在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

”ヴァルテッリーナ・スーペリオーレ・サッセッラ・ステッラ・レティカ 2000” アル・ペ・ペ

2007-10-30 23:29:17 | Lonbardia, Valle d'Aostaロンバルディア他
"Valtellina Superiore Sassella Stella Retica Riserva 2000" Ar.Pe.Pe -Lombardia
少し前にベースワインを飲んだ。これは、もう少し上級クラスのワイン。
最近は、こういう自然なワインが好きである。無理に造ったようなワインは、それはそれで美味しいが、食事の間に飲んでいて疲れてきてしまう。
しかし、こういうワインは、理解してもらうのがとても難しい。色、香り、味、どれもが、一般的なイメージとしてのワインとは違うのだと思う。
品種は、ネッビオーロ100%。地元の名前でキアヴェンナスカ。
色は、かなり薄い。この薄さを見て、色の濃いワイン=ボディがあり、良いワイン、というイメージを持っている人には、それだけで、ペケになるだろう。ガーネット色で、爪は、やや透明感を持ったオレンジ色。つやは大変良い。
香りは、熟したフルーツの香りが一瞬きれい。しかし、さほど強くはなく、全体に優しさのある香り。ドライの花(小さなスミレ)、フルーツはやや酸味を含むサクランボの一種、visciole、レッドベリーなど、揮発性volatileあり。他、タバコ、古い革、血の香りが少し、ブロード、ややアニマル臭、土、腐葉土など。
味は、酸がすぐに広がる。しかし、口当たりが優しい。決して誇張せず、程よく主張がある。フルーツがふわっと出て、タンニンはやや渋いが、悪くない。後味に、森の木の実がきれいに残る。

”ヴィーニャ・フラミニオ 2004” ヴァッローネ

2007-10-28 06:19:42 | Puglia プーリア
“Vigna Flaminio 2004” Vallone -Puglia
隠れた名品(隠れてない??)“グラティッチャイアGraticciaia”(ネグロアマーロ100%)を造るワイナリー。グラティッチャイアは、干したブドウで造る辛口赤ワイン。アマローネに似ているが、アマローネは室内で干し、グラティッチャイアは外でも干すところが違う。南イタリアでは、まだ、ブドウを外に干すところが結構残っている。
そんなわけで、グラティッチャイアは、当然値段が張るし(それでも40ユーロ前後。さすが、プーリア!)生産量も少ないが(25000本)、それ以外のワインは生産量も多く、10ユーロ以下と、嬉しいプーリア値段(?)である。しかし、決して悪くない。
ワイナリーは、細長いプーリア州の、だいぶ南に位置するレッチェにある。
品種は、プーリアの土着品種ネグロアマーロ70%、アブルッツォ州で特に有名なモンテプルチャーノ20%、マルヴァジア・ネーラ10%(普通のマルヴァジアは白だが、これは黒ブドウ)。
色は、濃い目のガーネット色で、つやがとても良い。
香りは、よく熟したフルーツがきれい。サクランボ、ブルーベリー、プルーンなど。そして、ドライの花の香りとスパイス臭。スパイスは、甘い香りと辛い香りがうまく絡む。香りの奥には腐葉土もある。革、カカオなどがもう少しで出てきそうな感じ。ロゼにもあったが、アルコールがやや立つ感じがある。
味は、プーリアらしく、ボディがある。熟したフルーツが甘くまろやかな感じ、しかし、そこに、アニマル臭的な南イタリアらしい臭みとカカオなどのほろ苦さが混じる。味は強く、持続性も良い。熱い感じが、南イタリアを充分感じさせる。
余談だが、ネグロアマーロという、イタリアではこのところかなり人気のロック・ポップスグループがある。何でネグロアマーロ?というと、プーリア州出身だからだそうだ。とても良いネーミングだと思う。おかげで、品種ネグロアマーロの知名度もぐっと上がった。品種ネグロアマーロがお好きな方は、ぜひ、ネグロアマーロを聴きながら飲んでください。


”ロザート・ヴィーニャ・フラミニオ 2005” ヴァッローネ

2007-10-28 05:54:06 | Puglia プーリア
 “Rosato Vigna Flaminio 2005” Vallone -Puglia
ちょっとややこしいが、赤と同じ名前のロゼ。イタリアにはロゼはあまり多くはないが、プーリア州のロゼは全国的に有名。明るいきれいなバラ色で、白と赤の中間的存在で、夏の肉料理、冬は魚料理に合わせても良い。
品種は、赤と同じで、比率も同じ。つまり、ネグロアマーロ70%、モンテプルチャーノ20%、マルヴァジア・ネーラ10%。
色は、濃い目の玉ネギ色を明るくした感じ。プーリアに多い明るいバラ色と比べると、落ち着いた色調。
香りは、フルーツ臭がきれいに立つ。イチゴ、レッドベリー、サクランボに花の香りが混じり、プーリアらしい華やかさのある香り。アルコールがやや出る感じあり。シンプルだが、とても好感が持てる。
味は、プーリアらしく、ロゼなのに結構ボディがある。フルーツの香りが口の中に広がる。
酸はほどよく、塩味が効いている。アルコールの熱さが後味に出る。持続性まずまず。

”ビスィディアエ 2006” セッラカヴァッロ

2007-10-28 05:51:35 | Calabria, Basilicata カラブリア他
“Besidiae 2006” Serracavallo -Calabria
カラブリアという南の暖かい州で造られる、ペコレッラ、リースリング(寒冷地に適している)とシャルドネのブレンドというちょっと(かなり)変わったワイン。
どうして、カラブリアでリースリング?と聞いたら、畑の標高が平均で600m、ペコレッラの一番高いところで1200mになると言う。
カラブリア州は縦に長いが、その北部にはポッリーノ山脈というかなり深い森の山々がある。そこに位置するので、これだけの標高になる。
まだ比較的新しいワイナリー。あまり知られていない。
品種は、ペコレッラ30%、リースリング30%、シャルドネ40%。
色は、麦わら色と黄金色の中間くらい。
香りは、ややくさいが、ペコレッラというヤギという名前のように、アニマル臭があっても不思議はない。確かに、ヤギの臭い?しかし、そういうと、けなしているように思う人がいるかも知れない、決してそうではない。また、青っぽさがやや出るので、ネギ系の臭い、そして、さわやかな柑橘系の香り。
味は、結構個性的。塩辛さがある。酸もまずまずあり、ほろ苦さが、胡桃の渋皮風。
ラベルの感じなども含めて、若干国際的なビジネスを意識している感じがなくもないが、まずまずよく出来ている。今後に期待したい。

”キャンティ・ルフィナ・ポッジョ・グァルティエーリ 2000” ファットリア・ディ・グリニャーノ

2007-10-27 01:10:13 | Toscana トスカーナ
“Chianti Rufina Riserva Poggio Gualtieri 2000” Fattoria di Grignano -Toscana
キャンティ・ルフィナの生産できる地域はフィレンツェの西になる。
キャンティには本当に多いが、これも、侯爵が15世紀に別荘を創建だそうだ。あ~、羨ましい!
さて、キャンティの試飲会(キャンティ・クラシコのではない)で飲んだが、私の周りの何人もの人が良いと認めたワイナリー。
他、3種を試飲したが、確かに、安定した味、心地よい香り、適度なボディなどで、なかなかのワイナリーである。こういう発見は嬉しい。
品種は、サンジョヴェーゼ90%、他(黒ブドウ)10%とある。つまり、キャンティに昔よくあったように(というより義務だった)白ブドウは使っていないということ。
熟成は、バリックで15ヶ月。
色は、程よく凝縮感のあるルビー色で、つやがとても良い。
香りは、とてもきれいにスミレの香りがある。そして、サンジョヴェーゼらしく、マラスカ(サクランボの一種)marasca、桑の実mora、プルーンなどの森の木の実、やや辛口のスパイスがきれいで、タバコ(黒)、リコリースの香りが混じる。
味は、タンニンがとてもきれい。キャンティにしては上等の質で、程よい刺激になっている。ボディも良く、味の持続性も良く、後味に、カカオ、カフェなどが心地良い。

”イル・マット 2003” ファットリア・ディアネッラ・フチーニ

2007-10-27 01:07:36 | Toscana トスカーナ
 “Il Matto delle Giuncaie 2003”Fattoria Dianella Fucini -Toscana
フィレンツェの西、レオナルド・ダ・ヴィンチを生んだヴィンチ村にあるワイナリー。
キャンティの地域で、キャンティ・クラシコの生産地域ではないが、キャンティ・モンタルバーノChianti Montalbanoの地域である。
キャンティでは、元貴族が何百年もの昔から代々集落を所有しているパターンが多いが、ここもその一つで、13世紀の教会、16世紀の造られた別荘はメディチ家が使っていたものだそうで、ワインを語る=歴史・文化を語る、という一面を見せてくれる。
「イル・マット」の格付けはDOCGキャンティではない。ピラミッドで言えば、DOCのさらに下となるIGT=Indicazione GeograficaTipicaである。(でも、そんなことは品質には関係ないので、深く考えないように。)ところで、イタリア語でmattoは、気狂いのことである。
品種は、サンジョヴェーゼ100%。
熟成は、バリック12ヶ月。
色は、凝縮感の良いルビー色。
香りは、最初、乳製品風latticiniの臭いがある。その他、やや揮発酸volatileが強い感じ。小さなスミレ、バラの香り、ヴィッショラ(サクランボの一種)visciola、スモモ、そして、コショウの香りがある。
味は、酸がやや酸が立つ。そのせいもあり、エレガントな感じが出ている。ボディは普通で、タンニンが酸にやや負けて細身だが、質は良い。後味も程よく長い。
一緒にキャンティ(こちらはDOCG)も試飲したが、とても澄んだ味わいだった。値段と品質のバランスが良いのも嬉しい。

”キャンティ・リゼルヴァ・ヴィーニャ・ラ・クエルチャ 2003” カステルヴェッキオ

2007-10-27 01:05:14 | Toscana トスカーナ
“Chianti Colli Fiorentini Riserva Vigna La Quercia 2003” Castelvecchio –Toscana
(ワインは中央)
トスカーナのキャンティは、アグリトゥーリズモが多い。最近は、アグリトゥーリズモとは何ぞや?が、日本でも良く知られるようになったので、旅なれた方に結構人気があるし、日本語HPを作って日本人獲得にがんばっているところもある。そして、多くの(略して)アグリで、ワイン、オリーブオイルなどを造っている。アグリの方が有名か、ワインの方が有名かはそれぞれだが。。。
このワイナリーもアグリを併設している。
品種はサンジョヴェーゼ。他、混じっているかは聞かなかった。(こちらが東洋人と見て、感じが良い人とそうでない人がいるのである。。。)
色は、なかなか凝縮感の良いルビー色。
香りは、程よく奥行きがある。スミレの花に、サクランボ、ブルーベリーなどの森の木の実、パイプタバコなどの甘いスパイスの香りが出ている。他に、甘いチョコの香りもある。
味も、フルーツの甘さがすぐに感じられる。ボディもあり。強さも良く、タンニンは若いが結構質が良い感じ。最後にほろ苦さが残り、カカオの風の味となり、アマレーナ(サクランボ一種)amarenaが混じって広がる。
ラベルから想像できるように、伝統+モダン路線を狙っているワインと想像できる。

”カンポグランデ (ヴィンテージなし)” カステル・ノアルナ

2007-10-25 21:24:15 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
“Campogrande” Castel Noarna -Trentino
世の中には、面白いワインを造る人がいる。と言っても、シャンペンは普通、いろいろなヴィンテージのワインを混ぜて(ベースワインを)造るので、そう考えると別に変わったことではないようにも思うが、このワインは、シャルドネの2001年、2002年、2003年ヴィンテージを合わせて造った。だから、当然、ノンヴィン(ノンヴィンテージ)である。
どうして、ブレンド?と聞いたら、ちょっとやってみたらなかなかいけた、という回答をもらった。
品種は、シャルドネ100%。ヴィンテージの比率はわからず。
色は、やや濃い目の麦わら色で、黄金色に近い。つやがとても良い。
香りは、熟したフルーツの香りがきれい。そして、若干酸化した感じのリンゴの香りも出てくる。木が最初はほのかに、そしてだんだんと出てきて、やや強いかも。バター風の香りもある。香りは強く、程よい複雑性がある。
味は、わりとインパクトがある。ボディがかなりあり、酸はほど良く、塩味が結構強い。香りにあった若干酸化した感じのリンゴ臭があり、後味に感じるほろ苦さが心地良い。
ワインの面白さは、収穫年の天候に左右される違いもあるわけだが、こういう遊び心(いや、生産者は真剣なのかも知れないが。。)のあるワインもたまには良いかも知れない。
なお、ワイナリーは、こういう変なワインばかり造っているのではなく、白はノズィオーラ、赤はラグレインなどの地元の土着品種を中心に、ちゃんと普通のワインも造っている。

”コッリオ・ソーヴィニオン・デ・ラ・トゥール” ヴィッラ・ルスィツ

2007-10-20 18:51:57 | Friuli フリウリ
“Collio Sauvignon De La Tour “ Villa Russiz -Friuli
フリウリの超有名ワイナリー。生産量も比較的多く、品種も多く、いくつかは上級ラインもあるので、リリースしているワインの種類がかなり多い。しかし、ベースのラインでも、安心して飲める信頼できるワイナリー。
“デ・ラ・トゥール”シリーズが上級クラスで、メルロー、シャルドネ、ソーヴィニオンと3つある。フリウリは、一般に白が得意だし、フリウリ=白、というイメージがあるが(毎年行われる試飲会「スーパー・ホワイト」の影響も少なからずあるだろう)生産の40%は赤と言う。そして、“デ・ラ・トゥール”シリーズも、特にメルローが有名である。
さて、品種は、ソーヴィニオン100%。
色は、結構薄め。こんなに薄かった?という感じ。麦わら色で、やや緑がかり、つやは大変良い。
香りは、いかにもソーヴィニオンらしい感じ。グレープフルーツなどの柑橘系、白桃、冬メロン(と言うのだろうか??)melone invernale、そして、緑の香り(香草&薬草)がとてもきれい。トマトの葉、サルビア、アスパラガス、イラクサorticaなどなど。
味は、ボディがあり、結構インパクトが良いので、一瞬、木樽?と思ってしまうが、ステンレスタンクのみの熟成。塩味かなりありで、フルーツの混じった、しっかりした後味が長く残る。
ヴィンテージは。。。2005年だったと思うんだけど。(写真撮るのも忘れた~!)

”ピコル 2005” リス・ネリス

2007-10-20 18:44:16 | Friuli フリウリ
“Picol 2005” Lis Neris -Friuli
やや樽を効かせた感じが得意なワイナリー。でも、フルーツとのバランスを無視していないので、樽好きの人には良いと思う。
品種は、ソーヴィニオン100%。
色はやや緑がかる麦わら色。
香りは、最初、やや臭みがある感じ。ゴム臭など。(しかし、これが悪いのではないので、誤解しないように。)全体に、香りはそれほど強くない。フルーツの香りに、白い花、アカシア、そして、くさみと花が一緒になった感じでセイヨウサンザシbiancospinoなどがある。緑の香りも混じり、だんだんと木の香りが出てくる。しばらくしたらカラメルっぽさも出ていた。
味は、結構堅さがある。ボディも良い。かなり塩味があり、酸味が隠れる感じ。味は強く、持続栄もあるが、アルコールの強さが若干気になるかも。

”コッリオ・ソーヴィニオン・ロンコ・デッレ・メーレ” ヴェニカ

2007-10-19 21:15:52 | Friuli フリウリ
"Collio Sauvignon Ronco delle Mele" Venica -Friuli
ソーヴィニオン、トカイ、それに、カラブリアで造っているオリーブオイル。ヴェニカは良いものを出す。生産量も多いし、結構大手なのに、品質が安定している。適度に華やか、適度にインターナショナル、適度にボディがあり、嬉しいことに値段も適度である。
品種はソーヴィニオン100%。
色は、若干濃い目の麦わら色で、やや緑かかる感じあり。つやがとても良い。
香りは、ソーヴィニオンらしくニワトコsambucaの香り、リンゴ、柑橘系、白桃のフレッシュな香りに緑の香りが混じる。香草は、サルヴィア、タイムなど。そして、米ぬか風の香りがある。(日本人にしかわからないだろうなぁ~。。。)香りの強さは良く、広がりがある。強さとエレガントさの両方を兼ね備え、ヴェニカのソーヴィニオンと言えば定番と言う感じになったが、やはりさすが。
味もとても良い。とにかくきれい、の一言。たけのこ風の味が気のせいかあるが、フルーツと花が広がる。しっかりした酸と塩味のバランスがとても良く取れている。(つまりどちらも強すぎず、良く調和している。)味の持続性も良く、長く、後味がとても心地良い。
なお、樽は使っていない。ステンレスのみ。
おっと、ヴィンテージは2005年だと思います。

”バルバレスコ・クリケ・パィエ 1997” イ・パリエーリ

2007-10-19 17:28:16 | Piemonte ピエモンテ
“Barbaresco Crichet Paje’ 1997” I Paglieri -Piemonte
15000本の生産量という小さなワイナリー。ラベルからも想像できる(?)ように、ビオ。ビオ歴20年だそうで、つまりイタリアのビオの走りというか、きっと、頑固で改革をしたくなかったから気がついたら20年経っていた、というのが正しいような気がする。。。
熟成は大樽で6年。それより、発酵期間が木樽で75日というのはすごい!60日位なら時々あるけど。。。いやー、まだまだいろいろなワイナリーがあるもんだ!(修行が足りない、を感じました。。。)
パィエの畑は、バルバレスコ村の南に位置。
色は、基本的なバルバレスコの色、ガーネット色。
香りは、かなり複雑で、深みあり。血、肉、ミネラル、花はカーネーション、菊のややドライ、フルーツはサクランボ、ブラックベリー、プルーンなど。茎、スパイス、腐葉土なども混ざる。ややアルコールが勝り、かなり伝統的スタイル。
味は、口に含んだ時、優しい。この優しさ、柔らかさは、ビオ系ワインに通じるところがあるような気がする。しかし、タンニンはしっかりある。優しさを帯びたタンニン。ミネラルあり。口の中にふわっと広がりがあり、後味がとても心地よくきれい。
エレガントで、長期熟成の可能性を感じる。
こういうバルバレスコもあるとは。うれしい新発見でした。それに、値段も良心的です。(45ユーロ程度)でも、手に入ればの話ですが。。。
(ところで、面倒なので、ワインの名前、eの上のテンテンは省略しました。)

”コッリオ・ソーヴィニオン・セグレ 2006” カステッロ・ディ・スペッサ

2007-10-19 16:49:27 | Friuli フリウリ
“Collio Sauvignon Segre’ 2006” Castello di Spessa -Friuli
このワイナリーは、良く知らないワイナリーだったが(飲んだことがあるにしても、あまり記憶にかなった)結構印象に残った。
ワインの色は、適当に修正が効くものなのであまりアテにはならないし、一つのインフォメーションとしてしか取らないが、人間は視覚から入ることが普通なので、やはり左右されてしまう。色はそれほど濃くもなく、つまり、普通だったのだが、これだけインパクトが強いワインだとは思わなかった。ただ、20ユーロ以上という値段がちょっと残念。まあ、フリウリのワインは全体にちょっと高めだが。
品種は、当然、ソーヴィニオン。
色は、とてもつやの良い、やや緑がかった感じのある麦わら色。
香りは、最初、ビタミン剤。つまり柑橘系の臭いだが、ちょっと薬がかった感じもある。(でも、決して悪くないので間違えないように。)やや未熟のリンゴ、カリンnesporaなどに加え、緑の香りが強い。香草、タイム、野生のアスパラガスなど。ミネラルもある。
味は、しっかりしたインパクトがある。ボディがすごい。そして口の中で広がりあり。塩味がしっかり、そして、味も持続性もとても良く、後味がとてもきれい。

”カルソ・ソーヴィニオン 2005” カンテ

2007-10-19 16:47:05 | Friuli フリウリ
“Carso Sauvignon 2005” Kante -Friuli
自然派ワイナリーである。非常に好感の持てるワイナリーである。
確固たるフィロソフィーがある。当然、ワイン造りに関しても、そして、ボトルにも。ボトルは、一般に使われている750mlではない。ボトルの形状、容量、注ぎ口の直径などを計算した上で、1ℓか500mlしか造っていない。500mlはやや小ぶりだが、1ℓのものは、750mlのを一回り大きくしただけで、かなり趣味の良いボトルである。
さて、ワインは、バリックで発酵、熟成。フィルターなし。
品種は、もちろんソーヴィニオン100%。
色は、かなり濃い目の麦わら色で、つやがとても良い。
香りは、ちょっと弱い。だんだん出てくるが、どうしてもやや弱め。しかし、その分エレガントである。白い花、白桃、白い皮のスモモsusina Biancaなどに、ミネラル臭がかなり感じられる。香りが全体に弱いとは言え、複雑性は良く、じわっと広がる感じはある。ほのかに緑の香りもきれい。そして、香りに変化があり、単調でなくとても良い。
味は、やや堅めの酸がある。そして、塩味がきれいに出る。味の強さは程よく、持続性は良い。後味に柑橘系に加え、ほろ苦さが残るがとても心地よい。ワイナリーと同様、とても好感の持てるワインである。
色からはバリックだと感じるが、それ以外、バリックのタルタルが全く出ていない。味付け程度に存在して、ワインの骨組みを造っている感じ。再び、RBのソーヴィニオンを飲む機会があったが、相変わらず強烈なタルタルで、大違い。あくまでも個人的な嗜好の問題だと思うので、どちらが良いとは言わないが。

”バルバレスコ 1996” ガヤ

2007-10-16 04:45:54 | Piemonte ピエモンテ
“Barbaresco 1996” Gaja –Piemonte
ご存知、超有名ガヤのバルバレスコ。畑名入りではないが、ガヤ自身も言っているように、畑なしが彼の真髄。いくつかの畑のブドウをブレンドして、いかにして持ち味を出すかである。
ガヤのバルバレスコ1996年ヴィンテージは、好きなワインの1本。最近はこの手(超有名、造っている人も超有名)のワイナリーのワインはなんとなく避けているが、1996年なら喜んでいただきます。(いただきました。~何故か突然丁寧語になります。)
品種は、ネッビオーロ100%。
色は、ネッビオーロにしてはかなり凝縮感のある濃いガーネット色。明るい色調で、まだルビーっぽさも残る。
香りは、とにかく華やか。まあ、ガヤはこうでなくちゃね。香りは強く、香りに肉厚感carnosita’がすでにある。桑の実、プルーン、ブラックチェリーmarasca、などの熟したフルーツに加え、カフェ、甘いリコリース、スパイス臭などが混じる。ミネラルも奥にあり。そして、まだバラなどの花の香りがあるくらい。華やかだが、派手、見掛け倒しではないから良い。
味は、インパクトが強い。太くボディがあり、噛めるような肉厚感masticabilita’がここにもある。酸がきれいで、タンニンも質がとても良い。味は強く、持続性も、太くはっきり長く続く。後味にフルーツとスパイスが混じる。
熟成は12ヶ月のバリック(うち40%が新樽)と12ヶ月の大樽。
1996年は、あと10年後に飲んでみたいものだ。