在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

ワインを語ろう Barbaresco Crichet Paje 2013 Roagna

2021-10-27 19:24:29 | Piemonte ピエモンテ
Barbaresco Crichet Paje 2013

最近書いている、初心者の方向けの簡単な記事、1本のワインについて書いて欲しいという依頼で書いてみたものです。

各ワインについては、ある意味、嫌というほど書いて(笑)、半分嫌になったのですが、まあ久々に。


ロアーニャ  バルバレスコ クリケ・パイエ 2013


ワインを語る時、多くを語りたくなる時と、飲み込んで心の中に入り込んだものを出さないといけない時とがありますが、このワインは後者です。

ワインって本当はこうあるべき、とふっと思うのですが、造る方はそうも言ってられないですよね。

みんなが恵まれている畑を持っているわけではないし
ワイン造りに適した気候も必要
ワイン造りで食べていかないといけない人たちもいて
良いぶどうができても、良いワインを造るノウハウ、経験がないと良いものはできないし

でも、一部、本当に恵まれているワイン、もちろん、過大なる努力の上にできるわけですが、には素晴らしいものがあります。


皆様が、少しでも美味しいワインを、美味しいと思って飲んでくださるように。







Barbera d'Alba Vigna Gabutti 2013 Cappellano 他、バルベーラ合計6種

2019-02-03 11:56:51 | Piemonte ピエモンテ
Barbera d'Alba Vigna Gabutti 2013 Cappellano
他、バルベーラ 合計 6種



非常に慌ただしい年の初めを過ごした。
息がつけるようになったのは1月ももう終わりになって。
1月に入ったら、新年のご挨拶メールくらい送ろうと思ったのも、思っただけになってしまい、大変失礼してしまった。

ごめんなさい。
すみません。

正確には、12月31日から途端に忙しくなり、さらには、家族に急病人が出て、入院、手術までになり、あれ〜
そこで、1月に行われた試飲会は、興味深いものも多々あったのではあるが、全て参加できず。。。。

2月に入って、近くのご贔屓のエノテカ、Di Biagioにて、恒例の「大盤振る舞い試飲会」が始まり、今年の初の試飲会参加となった。

Di Biagioでは、季節柄、忙しい時期は行わないのではあるが、基本的に、毎週土曜日の午後、2時間程度、無料でワインを振舞っている。
いろいろなテーマを決めて、4種類前後が振舞われるのだが、今回のように6種類、ということもある。

今時、無料で、6種類もの、それも質の大変良いワインを振る舞うエノテカは少ない。
たぶん、かなり少ない。

それも、スーパーで振舞っている程度の安ワインではない。



今回は写真を撮り損ねてしまったのだが

Damiliano
Enrico Serafino
Michele Chiarlo
Oddero
Sandrone
Cappellano

の6種。
一番安いのでも10ユーロ以上、Cappellanoに至っては32ユーロ。
それを無料で振舞ってしまうという嬉しさ。

品質と値段のバランスの良いものはDamilianoとSerafino。
どちらも可もなく不可もなく、誰でも美味しいと思える標準的な美味しさと、強すぎない個性が料理の邪魔をせず、さらっと引き立てる感じ。

Chiarloは、日本でも有名なワイナリーだが、想像通りモダンな雰囲気を漂わせ、この手のタイプが好きなら良いが、そうでないと、若干鼻に付く。そして、残念ながら、最後がやや消えてしまう感じが惜しい。

Odderoは、モダン(になってしまった)なラベルとは裏腹に、まだしっかりしたクラシカルな味わいで、バルベーラらしく酸味が引き立つ。

Sandroneは、これまた日本でも超有名ワイナリーではあるが、やはりすごい。バルベーラにしてはしっかりしすぎで、ハレの日のバルベーラ。香りの深さ、口当たり、ボディ、バルベーラらしい酸味をまろやかさがくるみ、持続性も申し分なく、さすが、と思わせる。

そして、何と言っても素晴らしいのは、やはりCappellano。
Cappellanoは、ついバローロの方に手が行き、バルベーラは久しぶり。いやー、いいねー。最初は、可愛らしいくらいの、控えめなバルベーラらしい香り。時間とともに広がりと深みを増し、でも決して出しゃばることがなく、奥ゆかしい。酸味が綺麗で、花とフルーツが酸味に若干の柔らかさを添える感じで、品の良い余韻が長く続く。。。。満足。

試飲で提供されるワインは割引価格になっている。
せっかくなので、丁度良い機会ということで1本お買い上げ。
(そこで、これだけ写真あり。。。)



なお、有名であるが、裏のラベルには、
ガイドブックには載せてくれるな
の断り書き。

Roero Arneis 2017 Conti di Roero

2018-06-03 20:39:48 | Piemonte ピエモンテ
Roero Arneis 2017 Conti di Roero




この前のFIVI(イタリアの独立生産者協会、という名前。。。)で購入した1本。

暑くて赤が飲めない。
そこで、長い夜のお共に開けてしまった。



この前の品種ファヴォリータと比べると、少し落ち着きがある。
しかし、全体に華やかな雰囲気も持ち、白桃、黄桃、熟した柑橘系の香りに、甘さを漂わせる香草の香り、スパイスがほんの少し、そしてミネラル臭。
このワイナリーは本当にパフォーマンスがいい。

アタックも心地よく、程よいボディ、酸味と塩味が混じり、わずかほろ苦さと甘さが交錯した余韻。
長さも申し分なく、とても綺麗にできている。

ちょっとこれでアペリティフ、には出来過ぎというか、しっかりし過ぎで、このまま食事に突入しても大丈夫な感じ。
そして、値段もお得なのが何より嬉しい。
++++


飲みやすいワインはヤバイ。
3分の2を一気飲み。
その後バタンと寝たのは良いけど、2時に起きて、その後眠れず。。。


Langhe Favorita 2017 Conti di Roero

2018-05-21 20:48:00 | Piemonte ピエモンテ
Langhe Favorita 2017 Conti di Roero



香りが華やかではっきりしている。
よく熟した黄桃、シロップ漬けのパイナップル、グリーンの香りもないわけではないが、ミネラルの香りと一緒になって打ち消されてしまう感じ。

ピエモンテの白ワインの中では、ファヴォリータは売りにくい品種だそう。
ピエモンテというと赤ワインというイメージがあるし、白でもアルネイス、コルデーゼ、そして最近はティモラッソが流行り。
そこで、安め、軽い(アルコール度という意味ではない)イメージのあるファヴォリータ、つまりヴェルメンティーノは、確かに売りにくいのだろう。

決して悪くはないのだが。



この週末、FIVIの試飲会があった。
FIVIは、このところかなり延びている、ヴィニタリーでもかなり大きなスペースを占めるようになった協会で、イタリアの独立した生産者協会、という意味。

ビオ系の生産者が多いが、ビオである必要はない。
小さな生産者が多いが、その中でも超有名生産者、例えばプーリア州のシャンフランコ・フィーノやカンパーニャ州のモンテヴェトラーノなども参加している。
ローマでは、昨年が多分初めて?
つまり、多分今年が2回目。
珍しく、その場で好きなワインが買えます、という趣向の試飲会。(通常の試飲会は、ヴィニタリーも含め、飲めるが販売はしない)
ただ、これもなかなか難しいところがある。
参加生産者にしてみると、どれくらい売れるかわからないので、何本ワインを持参して良いかわからない。
余ったら、送り返すにも送料がかかる。
買う方も、エノテカで買うより安く売ってくれているので嬉しいのだが、やはり、車に積み込んだりの手間はかかる。



さて、ファヴォリータに戻って、香りは強く、ピエモンテの品より、ピエモンテにも太陽がある、というイタリア的明るさを表している。
アタックもはっきりしていて、北イタリアのワインにしては結構ボディがある。
酸味が心地よいのが嬉しいが、それよりも塩味の方が強いくらい。
ちょっとスパイシーな感じの塩味と、熟したフルーツが余韻に綺麗に残る。
お得な値段で、ちょっと重たいが購入した1本。
取っておいでも良いのだが、と思いつつすぐに開けてしまった。
++++

Il Mimo 2017 Cantalupo, rose' di nebbiolo

2018-05-20 19:54:27 | Piemonte ピエモンテ
Il Mimo Collina Novaresi 2017 Cantalupo
ピエモンテ、ネッビオーロのロゼワイン



色は薄め、どちらかと言うと暗めの、しかし個人的には好みの色。
明るくて華やかなピンク色も良いのだが、個人的には落ち着いた色合いの方が好み。
ツヤと輝きがある。

温度が低いので、香りが上がるという感じではなく、こちらもしっとり。
花の香り、小さな森の木の実の香り、木苺風の香りが控えめに感じられる。

香りがそれほど強くはないので味もそんな感じかと思うと、ちょっと期待を裏切るというか期待以上。
甘さが広がり、口の中に木苺が広がる感じ。そしてほろ苦い。このほろ苦さが甘さととても良いバランスを取っている。
余韻も心地良い。



カンタルーポポはゲンメなどのピエモンテ北部の優良生産者。
なお、オーナーは顔の似合わず(失礼)ピアノがうまい。
ワインも上手く、ホクホク。
++++

久々の再開。。。Langhe Riesling 2011 Vajra

2018-05-17 20:53:06 | Piemonte ピエモンテ
Langhe Riesling 2011 Vajra



しばらく、ブログどころではなく、FBもインスタも何もかも完全にお休みしてしまった。
見ない、当然人のも見ない、何もアップしない、まるで世捨て人のような生活を1ヶ月半した後の再開。

ひと月は、家でワインを1本も開けなかったのだが、後にも先にもこんなことはもうないだろう。。。。
飲んでる暇もない、という生活。

それも無事に終え、ぼちぼち再開。

ワインクーラーもちょっと片付け、あれー、こんなのあったんだぁ、というワインがまた出てきて、それはまた次の機会に。

リースリングでも開けるかー
の勢いで開けた。

2011年なので、ぼちぼち年月が経っている。
そこで、もう少し、炭水化物系の香り(イドロカルブーロ)がでているかと思ったら。。。

イタリアー

イタリアのリースリングー

という感じで、フルーツが邪魔をする。

よく熟したフルーツの香り豊かに、グラスを回すとイフォロカルブーロやら香草、ドライナッツ、スパイスやらが出てくるが、それらの香りが落ち着くとまた

フルーツー(笑)

イタリアー(笑)

いかにもイタリアのリースリング。
色は濃く、黄金色、香りに太さがあり、はつらつとして、ドイツのものとは全く違う。



アタックも豊か。
どーんと入り、パッと口の中に広がる。
酸味はあるが、それよりほろ苦さの方が強いかも、という感じで、やはりドイツのリースリングとは両極端の位置にある。
余韻は長く、心地よく、甘酸っぱさが残る。
++++

次はドイツのリースリングでも開けるかー

Barbaresco 2014 Castello di Verduno

2018-04-02 22:17:55 | Piemonte ピエモンテ
Barbaresco 2014 Castello di Verduno



予想通り比較的甘い香り。
華やかな面もあるが度を過ぎず、花の香り、熟したフルーツ、森の木の実、木苺のガム、そこに苦味の効いたスパイスが混じり、甘いだけでなく、ほろ苦さも上がってくる。
アタックにも甘さが出ている。酸味もあるが、すぐに苦味が酸味を覆い隠す感じで、甘さと繊細なタンニンが交錯する。
持続性は良く、最後に、再び甘さが出てくる感じが心地良い。

ワイン初心者でも、ネッビオーロは酸味、苦味が強いから、と遠慮している人にも受けると思う。
甘さが綺麗に出ているので、するっと入る。
肩肘張らずに気軽に飲めるバルバレスコ。



10 Nebbiolo Valle d'Aosta Piemonte e Lombardia

2018-03-12 23:03:30 | Piemonte ピエモンテ
Valtellina Superiore Grumello 2013 Gianatti Giorgio
Barolo Rocche dell'Annunziata 2012 Aurelio Settimo
Ghemme Bricco Balsina 2008 Ioppa
Barbaresco Nervo 2014 Rizzi
Boca Il Rosso delle Donne 2014 Conti
Valtellina Superiore 2008 Le Strie
Barbaresco 2015 Fratelli Serio &Battista Borgogna
Vallee d'Aoste Nebbiolo 396 2016 Piantagrossa
Barolo Mariane 2014 Paoo Manzone
Barbaresco Rabaja 2012 Giuseppe Cortese



ネッビオーロ・ネル・クオレという、今ではすっかりお馴染みになった恒例試飲会がある。
以前に比べて出店数(ワイナリー数)は確実に減ってはいるが、タイトルがネッビオーロなだけに人は結構入る。

しかし、ここでネッビオーロ=バローロと早合点してはいけない。

ネッビオーロは、ランゲ地方ではバローロもあるが、バルバレスコはもちろん、ネッビオーロという名称のベースクラスもあり、また、北ピエモンテにも、(左の)お隣ヴェッレ・ダオスタでも、反対の(右の)お隣ロンバルディア州の北部ヴァルテッリーナでも栽培され、海を渡ったサルデニア島にも僅かだがある。

毎回2日にわたって開催される試飲会は、立ち飲みの自由な試飲が中心だが、幾つかのセミナーも開かれる。
今回は、ネッビオーロのゾーン別ブラインドテイスティング、というのがあったので参加してみた。

ブラインドとなると、いつも本当に参加者が少なくなる。
もっと参加者が多いと思ったのだが、パラパラ。

さて、立ち飲み試飲会の方はお昼から始まっていて、すでに50種以上は試飲をしていてるので、結構疲れているのが不利な点。
有利な点は、さっき試飲したばかりのワインが多分全部。(結局、試飲会場になかったワインは1種のみ)

セミナー会場に着くと、グラスが5つ。
ワインは10だそうで、2巡することになる。

最初は、地域ごとに、ワインの説明も加え、試飲ワイン10種の紹介。
メモを取る。

ワインは以下。
ーヴァッレ・ダオスタから1種。これはフミンなど土着品種が10%含まれている。(2016年)
ー北ピエモンテから2種、ボカ(2014年)とゲンメ(2008年)。
ーバローロ2種(2012年と2011年)。
ーバルバレスコが3種(2013年、2014年、2012年)。
ーヴェルテッリーナが2種(2012年、2008年)。




そして、まず最初の5種を、ペトリーニ氏による説明を聞きながら、色や香りなどを見て行く。2巡目のために捨ててしまうので、これか、と思うものをメモ。

2巡目の次の5種。

ペトリーニ氏自身も、ワインの順番は知らないというので、ある程度一緒に見ていく感じ。

全部の試飲が終わって、いよいよワインが明かされる。



1 やや濃いめの明るい色調で、比較的華やかな心地よい香り、酸味があり、全体に悪くない。>>>この軽やかさが北ピエモンテ(ボカ)かと思ったのだが、ヴァルテッリーナだった。おっと、ヴァルテッリーナを忘れてた。(2012年)

2 透明感のある色合い、クラシカルで繊細な香り。余韻も細いが長く、最後にフルーツや花が残る。>>>これはバローロで当たり。(2011年)

3 かなり濃いめの色調、ややマデイラ風の香りがあり、古いヴィンテージは確実。タンニンも柔らかくなっている。>>>2008年は2種あるが、ゲンメで当たり。

4 明るいきれいな色調。クラシックな中にモダンな香りも混じり、複雑、タンニン繊細でエレガントな面が見える。>>>これがコルテーゼ(バルバレスコ)かと思ったら、リッツィだった。リッツィは、どうしてもラベルが好きではなく、高評価を避けてきたのだが、心を入れ替えなければ。

5 やや濃いめの色合い、若干アニマル風の香も含み、塩味がきついのが特徴>>>これはよくわからずだったのだが(時間もない。。。)ボカだった。

6 色は濃いめ、色調が暗く、かなり臭みがあり、アルコールが上がり、ヴェルテッリーナの2008年で当たり。

7 もうこの辺りから考えるのが追いつかなくなってくるのだが、花とフルーツがきれいで味もとても心地よい。>>>バルバレスコで当たり。(2013年)

8 割と濃いめ、フルーツや花はあれど、他と若干違う感じを覚え、ヴァッレ・ダオスタで当たり。

9 スパイスがとてもきれいで、そこに花とフルーツ。カラメル風も出る感じで若干モダン。>>>バローロで当たり。(2012年)

10 いい加減疲れてきた頃に、花とフルーツに加え、カラメルあり、タンニンがかなりしっかりあり。。。>>>最後がコルテーゼ(バルバレスコ)だった。。。。

本当はもう少し考えを整理するのに時間が欲しかったところであるが。。。。いやー疲れた、疲れた。
それにしても、当たっても外れても、ブラインドはやっぱり面白い。



Dolcetto d'Alba Piana dei Fichi 2016 Baricchi

2018-02-03 20:43:41 | Piemonte ピエモンテ
Dolcetto d’Alba Piana dei Fichi 2016 Baricchi



明るいルビー色。ドルチェットは色がかなり濃い、時にはどす黒いものもあるが、これは反対に透明感がある。または、青っぽい色合いが出ていることもあるが、そういった色合いもなく、とても綺麗な若干の透明感を持ったルビー色。

香りはすぐにビオとわかるタイプで臭みがある。アニマルというより肉質を感じさせるよう。グラスを回すと熟したフルーツに、タンニンの香りが上がってくる。

アタックは優しい。するっと入る。酸が程よく広がるが、心地よい、さわやかさ甘さも出る。タンニンは繊細だが、やや粉っぽさもあり、余韻にはドルチェットらしいほろ苦さが残る。

バリッキは、バルバレスコ、それも熟成期間の非常に長いものを造る。
また、ネッビオーロのロゼ種でもバルバレスコを造る。

白やモスカートはまずまずなのだが、バルバレスコには非常に良いものがあり、好きなワイナリー。
ドルチェットは飲んだことがなかったので、買ってみた。

なかなか良い。+++(+)

Langhe Nebbiolo 2016 Produttori del Barbaresco

2017-12-29 22:29:53 | Piemonte ピエモンテ
Langhe Nebbiolo 2016 Produttori del Barbaresco



バルバレスコの協同組合のネッビオーロ。
バルバレスコではなく、その下のカジュアルワイン。

バルバレスコでも、協同組合で造るからということもあり、値段が非常に安く、安定して美味しいのに、ネッビオーロになるとさらにもっと安くて、軽くて飲みやすく、また非常に美味しい。

自然派が好きな人も、自然派は嫌いな人も、バニラぷんぷんが好きな人でも、嫌いな人でも受ける。

香り豊か、伝統的過ぎずモダン過ぎず、バニラの香りがあるわけではないが、花とフルーツの香りが綺麗に広がり、落ち着いた面もあり、万人に受けるタイプのワイン。

色も綺麗、花とフルーツに香草の緑の香りが綺麗に混じり、程よいスパイス臭。
アタックが綺麗で、程よい酸味、甘さを帯びた面もあり、タンニンは繊細ながらも存在感を見せ、心地よいフィニッシュが続く。



マルコのお店では今、グラスワインで提供している。
チェントロに寄ったらぜひ1杯。
++++
値段とのバランスを考慮すると+++++

Dolcetto d'Alba Bricco Caramelli 2014 Mossio

2017-12-22 23:27:24 | Piemonte ピエモンテ
Dolcetto d’Alba Bricco Caramelli 2014 Mossio



友人ルカのハウスワインは、モシオのドルチェットのこの一つ下のクラス。(Piano della Perdoni)
直接購入するからいる?と言われ、何本か買ったのは去年。

この、一つ上のクラスのワインと混ぜて購入。

うーーん、どっちが好きか?
と聞かれると、私もやっぱりもう一つの、下のクラスのワインの方が好き。
軽くて、ドルチェットにある重たさがなくて飲みやすい。

しかし、落ち着いて飲みたい時にはこちらもいい。

最後の1本になった。
ここ数日、食事中、食後と、ちびちび飲んでいる。



下のクラスのと比べて、こちらの方が、当然、しっかりした色合い。
ドルチェットらしい濃いめの色合いだが、どす黒いようなことはなく、明るみを帯びている。
ピエモンテ方言で、ブリッコは、頂上の意味。
カラメル(複数)は、カラメル、キャラメル、つまり焦げたものの意味。
かなり暖かいというか、日が当たる丘の頂上なのだろう。
ふくよかな香りが広がる。
熟した赤いフルーツ、チェリーより、よく熟れたスモモが強い。
野菜風の香りもないわけではないが、スパイスとしておこう。
ブラックチェリー風の甘い香りを吸わせたパイプタバコ。。。
酸味があるのが、飲みやすさになっているのだが、やはり、若干重ため。
後味は、ふわっと広がる感じで続く。+++(+)

ちびちび、ちびちび。。。。

最近は、馴染みのマルコの店でも手に入るようになった。
マルコも下のクラスのPianoと合わせて気に入ったらしい。


La Spinetta ラ・スピネッタ ワイナリー見学

2017-12-03 12:46:33 | Piemonte ピエモンテ
La Spinetta




ラ・スピネッタに行った。
以前、ずーーーーーっと前、2度行ったことがあるが、1回はバローロのカンティーナの方だったと思う。
今回は、バルバレスコに近い方。
すっかりきれい、すっかりモダンになって、当時の面影は全くなく、ここだったはずだけど、という印象もない。

ランゲでワイナリーを選ぶ場合、本当は独断と偏見で、伝統的なところを選びたいのだが、そうはいかない時もある。

今回は、ちょっと大きめ、有名どころが良いというリクエスト。
となると、モダン、大手が良さそう、と思い、ラ・スピネッタの予約を思い立った。
それも、バローロの地域まで行くにはちょっと時間がなかったという理由もある。

なんと今は日本人のスタッフもいて、直接日本語で説明してくれるので、かなり楽をさせてもらった。

そして、そのせいで写真も結構撮れた。
(通訳をしていると、思うように写真が撮れない)

サイで有名なラベルの絵は、デューラーの絵。
一度見たら忘れられない、というか、印象の強い、ダイナミックなラベル。
力強さ、強固さ、風格、安定感などが見て取れる。
遠くからでもわかりやすいし、こういうラベルを見ると、ラベルの印象がいかに大切かわかる。

このラベルを思い立ったのは幸運の一つでもある、との説明だが、まさにそう。
しかし、幸運は待ってやってくるものではないので、幸運を呼んだのは、やはりそれなりの能力、努力があったわけだ。

カンティーナは、そう、昔訪れたのはやっぱりここだったのだろう、という面影が少なからずあったが、水平ファーメンターがずらり。。。。。。
数えなかったが、8つくらいはあったと思う。

ひえー(と、以前もちょっと驚いた)

金持ち〜(なのは知っていたが)

ワインの勉強を始めた頃、ランゲのワイナリーを訪れた時、「僕も持ってるんだよ、1個!」と嬉しそうに語ってくれたワイナリーがあった。
あれは、どこだっただろう。。。。

今は、持っていな方が良い、というか、持っている所には行かないというか。。。。
で、ひさびさのご対面。(笑)

1時間に1回転。



これがあるから、マセレーションの期間を短くできる。。。(との説明)

マセレーションは長くても決して悪くはないのだけど。。。

熟成庫に大樽はありません。(との説明)

確かに、中樽が少し、あとは全部バリック。。。。。




さて、今ではもうスピネッタは飲まないので(笑)試飲はひさびさ。

20年から30年は持ちます。(との説明)

うーーーー。。30年から50年、持つワイナリーもある。。。

さて、こちらも業界関係者であったため、ワインは次々に開けてくれた。
写真の通り。(写真を見てね)



昔、時々飲んだLidia。樽〜がみんな好きな時代があったと懐かしい。
バルベーラのCa’ Di Pianは、安かったからよく買って飲んだ。(今は高い)
Pinは、まだ90年代のものがワインクーラーに1本眠っているが、当時とブレンンドが変わって、今はネッビオーロとバルベーラのブレンドだそう。これもよく買って飲んだ。




そして、バルバレスコはGallinaを開けてくれた。これは悪くない。
値段がかなり安かったので、1本買っておいた。




バローロは、なんとまあ力強い。。。。はあ。。。



そして、スピネッタの原点、モスカート。
今は、甘いワインはほとんど飲まなくなったが、これもよく買ったものだ。
相変わらず、可愛らしくきれい。

ひさびさに別世界を見たような気分と、ちょっと懐かしさを覚える見学となった。



Distilleria La Berta グラッパ蒸溜所 ベルタ

2017-12-01 17:40:05 | Piemonte ピエモンテ
La Berta グラッパ蒸溜所



グラッパ蒸留所ベルタは、もう何度も行っているが、かなり有名な蒸留所。
ピエモンテにあり、ピエモンテはワイナリーも多いが、蒸留所も結構ある。

グラッパというと無色透明で、熟成させないタイプが伝統的、一般的なのであるが、今は、色のついた熟成タイプのグラッパも人気がある。

グラッパは、絶対、白(グラッパ・ビアンカ)に限る!
という人も多いが、グラッパに慣れていない人には、熟成タイプの方が飲みやすい。

ベルタがグラッパの歴史を変えた、と言っても過言ではないと思うのだが、イタリアで初めて、飲みやすい熟成タイプの高品質のグラッパを造ったのはベルタである。

20年以上前、初めてベルタのグラッパを飲んだ時には、こんなグラッパがあるんだぁ、これもグラッパなんだぁ、と感動した。



グラッパは、ぶどうの搾りかすから蒸留し、イタリアで造られたもののみである。
イタリア以外のものは、同じぶどうの搾りかすから造ったとはいえ、グラッパという名前を名乗ることはできないし、逆に、似ていても、例えばワインから蒸留したものはイタリアで造っていてもグラッパではない。

さて、ベルタは、ピエモンテのモンバルッツォというところにある。
車がないとちょっと行けないところなので、日本の観光客が行くことは難しいかもしてないが、予約すれば見学は無料で、1時間ほどのコースを案内してもらえる。

もちろんグラッパの試飲も込み。
また、ベルタはお菓子も作っているので、焼きたてのお菓子も食べさせてくれる。



ベルタのような規模の大きな蒸留所になると、痛みの早いぶどうの搾りかすをよりよく保存するために、まず、搾りかすに含まれているアルコールを摂るデアルコリゼーションという作業をして、ぶどうの搾りかすに含まれているアルコールを集め、アルコール度30ほどのフレンマと呼ばれる(英語でローアルコール)蒸留液を作る。
それを単式ポットスティルで蒸留し、いよいよ本当のグラッパができる。
グラッパの原液は、7−8つほど並んだステンレスタンクに入れられ、一杯になると税関役人が来て、チェック、アルコールに対する税金を払い、封をするのだそう。

その後、薄めてアルコール度を下げ、熟成の過程を経ないものはグラッパ・ビアンカになりるが、ベルタはグラッパ・インヴェッキアータと呼ばれる熟成タイプが得意なので、多くが熟成庫に回される。


熟成庫は二つの部屋に分かれ、大樽で1年の熟成で製品になるもの、バリックで最高10年の熟成を減るものが眠っている。

部屋のライトの色がゆっくり変わるようになり、音楽が鳴っている。
ライトの色は、単純に美観のためだけ出そうが、レッドを使用し、庫内の温度が上がらないようになっている。
音楽はクラシックで、熟成庫内から漏れ聞こえる音が、庭園内にも流れるような感じになっている。

なお、封印されている樽は、もちろん税関員が封をするのであるが、こちらは熟成に対しての税金を払うのだそうである。
うーーん、税金だらけ。
だから、グラッパの値段が高くなるんだぁ、とちょっと納得。



広い工場内の見学の途中、突然、お菓子を焼いているところに立ち寄り、焼きたての、地元特産の、アーモンドの粉で焼いたお菓子を一つつまみ、最期、試飲会場では、4種類程度を試飲できる。

試飲会場は、同時におみやげ屋さんにもなっていて、周りにずらっと、各種グラッパを始め(48種類を生産しているそう)、ベルタで作っているお菓子、チョコレートやジャムなど、丁度良いおみやげになりそうなものが多数ある。

なお、試飲会場の横には博物館があり、自由に見学が出来るようにもなっていて、蒸留、蒸留所の歴史に関連した展示品が多数展示されている。

かなり行きにくいところにあるとは思うが、ワイナリーに加え、グラッパの蒸留所を訪れてみるのも面白いと思う。


3 nebbiolo e 2 barbaresco ネッビオーロ3種 バルバレスコ2種

2017-11-06 23:16:54 | Piemonte ピエモンテ
Nebbiolo 2015 Luigi Einaudi
Nebbiolo Capisme.e 2015 Domenico Clerico
Nebbiolo d’Alba Valmaggiore 2013 Sandrone
Barbaresco 2014 Castello di Verduno
Barbaresco 2014 Produttori del Barbaresco



最近は試飲会の値段が値上がりしている。
ちょっとした試飲会、着席で30ユーロは普通、50ユーロも当たり前、それ以上になるとちょっと高過ぎの傾向はあるが、80ユーロでも、もちろん内容にもよるのだがやっているところはある。

立ち飲み式でも10ユーロなら安い方、25ユーロや30ユーロも増えている。

もちろん、関係者は無料または割引のところも多く助かっているが、あちらこちらでまともに参加費を払っていたらたまらない。

エノテカでもちょっとした試飲会、というよりワインを振る舞うことは多いのだが、それにお金を取るところも増えている。

しかし、家から比較的近いところにあり、懇意にしているエノテカ、ディ・ビアジョは、今でも毎週1回、土曜日の午後の試飲会を無料で開催している。(12月や夏など、季節によってはやらないこともあるので注意)

その時によって、ワイナリーを決めたり、テーマを決めたり、いろいろ。

今回のテーマはネッビオーロ。
しかし、ネッビオーロは3種で、バルバレスコ(品種はもちろんネッビオーロ)2種、合計5種のワインを振る舞った。
もちろん無料。

もう、すごい大判振る舞い。

今時、ここまで振る舞うエノテカはローマでは少ない。

しかし、無料とはいえ、できたら何か買うのは一応常識。
当日試飲のワインは10%割引で提供、その他、ワインの品揃えは豊富だし、また、もともとお菓子屋さんから始まったので、お菓子コーナーも広く、実に豊富。
ちょっとした食品も含め、買いたくなるものは見つかる。

Nebbiolo 2015 Luigi Einaudi
ちょうど昨日の夜、マッソリーノのネッビオーロ2015を飲んだばかり。
マッソリーノが花とフルーツにタンニンが少し、軽やかな印象だったのと逆で、こちらはタンニン、そして花とフルーツ、硬い印象。
マッソリーノも魅力的で大好きなのだが、エイナウディのこの硬さ、伝統派のこの頑固さもいい。ちょっと地味、と思う人も多いだろうが、モダンネッビオーロにはない魅力がある。そして、値段が安いのにびっくり。++++

Nebbiolo Capisme.e 2015 Domenico Clerico
今年の夏前に逝ってしまったクレリコ氏。
ワインの勉強を始めた頃、せっせと試飲会に通っていると、いつも見かけた。
ご本人自らワインを注いでくれて、言葉少なく説明してくれるその姿が印象的だった。
彼がいなくなって、またワインが変わっていくのだろう、という気もするが。。。
ワインはすでにモダン。花やフルーツは綺麗なのだが、香りが短い。
タンニンもまろやか〜で、こういったモダン、まろやかワインが好きなら良いと思う。+++

Nebbiolo d’Alba Valmaggiore 2013 Sandrone
サンドローネは、賛否両論のワイナリーだと思う。
20年くらい前、話題に上がり、初めてバローロを飲んだときには感動だった。その後、ちょっと質が落ちたように 思ったが、また回復したような気がする。
値段を考えるとエイナウディの方がいい。ほぼ同じ値段と思うとクレリコより断然いい。
しっかりしたベースに、程よい個性の主張があり、インパクトも良いし、モダンと伝統の中間を行く感じで、香りも味わいも納得出来る。++++

Barbaresco 2014 Castello di Verduno
ヴェルドゥーノは魅力的なワイナリーの一つだと思う。
色が綺麗で、香りも綺麗で、味わいも可愛らしい。
しっかりした味わいというのとは違って、かしこまらない、肩肘張らない。
花やフルーツの香りが綺麗で、女性的。優しいまろやかさがある。++++

Barbaresco 2014 Produttori del Barbaresco
協同組合のワインなのに美味しいのは、アルトアディジェのものとこのプロドゥットーリのバルバレスコではないかと思う。
本当に、いつ飲んでも、どこで飲んでもよくできている。
もちろん他にもっと良いバルバレスコもあるし、同じプロドゥットーリのでもアジリなどのクリュものの方が良いわけだが、それにしても、このベースのバルバレスコはいつ飲んでも納得出来る。+++++

Nebbiolo 2015 Massolino

2017-11-04 09:49:02 | Piemonte ピエモンテ
Nebbiolo 2015 Massolino



夕食のレストランにて。

ローマはまだ、料理は良いがワインの品揃えはまあまあ、という店が多い。

有名所の誰でも知っているワイナリーのワインしか置いていない所。
有名所なんだからいいでしょ、って感じ。

または、特に有名ではない、原価のかなり安い大量生産ワインだけとか。
これを安く置いていたらよいのだが、結構割高にしているところもあり。

このレストランは、素人に有名なだけでなく、優良でもあるワイナリーのワインをある程度豊富に揃えているので助かる。


そして、ローマはまだ、ワインの品揃がまあまあいいからいいでしょ、だけの所が多い。
つまり、グラスが伴わない。

どんなに良いワインがあっても、グラスが大したことなければ台無し。

グラスが小さい、形が悪い、ガラスが厚い、重たい、そして、綺麗に磨いていない。。。。など。

しかし、このレストランは、リーデルのグラスを普通に使っている。
それも、大振りタイプのもの。


家族で時々行く普通のレストラン、値段もほどほど、料理も美味しい。

ワインの数がすごく多いわけではなく、ワインリストはもう少し立派に作っても良いとは思うのだが、飲みたいと思うワインがいくつもある。

しかし、選ぶとなると北のものしか選ばない、目がいかない。(ごめんなさい〜)
で、早速マッセリーノを見つけた。
どのみち一人は飲まないし、軽めで決定。



色に透明感、艶がありとても綺麗。

まだ若いので、花の香りが綺麗に広がり、次にフルーツが出てくる。
小さなバラの花束、そして、小さな森の木の実。
スパイス臭がそれを支え、ワインの香りの芯になっている。

ふっと甘さ(糖分のではない)を感じさせるアタックに、酸味がふわっ、そして繊細だが若いタンニン。
持続性もあり、フィニッシュにフルーツが残る感じ。

アルコール度14度とは思わないくらい、重たさがなく、また、料理と丁度良いスピードで飲める。++++