Panzanello -Toscana
"Chianti Classico","Il Manuzio"ed altri
キャンティの新しいワイナリーはもういいかげん飽和状態かと思っていたが、まだまだあった。
イタリアでは全く聞いたことのないワイナリーだったが、訪問したのは、日本からいらした方の希望だったからである。
あらかじめHPを見ていたので、悪くないじゃん、と予測はしていたが、なるほどなかなか良い。
ワイナリーはまだ一部工事中という感じで、畑も、植えたばかりのところ、これから植えるところもある。
1995年創設ということで、かなり新しい。
オーナーはローマの人で、お父さん(またはおじいさん??メモを取っていないので良く覚えていません)の畑をこうやって継ぐことにしたけど、結構大変なんだよ~と。
畑はビオで、発酵に酵母の添加はしない。
ヘクタール当たりの収穫量を極端に抑えている。(看板ワインで2,5t)
トップワインは全部新樽を使用、それ以外は旧樽を使用。
輸出が80%。
うーん。。ローマには流通してない訳だ。
キャンティは、エノ・トゥーリズモが盛んなので、ワイナリーを簡単に見学している間にも、試飲している間にも結構人が訪ねてくる。
名前も知らないワイナリーにこれだけ人が来るということは、あそこ、なかなかいいよ、と、人の紹介がだいぶあるのだろう。
造っているワインは、白が1種に赤が3種。
ただし、白は、マレンマ(もう少し、海に近いあたり)で、友達が造っているものとのこと。変なブレンドで、グリッロとソーヴィニオン。シチリアに多いグリッロをどうしてトスカーナで??と聞いたら、造ってるのがすっごく変わったやつなんだよ~、と。
ソーヴィニオンの緑と、グリッロのミネラル、まろやかさが、なんだか交互に出てくる、面白い白だった。
キャンティとリゼルヴァはかなりしっかりした造りで、丁寧で、とても好感が持てる。全体にモダンだか、モダン過ぎず良い。香りも良いし、クリーンだし、それでいてボディはあるし、万人に受けそう。
看板ワイン“イル・マヌツィオ”は、スーパータスカン、とワイナリー自ら呼ぶように(久しぶりに聞いた。死語になっているかと思ったが、まだ、生きてた~)ご自慢のワイン。
新樽100%で、樽好きには良いと思う。若干の還元臭の後、よく熟したフルーツ、そして、スモーキーな香りが調和している。(2003年はメルローを2%ブレンド。)
なるほどね、という感じ。
キャンティは平均よりちょっと高いが、看板ワインは20ユーロ代で、かなりお得な値段。 これならいいかも。
それから、面白かったのがグラッパ。なぜかピンク色をしている。
樽熟のグラッパでもピンクにはならない。どうして?と聞いたら、熟成用の樽の中を洗うのをすっかり忘れていて、できたら、ワインがほんの少し混じり、ピンク色になっていた、と。(おかげで、イル・マヌツィオの香りの混じるグラッパ)
以来気に入って、これからも造る、と言っている。
ワインでも何でも世の中の多くのものが偶然の産物だと思うが、これから、この手のグラッパが流行るかも知れない。
蒸留所は、面白有名オーナーのいるチェントペルチェントCentopercentoだし。
そして、このところキャンティとその周辺を車で結構走ったが、新しい畑の多いこと。(樹が小さい上に密植だからすぐわかる)
キャンティもまだまだ奥が深いのでした。