在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”バルベーラ・ダルバ 2006””ネッビオーロ 2005””バローロ 2004” ヴィエッティ

2008-11-24 05:27:53 | Piemonte ピエモンテ
"Barbera d'Alba 2006"
"Nebbiolo 2005"
"Barolo 2004" Vietti -Piemonte

ヴィエッティはラベルがかわいい。
また、最高のバローロという訳ではないが、手堅い品質のものを造っていて好感の持てるワイナリーだと思う。

バルベーラ2006
スミレ、森の木の実、スパイス、リコリース、革、タバコなどで、土、キノコ風の香りも混ざる。最初は香りが硬い感じだが、だんだんと甘い香りに変化していく。こういう変化はとても心地よい。一瞬、変化しない、つまらないワインのなんて多いことか。。と考えたりもする。(もちろん、このワインのことではない。)
割とボディがある。バルベーラらしく酸味がしっかりあるが、タンニンの渋みにやや消される感じと、塩味に隠れてしまう感じがある。

ネッビオーロ2005
スパイス、黒い森の木の実、アニマル、バルサム臭、腐葉土など。
タンニンの渋みがやや残る感じがあり惜しいが、この値段では仕方ないというか、この値段なら上等。(12ユーロちょっと)

バローロ2004
ネッビオーロの後だと、香りの質は似ているが、さらに深みが増しているのに気がつく。欠点がなく、そつなくこなし、しかし、ものすごい感動はない。単一畑のものではないので、それ以上を求めてはいけないのだろうが、バローロというと、つい贅沢になってしまう。つい欲張ってしまう。
タンニンはまだ若過ぎだが、なめらかさがあり、質も良く、バローロらしいボディ、酸味とのバランス、そして、スパイス、カフェを思わせる後味、比較的長く続き、満足感は十分ある。

”マッセート” 1997-2002年 テヌータ・デル・オルネッライア

2008-11-19 23:08:54 | Toscana トスカーナ
“Masseto” 1997-2002 Tenuta dell’Ornellaia -Toscana

かなり古い、2006年の春の試飲。出てきたメモから。
マッセートは買おうと思うと高い。
品種はメルロー100%。異論はあると思うが、イタリアのメルローの中ではトップと言えるのではないかと思う。かなりの風格あり。

初リリースは1986年。
7ヘクタールで、3つの畑に分かれているが、ここで、20-25日に収穫の時期に差がありとのこと。(9月初めの収穫から9月終わりまで)
24か月の新樽バリックでの熟成後、ブレンド。
70%が輸出向けとのこと。

1997年
暗めのトーンのルビー色でガーネットは縁にやや見える程度。凝縮感がすごい。澱がややあり。降りてくる涙が細く、細かくきれい。
最初は閉じている。ふくよかで、カフェ、カカオ、バルサム臭、森の木の実のコンフィ、葉巻たばこ、コケ、ほんのりと緑のトーン海傍の茂み(とでもいうのか。。。こういう単語は訳し辛い)macchia mediterraneo、もろもろのスパイス。。と、香りにかなりの深みがある。
アタックがきれいで、さすがマッセート。タンニンが繊細で、素晴らしい品質。酸がきれいに残る。後味は、甘いフルーツがきれいに残り、当たり前だが、かなり長い。
(この値段では当たり前と言いたい。。)

1998年
やや酸が多めな感じ。強さも97年と比べるとやや弱いのでエレガントな印象。良く熟したフルーツ、甘いスパイス、葉巻たばこ、チョココーティングされたチェリー、ダイオウに海の近くの茂みの香り(日本語にするとなんのこっちゃ、って感じ。。)などなど。
アタックはまろやかで、タンニンもエレガントできれい。酸がきれいに出て、全体にやや細めの印象になっている。後味は97年と比べると短め。

1999年
バランスのとれた香り。良く熟したフルーツ、ミント、バルサム臭、リコリース、樹脂、ほんのりカカオなど。
まだかなり若い。アタックがとてもきれい。タンニンの質がとても良いが、まだかなり若い。酸がきれいに出ている。後味にフルーツが長く残る。

2000年
バニラの香りが甘い感じで若さあり。マラスカ(チェリーの一種)、森の木の実がきれいで、タンニンの粉っぽさを気のせいか感じる。ミルクチョコ、パイプタバコなど甘いスパイスも。
タンニンがまだ若く、口でも粉っぽい感じがある。甘いフルーツの後味はかなり長く続く。

2001年
かなり閉じている。ミント風の香りがあり、visciole(チェリーの一種)など。エレガントでかなり良い香り。
ボディがあり、なおかつエレガントでアタックが素晴らしくきれい。タンニンはもちろん若いが非常に良い。後味もかなり長く、フルーツの甘さが広がる。

2002年
色の凝縮がやや劣る。2002年だから、そこは仕方ないかも。
カラメル、チョコ、フルーツなどで、バニラ、木の香りが強く、バランスがいま一つ。
細い感じ。エレガントいえばそうだが、全体に力が足りない。

”サン・レオナルド” 1985-2000 テヌータ・サン・レオナルド

2008-11-17 22:53:43 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“San Leonardo” 1985-2000 Tenuta San Leonardo –Trentino

少し古いテイスティングのメモがたくさん出てきた。
紙はできるだけ捨ててしまいたいと思うので、ちょっと古いが、まあいいか。。
昨年末の試飲。

おなじみ、トレンティーノを代表するサン・レオナルド。
このワインで、いつもびっくりするのが、収穫。
このクラスなら当然手収穫よねー、と思うが、機械収穫である。
最初に聞いた時は耳を疑った。
ただし、かなり高度な選別システム搭載の収穫機だという。
機械なら3日で済む、と言い切るその選択にも一理ある。

初リリースは1982年で、サッシカイアのタキス氏が手掛けたのは2000年まで。(ただし、1985、86年は、まだタキス氏は入っていなかったとのこと。)
今はカルロ・フェリーニ氏に代わっている。

品種は、カベルネ・ソーヴィニオン、カベルネ・フラン、メルローのブレンド。

1985年
色は、ガーネットで周りがオレンジ色。濃さは良く、かなり細かい澱が少し見える。つやはかなり良い。
香りは、割と開いていて、スパイス臭など熟成香がきれいに出ている。タバコ、カルダモン、キーナ、葉巻たばこ、白コショウ風とミント風の香り、ユーカリなどで、強さも良く、複雑性もあり。
味は、酸がかなり感じられ、酸っぱいくらいでもある。やや細身な印象。タンニンはかなり丸くなっている。塩味がかなりある。程よい長さで、細くエレガントだが、最後に消えてしまう印象がおしい。後味に、シチリアのブラッドオレンジ。

1986年
濃いめのガーネットで、澱がかなりある。
ちょっと堅めで、ミネラル、タール、アスファルト、リコリース、革、香草、などに加えて、梅の香り。
味の広がりは良く、結構果肉の質感あり。タンニンはまろやかになっているが、ボディがまだしっかり感じられる。後味は最初良いが、突然消えてしまう感じがあり。後味はマンダリン風。

1987年
濃いめのガーネットに、オレンジがはっきり。
結構閉じている。タバコ、ミネラル、葉巻の箱、プルーンの甘さ、煮豆的な香り(怒らないでね!)、血、ミントなど。
酸と塩味。タンニンは丸くなっている。持続性は良く、後味はオレンジ。

1988年
まだガーネットでつやがきれい。
フルーツの甘さがまだあり、バルサム臭、タバコ、プルーン、森の木の実のコンフィ、ユーカリ、スモーク、カカオなど。かなり良い香りで、複雑。
酸とタンニンのバランスが良く、ボディもあり、エレガントさもある。後味にフルーツが残るくらいの若さがまだ感じられる。
とても良い年。なるほど。こうなるとさすが、と言いたくなる。

1990年
ガーネットで澱あり。
バルサミコ、ダイオウrabarbaro、タバコ、湿った土、ドライのバラ、リコリース、ミントなど。
タンニンはかなり丸く、酸と、塩味がかなり印象的。

1991年
唯一、トレビッキエーリを取らなかった年だそうだ。。
やや細い感じ。バルサム臭が控えめな感じであり。他に、タバコ、付け汁(とでもいうか。。)salamoia、アニマル、馬の臭みあり。香りはあまり長くない。
味も全体に細めで、全体に印象が薄い。

1993年
かなりきれいなガーネット。
きれいにまとまる。良い複雑性が出ている。バルサム臭、ミント、キーナ、ユーカリ、香草、シトロンの木legno di cedro、オレンジの皮など。
ボディあり、柔らかさも申し分ない。タンニン、酸、塩味のバランスが良く取れていて、心地よい後味。
かなり良い年というが、いいねー。。と言いたくなる。

1994年 省略!

1995年
フルーツが甘いくらいに、スパイスが混じる。バルサム臭、タバコ、薬草、丁子、ダイオウにおなじみミント。
まだ若いくらいの味。後味も良い。

1996年
キーナ、スパイス、柑橘、ユーカリ、ミント、カフェ、カカオ、一緒に混じってアフター8(というチョコ)など。かなり良い。
酸がきれいでしまった感じに塩味とタンニンが絡む。ボディがある上にエレガントさも見せる。

1997年
ユーカリがはっきりに甘さがきれいに出ていて、果肉の甘さを感じる。バニラ、マンダリン風の柑橘、スパイスなど。良く出来ている香りの印象。
ほほー、という感じ。1997年伝説を個人的には信じないが、これは良く出来ている。広がりあり、複雑で、ミネラルがベースにあり、ボディ良く、エレガントさもあり。まだフレッシュなフルーツが残るくらいで、今後の熟成を期待したいところ。

1999年 省略

2000年
タキス氏とフェリーニ氏の入れ替わりの年。
複雑性が出ている。フルーツ、プルーン、ブルーベリー、バルサム臭、スミレ、香草、バニラなど。
味も広がりがありとても良く、タンニンはエレガント。しかし、酸がやや物足りないくらい?


”シルヴァーネル 2006” アバツィア・ディ・ノヴァチェッラ

2008-11-12 06:28:23 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
 “Slivaner 2006” Abbazia di Novacella –Alto Adige
この前ノヴァチェッラのワインをいくつか飲んだと思ったら、家にも1本あった。
ずっと前に買っていて、すっかり忘れていた。
白で軽く飲めて、なおかつ冷えているのがこれしかなかったので開けた。
シルヴァーネルのベースの安いタイプである。
香りは、花の香り、フルーツの香りなど。程よいすっきり加減、ほんのり甘く、プラエポズィトゥスに比べるとだいぶシンプルであるが、心地よい。
味も花とフルーツが中心で、持続性はやや欠けるが、とても良く出来ている。値段も安いし。
昼に半分飲んで、夜にもう一度飲んで、最後に少しとっておいたら、数時間経って、とても面白い香りが出てきた。
生クリームの添えられたリンゴパイ、スポンジケーキ、シャンティリークリームなど。。。甘くて心地よい。リンゴが若干酸化した感じ、アメ風の後味が残るが、個性が出て、開けた直後よりずっと美味しい。
という訳で、2度楽しんでしまった。安いワインなのになんだか特した感じ!

”キャンティ・クラシコ・イル・ポッジョ 2003” 他 カステッロ・ディ・モンサント

2008-11-09 17:10:04 | Toscana トスカーナ
"Chianti Classico 2006"
"Chianti Classico Riserva 2005"
"Chianti Classico Il Poggio 2003" Castello di Monsanto -Toscana


行きつけのエノテカ(酒屋)で、立ち飲みの試飲会があった。
来た人には誰にでもふるまう気軽なタイプの試飲会である。
今回はトスカーナのカステッロ・ディ・モンサント。
以前はかなり伝統的だと思ったが、だいぶモダンになったなー。。。と。
3種、どれも良い。どれも良く出来ている。でも、アルコール度がかなり高い。(ラベル表示にも14%とある。ただし、ラベルは嘘も多いので正確ではないので注意。)

キャンティ・クラシコ(2006年)は、華やかな香りで、花とフルーツがきれいに出ていて、ベースにスパイスがある。そして、アルコールがやや上がる。飲むと、口の中でボワっと味が広がり、かなりインパクトがある。持続性も良いのだが、アルコールが結構残る。
この値段で(10ユーロちょっとだからそう高くない)これだけインパクトがあれば、このタイプのワインが好きな人には良いと思う。
バリックでの熟成、ただし、新樽は使わず。

キャンティ・クラシコ・リゼルヴァ(2005年)は、さすがにもう少し落着きがある。花は少しドライ気味だし、フルーツもややコンフィ風、そして、スパイスが出ているし、革、アニマルの臭みがややある。アルコールがやはり少し上がる感じあり。味は、やや印象に欠ける感じか。良く出来ているのだが、キャンティ・クラシコのような明るさと、イル・ポッジョのような風格の中間に位置し、どちらでもない。。
バリックでの熟成、新樽と旧樽。

キャンティ・クラシコ・イル・ポッジョ(2003年)は、ぐっと落ち着いた感じではある。スパイスがきれいに出て、バリック新樽使用とはいえ、バニラバニラしてはいない。ただし、トースト臭はかなりある。ブラックチェリー、森の木の実、どちらもややコンフィ風で、タバコ、革、リコリースなどがきれい。味も、どっしり、アルコールがあり、インパクトが強く、タンニンもどんとしていて、持続性も適度にあり、ちょっと値段は高いが、それなりの風格がある。
バリックでの熟成、新樽のみ。

しかし、全体にアルコールが強すぎのような気がする。良く出来ているが、「造りました」という印象が強いような。でも、今のキャンティの流れに沿えば、こうなるんだろうなー。。。と思ったのでした。

”リボッラ・ジャッラ””トカイ・フリウラーノ””ピコリット” ヴィナイ・デッラバーテ

2008-11-06 08:20:30 | Friuli フリウリ
"Ribolla Gialla 2007"
"Tocai Friulano 2007"
"Picolit" Vinai dell'Abbate =Friuli Venezia Giulia
ワインと美味しい食べ物の組み合わせは、ただ、機械的にワインを試飲するより嬉しいものである。(当たり前だが。。)
たとえ、それが、ほんの一口のフィンガーフード的であっても、とても嬉しい。
むしろ、美味しいワインを飲みたい時、ほんの一口の食べ物が、ワインをより美味しくし、しかし、ワインの邪魔をしないとなると、ワイン好きにはさらに嬉しい。
フリウリのワイン数種を、カナさんの手作りフィンガーフードと一緒に試飲した。
(幸せ!)

リボッラ・ジャッラ(2007年)は、透き通った感じがとてもきれい。マセラシオンをしてない、ステンレスだけの醸造。個人的にはリボッラは、マセラオン7日とか10日とかが面白くて好きだが(60日という極端なのも美味しかった。。。)、ステンレスだけの、透明感を持ったリボッラも、食事に合わせやすいし捨てがたい。柑橘がきれいで、酸がとても良い感じ。非常に丁寧に造ってある。

トカイ・フリウラーノ(2007年)は、品種名「トカイ・フリウラーノ」と明記できる最後のヴィンテージ。ハンガリーとの「トカイ戦争」に負けてしまって、いったいどうなるの?どんな品種名になるの?と思っていたが、ついに来てしまった2007年ヴィンテージ。裏も含めて、ラベルに明記できるのはこれが最後で、2008年ヴィンテージからは、「フリウラーノ」という名前の品種になるのだそうだ。フリウラーノじゃあ、あまり迫力(?)がなくてさびしいが。。ところで、トカイはヴェネト州の一部での栽培されていて、それはどうなるの?というと、これもフリウラーノだそうだ。品種名の記載ということで、ヴェネト州のワインなのに「フリウラーノ」と書いたものが生まれるかも知れない?? なんて、紛らわしい!!
全く、あっち(ハンガリー)のトカイはデザート・ワインだし、こっちのトカイは品種の名前だし、綴りは違うし、いったい何が問題なのか?? 本当に残念なフリウリの敗訴でした。
ミネラルがきれいに出ていて、白い花、柑橘、そして、ビタミン剤風の香りもある。同じく、透明感があって、とてもきれい。
味もミネラルが出て、落ち着いた感じで、後味もとてもきれい。

ピコリット(ヴィンテージは忘れました。。)は、フリウリの特殊な品種。結実不良、と言い、房になるぶどうの粒が極端に少ない為、成分が凝縮され、糖度も高まる。
しかし、それだけでは、ここまでのデザートワインにはならない。
ワイナリーによって、製造方法は異なるということだが、遅摘みをするところ、陰干しをするところとあるという。
このピコリットは、陰干しの方で、9月20日ごろ収穫し、その後、11月終わり~12月初めまで干すという。
干したフルーツ、ナッツ、栗のハチミツ、カラメル、燻製の香り、チョコ風の香りなどが複雑に交る。
甘いがべたついた感じではなく、非常に心地よい。


”サルトナー・ピノ・ネーロ 2006” カンティーナ・カルダーロ

2008-11-06 07:41:32 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Saltner Pinot Nero 2006” Kellerei Kaltern Caldaro –Alto Adige

私にとっては不思議なワイナリーなのである。
ドイツ語のKellerei Kalternとカルダーロという名前が、私の頭の中で一致しないからか、ワインのラベルがいくつかあって、そこに一貫性を見い出せないからか。。
もうずいぶん前になるが、ローマ近郊の結構良いレストランで、あるワインを飲んだ。ラベルにはGiovanelliとあり、記憶にないラベルで、でも、これ、かなりいいじゃない!と思った。
ワインの勉強をしっかりしなくちゃ!と思っていたさらにずいぶん前、カンパネルのワインは有名だった。
美味しいよね、これ。のワインと、ジョヴァネッリのラベルが、なんだか、あまりに違い過ぎて(ラベルで判断してはいけないのだが、そこに難解なドイツ語が入るからか)、つかみどころがなかった。
この2つがやっと一致した時、なーんだ、と思ったというか、少し拍子抜けしたのを覚えている。(おいしいはずじゃん!と思ったわけだ。)

いくつか飲んだ中、ピノ・ネーロ好きの私としてはなかなか満足のいくものであった。
サービスしてたのが友達だったこともあって、なかなか面白いわね、と話かけてみたら、そういう人が結構いるわねー。。と。でも、どうも反対の意味のよう。
香りにアニマル臭がある。決してきつくはないし、この感じは、私にとってはとても心地よい香りなのだが(趣味が悪い??)、これが鼻につく人が多いようだ。
でも、アニマル臭の他、森の木の実、スパイス臭、少し土っぽい香りが、程よく複雑に絡み、良い意味で面白かったのだが。。
味の方はそう臭みを感じない。ボディがしっかりあり、良い持続性があり、最後のほろ苦さがとても心地良い。

”モスカート・ローザ 2006” 他 フランツ・ハース

2008-11-05 03:04:35 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
 “Moscato Rosa 2006” ed altri Franz Haas –Alto Adige
他のワインと飲み比べると、ハースのワインには、とてもきれいなミネラルが出ているのがよくわかる。
落ち着き、程よい硬さの表現としてのミネラルが全体にベースにある。

2007年のマンナを飲んだが、当たり前だが若過ぎ。でも、とても良い。
少なくとも3年、できれば5年は置いて飲みたいワインである。

ピノ・ネーロ(2006年)もベースの方(上級クラス“シュワイザーSchweizer”ではない)だったが、フルーツとスパイスのバランスが良く取れ、良く出来ていた。主張し過ぎない程度の存在感があり、とても心地よく飲める。
イタリアのピノ・ネーロでは、好きなタイプである。(もちろん、シュワイザーの方が良いが。。)

そして有名なモスカート・ローザ(2006年)。
花の香りがとてもきれいで、バラ、野バラなどの小さな花。フルーツのアメの甘い香り、そして、シナモン風の甘さが強い。
味は、当然甘いがべたつかないし、重たくない。甘さと酸の番ランスが取れ、程よいボディがある。モスカートの特徴だが、最後にほろ苦さが残る。

ハースのワインはすぐに飲んではもったいない。
白も含めて、数年はぜひ置いてから飲みたいワインである。

”プラエポズィトゥス ゲヴルツトラミナー 2007” 他 アバッツィア・ディ・ノヴァチェッラ

2008-11-05 02:36:53 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Praepositus Gewurztraminer 2007” ed altri Abbazia di Novacella –Alto Adige
ノヴァチェッラのワインは、透明感もあるが、それより存在感があるような気がする。
ピノ・ネーロはちょっと強い樽のバニラが甘すぎて、甘ーい!(もちろん糖分の意味ではないが)という感じだったが、3種飲んだ白(プラエポズィトゥスシリーズ)は、どれも、ステンレスのみで良い感じだった。

シルヴァーネル(2007年)は花の香りがとてもきれいで、しかし、ややシンプル感があるが、ケルナー(2007年)は、ニュートラルな味が料理全般に受けそうな感じ、ミネラルがベースに、きりっと引き締まる感じ、洗練された酸味が印象的でとても良かった。

ゲヴルツトラミナー(2007年)
ゲヴルツらしく、ライチとバラの香り。プンプン邪魔なくらいのもあるが、これはそうではない。他、大きな柑橘の白い果肉(というのだろうか?)の部分の香り、甘さもあり、ほんのりミネラルも出る。
味はしっかりボディがある。まろやかで、酸味はあるが隠れるくらい?
後味に苦味が残るが、心地よい。程よい持続性あり。

程よい華やかさと存在感、しっかりした味わいと個性、透明感と切れのある味わいで、万人に受けるワイナリーだと思う。

”コッリオ・フォザリン 2007” ロンコ・デイ・タッシ

2008-11-04 07:03:22 | Friuli フリウリ
"Collio Fosarin 2007" Ronco dei Tassi -Friuli Venezia Giulia
頒布会なるものをやっている。
もう、いったい何年になるか??(8年くらいだろうか。。)
最初は月に1度だったが、年とともに体力が付いていかなくなる(ワインは重いのよ~)ので、2か月に1度程度にしているが、10月に選んだワインがこのワイン。
2006年がトレビッキエーリ+ソムリエ協会ワイン5房の両方を取ったので、2006年で揃えたかったが、まあまあの数を揃えねばならず、若干の2006年を除いて、とにかく2007年を入手した。

まず、ラベルが可愛い。
特に小動物好きとしては、とても魅かれるラベルである。
ワイナリーに本当に生息しているアナグマから生まれた名前で、だから、ラベルにも描かれているのだそうな。

さて、このワイナリー、前はこんなに良かったかしら?と思う。
フリウリで、このところ、かなりレベルの向上しているワイナリーの一つであろう。

品種は、ブレンド。ピノ・ビアンコ40/50%、トカイ・フリウラーノ30/40%、マルヴァジア20%
最近は単一品種が流行っていて、単一品種に(不当な)価値を見出す傾向があるように思うが、フリウリは伝統的にブレンドの地域である。
 
色は、きれいな麦藁色で光沢があり、木樽を使って熟成された白ワインにしては薄め。
香りは、白い花の香り、フルーツの香りは、柑橘系のフルーツ、白桃、緑色の洋ナシなど。ミネラル臭がとても強く、他、緑の香りがきれいで、サルヴィアなど。とてもエレガント。
味の方もエレガントで、さわやかな柑橘系の味がしたと思うと、じわじわっとふくよかさが出てくる。その後にアルコールの熱さが残るくらい。柑橘のさわやかさ、フルーツの味がとてもきれいに後味に残り、持続性よし。最後にきんかん風の香りが残る。

さすがフリウリ、というワインの1本でした。


”ランゲ 2005” カヴァッロット

2008-11-04 06:33:33 | Piemonte ピエモンテ
"Langhe 2005" Cavallotto -Piemonte

カヴァッロットの白。ランゲというだけのシンプルなタイトル。
品種はなんと!ピノ・ネーロ。それも、100%。それも、カスティリオーネ・ファレットのブリッコ・ボスキスの畑に植えてあるそうな。
畑の面積 0.96.50ヘクタール(0.96の意味?)、木の数 4890本、1975年に植樹、向き東~北東、340mの標高、平均5200本、などが裏のラベルに書いてある。

色はそう濃くない。ピエモンテの白というとタルタル(樽のタルです)が多く、とかく濃い色が多いので、ちょっと最初から拍子抜けする感じ。
香りは、柑橘がきれいで、強さの中にもエレガントさがある。他に白い果物全般の香りがあり、白い果物を数種、お皿に切って並べた感じ。そして、花の香えい、ミネラルなど。程よい複雑性があり、とても好感の持てる香り。
味は、とてもきれいに酸味が出ている。口当たりは優しく、とても飲みやすい。後味がそう長いわけではないが、とてもきれいな澄んだ印象。
さすが、カヴァッロット。もちろん、バローロも素晴らしいが、白もこんなに良いとは。それも、ピノ・ネーロで造った白。シンプルでとても好感度が持てる。今度は、何年かおいてみたのをぜひ飲んでみたい。


”モンテプルチャーノ・ダブルッツォ・セニオール 2005” モンティ

2008-11-03 20:55:20 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
"Montepulciano d'Abruzzo Senior 2005" Antonio & Elio Monti - Abruzzo
いただいたワインです。
どうもありがとうございます。
美味しく飲ませていただきました。

品種はもちろんモンテプルチャーノ。
色がかなり濃く、やや暗めの深い色合いと、若々しさの象徴の青みがかった感じが一緒になり、全体に紫色に見える。それも、かなり深み、そして、つやがある。
香りは、モンテプルチャーノらしい香り。スミレなど花の香りに、黒い森の木の実、ブラックチェリー、甘いスパイス、そして、土の香り、木の香り。かなり華やかで、しっかりしていて、インパクトがある。アルコール度が高いが、アルコールがやや上がってくるのが感じられる。
味もインパクトがかなりある。色、香からするとインパクトがない方がおかしいが。。最初はまろやかさが出るが、酸もきれいにあり、タンニンはやや渋みがあるがしっかりしている。後味はまずまずの長さで、最後のカカオ風のほろ苦さが心地よい感じ。
かなりドーンとしているので、しっかりした肉料理にいいかも。
これからの季節はワイン煮にも試してみたい感じ。
インパクトのあるワインが好きな方にはお勧めです。

自然派ワイン

2008-11-03 20:27:36 | もろもろ、つれづれ
Bio! Bio!! Bio!!!

こちらにいると、日本のテレビはもちろん見られないが、幸い、インターネットの普及で、日本のニュース、特集番組の一部を映像でも見られるようになった。
その中に、自然派ワインの10分程度の特集があったので見てみた。
日本でもいよいよ自然派ワインが流行るようになったのね~。。。と驚き。
日本は流行り、そして、ほとんど必ず来るその後の廃りの国だから、一瞬の流行で終わらないといいけど。。と思いつつ、誰もが「ビオ(自然派)ワイン」だから飲むような時代が来たらおそろし~とも思ったりして。
そう、ビオワインは、本当に好きな人にだけ飲んでほしいし、ビオって体にいいって聞いたから、あまり美味しいとは思わないけど飲んでるのよ~、となっては、値段が上がってしまうのではないかと心配でもある。
そう、ビオワインは値段が安い。もちろん、スーパーで売っている大量生産ワインほどではないが、ビオで有名ワインと一般有名ワインの価格を比べると、ビオははるかに安い。
安くて、口当たりが良くて、体に良くて、美味しくて。。。(そうでないものもあるが。。)
やっぱり、ビオワインは良いのである。
しかし、番組中の会話の中の発言「(自然派ワインは)亜硫酸を使ってないからいいよね~」のような、誤解ご招くものは避けて(カットして)ほしかった。。。

”ノタルパナーロ 2001” タウリーノ

2008-11-03 18:02:46 | Puglia プーリア
“Notarpanaro 2001” Taurino –Puglia
いつも行くエノテカ(酒屋)のお買い得コーナーに置かれていた。仕入れたのに、なんとなく残ったんだろーなー。。
プーリアの地味なワイナリーだから、コレコレ!って買う人も少なく、誰かに推薦されないと買わないよねー。。
で、棚にあった何本かを買い占めた。
だって、今時2001年なんて手に入らないし、エノテカがちゃんと「保存」しててくれたのだから。
一緒にいた何人かは、もうダメじゃないー?とか、あの、マデイラがかった臭みが苦手なんだよねー、などとぬかすが、そんなのは聞く耳持たない。
それは、工業製品ワインにあてはまることで、タウリーノのようなワイナリーには当てはまらないからだ。

品種は、プーリアのおなじみ品種ネグロアマーロ。
色は、ガーネット色に、爪がオレンジを帯びている。きれいなつやがある。
香りは、一瞬甘い黒い小さなベリー系のコンフィの香りがするが、全体にスパイスが覆っている。血の香り(鉄分系の香り)が強い。それから、当然のようにアニマル臭、土の香り、キノコ、ブラッドオレンジ風が少し。熟成香が程よい複雑性を醸し出している。
普通の人は、血の香り、アニマル、キノコあたりで、もうダメなんだろうなー。。。と残念に思う。
味は、インパクトが優しい。優しすぎるくらい。時間がたってまろやかになっているせいもあるが。。タンニンは、ネグロアマーロだから、しっかりあったのが丸くなり、酸味がきれいに出ている。後味に、ほんの少しほろ苦さが出て、ネグロアマーロの特徴を感じさせる。