずかシャンピニオンも一瞬感じた。シンプル。酸味があり、夏に冷やして軽く飲むには良い感じ。
S.Maddalena Dellago Pinot Bianco 2013 +++
久々に飲んで、おお、いい、と感じた1本。白い花と柑橘、蜂蜜も。やや甘い感じが桃かパイナップルのシロップの雰囲気を感じさせる。味は塩が結構強く、その分酸味が少ない。強さ、長さ申し分なく、心地よく、万人受けタイプのワイン。
Pieropan Calvarino Soave Classico 2012 ++++
PieropanはSoaveを何種か出しているので、Cavarinoは久々。香りの強さ、複雑性は申し分なく、黄色の花、熟したフルーツ、バニラ、バターなどの乳製品系の香りなど。(しいていて言えば、おしろい風の甘さが花に付くかも、が頭をかすめた。)味は酸味がきちんとあり、しかし柔らかさとのバランスが良い。後味も長く、とても心地よい。カルラはこれだけで飲みたい、と言ったが同感。または、白身の肉。魚に合わせなくてもよい白ワイン。
Dalzocchio Pinot Nero 2010 ++++
大好きなワインの1本であるが、こうやって冷静に向き合うと、やや不思議。森の木の身とスパイス、グリーンの香り、バルサム臭、しかし、やや気になる香りが一瞬。それを超えると澄んだ香りに変化する。(このワインを良く知っている友人P氏のよると、発酵にブルゴーニュ風に茎も少し加えるというので、そのあたりから来るのかも?)酸味がきれいでタンニンは繊細、優雅、花やフルーツ、スパイスの後味がとてもきれい。
Dirupi Valtellina SUperiore 2010 ++(+)
自然派のワインらしく、最初、やや還元臭を感じる。タンニンはきれいで、口に含んだ印象は優しく良いのだが、しばらくしてふわっと消えてしまう。まだ、若いワイナリーということで、今後に期待。
Cubi Morar Amarone della Valpolicella 2009 +++
ブラックチョコ、カカオ、カフェ、カラメルなど。アマローネなのでボディがあるが、しかし、重過ぎない。タンニンは柔らかく、ややほろ苦い後味が続く。