在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Vinaioli di Langa e Piemonte

2014-11-17 09:57:52 | Piemonte ピエモンテ
Vinaioli di Langa e Piemonte by Tiziana Gallo



今年もVinaioli di Langaが行われた。これで5回目位になるだろうか。正確にはVinaioli di Langa e Piemonte、つまりランゲ地方以外の生産者も参加している。
素晴らしい友人のTiziana Galloがオーガナイズしている。彼女は、春に行われるVini Naturaliのイヴェントで成功した。こちらはもうかれこれ10年近くにいなるだろうか。
まだローマで、というかイタリア全体でも自然派ワインのイヴェントが珍しかったころ、思い切って始めた。かなり苦労したのは知っている。最初のころの規模はあまり大きくなく、それでも珍しかったので入場者は結構いて、だんだん参加生産者も増え、今では、ローマでもかなり有名な試飲会の一つ、かなりの入場者になっている。ローマに住んでいる人だけではなく、近郊から、私のウンブリアの友人たちも目指してやってくるようになった。最初のころの苦労を良く知っているだけに心から嬉しい。

ということで、春は自然派、秋はランゲの生産者、そして、不定期にシチリアのエトナの生産者のイヴェントなど、年間いくつかの試飲会がTiaiznaによってオーガナイズされている。今回はランゲとピエモンテの生産者。
場所は市中心のとてもエレガントはホテル、Excelsior。ここ数年、ホテルが力を入れているのだろう、食関係のイヴェントを多くやっている。それほど大きくはないホールの一つを使い、ちょうどよい大きさ、そして、ちょうど正方形なので周りやすい。
参加生産者の数もちょうど良く、1日目の土曜日はかなり混んでいたようだが、2日目の日曜日は、早めに行ったのでだいぶ空いていて(夕方にはかなり混んできた)、かなりゆったりと試飲ができた。
参加生産者は30社程度?ただし、それぞれが4種から6種程度、またはそれ以上のワインを持ってきていたので、ワインの数はかなりだった。
幸い白が少なかったので、白を少し、ドルチェットと大好きな品種ではあるのだが、バルベーラを飛ばし、ネッビオーロとバローロにほぼ集中。


全部飲んだわけではないが、飲んだ中で、以下、いくつかメモ。
Vairaのバローロはこの前の試飲会でも飲んだが、かなり好み。軽やかで、とにかくきれい、透明感があり、非常に心地よく、個人的に好みである。いつ飲んでも美味しい安心感もある。リースリングも個人的に好きなワイン。
Luuigi Baudanaは、さらに重厚感が増し、やはりかなり良い。白のドラゴン(ボール。。。もちろんジョーダン)は香りが華やかで、万人に受けそう。

Rinaldi とCavallottoは、文句なしに好み。

Bovio のバローロは30日のマセラシンに大樽という伝統派で、かなり堅いバローロ。2008、2007、2006年の3ヴィンテージを持参。2006年でやっと「飲める」ようになっているような気がするが、2010年を持ってこなかったのも堅過ぎ、だからだそうで、うなずける。
10年たつと、こういうバローロが勝ってくるだろう。
同じく、30日マセラシオン、大樽のBaraleは堅さの中にきれいな透明感を持ち、やはりかなりきれい。スプマンテも良かった。
Borgognoは2009年3種と2006年のRiservaを持ってきていたが、大違い。2006年はBorgognoらしさがまだ残っているが、2009年は柔らかく、今は飲みやすいが。。。Listeは好きだったのに悲しい。

その他、アルト・ピエモンテでいくつかとても良い生産者があったが、特に気に行ったのはTenuta Sella。セッラ銀行というのがあり、イタリア王国が生まれた頃大蔵大臣を務めたということで、大蔵省の前(正確には裏の出口)にはクインティーノ・セッラの像が立っている。(なお、近くにある、ローマの日本大使館はクインティーノ・セッラ通り)そのセッラファミリーのワイナリーなのだそう。LessonaとBramateraは、高地になるので酸味が増し、非常にきれいで、口当たりがさわやか。重たさがなく、しかし、しっかり造られていて、毎日でも飲みたいワイン。
Colomberaのティモラッソも好み。相変わらず美味しい、と言いたい。

Ferrari 5 spumanti @Di Biagio フェラーリ 5種

2014-11-16 09:06:47 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Maximum 
Perle 2007
Perle rose 2007
Riserva del fondatore 2002
Maximum demi-sec


うちの近所というわけではないが、車で5分程度のところにあるエノテカDi Biagio、オーナーのアウグスト氏の人柄の良さでとてもひいきにしている。
夏や、クリスマス前などの忙しい時期を除いて、土曜日の午後、無料で立ち飲みの試飲会を催している。もう何年も、そして、結構良いワインまで気前よく開けてしまう。
テーマは一つのワイナリーだったり、品種だったりいろいろで、面白いので、予定の空いている土曜日はできるだけ行くようにしている。
このところ、ローマ外の仕事が多く、なかなか行けず、久々に顔を出してみた。
今週のテーマはFerrari。
まず、ワイナリーのFerrariと車のFerrariは関係がない。要はオーナーの名前で、たまたま同じ名字であるということだが、F1のFerrariにあやかって、かなり得しているとは思う。
そして、幸い品質も伴っていると思う。

個人的にFerrariは好きである。へたなシャンペンより良いし、へたなフランチャコルタよりはるかに良い。最近は、イタリアのスプマンテというとフランチャコルタが頭一つくらい出ている感じがあるが、Ferrariはフランチャコルタではなくトレントである。



試飲は5種。
今回も1本80ユーロ程度にはなるriserva del fondatoreを開けてしまっている。。。
(+++でかなり良い。あとはプラスマイナス)

Maximum シャルドネ100%のきれいな香りと柔らかさが出ている。しかし、香りの印象より味は真面目な感じ。さらっと飲みたい時にお勧めのスプマンテ。 +++

Perle 2007 こちらは逆に香りの印象は真面目、エレガントで繊細、持続性がある。味はやはり逆に、柔らかく優しい感じが一瞬、とても心地よく、その後すぐにしっかりした印象に変わり、続く。食事の最初から最後までこれ1本で通せるスプマンテ。万人向きでもあり、期待を裏切らないタイプでもある。++++(+)
Perle rose 2007 ピノ・ネーロをロゼに造り、シャルドネをブレンド。色は濃すぎず、薄すぎずとてもきれいでロマンチックな場面にはお勧め。香りはほんのり森の木の実系が出て心地よく、味も良いのだが、そして、ピノ・ネーロらしいしっかりした面も見せてくれるが、意外と余韻が続かないのが残念。ロマンチックな場面でなければ迷わずPerle +++
Riserva del fondatore 2002 リリースに10年と言うことなので、これで最新ヴィンテージ。個人的にとても好きなスプマンテ。ぐだぐた言わず、ただ飲む。きれい、エレガントでもあり、個性的でもある。素晴らしい余韻。+++++
Maximum demi-sec 意外な発見。とても心地よい。ほんのり甘い程度で、食前酒にはかなり受けそう。ただ、難点はそれにしては値段が高い。。。+++

Di Biagioは、お菓子やパスタ、パテなどの食材からワイン、ウィスキーなどまで、かなり豊富に揃っている食材店。
何かの機会があったらぜひ訪れてみて欲しい。

6 barolo: Vajra, Ca' Viola, Bricco Rocche, Elio Grasso, Paolo Scavino, Massolino バローロ6種

2014-11-13 14:54:21 | Piemonte ピエモンテ
Vajra Barolo Bricco Viole 2007 ヴァイラ
Ca’ Viola Barolo Sottocastello 2006 カ・ヴィオラ
Bricco Rocche Barolo Brunate 2006 ブリッコ・ロッケ
Elio Grasso Barolo Gavarini Chiniera 2006 エリオ・グラッソ
Paolo Scavino Barolo Rocche dell’Annunziata 2000 パオロ・スカヴィーノ
Massolino Barolo Parafada 1997 マッソリーノ


アテネウムという団体が、ローマの老舗エノテカ、トリマーニと組んで試飲会を最近よくやるようになった。
トリマーニの場合、テーブルの構成はちょっと狭いが、その分人と人の距離が狭くなるので親密感が生まれ、私は好きである。もう1か所、ホテル、サン・レジスの部屋を使っている場合も多いが、人数も多く、いかにも講習会形式で、それも悪くはないのだが、ある意味面白くない。


今回のテーマはネッビオーロ。3回に分けて行われるその第1回で、今回のテーマはバローロ。ワインは6種。それも最新のヴィンテージではない、という触れ込み。
この前、トリマーニのパオロにとある試飲会で会った時、「賭け」になった。
美味しくなかったら払わなくていいから席を取っておく。ただし、満足したら代金を払う、というもの。
美味しくても、美味しくなかったと言ってお金を払わないからね、と当然の冗談を言ったのではあるが、そこは、日本人。逆に本当に美味しくなくてもお金を払うだろう。
イタリア人なら本当に払わないかも? いや、本当に払わないかもしれないイタリア人にはこういう声はかけられないよね、などと思いながら。
さて、内容からして、当然面白い試飲会であったのと、ワインも、良いかどうかはともかくとして、非常に興味深いものであった。同時に、学ぶことの多い貴重な試飲会でもあった。

赤、バローロ6種。全てクリュものである。
(点数は+++を基準として、プラスマイナス)


Vajra Barolo Bricco Viole 2007
色が比較的薄く、バローロらしい。輝きがきれい。花と小さな森の木の実(赤)など、派手でないくらいの華やかさ、優雅、繊細、エレガント。タンニンは粉っぽいという意見もあったが、まだ若いのでうまく溶け込んでないのだと思う。細く、非常に長く続き、余韻がきれい。個人的に好きなワイナリー、個人的に好みのバローロ。++++
Ca’ Viola Barolo Sottocastello 2006
ここから2006年になる。色は濃いガーネット。熟したフルーツ(黒)の香りに重たさを感じる。バルサム臭、キナなど、Vajraと正反対。酸味が少なめ、タンニンはまろやかで、残念なことに余韻が消えてしまう。Ca’ Violaはドルチェットで有名で、いったいどれだけ飲んだことだろう。この畑のバローロは初リリースとのこと。+++
Bricco Rocche Barolo Brunate 2006
ガーネット色。還元臭が出ていて、しばらくして収まると、森の木の実、スパイスなどが感じられるようになる。タンニンはかなり柔らかく、余韻はまずまずの長さ。現時点で限界か、という感じはするが、現時点では一応+++(+)
Elio Grasso Barolo Gavarini Chiniera 2006
最初、ほとんど全く香りがなかった。完全に閉じていて、香りが徐々に出始めたのはずいぶん経ってから。出てくると大変素晴らしい香り。奥行きがあり、持続性があり。程よい酸味、タンニンは優雅に柔らかく、余韻が非常に長い。時間がたってますます良くなったワイン。+++++
Paolo Scavino Barolo Rocche dell’Annunziata 2000
以外に最初から香りが出ていて、バルサミコ、そしてオリーブの香り。当然熟しているので、こうなっても良いのだが、もう少し何かを期待したいところだった。タンニンは柔らかく、太さがあり、風格はあるのだが、まずまず程度の長さ。頂点を超えて、降下し始めたのがわかる。最近何度か訪れていて、見直したいと思っていたワイナリーなだけにちょっと残念。敬意を表して一応+++(+)
Massolino Barolo Parafada 1997
個人的に辛くないトウガラシ風の香りがあったが、トリュフ系、キノコ系の香りが強い。味の持続性は悪くなく、こちらも若干降下し始めた感じではあるが、1997年ということで++++

人数が少なかったこともあり、どのワインが一番良かったか、という話になった。
Grassoという意見が多かったが、中には120ユーロよね、ということでScavinoを挙げた人もいる。うーん、値段に左右されてはいけない。。。
逆にでは一番期待外れだったのは?という話題も出て、これは若干バラバラ。

個人的に、パオロ、そして、素晴らしい友人のルカと話をすると、揃って一番はGrasso.
逆に期待はずれだったのは、パオロはRocche(わからないでもない)、ルカはScavino(それはちょっとかわいそう)私はCa’Viola(初リリースだから仕方ない、がパオロの意見)だった。

以下、終了後、その後続けて飲んだワインの一部。。。


バラにカルボナーラのフリット。。。

黒ゴマビスケット

Vinoforum class

2014-11-12 08:51:19 | Toscana トスカーナ
Vinoforum Class



Vinoforumは、夏にオリンピックスタジアム辺りで行われるワイン祭り的な、なんとなく夏の風物詩となっている。
もうかなり前に始めた頃(10年にはなる?)は、イヴェントとしてはほぼこれだけだったような気がするが、だんだんいろいろなイヴェントを追加しているのか、Vinoforum Class
と題した試飲会の招待状が来た。一応招待状を持っている人のみ、つまり一般には参加できない試飲会となっている。50社ほどが出店するとの明記はあるが、ワイナリーの名前は出てこない。まあ、物見遊山を兼ねて行ってみた。
招待状はあるにこしたことはないが、なくても入れるような雰囲気。というのが、名前のチェックを最初はしていたのかもしれないが、そのうち、「ナントカです」と名乗れば入れそうな雰囲気になったような気がする。ハシゴだったので、若干遅れて着いたころには、結構適当な受け答えで、これじゃあ誰でも入れるよね、という雰囲気になっていた。
ワイナリーはほとんどのところがワイン1種しか持ってきていなかったが、かなりのワイナリーが出ていた。
有名どころで、Ferrari、Ca’ del Bosco、Tramin、Terlano、Venica、Planeta、Ama、San Leonardo、Fonterutoli、Les Cretes、Pommeryなどなど、一応満足いく程度のワイナリーは揃っていた。欠点は、ほとんどのワイナリーが1種しかもっていなかったので、なんとなく、バラバラの雰囲気、スタンドの場所も適当な感じでバラバラ、つまり、ただ美味しいワインを飲むだけの会のようで、統一感には欠けていた。パラパラと、早くになくなりそうなワインから赤、白、スプマンテバラバラに、適当に飲んで行く。


いくつかの感想。
Ama L’Apparita 最初に飲んで、もともと好きなワインなので、いいね、と思ったが、しばらくたってトリマーニのパオロに出会い、いろいろと話をしたら、結構ズバッと、好きじゃなかった、良くなかった、と切る。後に改めて飲み直してみる。確かに冷静に、L’Apparitaだと思わず飲んでみると、今一つのところがある。香りの深みが欠けているし、エレガントさ、余韻にももっと欲しいものがある。(もちろん、L’Apparitaとしての話)パオロは嗅覚と触覚で試飲をする人だと思っているが、やはり素晴らしい。
ワインは(ワインなんてものは、とも言える)ラベルで飲めてしまうもの、と思っているので、改めて考えさせられた。ラベルはできるだけ見ないように、見てもできるだけ左右されないように心がけているつもりでも、一瞬気を抜くとやはり左右されている自分に気が付く。++++


Fonterutolo Siepi そのパオロが今日一番だった、と言ったワインがこれ。話をした段階では残念ながらまだ飲んでいなかった。話にできるだけ左右されたくなかったのでしばらくしてから飲んでみる。香りの第一印象が、うわっ。かなりすごい。インパクト、複雑性、そして香りの長さ、味も印象的で、強さと程よいエレガントさを持っている。Fonterutoliのワインは昔から好きだが、少し離れていた時期もあり、最近また非常に気に行っているのだが、コンファーム。+++++



Pommery Louise 2002+++ 2000+++++ 1999++++ 2002年は普通のボトルで酸味がとてもエレガントで普通に良いと思ったが、2000年はマグナムで、素晴らしかった。クリーミーな感じも兼ね備え、これだけでじっくり飲みたいシャンパン。1999年は再び普通のボトルに戻り、良いのだが、マグナムの2000年の後では若干影が薄くなってしまう。


San Leonardo 個人的に非常に好きなワインなのだが、初めて、モダンさが鼻についたような印象を持った。良くできている。優等生的ワインだと思う。++++

FerrariのRiserva del fondatore+++++とCa’ del BoscoのAnnamaria Clementi++++が遠くにあったのが残念。こういうのをぜひ一緒に比べてみたいのだけど。後者は以前より樽がきつくなくなったような印象でとても好印象。

もう一つとても印象的だったのがBaglia di Cristoのシャルドネ。最近良いと言う人が多く、気になっているのだが、確かにいい。香りは樽が若干強く好みではないのだが、冷静に判断して見ると、非常にきれいな奥行きがあり、味の持続性も非常にあり、素晴らしいものを持っている。++++(+)

TerlanoのQuartzも相変わらず好きなワインだが、コンファーム。+++++

その他、Traminのゲヴルツは久々に飲んだが、香りのお手本的。
Les CretesのCuvee Boisも個人的には好きなワイン。
PlanetaのCometa、Le Pupille、Tua Ritaなどなど、久々のものからそうでないものまでいろいろと飲んだ夜だった。
笑ってしまうのが写真の色。全体的に赤いのだが、照明がこんな感じだったのである。

D'arapri, Felline, Alberto Longo ecc ダラプリ他

2014-11-11 18:33:02 | Puglia プーリア
D'Arapri ダラプリ
Due Palme ドゥエ・パルメ
Leone de Castris レオーネ・デ・カストリス
Felline フェリネ
Rivera リヴェーラ
Alberto Longo ロンゴ

ローマはさすがに試飲会が1日に2つ行われると言うのも珍しいことではない。本当に小さなものも含めると3つになり、選ぶのに迷うとか、ハシゴをすることもあり得る。
昨日はハシゴだった。
元AIS、現FISでプーリア州の試飲会が行われ、VinoforumではClassと題する大々的な試飲会が行われた。
かわいそうだったのはプーリアのワインの方で、比較的早めに出てしまったためその後の人の入りはわからないが、おそらくまずまず程度だったと思う。同じ理由で早めに行き、ササッと試飲を終わらせハシゴに向かった人が何人もいた。確かにVinoforumのClassと重なったのは不運だったと言える。ワインのセレクションが豪華なうえに、招待はいるが、招待さえあれば嬉しいことにタダ、業界人のみの入場になっているのである程度興味のある人ばかりだし、プーリアの入場料も2ユーロと安かったのだが、太刀打ちはできない。

さて、そういうわけでさらっと行ったプーリアワインの試飲会。
残念ながら参加ワイナリーは、まずますの顔ぶれ。当然ESのジャンフランコ・フィーニは出てないし、今は特に惹かれるわけではないが、プーリアの歴史を造った大御所ワイナリー、タウリーノも、Gratticciaiaのワイナリー、ヴァッローネも出ていなかった。


D’Arapri’ ここ数年で出てきたスター的存在。最初は、フォッジャのような低地で何が造れるのだろうと思ったが、なかなか良い。それからファンになり、結構気に入っている。スプマンテしか造っていないのだと思うが、これもいい。
一瞬甘くてイタリアのスプマンテらしいのだが(時にイタリアのスプマンテは甘すぎ、もちろん香りの話)、すぐに真面目な顔に変わり、エレガントで嫌な香りがない。香りの透明感がとてもきれい。そして、奥にはふわっと蜂蜜の香りがあるので、これがまた心地よい。当然、余韻もきれいで長い。これで、まだ下のラインのもの。++++


Due Palme すぐ近くにもう一つスプマンテがあったので何気なく飲んでみる。熟したフルーツ、花、かなり甘い。色もかなり濃く、しかし、どうしても田舎くささが抜けていない感じ。反して味は辛口で強いコントラスト。最後のほろ苦さが若干気になる。++


Felline この前飲んだのを、まあもう一度。とにかく熟した、過熟とも言えるくらいのチェリー、森の木の実の香り、アルコール浸け的、スパイス。色はどーんと濃く、上手に造られているのはわかる。モダンでまろやかさもあり、良いのだが、個人的には重過ぎ。個人的好みを考慮せず+++


Leone de Castris その昔はともかく、今はめったに飲むことがないので飲んでみる。チョウジなどのスパイス、香りはプーリアらしく悪くないし、味もよいのだが、あともう少し長いのを期待。好みを考慮せず+++


Riveraを2種。 Faicone 良く言えばバルサム、または土っぽさがやや気になる。柔らかさがあるのだが、コントラストに酸と塩味。+++ Cappellaccio はちょっと苦手。++


Alberto Longo 3種出ていたので試飲。昔は訳あってかなりひいきにしたものだが、正直に言って個人的に好みではなかった。ワインはある程度、というか、かなり精神的なものに左右される。つまり、ラベルを見て(見なくても)美味しいと思えば美味しいのであって、美味しくないと思えば美味しくない。そこで、美味しいと自分に言い聞かせて飲んでいたワインの一つである。今はその必要もないので、以下、自由に試飲。
Fossette 香りは決して悪くない。しかし、以前はもっと香りが豊かだったような印象がある。酸味が効いていてよいのだが、余韻が続かず消えてしまう。++
Capoposto フルーツに花、緑に、オリーヴ風の香りの重たさが気になるが、以前よりふくよかな印象。南らしい土っぽさ、ふくよかさのあるワインが好きなら好印象かも。++(+)
Cacc’e e mmitte 香りはワインらしい。言葉を変えるとワイン臭い感じで、個人的な好みではないのだが、いかにもワインと言うタイプが好きなら悪くない。Cacc’eにしては+++
ただし、Longoのワインは全体に値段が高く、値段とのバランスはあまり良くないのが残念。

Casal Pilozzo Colle Gaio 1995 1998 ed altri カサル・ピロッツォ

2014-11-09 08:15:36 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Casal Pilozzo - Frascati  カサル・ピロッツォ
Colle Gaio 1995 1998
Malvasia 2004 1997 1993
Grechello 1995 1994
Pinot nero 2006
Dedo 1997 1993




ワインの世界は広い。ワイナリーは星の数ほどあり、また、タケノコのように新しいワイナリーが生まれ、新しいワインが生まれ。
しかし、それだけではなく、古くからあるワイナリーの中にも一般に知られていないワイナリーがたくさんある。
Casal Pilozzoも良く知られていないワイナリーの一つになる。もちろん知っている人は当然いるし、いくつかのワインがいくつかの賞を取っているのだが、マイナーなワイナリーに入る。
先日行われた試飲会に出ていて、信頼できる友人のパオロがとてもファンで故意にしていたので、じっくりと飲んでみた。
そのワイナリーが今週末、3日間にわたり、ノヴェッロのお披露目と題して、ワイナリーを大々的に解放したので、行ってみた。

以前、友人パオロに言われて、ブラインドで飲んだことが数回はあると思う。
その時も、また、先日の試飲会でもそうだったのだが、このワイナリーの特徴は古いワインである。
それもフラスカーティにあるので、白ワインを主に造り、20年ほどたった白ワインである。
逆に新しいワインを勧めない。
(もちろん、ラインは二つに分けられていて、下のラインはごく普通の新しいヴィンテージのものを出している。話しているのは上のラインのワインの方で、毎年造っているわけではない。)
一番新しいColle Gaio(白)が2010年ヴィンテージだというので、白でも3年経ってから販売しているのである。
その一番新しいヴィンテージを飲んでみたいのではあるが、古くならないと勧めないので(ちょっと笑)、今回も飲む機会はなく、逆に90年代の、20年かそれ以上たったものを主に飲んできた。

驚きは、まず、このワイナリーがフラスカーティにあることである。フラスカーティは水のような、軽くて、早飲みタイプの、安価なワインが造られているところである。つまり、持たせようとも思わないのだが、思ってもたいていが持たないと思う。
次に赤ワインの古いのも悪くはないのだが、白の方が断然良い。普通は赤の方が持つのに、逆である。
そして、長熟タイプの白ワインなのに、透明なボトルに詰められ、これで十分持っている。

ワインは、新しいヴィンテージを飲んでいないで、リリース時点でどんなワインなのか今一つ分からないのだが、特に酸味が強いわけでもなく(つまり保存料が特に効いているわけではない)、全体のバランスが良く取れているものが多い。ただ、比較的シンプル、つまり、複雑でないわけではないが、よくこれでこれだけ持つと思うくらいはシンプルで、全体に味の持続性があるわけではないのだが、心地よいフィニッシュを持っている。




ワイナリーは見事で、ローマ時代に掘られた地下廊下部分を倉にして、90年代のワインがまだまだかなり保存されている。それもかなり広く、また、奥には、ローマ時代以前を起源にするかも知れないと言われる初期キリスト教会の祭壇が残っている。
また、テラスからはローマが一望のもとに見渡せ、素晴らしい夜景を見せてくれた。

以下、試飲したワイン。ただし、立ち飲み、また、適当にボトルを開けて振舞っていたこともあり、順不同の試飲だった。



Colle Gaio 1995 品種はマルヴァジア・プンティナータ。いきなり、ほぼ20年の白から始める。前述のようにボトルは透明、色はきれいに黄金色で、それ以上ではなく、輝きがあり、ほぼ20年たっているとはとても思えない。香りは華やかな面と落ち着いた面が交互に出る感じで、ともするとリーズリングのような石油系の匂いがふっと混じる。残念ながら、どのワインも味の持続性がすごく長いわけではないのだが、フィニッシュはきれい。疲れたところ、枯れた感じはなく、ヴィンテージを知らなければ、絶対にほぼ20年たっているとは信じられない。ワインとしては+++だが、ヴィンテージを考慮すると++++
1998 続けて飲んだわけではないが、個人的にはこちらの方が好きかもしれない。マルヴァジアと比較して、やや重たいが、個性がよりある。同じく、ヴィンテージを考慮して++++

Malvasia 2004 Colle Gaioの後に飲むと特にデリケート過ぎてその特徴がつかめないが、飲み込んで行くと、優しく、非常に心地よく飽きないと言えそう。2004年はまだ若いのだが、バランスの取れ始めで心地よい。+++
1997 柔らかさが出ていて、印象が大変きれい。余韻も長い。++++
1993 香りが比較的強く、味もインパクトがあるのだが、やや短い。途中で消えてしまう。++(+)ヴィンテージを考慮すると+++

Grechello 1995 心持ちほろ苦い余韻。++(+)
1994 トースト臭、ドライフルーツの香りなど、興味深い香りに加え、味もインパクトがあり良い。+++(+)



Pinot Nero 2006 スパイス、熟したブラックチェリーのアルコール浸け。++
Dedo 1997 カベルネ・フランとメルロー。余韻が消えてしまう。+
1993 ++


Chianti Classico Castelnuovo Berardenga 10 viniキャンティ・クラシコ10種カステルヌオーヴォ

2014-11-02 10:19:40 | Toscana トスカーナ
Fattoria di Corsignano Chianti Classico 2012 ファットリア・ディ・コルシニャーノ
Fattoria di Valiano Chianti Classico 2010 ファットリア・ディ・ヴァリアーノ
Villa a Sesta Chianti Classico Slrleone Riserva 2010 ヴィッラ・ア・セスタ
Felsina Chianti Classico Riserva 2010 フェルシナ
La Lodola Chianti Classico Fornacino Riserva 2009 ラ・ロドラ
Castello di Selvole Chianti Classico Riserva 2009 カステッロ・ディ・セルヴォレ
Borgo Scopeto Chianti Classico Vigna Misciano Riserva 2009 ボルゴ・スコペート
Villa di Geggiano Chianti Classico Riserva 2007 ヴィッラ・ディ・ジェッジャーノ
Catell’in Villa Chianti Classico 2006 カステルイン・ヴィッラ
Podere Le Boncie Le Trame 2011 ポデレ・レ・ボンチェ




アルマンドのキャンティ・クラシコのクラスが始まった。アルマンドは今、ローマでは、というよりイタリアでは一番乗っている講師だと思う。
AISのデグステーション・グループで知り合ったのはまだ無名の頃。すぐに才覚を表し、只者ではないと思っていたが、本当にすごい。
旧AIS(現FIS)で行われていた彼のクラスはいつも満員で、しかしそれだけではなく、顔ぶれが違った。つまり、普通の試飲会には絶対に顔を出さない顔ぶれが揃い、1か月に1度、挨拶を交わせるのが楽しみだった。

今は現AISのトップ講師。真面目、しかし、かなりユニークでもあり、また、系統だって組み立てられた内容、彼独自の研究に基づく内容も含め、とにかく勉強になる。
教えることが非常にうまい。テイスターとしてだけなら、彼同様に素晴らしい人は他にもいるが、さらに教えることができるかとなると、これは違う。かなり自身でも研究をしていて、ただの受け売りではないのがわかる。
また、試飲の仕方もくどくなく、歯切れが良く、非常に良い。

試飲に関しては、一つのワインに一体どれだけの香りが含まれているか、ひたすらグラスと向き合っていた時期もあるし、そういうやり方をする講師もいるが、今は、試飲はせいぜい長くて10分程度、必要によってはあとで戻ればいいわけで、アルマンドのように歯切れよく、素早く特徴をつかむ方が良いと思っている。

8回に分けられたキャンティのクラス、その第1回はCastelnuovo Berardenga。確かに、面白いテリトリーの形だと思ったが、Gaioleが深く組み込み、「バットマンのメガネ」のよう。(セクシーに考えればヌーブラの形???)
毎回のワインは6種以上となっているが、「以上」であり、今回は10種だった。

+++がかなり良い!と思うワイン。あとはプラスマイナス。独断と偏見あり。
キャンティは当然フルーティーなわけで、そのあたりは特に特徴がない限り省略。

Fattoria di Corsignano Chianti Classico 2012
香りやや弱く、塩味が強い。これだけで飲むと、自然な感じで好印象だが、戻ると残念ながら負けてしまう。++
Fattoria di Valiano Chianti Classico 2010
キャンティにある「血」の香りあり、落ち着いた印象。全体に強さは抑えられている。++(+)
Villa a Sesta Chianti Classico Slrleone Riserva 2010
バラの香りが強く、香りが強い。パイプ煙草の甘さが香りに出ていて、印象が強い。タンニンもはっきり、しかし、酸味があり、余韻が長い+++(+)
Felsina Chianti Classico Riserva 2010
さすが大御所。複雑性が出ていて、バランスがとても良い。ベルガモットなどの柑橘の香りあり。余韻が非常に長い。現時点ですでに大変素晴らしい。++++
La Lodola Chianti Classico Fornacino Riserva 2009
熟したフルーツがかなり強い。そこで、ふくよかタイプかと思いきや、思ったより酸味があり、きれい。++(+)
Castello di Selvole Chianti Classico Riserva 2009
酸味がまあまあり、良いが、印象が若干薄い。++(+)
Borgo Scopeto Chianti Classico Vigna Misciano Riserva 2009
花の香りが強く、柑橘、緑も少し入り、スパイスもきれい。甲乙つけがたい仕上がりになっているが、余韻が最後消えてしまうのが残念。+++
Villa di Geggiano Chianti Classico Riserva 2007
アニマル臭がやや出ている感じで、ふくよかな印象。余韻も長い。+++
Catell’in Villa Chianti Classico 2006
Castel’in Villaらしく堅い。これを好きかどうかは好みによるだろうが、個人的にはかなり好み。ミネラルが強く、塩味がピリッときく感じで、非常にエレガント、余韻がとても長い。Felsinaは今素晴らしく、おそらくあと5年は素晴らしいだろうが、10年後にはCastel'inVillaが抜くと思う。20年くらいたったものを普通に(かしこまらないシチュエーションで)飲めたら嬉しいワイナリー。
Podere Le Boncie Le Trame 2011
Chianti Classicoではありえない、というワイン。ジョバンナ女史のワイン。臭みあり、するにビオだとわかる。これが好きか嫌いかはやはり好みの分かれるところ。(個人的にはかなり好き。)味にもやや臭みが残り、賛否両論だろうが、とても良い。余韻の長さは素晴らしく、昨今偽ビオが多い中、本物のビオ。++++