在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Civiltà del bere -il top delle guide vini 2015

2015-03-31 16:48:59 | イタリア・ワインABC
Civiltà del bere -il top delle guide vini 2015



この前の記事の続き。
Vinitalyに行くと必ず買うものにCivilta’ del bereのレストランガイドとワインガイドの2冊がある話。

レストランガイドは、ガイドブック5冊の合計点でランキングしているのだが、さすがにワインは数が多すぎて、別な方法を取っている。
つまり、現在発行しているメインのワイン年鑑本8冊で、最高ランキングに掲載されているのがいくつあるか、である。

年鑑本は以下の8冊; ( )は、最高ランキングのワインの数
AIS Vitae (169)
BIBENDA (199)
Daniele Cernilli (44)
L’ESPRESSO (129)
GAMBERO ROSSO (185)
Luca Maroni (309)
SLOW WINE (220)
Veronelli (307)




以上の合計のワインが対象となり、8冊全て最高ランクに掲載されたワインは今年は2本。
シチリア Donnafugata Ben Rye’ 2012
トスカーナ Sassicaia 2011

以前、年鑑本が5冊程度だったころは、全て掲載ワインの数はもう少し多かったのだが、徐々に増え、8冊となるとさすがに全て掲載は難しくなり、今年は2本である。
7冊掲載も2本。
ピエモンテ Le Piane Boca 2010
プーリア Gianfranco Fino Es 2012



6冊掲載は7本。
アブルッツォ Valentini Trebbiano d’Abruzzo 2010
カンパーニア Montevetrano 2012
マルケ Il Pollenza 2011
ピエモンテ Massolino Vigna Rionda 2008
トスカーナ Le Macchiole Paleo 2011
トスカーナ Ornellaia Masseto 2011
トレンティーノ Ferrari Riserva del Fondatore 2004



結構意外な顔ぶれである。
1冊、2冊と逃しているワインは、どの本で逃しているかを見るのも面白い。

そして、赤、白、スプマンテ、デザートワインの今年のチャンピオンは以下の4本となる。
赤 Sassicaia
白 Valentini
スプマンテ Ferrari
デザートワイン Ben Rye’

そのほか、醸造家の名前掲載、過去3年の変化なども掲載され、100ページ近くになる小本である。

Civiltà del bere -il top delle guide ristoranti 2015

2015-03-26 18:05:40 | レストラン
Civiltà del bere -il top delle guide ristoranti 2015



Vinitalyに行ったら必ず買うものがある。
2つの冊子、Civilta’ del bereの冊子である。
基本、単品では販売してない。
毎年、1、2月号のおまけのようにしてついているのだが、つい買い忘れるというか、VInitalyに行けば売っていることもあり、忘れても安心している。
1冊はレストランガイド、もう1冊はワインガイドである。

Civiltà del vinoの2冊のガイドブックは、他のガイドブックとは違う。つまり、レストランを渡り歩き点数をつけて評価し、記事を書くのではない。
ワインを試飲してやはり点数をつけ、評価するのでもない。
(ワインについては別ページで紹介)

レストランガイドについては、これを見つけてから、ちまたのレストランガイドをたまにしか買わなくなった。一応、これを見ればOKだからである。(もちろん細かい内容は除いての話)
名前もレストランガイド(単数)ではなく、レストランガイド(複数)のトップ、である。
2015年版ガイドの元になっているレストランガイド本は5冊。

ミシュラン 星で評価+星なしの記載
エスプレッソ 点数で評価
トゥーリング 点数で評価
ガンベロ・ロッソ 点数で評価
イデンティタ・ゴローゼ 点数なしの記載

以上の5冊の点数の合計をオートマチックに換算していく。
点数がない場合はどうするのか?これもオートマチック。つまり、ミシュランの星3つは全て100点、2つは94点、1つは88点、星なしの記載は全て60点。
イデンティタ・ゴローゼは、一律60点の評価。もちろん、限りなく100点に近いレストラン、60点ギリギリくらいのレストランもあるだろうが、それは無視して一律の点数にしてある。

イデンティタ・ゴローゼの点数が一律60点なので、合計の最高点は460点になる。
イデンティタ・ゴローゼの点数が一律なので、正確な評価とは言えないかもしれない。
しかし、これが結構参考になるのである。

さて、オートマチックに計算した2015年の1位のレストランはOsteria Francescana。私の好きなレストランの一つである。
2位はローマのLa Pergola。
と、この調子で、648位までがランキングされている。
そして、州別にグラフ分け(ロンバルディアがトップ)、州別にリスト、最後には住所と電話番号まで載っている。
トップ10やトップ30あたりはかなり高級、そして、たいていクチーナ・ヌオーヴァで、100位、200位あたりは同じくクチーナ・ヌオーヴァでもバリバリではなく、食べやすく、また値段もそう高くないところが多く、結構狙いめ。500位あたりは、もう少しクラシックな感じのところも多く、さらに値段が抑えてあるところが多いので、使いやすかったり。
というふうに、使い分ければ、何冊もガイドブックを買うよりよほど役に立つのである。
2ヶ月おき発行の本誌の方は、なんと1974年からの発行で、ガンベロのような華やかさはないが、かなり堅実な内容である。





Vinitaly隣のガソリンスタンド: 別名 シャンパン&オイスター・バー

2015-03-26 15:55:35 | Veneto, Emilia Romagnaヴェネト、エミリア
Vinitalyの隣のガソリンスタンド:
別名 シャンパン&オイスター・バー



Vinitalyが終わった。
今回は4日間、最初から最後までいて、さすがに、4日目は頭と体力もだが、結構、舌がピリピリ来た。冷たい水を口に含んで、しばし舌を冷やすと気持ちがいい(笑)。こういうことをするのも、こういう感覚を感じるのもVinitalyだけだろうと思いながら。

今回のVinitalyで、実は一番驚いたのはガソリンスタンド。
Vinitalyに通い始めて15年になるが、このガソリンスタンドの件は知らなかった。一緒に行ったマルコもVinitaly経験豊富なのだが、初耳だそうな。もちろん15年前にはやってなかったはずだが、どうも数年以上の伝統はあるらしい。
場所は見本市会場のすぐ隣り、結構敷地のあるガソリンスタンド。
すごい。なにがすごいかというと、Vinitalyの終了時間後、シャンパン・バー(イタリアの泡物も含む)に変身してしまうのである。
夕方には本業、つまりガソリンの販売をやめて、誰が考えたのか、シャンパン(正確には泡物)&オイスター・バーになる。
全体は結構広い。普段はコーヒーを飲む、イタリアでは見慣れたカウンターと、本来はガソリンスタンドのバーなので、大して広くはないカウンター前のスペースには、これまた見慣れた小さな丸テーブルがいくつかあり、私たちがついた頃には、もうすでに人でいっぱい。
隣接した部屋には大きなテーブルがいくつかあり、さすがに夜は冷えるので先客が占領していて、すでにすごい熱気。とてもガソリンスタンドとは思えない雰囲気。
そして、建物前の敷地は、さすがにガソリンスタンドなので広く、そこに8人は座れる大きなテーブルが10以上ある。私たちがついた頃にはまだパラパラだったのだが、続々と人がやってきて超満員になった。
カウンターの隣には、コカコーラの赤い冷蔵庫。普通ならコカコーラやらオレンジジュースが入っている冷蔵庫には、泡物しか入っていない。
それも、フェラーリがゴロゴロ、そして、ボランジェ、クリュッグ、さらにはドンペリも入っていて、そんじょそこらのワインバーの冷蔵庫よりすごい。誰がガソリンスタンドでドンペリを開けるのかと思うが、開けるのだろう。常連で、自分で勝手に冷蔵庫を開けてシャンパンを取っている人もいる。

私たちのグループは、6-7人のはずが膨れ上がって15人以上になり、グループの伝統(なのだそうだ)フェラーリのペルレ、マグナムボトルを開ける。途中でボランジェのおごりが入り、ペルレのマグナムは2本目を開ける。
ビール(一応泡物)を1,5 リットルはありそうなピッチャーで頼んでいるグループもあったが、顧客、常連に生産者など、豪快な人が多く、かなりのシャンペンが飛び交っていた。
ちなみに泡物でも、プロセッコはない。。。

そして、さらにびっくりなのがメニュー。
サラミとチーズの盛り合わせもあるが、ここの自慢はと生牡蠣と手長エビ(スカンピ)の生。
生牡蠣は季節柄、かなり身が小さく、一応ご愛嬌だったが、手長エビの生は絶品だった。
大皿に盛られた手長エビと生牡蠣も、ボトルと一緒に飛び交っている。

次から次に人がやってきて輪が膨れ上がり、建物の中も外も凄い人。熱気で溢れ、あちこちで乾杯。いい加減にVinitalyで出来上がってるところにシャンパンが心地よく、ガソリンスタンドという不思議な場所とのコントラスト、そして生牡蠣。
なんとも不思議な空間と時間だった。


おしゃれなのは、ちゃんと名前入りのグラスがあること。名前の入っていないグラスを使っているワインバーも多いのに、びっくり。そして、グラスは高級ではないが泡物用仕様。
しかし、許可の厳しいイタリアで、いったいどういう許可を取っているのか。
ガソリンスタンドでこれだけのものを出しているところは、世界中でもここだけのような気がする。
もちろん、vinitaly期間の限定だが、ちょっとしたフェスタはたまにやっているらしい。

それから、いくら払ったかは知らない。たいてい誰かが大盤振る舞いするので(一人とは限らない)いくらになったのかわからない。
ガソリンスタンドとしては、他のテーブルも含めて、相当な収入になったことは間違いない。

Chianti Classico Greve in Chianti:Panzano 8vini キャンティ・クラシコ8種

2015-03-21 12:02:04 | Toscana トスカーナ
Greve in Chianti:Panzano 8vini

Chianti Classico2013 Vallone di Cecione ヴァッローネ・ディチェチオーネ
Chianti Classico Retromarcia 2012 Monte Bernardi モンテ・ベルナルディ
Chianti Classico Riserva 2012 Rignanaリニャーナ
Chianti Classico 2011 Le Fonti レ・フォンティ
Chianti Classico 2011 Le Cinciole レ・チンチョレ
Chianti Classico 2011 Vecchie Terre di Montefili ヴェッキエ・テッレ・ディ・モンテフィーリ
Chianti Classico 2010 Fontodi フォントーディ
Chianti Classico Il Margone Gran Selezione 2010 Il Molino di Grace イル・ムリーノ・ディ・グレース



アルマンドの今年の講義、キャンティ・クラシコもいよいよ大詰め、全8回のうち、6回目が終わった。アルマンドの講義は、彼の経験もすごいのだが、系統だった内容にいつも敬服する。そして、ユニークな面もあり、一瞬でも退屈することなくいつも楽しい。
自分へのメモ的に、ざっと書こうと思っても、あまりに忙しい時は書けず、なのだが、今回のメモ。

5回目と6回目は Greve。唯一、2回に分けた地域である。彼曰く、Panzanoはそれだけで独立できる地域、Greveを代表するもう一つの地域、Lamoleとは土質も気候も地形も全く違う、ということで、2回に分けている。
Panzanoは、かなり小さな地域であるが、条件が良いので、ワイナリーが集中しているし、その中に良いワイナリーがいくつもある。

さて、今回のワインの話に入る前にアルマンド推薦の、キャンティ(当然クラシコが前提)のアビナメントベスト10。
ちょっと意表をつくが、そういうところが面白い。なるほどね、と思う。
第10位から。

10位 フィオレンティーナ:素人なら一番にあげるかもしれないアビナメント。でも、アルマンドの場合は10位と来た。これは、合わない、という意味でははなく、もっと合うものがある、という意味。
9位 Casentineseのニョッキ:香草のソースのニョッキ。おお、これは食べたことがない。
8位 パンツァネッラ:納得のアビナメント。ただし、もちろん重たくないタイプ。
7位 羊肉のグリル:これも納得。でも7位。
6位 キャンティのツナ:これも食べたことがない。ツナとは名前だけで、豚肉を蒸して裂き、冷菜仕立てにしたもの。たしかに、まるでツナのよう。これは絶対に合うよね、という一品。
5位 リボルノ風魚介ブイヨン:こういう料理を5位に持ってくる、意表をつくところがアルマンド。ええ、うそーと思うだろうが、試してみると、確かに合うだろうと思える。ただし、もちろん軽めのタイプの場合。
4位 Scarpaccia:これも食べたことがないというか、食べてるのだろうが一品として意識をしたことがない。なるほど。
3位 野うさぎのパッパルデッレ:好物の一品。思わず食べたくなる。
2位 ランプレドット:最近は日本でも知られてきている一品。当然のごとく合う。
1位 さて、一位はというと、意外なことにリボッリータを挙げた。ほお。なるほどね。地味な組み合わせで、意識したことはないが、今度、意識して食べてみよう。

今回のワイン。
今回はすっからかんに写真を撮るのを忘れて、写真は友人クラウディアからの提供。
(+++を良くできているワイン、として、あとはプラス、マイナス。)

Chianti Classico2013 Vallone di Cecione
香りはきれいで印象がよい。小さくまとまったタイプ。酸味がかなり強いので、食事と合いそう。ビオ。++(+)
Chianti Classico Retromarcia 2012 Monte Bernardi
昔飲んだことがあるのを思い出す。名前がいいよね。落ち着きのある感じの花とフルーツ、緑の香りが混じり、個人的にかなり好み。酸味も程よくあり、タンニンは繊細、余韻が長く、きれい。透明感がある。ビオディナミ。ビオディナミというと臭い、というイメージがあるかもしれないが、こういう風に透き通った印象をもつものもある。+++(+)
Chianti Classico Riserva 2012 Rignana
先のワインとがらっと変わったタイプ。黒い森の木の実、バルサム臭に、やや甘さが加わる。全体に柔らかく印象の味で、余韻にバルサム臭がきれいに残る。+++(+)
Chianti Classico 2011 Le Fonti
ややアルコールが上がってくるのと、日本の発酵食品を思い出した。ボディはあり、良いのだが、味の持続性が今ひとつ。++
Chianti Classico 2011 Le Cinciole
腐葉土、オレンジ、カンフォラなど落ち着きのある香り。酸味がきれいで、バランスも良く持続性があり、余韻が心地よい。ビオ。++++
Chianti Classico 2011 Vecchie Terre di Montefili
好きなワイナリーであるが、そういえば、キャンティはあまり飲んでいない。AnfiteatroやBruno di Roccaだけでなく、キャンティもこんなにいいんだぁと唸る。ビオ。+++++
Chianti Classico 2010 Fontodi
82haを所有すると言うが、その割には素晴らしい品質を保っていると思う。しかし、味は良いが、香りはまずます。やや渋みが余韻に残る。ビオ。+++
Chianti Classico Il Margone Gran Selezione 2010 Il Molino di Grace
バリック使用がはっきりとわかる。フルーツのコンフィ、厚みがあり、タンニンも柔らかく、存在感がある。これだけで飲むと、素晴らしく良いのだろうが、クラシックなタイプを飲み込んだ後にはやや浮いてしまう。ビオ。++++







Winesurf a Bari

2015-03-18 15:09:02 | Puglia プーリア
Winesurf a Bari
ワインサーフの試飲会


友人パオロに誘われて、わざわざバーリまで試飲会に行ってきた。フィレンツェあたりは列車ですぐなので、たまに行くこともあるが、バーリまではさすがに遠い。
友人曰く、格安航空ライアンエアーで片道20ユーロ、まあそれならたまに気分転換で行ってもいいかも、で行くことになった。話に乗ったメンバーは3人。いつも行くヴィナイエットのオーナーのマルコとジャーナリストの女性に私。合計4人の珍道中。
バーリにはよく行ったものだが、数回を除いて列車利用。列車も早く取ればそれなりに安いのだが、まあやっぱり飛行機は速かった。

試飲会はワインサーフという団体のオーガナイズしたもので、トスカーナを本拠地にしているようだが、今回は南イタリア、バーリで試飲会を開催。
誘ってくれた友人、そしてマルコがオーガナイザーと親しい。
バーリのやや郊外のホテルで、2日間に渡りの試飲会だった。

ホテルのコンファレンス・ルームを借りると、当然結構は費用がかかる。
そこで考えたのかもしれない。節約型の試飲会だったのだが、このアイデアはなかなか良い。他の試飲会でもこうしてほしい、と思ったアイデアは、セルフサービス。自分でワインをグラスに注ぐ。
もちろん、あまりに大勢の人がいるとき、かなり高価なワインが出ている時には向かないと思うが、そうでない場合には良いアイデアだと思う。
自分のペースで好きなだけ、好きなように試飲ができる。
ドボドボと注ぐ人は、一応みんなソムリエか関係者、レストラン関係などだし、試飲したいワインの数も多く、いない。
もちろんワインを開けるのは何人かいるスタッフだが、ボトルの残量を割とこまめにチェックしていて、または、頼めばすぐに開けてくれた。
ワイナリーから誰か参加している試飲会であれば、ワイナリーの人と話をしながら非常に有意義な試飲ができるが、ただ、ソムリエが注いでくれるだけの試飲会なら、そのワインの知識が特にあるわけではないので、セルフサービスの方が効率的である。

試飲会の参加ワイナリーは170社以上となり、1種のみのワイナリーもあったが、2種のところも多く、全部で300種以上のワインがずらっと揃った。
場所柄、プーリア州のワインが多く、たぶん100種近く、しかし、あとの200種はプーリア外のものである。
スプマンテの数はそう多くはなかったが、白ワイン、そして特に赤ワインの数は圧巻であった。
シチリアなど幾つかの州からの参加はなかったが、特にトスカーナ州からの参加は多く、なかなかのものだった。
2日間、200種ほどのプーリア以外のワインはほとんど全部を試飲。(大きな声では言えないが、試飲したプーリアワインは、赤1本、ロゼ2本。ごめんなさい。。。)
なにせセルフサービスなので、数回試飲したものもある。なかなか満足。

ワインサーフは主にネットで、また、ワインガイドブックも刊行している。
www.winesurf.it

2日間に渡る旅は5分おきに予定、行動が変わるまさに珍道中で、これでもか、と思うくらい楽しんだ。




Orvieto classico 1981 Melini メリーニ

2015-03-09 19:09:54 | Toscana トスカーナ
Orvieto classico 1981 Melini メリーニ



友人クラウディアの家でのアペリティフ。
最初はスパークリングで始め、その後、出してきたのが81年の白ワイン。それもオルビエート。それもメリー二。
お父さんの家にあるカンティーナにはまだまだ古いワインがあるようで、70年代ワインの会を開くことになっている。飲めなくなっているものもあると思うが、バローロなど、結構良いワインもあるらしい。
なかなかみんなの日程が合わず、今の所計画が延びているが、結構面白いものになるのではないかと期待している。

その前夜祭的に、内輪の集まりに出してきたのがこのワイン。
メリーニなんて、と言ってはいけないが、透明のボトルを通してみる輝きはすごい。色はすっかり琥珀色になっているが衰えは見えていない。

ちょっと冗談で、グラスに注いだワインの写真をクラウディアが自分のFBに載せてみた。
これはなんでしょう?のクイズ。

結構色々な回答が寄せられ、
Moscato fior d’arancio passito
Picolit
Passito di pantelleria
Gravner
Pinot grigio
Sciacchetra'
などなど。
地域もヴィンテージも言っていないのだから、まさか81年とは思わず、妥当な回答が寄せられたと思う。

ところが、回答は、Orvieto classico 1981 Melini.
ラベルにわざわざ「辛口」(secco)なんて書いてあるのはご愛嬌。

色は見ての通り琥珀色、輝きがすごい。
香りは、マデイラ臭はあるが、思うより強くない。味は、古いワインに慣れていないと、美味しいかどうか判断ができないかと思うが、余韻も思うより長く、しっかりしている。
ということで、メリーニ??と思ってはいけない、というか、たぶん、昔は、大手でも、今と違ってもっとちゃんとワインを造っていたのだなぁ、と思わせてくれる経験になった。
ヴィンテージを考慮して++++

Marisa Cuomo 4vini マリーザ・クオモ 4種

2015-03-08 11:40:12 | Campania カンパーニア
Furore bianco 2013
Ravello 2013
Fiorduva 2012
Furore rosso 2013
Marisa Cuomo マリーザ・クオモ



お昼にドルチェットを飲んだ後、夕方は試飲会。
比較的近いところにあるアウグスト氏のエノテカ、Di Biagioでの、ほぼ恒例の土曜日の試飲会。
立ち飲みで、気軽に行けて無料。アウグスト氏の人柄がまたこれは素晴らしく、行ける時は行くようにしている。テーマを決めたり、最近はワイナリーの紹介が多い。
今回はMarisa Cuomo。
同時に、プーリアワインとオイル、食材の紹介のスタンドも出ていて、今回は大盛況だった。

さて、久々に飲んだクオモのワイン。
出た頃、話題になったのを覚えている。
昔はよく飲んだし、今でもナポリ近郊のレストランで、リストにあると時々頼むのだが、品切れが実に多い。それだけ人気のワインになったのだろう。

実に残念。
Furore bianco 香りが弱い。もちろんあるのだが、期待度には達していない。味も悪くはないが、こちらも全体に弱く、余韻も長くないし、存在感に欠ける。レストランで食事と一緒にこれだけで飲むと、それはそれで悪くはないのだと思うが、こうやってちゃんとワインだけを飲むとバレバレ、という感じ。そして値段。アウグスト氏のエノテカは値段が安い方なのであるが、それで18ユーロ。オーナーのアウグスト氏自身も、高過ぎだよねー、と。(笑)しかし、今では有名ワインの一つなので、買う人は買うのだろう。++ 値段を考慮すると+

Ravello こちらは悪くない。香りもフルーティーでしっかりしているし、存在感がある。酸味のバランスが良く、余韻も期待通り。今まで、Furoreのほうが上という先入観があったが、今度からはこちらにしよう。値段も1ユーロ安い。(笑)+++

Fiorduva うーん。45ユーロ。もうここまでくるとノーコメント。25ユーロまでなら出してもいいが(いや、やっぱり25ユーロで他のワインを買うだろう)、45ユーロにまでなっているとは。昔はいくらだったっけ?と考えてしまった。絶対に、45ユーロで他のワインを2本買う。ワイン+++(+) 好みと値段を考慮すると++(+)

Furore rosso 個人的にワインワインした(Vinosita’)ワインが嫌いで、最初一瞬、好きではないと思ったが、しばらくして落ち着いてきた頃には悪くない、と思うようになった。魚に赤ワインを飲みたいと思ったらこのワインを少し冷やし目にして悪くないと思うし、地元で肉料理でも食べたいと思ったら、これまた夏でも悪くないと思う。+++  

Siri d'jermu 2000 Pecchenino ペッケニーノ

2015-03-08 10:48:12 | Piemonte ピエモンテ
Siri d'jermu 2000 dolcetto di dogliani
Pecchenino ペッケニーノ



突然の、気のおけない人を招いての昼食。
メニューはポレンタ。トウモロコシの粉で作った、おかゆを硬くしたようなものと言っていいかもしれない。一番最初に食べた時は、スーゴなしで食べたので何これ!?という感じで、全く好きになれなかったが、濃厚なスーゴ、トマトソースで食べると、冬は特に美味しい。
というわけで、濃厚トマトソースに、さすが白はちょっと合わない。そこで昼食に、あまり重たくない程度の赤を探してみたが、以外に若くて軽めのワインがない。
と、なんとなく見つけたドルチェットを開けることにした。
ドルチェットの2000年。つまりほぼ15年前のワインとなる。
ダメになっているとは思わなかった。
ドルチェットではあるが、ガンベロのトレ・ビッキエーリを取ったものではないかと思う。
あの頃は、最も良いドルチェットの一つだった。今もきっとそうなのであろうが、好みは変わるし、ワイナリーも変わる、増える。。。

予想通り、まだまだ生き生きしている。
色は相変わらず濃く、全く衰えは見えず、15年前のワインとは思えない色。
香りにも衰えはなく、ブラックチェリーなどを濃厚コンフィにした感じ。しかし、甘さはない。
綺麗な熟成香が感じられる。気になるのはアルコール。香りの合間合間に立ち上り、やや邪魔。
味は、まろやか、タンニンがきれにまろやかになり、ボディもあり、余韻も良い。
ドルチェットでも良いものは、15年とは言わないが少し置いて飲んだほうが美味しい、とコンファーム。
ただし、個人的なことを言えば、かなりモダンで見た目良く作っているこのタイプのワインは、もうあまり好みではない。昔はこういうワインを飲んでいたよね、とちょっと昔懐かしだったのでした。
ワインは +++(+)
ヴィンテージを考慮すると ++++



Etna; Cornelissen ed altri エトナ:コルネリッセン他

2015-03-01 17:26:23 | Sicilia シチリア
I vini dell'Etna
Frank Cornelissen ed altri コルネリッセン他



エトナのワインの試飲会があった。エトナのワインに特化した試飲会は、今ではローマでは結構あちらこちらで開かれている。友人Tizianaの主催するイベントが一応定期的で(昨今の事情により、開催されない年も出ているよう)一番有名かと思うが、そのほか単発でも開かれている。
そんなわけで、ある意味、エトナワインの試飲会、と聞いても珍しくなくなってしまったように思う。

この試飲会はあまり宣伝をしていなかったようで、偶然知った。
彼もまた友人、人柄の大変素晴らしい友人DavideがFBのページで試飲会情報を出している。
今ではかなり有名になっていて、毎日、新しい情報が追加されている。
本人も興味深い試飲会を見つける度に書き込むが、他人も書き込める。
そこで、以前はローマの試飲会情報がほとんどだったのだが、今ではイタリア各地の情報が載っている。そうなると逆に、面白そう、と思っても、あれ~遠すぎていけない~となることもある。

エトナワインの試飲会は、スペイン階段のすぐ横にあるIl Palazzoで行われた。以前、これまた友人、大変有能なテイスターIanがワイン・アカデミーという学校を作って主宰していたところである。Ianの試飲会は、イタリア語と英語を息つく暇なく交互に使い、それはダイナミックで結構気に入っていたが、あまりに忙しくなっておざなりになったあと、ぱらぱらと試飲会をする程度の場所になってしまっていた。別な人がこれからいろいろと試飲会を計画する予定だそうで、期待したい。

さて、参加リストを見たら、(たった)10社、参加費は25ユーロと、参加ワイナリー数にしては安くない。しかし、そのリストの中にCornelissenが入っていたのである。
生産者も参加、とあり、おお、これは行かない手はない。偶然、当日知った幸運に感謝。

宣伝をあまりしていなかったこともあるのだろうが、入りはパラパラ。本当にパラパラ。赤字になるのではないかと心配するくらい。
しかし、おかげでゆったりと試飲ができた。

10社、それぞれ2-6種のワインを持参しての参加なので全体のワインの数は多くはなく、全部をゆっくり試飲することができた。
結構粒ぞろいで、これは好きではない、というワイナリーはなかった。

ざっと良かったのは、まず、I Custodi。ただし白。軽めと重めの2種試飲。こういう風に軽めと重めの2種がある場合、多少品種のブレンドが違うにしても、2種目の重たい方に部が上がる場合が多い。しかし、最初の軽めの方が、酸味がさわやかで軽やかで気に入った。


Tenuta di Fessinaは、やはり白2種のうち、軽めの方は軽やかで良いのだが、物足りなさがある。重たい方(Musmeci)は、重すぎず、酸味のバランスが良く、深みがあり、かなり良い。今回の白の中で一番気にいったワイン。


ちょっと残念だったのはPassopisciaroの白。Passopisciaroは好きなワイナリーでよく飲むが、そういえば赤しか飲まない、と思っていると、今回は白も出ていた。シャルドネ。うーん。ワインが良い悪いの問題ではなく、やっぱりイタリアのシャルドネは、例外はあるが好みではない。。。
しかし、赤は良い。2012年で若過ぎ。しかし、非常に良い年と言うが、数年後にかなり期待できそうな味と香り。


BenantiのPietra marinaは、良いと思う時とうーん、と思う時があるが、今回は良かった。昔結構好きだったのだが、数年前、かなりがっかりした時があり、以来印象が良くなかったのであるが、一応持ち直した感じ。

赤は、Girolamo Russoが相変わらず、いかにもビオという香りと味で楽しませてくれるし、Cusmanoのエトナのワインはモダンで飲み易い感じが出ているし、という感じで、平均的に悪くない。


そして、お目当のCoenelissen。
全部で6種持参していて、来て良かった!と思った。こんなに出しているとは。


最初のContadinoで、すでにかなり良い。酸味がさわやか、ビオらしい、しかし強烈ではない程度の還元臭が出ている。ベールワインで、軽めとはいえちゃんとした存在感があり、複雑ではないが、自然の恵みに感謝したくなる。こういうワインを毎日飲みたい。
Munjebelは4種あり、まずは3つの畑のブレンドから。還元臭がぐっと抑えられ、そいういう意味では、ビオ嫌いでも大丈夫そう。バランスが割と良く、軽やかな感じも含み、いいねー。
MunjebelのVA。酸味が強く、細身。その分エレガントな感じが出ていて、重たくない赤が好みの人には受けそう。
MC。がらっと変わって、まろやかな感じ。もちろん、酸味はあるが、VAの後だと特に丸さを感じでしまう。バランスが良く、かなりの好み。
CS。 MCの、酸味はきっちりあるのだが、まろやかさが追加され、とても良いバランス、という感じにボディが加わる。

そしてMagma。以前飲んだのはいったい何年のものだったのか覚えていなかったのだが、調べてみると2002年のものだった。それを2007年に飲んでいる。
2002年は初ヴィンテージではないかと思う。2006年までは結構試行錯誤の繰り返しで安定していなかったようだが、確かに、不思議なワインだったのをよく覚えている。グラスに注いでガーネット色、しかし、1時間後に茶色に完全に変わっていて、香りも嗅ぐたびに、どんどん出てくるというより、変化していった。ここまで変化の早いワインは今でも他に知らない。
最初のワインにあったように還元臭が強すぎない程度だが感じられ、あきらかにビオだとわかる。2002年のような不安定さはなく、色もガーネット色のままだし、香りは変化すると言っても2002年のようではなく、ビオ嫌いには受けないかもしれないが、個人的には好きである。
ミネラルのエッセンス、との謳い文句通り。満足。

余談だが、フランク氏とは、共通の友人が何人かいる。そして、奥様は日本人。

写真は、適当に撮ったので、白、赤、バラバラ。