在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

今年一番のプレセピオ

2016-12-30 12:08:37 | もろもろ、つれづれ
クリスマスは過ぎたけれど。。。




イタリアのクリスマスの飾りつけはクリスマス・ツリーではない。
ツリーはイタリアでは輸入物で、伝統的なものはプレセピオと呼ばれる。
最近は日本でもだいぶ知られてきたが、キリスト誕生の場面の人形の飾りである。

各教会、町なかなどに飾られ、見て歩くのがとても楽しい。

ツリーの方が簡単なので、すっかり取って代わられた感があるのが残念でもある。
例えば、長ーーーい工事を終えてきれいになったスペイン階段に伝統的にあったプレセピオが今年はなかった。
ある意味、毎年同じで、見飽きた感が無きしもあらずだったが、なくなってみるとちょっと寂しい。(来年はあるといいなぁ)
ツリーの方は、今年はかなりモダンなのが飾られていた。

さて、キリストが生まれた場面の人形を飾るのは、子供たちが結構喜ぶ。(子供は人形が好き〜)
イタリアでも最近だいぶ早くなってきたが、伝統的には12月8日に飾りつけを出す(ミラノは1日早いかも)。
そして、1月6日でお終い。

登場人物は、お父さんのヨセフ、お母さんのマリア、生まれたばかりのキリスト、東方からプレゼントを持ってやってきた3人の博士、他に牛やら羊やら。
余談だが、馬小屋で生まれたはずなのに、馬は大抵登場しない。なぜ???素朴な疑問。。。(誰か教えて〜)

キリストは24日の夜中に生まれるので、こだわる人は24日に飾るとか、それまで綿をかけておくかする。
3博士も到着したのが1月6日なので、それまで飾らない、とこだわる人もいる。
そうなると、その後片付けるわけだから、登場時間の少ない割に合わない役割となる。(かわいそ〜)

ツリーもいろいろアレンジできるといえばできるが、プレセピオのアレンジは楽しい。
毎年、飾りを買い足し、小さなポンプを使って、噴水、滝などを本物の水を使って再現することもできるし、電動、機械仕掛けの人形もたくさん売っている。
大掛かりなプレセピオになると見ていて飽きない。

友人が送ってくれた写真には、笑ってしまった。
超リアリティープレセピオ。
どこに飾ってあったのかわからないが(多分ミラノ)、すごく良くできている。

今年の一番はコレ。

Perle d'Uva fondo...in fondo imbottigliato nel 2011 di Gaspare Buscemi

2016-12-25 21:21:20 | Friuli フリウリ
Perle d’Uva fondo..in fondo 2011年ボトル詰め Gaspare Buscemi



ブシェーミのお手頃ワイン。
スプマンテではなく、発泡性ワインで、王冠。コルク栓ではない。
マルコのところで残っていたのか(ブシェーミを喜んで買う人は少ない。。。。)、2011年の秋にボトル詰めしたもの、とラベルに記載がある。
つまり、収穫は2009年か2010年の物で、5年以上は経っていることになる。

スプマンテではなく自然の発砲酒、つまり、糖分を添加せず、自然に持っている糖分で発酵、発生した炭酸ガスを閉じ込めた物。だから、アルコール度も12%とかなり低い。
最近流行りのコル・フォンドで、濁りがある。

色はかなり濃い。
香りはすぐにビオだとわかるが、ビオ独特の臭みが強すぎるほどではない。
若干田舎っぽい、つまり洗練されている香りではないのだが、この荒削りな感じが良い。白でも、マセレーションをしてますよ〜という香りで、嫌いな人も多いだろうと思う。特に、軽め、キリッと引き締まったワインが好きな人には受けないだろうと思う。
しかし、この臭み、フルーツの香りに程遠く、スパイスでもない、ミネラルでもない香りが、ビオワインを好きにななるとやすらぎの香りにも感じる。
12%なので軽く、さら、ごく、グビ、と飲める。
酸味もほどほど、タンニンの存在感もほどほど、余韻は実は結構長い。+++

一人でちびっといくワインは、こういうワインが嬉しい。

評価の高いワインだけを見ている人は絶対に買わないワイン。
自然派ワイン好きでも、こういうマイナーなワインはやはりちょっと番外編かも。
でも、この軽さ、田舎っぽい感じが時には良かったりする。

なお、Perle d'Uvaとなると結構値段が高くなり、軽くちょっと開けるという感じでなくなるが、こちらのfondoの方は品質と価格のバランスが抜群。

完成までに55年以上かかったイタリアの高速道路 「地中海の高速道路」

2016-12-24 01:33:48 | もろもろ、つれづれ
携帯に記事がメッセージで入るようになっている。

入ってきた記事がこれ。




サレルノーレッジョ・カラブリア;50年以上かかって完成

サレルノからレッジョ・カラブリアまでの高速道路(3号線)が50年以上かかってやっと完成したということ。

全長400キロ以上の南イタリアの高速道路である。

日本で50年と言ったら、いったいどこまで高速が伸びていることやら。海を越えて隣の国まで行きそう。。。。
しかし、ここはイタリア。そして、南イタリアの話。
完成までに55年以上の歳月を要した。(笑)

完成のお披露目で「遅れてすみません」との一言があったそうだが、55年じゃ、遅れたというより、信じられないことに完成しました、って感じ

誰も信じていなかったと思いますが、完成しました、とでも言った方が良かったかも?

なお、負のイメージを変え、長らく欠番だった2号線をいただき、2号線、通称「地中海の高速」となるらしい。

仕事も含めて、いったい何度この高速を使ったことやら。
いつもいつも、どこかで必ず工事していた。それも数箇所。

特に夏になると、工事が原因で(事故もあり得る)渋滞。
動かなくなるのは、この高速の場合、諦めるしかないのだが、それがトンネル内だとかなり辛い。
わずか数キロのトンネルに30分以上ハマったことは1回ではない。
ガス室にいるくらい厳しい環境。。。
でも、今では懐かしい思い出でもある。

高速通行料が無料なのはいいが、サービスエリアは少なく、決してサービスがいいとも言えず、そして、何よりも笑ってしまうのは、突然、高速なのに、まるで田舎の道のような、真ん中にガードレールもない箇所が数キロあり、本当に高速なのだろうか、無料で当然、と思っていた。
数年前、その箇所もいつの間にかなくなり、通るたびに、またここかぁ〜という感じだったので、今では懐かしい。
逆に、この辺りだったよね〜と探してしまったりする。

なお、要らない部分は、こんな風に爆破して壊してしまうよう。結構、おお〜!



しかし、これで「地中海の高速」、有料になるかなぁ〜?





Mosaico 2003 di Monsupello

2016-12-23 23:17:38 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
Mosaico 2003 di Monsupello



ミラノの酒蔵、オルトレポ・パヴェーゼのワイン。

数年前、ワイナリーに行った時に買った(と思う)のだが、こんなに古いヴィンテージだったとはすっかり忘れていた。
ラベルを見ると2003年。

モザイコはモザイクの意味。ラベルがモザイク風になっている。

品種は、モザイクのようにブレンド。
バルベーラ60%、クロアティーナ35%にピノ・ネーロが5%ブレンドされている。



色はかなり濃い。ガーネット色で、オレンジ色はまだ見えていないので、色だけ見ると2003年とは思えない。
香りはかなりしっかり、強いというより存在感を醸し出している。アルコール度14、50%なのだが、アルコールが結構出ている。ブラックチェリーのコンフィ、そして、スパイス臭が若干バニラ臭を隠している感じ。革など、タンニンの強さを思わせる香り、腐葉土など。
さすがに15年近く経ち、まろやかになっているが、ボディがしっかり、そして、タンニンの存在感がまだある。味も15年近く経っているとは思えない。

モンスペッロはオルトレポ・パヴェーゼのワイナリーの中ではかなり優良。
スプマンテも非常に美味しい。

In guerra per amore di Pif (Pierfrancesco Diliberto) 愛のために戦う

2016-12-15 16:49:36 | 何故か突然イタリア映画
In guerra per amore di Pif(Pierfrancesco Diliberto) 愛のために戦う
監督 ピフ(ピエルフランチェスコ・ディリベルト) 




このところのPC不調でかなりの時間を取られているのと多忙が重なり、書く時間がなく、 毎週の上映会で見た映画がちょっと溜まっている。

さて、見る前から巷で面白いとは聞いていたが、かなり面白かった。
そして、ちょっと泣ける部分もある、かなりオススメ映画。
(と言っても日本では見れないが)

監督、主演ともにピフことピエルフランチェスコ氏がやっている。お父さんも映画監督で、その才能を受け継いだのか、かなり多彩。

最初、タイトルを見た時は、また戦争物〜と思ったのだが、実にうまく戦争と愛とコメディとちょっとお涙を組み込んでいる。

こういうコメディは日本で上映しても良いのでは、と思うのだが。

1943年、第2次世界大戦中のニューヨーク。
イタリア移民、レストランで働いているアルトゥーロとフローラは恋仲。しかし、フルーラは、マフィアの大ボス、ラッキー・ルチアーノの息子と、不本意にも婚約してしまう。
アルトゥーロがフローラとの恋を成就させる唯一の方法は、フローラのお父さんの許可を直接得ること。
でも、フルーラのお父さんはシチリアにいる。
許可を得ると言ったって。。。。

時はちょうどアメリカ軍がシチリア上陸作戦を立てていたところで、アルトゥーロは恋のために戦争に参加することになった。

シチリア上陸の場面が、なんとなくロバート・キャパのノルマンディー上陸作戦の写真のようだったり、最後、ホワイト・ハウス前のベンチに座っている姿がフォレスト・ガンプを思わせるようだったり。
お父さんが戦争に行ってしまった息子の姿は、トルナトーレのバーリア風。

恋とマフィア、それもマフィアと政治の癒着、夫が戦争に行ってしまい、残された妻と息子のストーリー、アルトゥーロの恋の成就を助けてくれる上官、そのために命を落としてしまうのだが、などの伏線がとても良く盛り込まれている。

映画の中ではちょっと間抜け風でもあるアルトゥーロ、本物は結構カッコイイ。

今期の上映作品の中では今の所一番。



多少は見れるがかなり下品 ローマのクリスマスツリー

2016-12-15 10:45:24 | もろもろ、つれづれ
ローマのベネチア広場 恒例のクリスマスツリー

あ〜あ、今年はこれかぁ〜



クリスマスツリーとは関係がないのだが、このところ記事アップができていない。

先月の終わり、グーグルに誰かが侵入しようとしたのをブロックしてくれてから(これで2度目)PCの調子がかなり悪い。

ブロックしてくれるのはありがたいのだが、パスワードを変えて、無事に直ったかと思いきや、どうしてもメールの送信がうまくできなくなった。
どうも、私のアクセスも部外者だと認識し始めたのか、いたちごっこ。さらにはずっとブロックになってしまった。

こうなると、いい加減にして〜と悲鳴をあげたくなる。
やっとなんとかなったかと思うのだが、その間、PCのメールが全部消え、未だにメールボックスは復活していないので、かなりのメールが消えている状態。

あれ〜

さて、PCとの格闘にいったいどれだけの時間を費やしているか。

侵入しようとしたヤツ、奈良県からということだが、非常に恨めしい。

やめてくれ〜

さて、12月に入って、ヴェネチア広場に恒例のクリスマスツリーが置かれた。



例年より遅いような気がする。。。そして、なんだかいつもより貧相な木。。。。先が曲がってるじゃん!飾り付けは??と思っていたが、イタリアでは伝統的には12月8日に飾りを出すので、まあそんなものかと思った。

その後、通りかかったら、なんだか中途半端なクリスマスツリーになっていた。

中途半端というのは、上から降りるライトだけで、まだこれからさらに飾り付けがあるのではないかと思ったからである。

ところが、周りはすっかり工事終了状態で、これで終わり、と認識。

ただでさえ、いつもより貧相な木に、貧相なライト。なんとしょぼい。こんなにしょぼい(公共の)ツリーは見たことがない。が、印象。

木の先が曲がっているとライトも曲がる。。。(笑)

思ったのは私だけではなく、相当叩かれたよう。
(この辺りイタリアにいなかった)

ローマに帰ってきて、昨日、ベネチア広場を通った。
なんだかまた工事をしている。

相当叩かれ、飾りを加えたらしい。

ヨコに波波のライトと、どデカイ星が加わり、少しは見れるようになった。
しかし、星が これでもか〜 という感じで頭上にのさばり、かなり下品。

節約したつもりが、2度の工事で、結局高くついたのではないかと思うし、今の市長になっても結局ローマは良くならない。




Lagrein Gries 1998 Cantina Terlano

2016-12-01 09:50:20 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Lagrein Gries 1998 Cantina Terlano



テルラーノは好きなワイナリーの一つ。
1998年と1997年がワインクーラーの奥から出てきたが、1998年をなんとなく開けてみる。

よく飲むのは白。でもなぜか赤を買っていた。。。

色は完全にガーネット色だが爪にまだオレンジ色は見えていない。
光沢がとてもきれい。

熟成香は出ている。98年だから出ていて当然だが。
少し独特な香りがするので、なんの香りが暫く考えたが、鰹節、それも削っていない棒状の鰹節の香りがほのかにする。
もちろんフルーツのコンフィ、甘いスパイス、スモーク臭に腐葉土が混じるが、革も含めアニマル的な香りはあれども少ない。よく熟したブラックオレンジの香りも混じる。
かなり優しく口に入り、印象が良い。酸味がほどよくワインを引き締め、繊細なタンニンがきれいに丸くなっているが、余韻と共にほろ苦さが残る。
飲み頃時期の終わりか、下るギリギリ手前という感じ。++++



同じワイナリーの好きな白。おすすめ。


Terlan(テルラン)、ピノ・ビアンコ “ヴォルベルグ” リゼルバ 2013 アルト・アーディジェD.O.C (白) 750ml
テルラン
カンティーナ・テルラン(生産者組合)