在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

ワインを語ろう ラツィオ州のワインの簡単なまとめ

2021-10-19 17:05:11 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
ここ数年、ワインとは関係ない記事が多く、特に、コロナ禍の帰国の記事や、はたまたイタリア映画の記事など。





でも、ちょっとワインの記事を書き始めたので、こちらにお知らせしておきます。

よろしかったらクリックして見てください。

イタリアラツィオ州のワインの紹介

ラツィオ州のキーワードは、

⭐️ 白ワインが多い

⭐️ ローマの酒蔵

⭐️ 法王様のワインもあるよ



初心者の方向けに、字数制限もあるため、とても簡単にまとめたものです。

このあと、イタリア全土の紹介を書いていく予定になっています。(現在4回目まで掲載)

不定期掲載ですが、よろしかったら、ぜひご覧になってください。



Montepulciano d'Abruzzo Villa Gemma 1995 Masciarelli

2018-12-07 14:28:52 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Montepulciano d'Abruzzo Villa Gemma 1995 Masciarelli



まだ家には90年代のワインが結構ある。

でも、このくらい古いワインになってくると、この手のワインが好きとか、好きでなくても興味がある人と飲まないと台無しになってしまう。
必ずしも状態が良いとは限らず、ダメになっている可能性も高く、それでも勉強になると思ってくれる人と開けないと、決して安いワインではないので、もったいない上に、ワインがかわいそう。

さて、ワイン好きの古くからの友人が家に来てくれた。

何を開けるか。。。。

いろいろあるのだが、その中で何にするか。。。。

ふっと目に付いたのがマシャレッリ。
それも1995年。
これがあるなんて全く覚えていなかった。

1995年。モンテプルチャーノ。うーん、ダメになっている可能性ももちろんあるのだが、いや、まだマッシャレッリ氏が生きていた頃のワインだし、ダメになっていない可能性の方が強いかも。

また、友人も1995年という古いヴィンテージに興味を持ってくれた。

ちなみに、モンテプルチャーノは、トスカーナの Vinon Nobile di Montepulcianoとは全く違うので誤解しないように。(品種はサンジョヴェーゼ)
アブルッツォの、品種がモンテプルチャーノである。


さて、ワインは素晴らしいものだった。



チョコ。それも、ふくよかなチェリーのコンフォを詰めた、品の良いチョコ。
その他のスパイスが香りに複雑味を添え、モンテプルチャーノによくある強さとか田舎っぽさが打ち消され、強さより長さ、洗練された香りを身につけ、とても素敵なものになっていた。

酸味も程よく、タンニンはビロードのようになり、喉を心地よく通る。
満足。+++++(+)

マシャレッリ氏、ジャンニ・マシャレッリ氏が亡くなったのはいつだったかと調べて見る。

2000年代の初め頃だったと思うが、ワイナリーを仲間たちと訪問したことがある。
あの頃にしては、素晴らしく綺麗なワイナリー、そして、見事な畑、訪問後に、大変素晴らしいレストランで昼食もご馳走してくださったのも覚えている。

それから、ヴィニタリーでブースを訪問した時に、本をプレゼントしてくださったことも思い出した。



それが、2008年の夏に突然、脳卒中で帰らぬ人になってしまった。

その後、どうなるかと思ったが、奥様がなんとか持ちこたえ、ワイナリーは未だに健在。

ただ、その頃は、イタリア各地で新しいワイナリーが生まれ始めていた時期で、最近はもうマシャレッリのワインはほとんど飲まなくなってしまったが、未だに優良ワイナリーとして存在している。



アブルッツォのワインの歴史を語る時に、絶対に外せない人であり、ワイナリー。

田舎っぽさ、土っぽさの残るモンテプルチャーノのワインを洗練されたものにした人の一人。

20年以上経っても、大変素晴らしいワインであったことに、嬉しいという以上に、おこがましいが、マシャレッリ氏の偉業を讃えたい気持ちになった。

ありがとう。

Cesanese del Piglio 2000 Casale della Ioria

2018-02-27 21:52:45 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Cesanese del Piglio 2000 Casale della Ioria



ガレージに置いている何十本かの1本。
ガレージは、家から少し離れているので、適当なものを適当に置いている。
まだワインクーラーのなかった頃にワイン用の棚を設置したのだが、ワインクーラーを購入してからはワインの保存には使わず、以前置いていたものがほとんどそのままになっている状態。

もうダメになっているものの多いだろうーなーとは思うのだが、ダメ元で開けてみた。

コルクが上手く開かず切れてしまったのだが、どうせ何度にも分けて飲むので、落とさずそのままにしている。(笑)

もう完全に飲めないかと思ったら、一応まだ飲める。

最初は硬くて、臭みもあり、あずき風、腐葉土、きのこ、東洋系のスパイスなどがいっぱい。タンニンが柔らかくなっているとはいえ、ぎこちない硬さがまだ残り、酸味と熟成臭、臭みが混じって、余韻まずまず、という感じだった。

きっとここで、ドボドボ、っと捨ててしまう人もいるだろうと思う。

しかし、数日置いておいたら、だいぶ良くなってきた。

腐葉土にクミンの香り、臭みは和らぎ、タンニンがまろやかになり、甘さを感じるほど。酸味が綺麗に立つ感じになり、余韻も熟成香というか、腐葉土というか、なかなか良い感じになってきた。

当時は、カサーレ・デッラ・イオリアのチェサネーゼが最も良いものだった。
今は他にも良いワイナリーがあるが、当時は、ちゃんとボトル詰めされ、流通していたチェサネーゼは数少なかった時代。

当時の蔵出しワイン。

17年以上たち、なるほどねー、という感じ。

やっぱり、ワインは面白い。


Capolemole 2016 Marco Carpineti

2018-02-08 00:01:03 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Capolemole 2016 Marco Carpineti




マルコのところでグラス売りをしていたので、飲んでみる。
カルピネーティは久々。
賛否両論のワイナリーだと思う。

正統派ビオ(という言い方もなんだが)で、それほど極端ではなく、つまり、ビオにしては比較的飲みやすい方だと思うが、好きという人とあまり好きではないという人がいつもいる。

別なところで、カルピネーティのスプマンテをグラス売りにしていた時、やはり同じだった。
好きで飲む人、どうも好きではないと言う人。
私は好きな方に入る。

さて、嬉しいことにカポレモーレはお財布にも優しい。
この値段(マルコのところではグラスで3ユーロ)で、この品質。



品種はベッローネ。

色は輝きのある綺麗な麦わら色。
すぐに柑橘、黄色い小さな花、奥行きとか複雑性というのではないが、程よい強さを持ち、まずまずの香りの長さがある。
アタックは存在感があり(ビオに良くある優しい感じではない)酸味もあるが、硬めのミネラル、そして塩味が酸味を覆い隠す感じがある。ややほろ苦さを感じさせる余韻がとても心地よい。+++(+)


Convenio Lazio Trebbiano 2015 Casale Certosa

2017-08-20 18:47:33 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Convenio Lazio Trebbiano 2015 Casale Certosa




これもロベルトのお店で購入したもの。

ビオ。ラベルからも、本物のビオ、かなり気合の入っている(笑)ビオとわかる。
アルコール度は低く(優しく)、ビオマークの下にビオロジカルワイン、とのはっきりした明記がある。



品種はトレッビアーノ。ふわっとしている。
熟したフルーツのふくよかな香りが広がる。
香りにすでに塩味があがり、また、熟した柑橘のプリッとした実を思い出した。

アタックは優しく、酸味が抑えられている分ふくよか。酸味はあるが、塩味に隠れ気味、とうか、塩味が酸味を完全に覆っている。程よく持続するが、塩味は残る。
ビオ、それもラツィオのワイン。

2本一緒に買ったうちでは、フルラーニの方が好きだったかも。+++

Cesanese del Piglio Campo Novo 2015 Casale della Ioria

2017-05-02 10:30:21 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Cesanese del Piglio Campo Novo 2015 Casale della Ioria



チェサーネーゼが結構好きというリクエストで頼んだ久々のイオリア。
最近はチェサネーゼも日本で知られるようになってきているのかと思うとちょっと意外。

チェサネーゼは間違うと飲めないので、一応確実なものを選ぶ。

その昔、一番美味しいチェサネーゼ、唯一飲める(ごめんなさい)チェサネーゼとしても知られていたイオリア。(ちゃんとボトル詰めして一般に流通しているものが少なかった時代でもある)

久々のイオリアで、ラベルがおしゃれになっていた。



香りはフルーツ、バルサム臭、スパイスなど、全体にホワッとして、何かが突出している感じではない。ニュートラルな印象。
酸味が、思うよりある。それがきりっと引き締めている感じで良いのだが、酸味が苦手な方にはちょっと強すぎる感じ。ほろ苦さが残る。ほどほどの長さの余韻。++(+)

Lotrozzo Rosso Le Coste

2017-04-08 14:08:19 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Litrozzo Rosso Le Coste
ラツィオのビオ



たまには何も考えずにワインを飲みたい。
しかし、ほとんどの場合そうはいかない。
なんの香りか、酸味はどうか、タンニンの質は、全体のバランスは、そして、何点??

ローマで最もこだわっている肉屋、食料品屋、リベラーティのロベルトのところに顔を出した。
出だしが遅くなってお昼になり、人も引けていてある意味いい時間だったのかも。
ロベルトがいつもの笑顔で出迎えてくれて、なんと近く住んでいるイタリア人と日本人のカップルの友人まで呼んで、たまたまお店に通りかかかったイタリア人も巻き込んでアペリティフのお昼になった。



マリーノ(アリッチャではない)のポルケッタ、チェウスコロではないが(マルケのやわらかーいサラミ)それに似たような柔らかいタイプのサラミは彼が作ったというし、もう一品のサラミも美味しい。そして、同じく絶品チーズ2種。

飲み物は当然ワイン。
人数が多くなったのもあり、1リットル瓶を開けた。
750mlではない。

昔はイタリアにも1リットル瓶が流通していた名残で、わざと1リットルという瓶。

ふわっとしたやさしい花の香り、飲むと、喉をスルッと通る。
アルコールも酸味もタンニンもほどほど、まろやか、とてもよくできた地酒。
ごくっごくっと飲みたい。(何も考えずに)

ロベルトのところにあるのだから当然ビオワイン。
それも正真正銘ビオワイン。
ラツィオは北のグラドリにある、これまたこだわり生産者のワイン。

品種はブレンド、Ciliegiolo, Merlotらしい。しかし、このワインはそんなことも考えずに飲むのがふさわしい。
そう、ヴィンテージも見てない。聞いてない。(多分2015)

お店を閉めて、しばしサプライズの楽しいひと時。

Capolemole 2016 Marco Carpineti

2017-04-05 23:59:44 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Capolemole 2015 Marco Carpineti




久々のゴッチェット、昼間に用事があって行った。
カルピネーティ、ゴッチェットでは、よくスプマンテがグラスワインで出ているのだが、今回はスプマンテはなく白があったので、久々に。



ラツィオの土着品種ベッローネを使ったカポレモレ。
カルピネーティは、ローマのバリバリのビオ。

色はやや濃いめ。
香りの強さはまずまず、ニュートラルな感じで今ひとつはっきりしない。
柑橘系の香りは上がってくるし、ミネラル風の香りもあるのだが、全体にぼやっとしている。
アタックは比較的優しく、酸味があるかと思うとそうでもなく、酸味より塩味が強い。ホロ苦さ、余韻が程よい長さで続く。
いかにもビオの臭さが以前はもう少しあったように記憶しているが、そんな感じはほとんどなく、かなり飲みやすくなっていた。 +++(+)


Bererosa @Palazzo Brancaccio ロゼだけの試飲会

2016-07-07 16:36:41 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
ロゼだけの試飲会 ベーレローザ ブランカッチョ宮殿にて
Bererosa @Palazzo Brancaccio



暑い。と言っても、例年より涼しいというか、寒いくらいの春が続いて、やっと暑くなってくれたと言ったほうが正しいかもしれないが、暑い。
この暑さの中、遺跡でも歩いたら、とたんに日に焼け、家に帰ると洋服の跡がくっきり。
これで水着になるとチョー恥ずかしいのである。(水着にならないからいいが。。。)

さて、この暑いさなか、毎年恒例となったロゼワインの試飲会が行われた。
主催は料理とワインの雑誌、Cucina & Vini。

少しずつ参加ワイナリーも増え、場所も変わり、ここ数年はブランカッチョ宮殿で行っている。

ブランカッチョ宮殿は、テルミニ駅の比較的近くにあり、街中にあるのに、まあまあ大きな庭園をもった宮殿。
結婚式なども行なえるのと、隣に同名の劇場があることもあり、ローマではよく知られている宮殿の一つである。

64年のローマの大火の時、ネロ皇帝が、塔から音楽を奏で、歌いながら火事を見た、という伝説があるが、その塔のあったのが敷地内にあたる、と言われてきた。
しかし、その時、ネロ皇帝はローマにはいなかったので、あくまでも伝説。
今ではウソだとわかっているが、長く、この地でと語り伝えられてきた、一応歴史的にも有名な場所。

おしゃれな庭園あり、宮殿は豪華なので、映画の撮影にもよく使われている。
最も有名なのは、ローマの休日の映画だと思う。
オードリー・ヘップバーンの宿泊した(という設定の)建物自体はバルベリーニ宮殿を使っているが、寝室などの内部の撮影はこちらのブランカッチョ宮殿を使用している。

かなりド派手、豪華な宮殿。
男性はちょっとくすぐったくなるだろうが、若い女の子が、わ〜、きゃ〜。。。となりそうな趣味。
シャンデリア、鏡がふんだんに使われ、自分の姿をもう見たくないおばさんにはちょっとイタイ。。。。

しかし、庭園のあづまやをチャペルに仕立てて結婚式も出来るし、お食事も暑い時は庭園で、または、宮殿内で豪華にと、いろいろなお好みに対応できるので、ご希望の方は個人的にご連絡を。。。。

というのは置いておいて、ロゼ試飲会は今年も大盛況だった。
業界の人間も来ていたが、一般の人も、入場料を払えば好きなだけワインが飲めて、おまけのグラスまで付いているので、食べ物だけは有料だが、幾つも屋台(もちろん日本のとは違って、雰囲気豪華)が出ているので、ちょっとしたデートや、友達同士できているグループがかなりいた。




私たちは、一応食べ物そっちのけで試飲。
と言っても、ちょっと歩けば知り合いに出会い、適当に挨拶し、おしゃべり。
肩のこらない試飲会。

ロゼは今の流行り。ちょっと流行りすぎな気もする。
昔は、一部の地域でしか造っていなかったし、数も少なく、ロゼを飲もうなどというイタリア人は皆無に等しかったのに、今は、大流行。

参加ワイナリーは50社以上、それも、ロゼスプマンテと、発泡ではないロゼとの両方を持ってきていたワイナリーもあったが、これでもほんの一部。
まだまだ他にもロゼを造っているワイナリーはある。(正直に言って、もっと美味しいロゼもたくさんある)

一番印象に残ったのが、120ヶ月熟成のロゼスプマンテ。70ヶ月というのもあったが、120ヶ月はかなりエレガントで、シャンペンと間違えそうな感じ。
結構おいしいもの、まあまあのもの、割と知られているもの、あまり知られていないものといろいろあった。もちろん、なにこれ?というのもまあまああったが。。。







Fiorano Rosso 1990; Fiorano bianco e rosso 6 vini フィオラーノ 赤白 計6種

2016-04-06 11:06:45 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Fioranello Bianco 2014
Fiorano Bianco 2013 2012
Fioranello Rosso 2013
Fiorano Rosso 2010 1990

このワインを知っていたら相当なイタリアワイン通だと思う。



ローマ周辺のソムリエ、古いソムリエは知っているかも知れないが、
それ以外ではかなりの通でないと知らないと思う。

たぶん、ローマの街から一番近いところにあるワイナリー。
ローマ近郊の産地と言うとフラスカーティが有名だが、それよりもっと手前、チャンピーノというローコスト便利用の小さな空港の近くにある。

このあたりは火山性土壌で、近くに2つのカルデラ湖がある。
うち一つのほとり(といっても高い所)には法王さまの夏の別荘もあり、ローマ近郊のドライブ地としては最適。

このあたりで雨の時、9割がた、上では降っているけれどワイナリーのある下では降っていないということらしく、微小気候はかなりいい。
なお、未だに、ボトル詰めは手で、ラベルも手で貼っているそう。
そうすることで、最終的な品質管理ができるというのもあるとのこと。

抜群に美味しいというのとは違う。
しかし、それはある意味エミディオ・ペペなどの優良自然派に通じるところがあり、つまり、美味しい、美味しくないの次元を超えて、そして、美味しい、美味しくないという感覚とは違い、飲み、楽しむものだと思う。

以前、尊敬するアルマンドがフィオラーノのフィオラーノ・ロッソの縦飲み試飲会を開いた。
2008と1994年から1971年まで(つまり大きく飛んでいる)合計11のワインの試飲。(つまり全ヴィンテージではない)
全て1ボトルの試飲で、だから15人程度のこじんまりとしたもの。
素晴らしい試飲会で、たぶんもう1度とないね~という試飲会だった。
忙しかったりして、アップしていないような気がするが、メモはあるので、そのうちアップするかもしれない。

フィオラーノはローマ県に位置し、1946年からの歴史あるワイナリーである。
もちろん歴史100年を超えているところもイタリアには多々あるが、今時の新しいワイナリーが多いなか、戦後すぐということはだいぶ古い。
所有は、ボンコンパーニ・ルドヴィシの王子様。プリンチペ。(すごーく若くて素敵~というのではないが、写真からするとかなりかっこいい!(笑))

4つのワインを造っている。
 フィオラーノの赤白(値段の高い方)
フィオラネッロの赤白(値段の安い方)
名前だけややこしいが、かなりわかりやすい(笑)

 白はヴィオニエとグレケット、安い方はステンレスのみ、高い方は木樽(大樽)使用
 赤は安い方はカベルネ・ソーヴィニオンのみ、高い方はカベルネとメルロー

このあたりもわかりやすい。
今時、あれこれまあいろいろな品種のものをたくさん出しているところからすると、シンプル、すっきり!



さて、フィオラーノの6種を試飲
まず白3種

Fioranello Bianco 2014(安い方)
2014年だから期待しないでいたら、思ったよりしっかりしている。もっと細く繊細かと思うと、意外に香りも味にも強さがある。収量をかなり減らしたとのこと。
それでも繊細さはあり、香りがとてもきれい。ミネラルと柑橘などのさわやかさ、グリーンがほんのり奥にある中、花とフルーツがとても綺麗に前面に出ている。酸もあるが、塩味に隠れる感じで、持続性は期待よりかなり長く、細く消えてしまうかと思うとそうではない。
新しいフィオラーノは近年畑を植え替えてしまっているので、もう期待しないという人も多いが、思ったよりかなりいい。++++

Fiorano Bianco 2013 2012(高い方)
どちらも濃いめの色合いだが、2013年の方が濃い。
2013年は最初だけ閉じていたが、一旦香りが出だすとどんどん出てくる。ややドライの花からフルーツ、パッションフルーツ、ドライフルーツなど。酸がもう少し欲しいところという感じなのだが、これは酸が少ないのではなく、甘みが優っている。存在感あり、非常に心地よいのだが、持続性は期待よりは若干短いのだけが残念。++++

2012年はかなり閉じていて、この手のワインによくある、ちょっと難しいタイプ。
ロウを感じたかと思うとあとはオレンジ、というよりマンダリンの皮。みかんを食べた皮が山になっている感じ。他はドライフルーツ、スターアニスなど。こちらは酸がきれいで、2013年より細味がある。持続性は期待通り。香りと味にかなりの共通性のあるタイプ。++++(+)

この2つはどちらの方が好きかと聞かれるとかなり迷う。
最初は絶対2013年と思うが、しばらくすると2012年が良くなり、1時間後にはまた意見が変わるかもしれない。。。。



次は赤3種

Fioranello Rosso 2013(安い方)
花とフルーツに、カベルネらしいグリーンが混じる。ピーマンではなく、薬草。ブルーベリー、タバコなど、なかなか良い。しかし、タンニンがびっくりするほど優しく、持続性には欠けてしまう。香りがかなり良いのに残念。+++

Fiorano Rosso 2010 1990(高い方)
2010年は、色がインクのように濃い。
香りは、キノコ。まさにキノコ。ポルチーニのやや混ざったシャンピニオンのリゾットを食べている感じ。ここまでキノコなのは珍しい。。。。。もちろんフルーツなどあるのだが、もうリゾットを食べている感じに支配され、あとは何も考えたくない。酸はまずます、個人的にはもう少し欲しいのだが、タンニンがしっかりあり、余韻は、今度はチョコ。リゾットを食べた後のデザートはチョコレート(笑)
と、書いているが美味。 ++++(+)

1990年は色がだいぶ抜けていて、透明感がある。
こちらもキノコ、ただし上品に。革、腐葉土、リコリース、鉄っぽさ、やや血の香りなども混じる。かなり複雑。酸味は当然あり、タンニンは完全にまろやかになり、ほとんど感じない。優しく、余韻が細く長く続く。++++
以前の試飲のメモを見ると、なんとこのヴィンテージだけコルク臭だった。。。。。

ちなみに今週末からヴィニタリー。出展しているので、興味のある方はぜひ立ち寄ってください~


こちらはラツィオ州では最も有名なワイン。
記事をいくつか書いています。。。

モンティアーノ ラツィオ ロッソ ファレスコ 2012 赤 750ml
ファレスコ(TUSCANY)
ファレスコ

7 rossi; Pepe, Marchesi di Grey, Conterno ecc. 赤ワイン7種、エミディオ・ペペ、グレジ、コンテルノ他

2016-03-18 09:35:39 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Montepulciano d’Abruzzo 2012 Emidio Pepe
Le Serre Nuove dell’Ornallaia 2013 Ornellaia
Taurasi Radici 2010 Mastroberardino
Barbaresco Martinenga 2009 Marchese di Gresy
Rosso del Conte 2007 Tasca d’Almerita
Aglianico del Vulture Serra del Prete 2012 Musto Carmelitano
Barbera d’Alba Francia 2012 Conterno



友人ルカの主宰する試飲会。
ブラインドではない場合とブラインドの場合があるが、今回のは完全なブラインドだった。
わかっているのは赤ワインであること、イタリアワイン、そして金額が24-32ユーロということだけだった。

ルカの試飲会は、彼がポケットマネーで買うワインというのがコンセプトなので、例外を除いて、ワイナリーから提供を受けたワインではない。
利益のためにやっているわけではないので、参加費も安いし、ワインも比較的エコノミカル、高級なワインは少なく、たまにブラインドですごく安いワインを混ぜたりして面白い。
つまり、10から15ユーロ程度のワインをベースに、少し高いワインと安いワインを混ぜるということが多いのだが、今回は、全てが24から32ユーロというかなりバジェットの高いものだった。

まず、基本となるワイン、つまり通常の値段のワイン(10ユーロ程度)を1本。
ルカが自家消費用に買っているドルチェット。(別ページ参照)
そして、7本の順番はくじ引きで決めるというこりよう。
ただし、ボトルには「印」が付けてあるので、ルカだけは順番がどうなってもワインが何かわかっている。



Montepulciano d’Abruzzo 2012 Emidio Pepe
最初、素晴らしく素敵だった。すぐにビオとわかる香り、しかし、臭みが強いわけではなく、エレガントで、デリテートで余韻が長く続き、タンニンも繊細。しかし、最初のワインだったこともあり、1時間後には残念ながら臭みだけが出てきて、良さがほとんど消えていた。最初++++(+)最後+++

Le Serre Nuove dell’Ornallaia 2013 Ornellaia
すぐにカベルネが入っているとわかる。偶然だがガラッと変わって、太さ、強さがあり、作られたワインだとわかる。タンニンはまろやか、持続性もよく、フィニッシュにも存在感が残る。30分後にはチョコ、カラメル、カカオなどで出てきていた。良いワインだとわかるが、個人的にはちょっと作られた感が強すぎ、が印象。+++(+)
ラベルをオープンにすると、なるほど。なお、これだけバジェット以上のワイン。


Taurasi Radici 2010 Mastroberardino
灰の香り、私はキノコ系、そして、しばらくしてクミンなど、意外な香りが続出。アニマル系、ビオ系の臭みとは違う。酸があり、持続性はまずまず。塩味がかなり印象に残る。+++(+)

Barbaresco Martinenga 2009 Marchese di Gresy
色がかなり薄く、外観ではピノ・ネーロかと思ったが、香りは違う。ネッビオーロ。花の香り、野いちごなどとてもきれいで、エレガント。タンニンが繊細で持続性も申し分ない。+++++

Rosso del Conte 2007 Tasca d’Almerita
これはアニマルの臭みがある。ふくよかさがあり、その中にミント風の香りも混じり、アルコールがやや上がってくる。味は野菜のブロード、ゆで卵の香り。。。(ごめんなさい)持続性は悪くないし、ふくよかさと、太さ、存在感はある。++++


Aglianico del Vulture Serra del Prete 2012 Musto Carmelitano
鉄、ミネラル、バルサミコ、革、オレンジ、酸もあるのだが、その直後まろやかさも出ていて、しかしタンニンもしっかりある。持続性も悪くなく、余韻に小豆を感じたり。複雑というわけではないのに、悪くない印象。++++
これは実はバジェット以下のワイン。

Barbera d’Alba Francia 2012 Conterno
花、フルーツ、ミネラル、血の香り、複雑でとても良い。酸がきれい、しかし強くはなく、タンニンが繊細、持続性がよく、かなり好み。+++++
と思ったらバルベーラだった。それもコンテルノ。好きなわけだ。

完全なブラインドで、全く何かわからない状態でワインを飲むと、いろいろな香りが出てくる。
つまり、わかっていると、この香りがあるはずという先入観が働くので、それをヒントに頭が動くが、「無」からは面白いものがたくさん出てくる。

5 Trebbiano d'Abruzzo; Madonna, Pepe, Masciarelli ecc.トレッビアーノ5種

2016-02-21 19:00:08 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Trebbiano d’Abruzzo Biologico 2014 Cantina Tollo カンティーナ・トッロ
Trebbiano d’Abruzzo 2014 Cataldi Madonna カタルディ・マドンナ
Trebbiano d’Abruzzo 2013 Emidio Pepe エミディオ・ペペ
Trebbiano d’Abruzzo Marina Cvetic 2013 Masciarelli マッシャレッリ
Trebbiano d’Abruzzo Altare 2013 Marramiero マラミエッロ



イタリアでは風邪が流行っている。ずっと昔、冬はマイナス10度以上になる国に駐在していた友人がいて、風邪ひくでしょ~と聞いたら、風邪菌が生きてられないからひかないと言っていたが、イタリアの中途半端に暖かい冬は風邪菌にとってきっと最高に居心地が良いのではないかと思う。
さて、それほどひどくはないので、無理をしてはいけないと思いつつ、家から車で5分かからないところにあるアウグスト氏のエノテカ、Di Biagioの試飲会に顔を出してきた。
しかし、風邪のせいで、ボトルの写真を撮るのをすっからかんに忘れてしまい、家に帰ってから気がついた始末。

さて、今回のテーマはトレッビアーノ・ダブルッツォ。
アブルッツォ州はローマのあるラツィオ州のすぐ東側の隣、ワイン界では若干地味な立場にあるのではないかと思う。
つまり、キャンティやブルネッロのある華やかなトスかーナ、バローロ、バルバレスコの風格を持つピエモンテ、アマローネのあるベネト、白ワインでは最も品質が良いフリウリ、幸い観光客も多く、よく知られているカンパーニア、人気のシチリアなど結構特徴を持った州が多い中、アブルッツォの影は若干薄い。

赤はモンテプルチャーノ・ダブルッツォ、白はトレッビアーノ・ダブルッツォ、そしてロゼのチェラスオーロはかなり赤に近いしっかりした物が多くおすすめなのだが、他の州の華やかさ、ラインアップには負けてしまうような気がする。
(ところで、モンテプルチャーノはここでは品種の名前で、トスカーナのモンテプルチャーノのワインと決して混同しないように。後者は町の名前から来ていて、主要品種はサンジョベーゼ)
その分値段も比較的安く嬉しいのであるが、個人的に、白ならお隣のマルケ州のヴェルディッキオが好きでよく飲んだり、赤なら若干土臭さのあるモンテプルチャーノよりキャンティ・クラシコを選んでしまうことが多いので、結構スルーしてしまうワインである。(ごめんなさい~)
それでも、アブルッツォというと、いくつか超がつくくらいのワイナリーがある。

まず一つがヴァレンティーニValentini。(ややこしいことに、ラ・ヴァレンティーナLa Valentinaというワイナリーもアブルッツィオにあるので、決して混同しないように)
赤のモンテプルチャーノも有名であるが、意外と白の方を高く評価する人も多い。私もその一人である。

今回の試飲でも出たペペ。完全ビオで、意図的に変えていなければ、未だに足踏み、ラベルも手張りのはず。こちらは白もいいが、赤のほうが良いと思う。ヴァレンティーニ並みというと反論はあるだろうが、これまた長くもつワインで、古いワインを直接ワイナリーから買えるのだが、どんどん値段は上げている。つまりリリースされた直後なら25-30ユーロで買えるものが、20年程度経ったものだと200ユーロになったりもしている。ある意味保管料のつもりだろう。
だから、リリースされた直後に買って、自分で(ただし丁寧に)保管しておくというのが一番安上がり。

そして、マッシャレッリ。今回のワインの1本でもある。マッシャレッリ氏が亡くなってもう随分経つが、東欧出身の奥様が頑張っている。一時はどうなるかと思ったが、品質を落とすことなく続けている。

さて、今回の5本。
Biologico 2014 Cantina Tollo
全く知らないワイナリーで、ラベルも見たことがないような気がするのだが、ビオロジコという名前が実に大胆。それでは若干臭みがあるのかと思うと、むしろ逆でちょっとびっくり。ステンレスということになっているが、モダンな雰囲気を漂わせ、ほのかに木の香り??標高が低いからか??うーん。ビオは別にして、香りもある程度あり、味もよくあるように消えてしまうこともない。不思議なワイナリーだと思っていたところ、同意見のアウグスト氏が店頭に置いてあるガンベロ・ロッソを手に取ってみる。小さなワイナリーかと思ったら、実は巨大なワイナリーで4000haの畑を所有。。。。(400ではない)そして、値段がびっくりするくらい安く、5ユーロ台。今時、これだけ安い値段でこの品質はなかなかお目にかかれないような気がする。+++

Cataldo Madonna 2014
カタルディ・マドンナは個人的に好きなワイナリー。赤は久しく飲んでいないが、白は時々飲む。ペコリーノ(品種)の「ジュリア」は、ペコリーノらしからぬ、まるでソーヴィ二オンを思わせるくらい透き通った緑のイメージ。トレッビアーノもシンプルながら洗練されていて、非常に飲みやすい。++++

Emidio Pepe 2013
完全ビオで、今では超有名ワイナリー。初めて飲んだのは15年くらい前だろうか。赤で、若いのと、その時すでに10年態度は経ったのを比較して飲んだのだが、結構衝撃的だったのを覚えている。その後は、ジェネレーションが変わり、試飲会にもよく参加するようになり、古いヴィンテージものも結構飲むが、いつも超熟ワインだと感心する。むしろ若くして飲むほうが美味しくないというか、もったいない。先のビオとは違って、ちゃんとビオらしい香りと味を備えている。++++

Masciarelli 2013
昔は木の樽の香りが強かった気がするが(ワイン界全体の傾向でもあった)今はそれも落ち着き、エレガントさと強さ、華やかさと落ち着きをバランスよく持っていると思う。香りは複雑で甘さもあり、味は程よい酸味がエレガントさを増している。++++(+)

Maramierro 2013
一見良いのだが、どうしても無理やり作った感じと、マッシャレッリあたりを手本にしたいがそこまでたどり着いていない感じが出てしまう。香りは華やかで一瞬受けるが、奥に複雑なものがあるというわけではなく、味もエレガントさに欠けるところがあり、大勢でわっと開けるにはかなり受けるだろうが、じっくりゆっくり飲むタイプではないような。+++

なかなか面白いラインアップで、試飲会としては面白かった。
しかし、先週のネッビオーロはさすがにかなりのにぎわいであったのだが、今週の人の入りはまずまず。おかげでコンディションが悪い中ゆっくり試飲できたので良かったのではあるが。行けなければ仕方がないが、ネッビオーロは行く、トレッビアーノは行かないという決定をするとなれば、かなりもったいない。

1時間程度の試飲後、エノテカから自宅のベッドに直行。
今日のブルネッロのアンテプリマは断念。。。。残念。




イタリア好き

2015-06-07 14:55:27 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
イタリア好き



「イタリア好き」の雑誌を佐々木さんからいただいた。
ローマ特集、ローマで肉屋に行こう
表紙は、bottega liberatiのロベルト氏。

いいねーと思わず唸る。
ローマの肉屋と言ったら、liberati。そして、肉職人(という言葉があるかは知らないが)と言ったらロベルト氏。
もちろん他にも良い肉屋はたくさんあるし(例えば私の家の近くにもとても良い肉屋があって、とても繁盛している)、素晴らしい人は多いが、黒いエプロンにオレンジの帽子の彼は絵にもなる。


中身はとても充実していて、フリーマガジンとは信じられない。
マンマのレシピは、思わず作りたくなるし、レストランの紹介は、ご贔屓のArmand al Pantheonも出ている。
(ちなみに、アルマンドで歴史的に使っているジノリのお皿のかわいらしいオリジナルデザインは、私の親しい友人、最近はエキスポ、イータリー館の人参の女性の彫刻でちょっとした話題になったルイジ・セラフィー二氏。)

この前、佐々木さんとご一緒したアンジェロ氏も絵になってる。

そのほか、ちょっとした情報がさりげなく出ていて、とても良いし、写真もとても綺麗。
気張らず、さらっと読める大きさ、厚さも嬉しい。
こういう雑誌、ながーく続いてくれたら嬉しいのだけど。


アブルッツォワインの試飲会

2015-04-24 11:13:34 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
アブルッツォワインの試飲会






スペイン階段の一番上、広場を見下ろす角度、向かって右側に、ちょっと派手だが景色最高のカフェがある。
ソファのある、ゆったりしたオープンテラスになっていて、良い季節にはちょっと派手な着飾った人々で賑わっていることもある。
よく見ると入口もあり、そこからカフェだけでなく建物内に入ることもできるが、建物の下から入るには、地下鉄のスペイン広場駅と接続されている通路に入る手前、右側になる。
かなり小さな建物だし、下から入ると上がどことつながっているかよく分からない感じだが、一番上に出ると素晴らしい景色のあるおしゃれなカフェ、というロケーションである。


もうずいぶん前、ここを本拠地にして、ローマ・インターナショナル・ワイン・アカデミーという、英語でも講義を行うワイン・アカデミーが設立された。当時、時々、興味深い、一般向けも含めた試飲会を時々やっていたが、いろいろ変遷があり、音沙汰のない時代を経て、最近また少しづつ、主催者は全く別だが、試飲会が開かれるようになっている。
参加ワイナリーの数がそう多くはなく、あまり派手な宣伝をしていないこともあり、訪れる人がそう多くはない。しかし、逆に、飲む方にとっては、ゆったりしていて、親しみやすい雰囲気でありがたい。

そこで、昨日、アブルッツォワインの試飲会があった。
参加ワイナリー数は悪くなかったのだが、今回は、各ワイナリーが1種しかワインを持ってきていないのがちょっと残念だった。
せめてトレッビアーノとモンテプルチャーノ、赤白1種づつとか、ステンレスと樽使いの2種とか持ってきて欲しかったのが本音である。
そんなわけでは、合間におしゃれなおつまみが数皿出るので、つまみながらさらっと試飲。


参加ワイナリーのリストは以下。
数は少ないが、質の良いワイナリーばかりで、カタルディ・マドンナを中心にして結構まとまっているというのが好印象。






Casal Pilozzo Colle Gaio 1995 1998 ed altri カサル・ピロッツォ

2014-11-09 08:15:36 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Casal Pilozzo - Frascati  カサル・ピロッツォ
Colle Gaio 1995 1998
Malvasia 2004 1997 1993
Grechello 1995 1994
Pinot nero 2006
Dedo 1997 1993




ワインの世界は広い。ワイナリーは星の数ほどあり、また、タケノコのように新しいワイナリーが生まれ、新しいワインが生まれ。
しかし、それだけではなく、古くからあるワイナリーの中にも一般に知られていないワイナリーがたくさんある。
Casal Pilozzoも良く知られていないワイナリーの一つになる。もちろん知っている人は当然いるし、いくつかのワインがいくつかの賞を取っているのだが、マイナーなワイナリーに入る。
先日行われた試飲会に出ていて、信頼できる友人のパオロがとてもファンで故意にしていたので、じっくりと飲んでみた。
そのワイナリーが今週末、3日間にわたり、ノヴェッロのお披露目と題して、ワイナリーを大々的に解放したので、行ってみた。

以前、友人パオロに言われて、ブラインドで飲んだことが数回はあると思う。
その時も、また、先日の試飲会でもそうだったのだが、このワイナリーの特徴は古いワインである。
それもフラスカーティにあるので、白ワインを主に造り、20年ほどたった白ワインである。
逆に新しいワインを勧めない。
(もちろん、ラインは二つに分けられていて、下のラインはごく普通の新しいヴィンテージのものを出している。話しているのは上のラインのワインの方で、毎年造っているわけではない。)
一番新しいColle Gaio(白)が2010年ヴィンテージだというので、白でも3年経ってから販売しているのである。
その一番新しいヴィンテージを飲んでみたいのではあるが、古くならないと勧めないので(ちょっと笑)、今回も飲む機会はなく、逆に90年代の、20年かそれ以上たったものを主に飲んできた。

驚きは、まず、このワイナリーがフラスカーティにあることである。フラスカーティは水のような、軽くて、早飲みタイプの、安価なワインが造られているところである。つまり、持たせようとも思わないのだが、思ってもたいていが持たないと思う。
次に赤ワインの古いのも悪くはないのだが、白の方が断然良い。普通は赤の方が持つのに、逆である。
そして、長熟タイプの白ワインなのに、透明なボトルに詰められ、これで十分持っている。

ワインは、新しいヴィンテージを飲んでいないで、リリース時点でどんなワインなのか今一つ分からないのだが、特に酸味が強いわけでもなく(つまり保存料が特に効いているわけではない)、全体のバランスが良く取れているものが多い。ただ、比較的シンプル、つまり、複雑でないわけではないが、よくこれでこれだけ持つと思うくらいはシンプルで、全体に味の持続性があるわけではないのだが、心地よいフィニッシュを持っている。




ワイナリーは見事で、ローマ時代に掘られた地下廊下部分を倉にして、90年代のワインがまだまだかなり保存されている。それもかなり広く、また、奥には、ローマ時代以前を起源にするかも知れないと言われる初期キリスト教会の祭壇が残っている。
また、テラスからはローマが一望のもとに見渡せ、素晴らしい夜景を見せてくれた。

以下、試飲したワイン。ただし、立ち飲み、また、適当にボトルを開けて振舞っていたこともあり、順不同の試飲だった。



Colle Gaio 1995 品種はマルヴァジア・プンティナータ。いきなり、ほぼ20年の白から始める。前述のようにボトルは透明、色はきれいに黄金色で、それ以上ではなく、輝きがあり、ほぼ20年たっているとはとても思えない。香りは華やかな面と落ち着いた面が交互に出る感じで、ともするとリーズリングのような石油系の匂いがふっと混じる。残念ながら、どのワインも味の持続性がすごく長いわけではないのだが、フィニッシュはきれい。疲れたところ、枯れた感じはなく、ヴィンテージを知らなければ、絶対にほぼ20年たっているとは信じられない。ワインとしては+++だが、ヴィンテージを考慮すると++++
1998 続けて飲んだわけではないが、個人的にはこちらの方が好きかもしれない。マルヴァジアと比較して、やや重たいが、個性がよりある。同じく、ヴィンテージを考慮して++++

Malvasia 2004 Colle Gaioの後に飲むと特にデリケート過ぎてその特徴がつかめないが、飲み込んで行くと、優しく、非常に心地よく飽きないと言えそう。2004年はまだ若いのだが、バランスの取れ始めで心地よい。+++
1997 柔らかさが出ていて、印象が大変きれい。余韻も長い。++++
1993 香りが比較的強く、味もインパクトがあるのだが、やや短い。途中で消えてしまう。++(+)ヴィンテージを考慮すると+++

Grechello 1995 心持ちほろ苦い余韻。++(+)
1994 トースト臭、ドライフルーツの香りなど、興味深い香りに加え、味もインパクトがあり良い。+++(+)



Pinot Nero 2006 スパイス、熟したブラックチェリーのアルコール浸け。++
Dedo 1997 カベルネ・フランとメルロー。余韻が消えてしまう。+
1993 ++