在イタリア、ソムリエワインノートとイタリア映画評論、他つれづれ appunti di degustazione

ソムリエ 20年、イタリアワインのテイスティングノートと、なぜか突然のイタリア映画評論、日本酒、日本茶、突然アートも

Mater Matuta 1997 Casale del Giglio

2013-12-22 18:59:00 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Mater Matuta 1997 Casale del Giglio
Syrah 85% Petit Verdot 15%



最近はワインを外で飲むことが多くなった。試飲会、ワインバーなどで飲む。そこで家飲み用のワインを買う頻度が少なくなっている。または、買うとなったらすぐに飲むのではなく、しばらく取っておくために買う。そこで、新しいヴィンテージの、気軽に飲めるワインが正直ほとんどない。そこで、ワインクーラーを見回し、なんとなく1997年のこれを開けてみた。

ラツィオのワイン。正直、どうせダメになっているだろう、と思って開けた。
ところが、これがかなり良かった。
たしか、ガンベロ・ロッソのトレ・ビッキエーリを取ったように思う。そこで、ちょっとおいておいてみようかと思って、そのままになったワインだったように記憶している。まだ結構トスカーナや南やローマ周辺のワインを飲んでいたころに買った1本。

色はすっかり茶系の色合いかと思ったら、これがかなりきれいで、ビビッドなガーネット。爪はオレンジ系になっているが強くなく、よく見ると、という程度で、深みの中に輝きがある。ちょっとびっくりな色だった。
当然アニマルが出ているが、もっともっとすごい感じで出ているかと思ったら、これもそうではなく、腐葉土、バルサム臭、キーナなど、よく熟したワインらしい香りで、強さが十分あり、なかなか複雑。
味もインパクトが十分あり、タンニンはまろやかで、持続性も十分あり、ほろ苦さのまじる後味が心地よい。

ラツィオのワインは、最近Cesanese、というよりPiglioと呼ぶべきなのだが、Casale della Ioriaのワインの相当古いヴィンテージを飲んで、しっかりもっているのに感心したが、見直すところはあるように思った。


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Montepulciano d'Abruzzo 1957-1969 Valentini

2013-12-20 10:07:44 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Montepulciano d'Abruzzo Valentini
1957 +++
1958 +
1960 +++
1965 +
1966 ++++
1967 +(+)
1968 ++++
1969 +



50年以上飛んで今度は1950年代から。それでも古い。なかなかお目にかかれないヴィンテージ。





1957
暗いトーンのガーネット。しかし、すでに茶色系になっていてもいいくらいなのに、まだこの色合いを保っている。きれいな透明感、そして輝きがとてもよい。
アニマルの香りが最初にちょっと出るが、決して強くないし、かなり繊細でエレガント。タロッコオレンジ、腐葉土、ドライフルーツなども含め、熟成香りがそれはきれいに出ている。透き通るような香りでかなりよい。
味にも非常によい熟成が出ている。酸がきれいで、そこに加わる塩味とのバランスがよく、ほのかなアーモンドの香りが味の余韻を占める。とても心地よい。50年以上たったワインだとはとても思えない。というより、50年たってこうなるワインこそが本物のワインだと思う。と言い切ったら、世の中はニセモノのワインだらけになってしまうが・・・

1958
イワシ風の海の香り、アニマル、ドライフルーツ、腐葉土など。
酸がかなり出て、絞ったオレンジの余韻。

1960
たぶんボトルをかなり揺らしたのだと思うが(この辺でサービスする人の緊張も少し解け、だいぶボトルが揺れているのがわかる)澱がかなり出ている。
カフェ、チョコレートが強い。還元臭あり、さび、トマトのコンフィ風、煮詰めた香り、コットもわずか出ている。
味のほうはインパクトが大変よい。味にまだまだパワーがあり、酸が締め、塩味も程よく余韻が長い。
香りはまあまあ、かなり個性的だと思ったが、反して味が非常によい。

1965
オレンジで、わずか濁りが見え、完全に透明ではない。色はかなり薄く、他とは全く違う色合い。
香りの奥にアニマル臭。トースト集がやや強く、線香の香り、キーナ、カフェ、それもややインスタント風といっていいかもしれない感じ。全体にほのかに漂う感じがエレガントといえなくもないが、品質がやや劣り、エレガントより全体的にワインの本質が欠けているという感じ。
酸がきつく、バランスが悪い。繊細だか、痩せている感じで余韻も細い。

1966
打って変わって、ガーネット色がかなり濃い。爪に若干のオレンジ色が見える。大変魅力的な色。
閉じている。そして、だんだんと出てくるが、よい。非常によい。ラバルバロ、キーナ、タロッコオレンジなど、どんどん出てくる。かなり複雑でよい香り。
味のインパクトがよい。最初酸がやや少ないかと思うが、じわっと出てきて、際立つほどではなく、全体の構成のバランスが取れて素晴らしい。余韻も長く、非常によく熟成しているワイン。

1967
66年よりよりガーネットで、濁りが見える。
還元臭、イオウ臭、肉、血の香りに加え、奥にはやや臭みがある。ただし、臭みは不快な香りではないが。
酸が際立ち、これはちょっと気になる。痩せていて、余韻が細い。

1968
かなり濃い目のガーネット。爪がオレンジ。
最初閉じていて、だんだん出てくるが、フルーツに花の香りが混じる。60年代でほのかに花の香りが上がることはたまにあるが、やはりある意味感動的。金属的な香りがエレガントさを与えるし、奥にはほんのり甘い感じも出ている。
当然甘くはないのだが、甘いくらいの心地よいインパクト。アルコールがまろやか、というのとは違う、本能的に感じる甘くやさしい心地よさ。著わが見事に取れている。余韻は長く、非常に魅力的。

1969
ガーネット色、クミン、オリエンタルスパイスの香りが混じり、バランスが悪い。
酸が際立ち、こちらもバランスが悪く、全体の構成がよくない。余韻も短く、強くはないが苦味が残る。
アルコールが非常に高く、酸が多く、雨の多かった年との事。ワインが麻痺して、熟成が止まってしまうのだそうな。

みてわかるが、毎年違う。それもちょっとやそっとの違いではなく、まるで、全く違うワインに感じるほどの違いがある。そして、これが、本当の、農産物としてのワインだといえると思う。よい年は、本当に神の恵みだろう。

Montepulciano d'Abruzzo 1880 1890 1896 Valentini

2013-12-19 17:46:53 | Lazio, Abruzzo, Molise ラツィオ他
Montepulciano d'Abruzzo Valentini 1
1880 +++
1890 +(+)
1896 ++++
(星の数は3つを基準にして、3つでかなり良く、それ以上の4つは非常に素晴らしい、という個人的、勝手な基準)
(3 stelle è molto buono, cioè buono 'normale' e 4 stelle è più che 'molto buono' cioè eccellente)





ローマのAIS、現在は正確にはBibendaでValentiniの試飲会があった。
試飲会の予定が発表されて、早くに気がついた人のみが参加できたと言っていいかもしれない。すぐに満席になり、ええー、売り切れ!?と嘆いた人がたくさんいた。
最初の予定は1890年から28ヴィンテージ、うち1ヴィンテージがVin santo、だった。これで140ユーロ。高いか安いかはそれぞれだろうと思うが、なにせ、一番古いヴィンテージが1890年、高いはずはない。(個人的意見)
私が申し込んだとき、すぐその後売り
切れになったので、もしかしたら、ゲットしたのは最後の席だったのかも。




結構ぎりぎりになってぱらぱらと人が集まるいつもの試飲会と違って、結構早くから参加者が来ていた。
会場に入ると、ずらっとボトルが並んでいる。各ヴィンテージ4本ずつ、ずらっと並び、ラベルが貼っていないものも多いが、貼ってあるものはラベルが同じなので、数えようとすると頭がくらくらするので断念。
当然、古いヴィンテージのボトルは埃をかぶり、ラベルはカビで覆われている。
私が着いた時は、有名ジャーナリストのブルーノ・ヴェスパがボトルのそばで試飲をしていた。
席にグラスは一人31個。そこで、結局、合計28ヴィンテージではなく、31ヴィンテージ、うち1ヴィンテージがVin santoであった。
そして、最も古いヴィンテージが1890年ではなく1880年という「おまけ」までついていた。
いつもは定時に始まる試飲会だが、かなりの人がなんとなくボトルの回りに集まり、席に着かない。見ているだけで壮観、とはみんな思ったと思う。時間をだいぶ過ぎ、促されて、やっとみんなが席に着き、歴史的な試飲会が始まった。
ValentiniからはFrancesco氏と息子、将来の経営者になる、まだ若いGabriele氏の二人が来ていた。会場に映し出されている写真は、1880年代の3本のワインを造ったGaetano氏。
参加者は各ヴィンテージ4本ずつなので60-70人程度。
140ユーロは高い、と思う人は来ていなかったし、結構なメンバーが集まっていた。

AIS(現在はBibenda)は、古いヴィンテージから試飲を始める。普通の試飲会なら個人的には新しいヴィンテージからのほうが好きだし、新しいヴィンテージから試飲する団体のほうが多いような気がするが、今回は古いヴィンテージからが正解だと思う。なにせ数が多いので、最後のほうは、どうしても集中力が鈍ってしまう。

全部をアップするまでにはかなりかかると思うが、とにかく1800年代の3本。


1880
今から132年前のワイン。なかなかというよりめったに飲む機会はないと思う。今回の1880年代の3つのワインは、何故か、オイルを入れるような15リットルの容器に入れてあって、長い間忘れ去られていたと言う。50年代に入って1リットルのボトルに移し変えられ、消費されたものが多いが、今回のボトルは残り少なくなったものなのだそうだ。

色は琥珀色。若干薄い感じと、やや濃い目と、ボトルによって微妙に違うが、遠くから見る限り、大きな違いはない。見事な透明感、輝き、美しいコニャックの色合いである。
ワインの色は、最終的には色が落ちて透明になるというが、透明になるにはまだまだかかりそうな感じである。色だけでもすでに感嘆の域。

一瞬、還元臭があったかと思うが、すぐにほのかに香りが上がってくる。別のボトルにあたった人と交換してみると、残念ながら、私にあたったボトルはやや香りが弱いが仕方がない。香りの全体像には大きな変化はなかった。
甘い香り、かなり甘く、蜂蜜の香りがする。コルベッツォロか栗。干したフルーツの香り、プリンかと思うくらいクリームの香り、カラメル風、薬草の香りがほのかに、キーナ、白檀、カモミールなど・・・ほのかで、やや弱いがどんどん上がってくる。そして、1時間後も同じように香りが上がって、まったく消えていなかった。ジェヌインで、今時の造ったワインの香りではなく、非常に自然で、透明感のある素敵な香りだった。
味は反して、つまり非常に甘い香りと対照的に、当然辛口。酸がきれいで、ややほろ苦さがある。まだワイン、つまり、衰えやら、臭みやらはなく、生きて変化しているワインである。50年もたたないうちにどれだけ多くのワインが死んでしまうかと思うと、感動的でもある。全体に細いが、繊細で、ガラスのようでもあり、わずかほろ苦さのある余韻が続く。


1890
色は非常に似ている。とにかく、輝きが素晴らしく、120年以上前に醸造されたものとは信じられない。
80年と比べて香りがやや強い、というかはっきりしている。しかし、80年ほど繊細な感じではなくややオイリーな感じを受ける。香りの傾向は似ていて、蜂蜜、ドライフルーツ、薬草、香草などだか、ややアーモンド風の香りが混じる。
味は80年とはかなり違う。塩味が強く、酸味がやや少ないうえに塩味が酸味を隠しているところがある。ほろ苦さが強く、塩辛さとほろ苦さが余韻に残る。


1896
琥珀色の色合いは同じだが、澱が混じっていることもあるが、やや濁りが見える。そこで、輝きはやや劣る。
わずかにエナメルの香り。やや還元臭が強い感じがするが、同じく甘く、栗の蜂蜜、クリーム、カラメル、カフェ・クリーム、バルサミコ・・・甘いが、80年よりは甘さが抑えられている。80年のほうがダイレクトで、こちらのほうがオブラートに包まれた感じで複雑。
味は、びっくりするほどインパクトがよい。しっかりと主張がある。酸味がきれいで、ほんのりほろ苦さがとても心地よく、カフェ風の余韻が残る。後味は長く、きちんとした主張を持ち、かつエレガントでとても印象がよい。

1880年のボトルで大変良いものに当たった人はそちらの方が良いと言うかもしれないが、個人的な感想は1896年が素晴らしかった。

Chianti Classico Riserva 1995 Castell'in Villa

2013-12-05 14:32:14 | Toscana トスカーナ
Chianti Classico Riserva 1995 Castell'in Villa



ファブリッツィオのエノテカ、ワインバーLa Barriqueに時々行くようになって久しい。
業界の人間は恐ろしいことに(?)結構つながっている。
ファブリッツィオは顔が広いので当然だが、彼の経営するワインバーは割と自然派もの、それもいまどきの「ニセモノ」ではない、本物のビオをたくさん置いているので、他のエノテカとは微妙に違うと思っている。
そのファブリッツィオとパオロが親しいとは知らなかった。
突然、明日はBarriqueね、と言うことになり、同じくファブリッツィオと親しい友人にも声を掛けて数人で飲むことになった。
パオロがフランスとドイツで買ってきたワインがあるので開けることに。



ファブリッツィオはシャンペンに非常に詳しいので、軽くシャンペンから。
そして、Pfalzのリースリングのトロッケン、アルト・アディジェ、ムルソー、ボカと開けて、おしまいになるはずだったのだが、店内人も少なくなり、夜もとっくに更けて。。。






というころ突然Trimaniのパオロが来たのでした。
こうなると当然、また何か開けることになるわけで、アルペペのサッセッラを開け、もう完全に内輪だけ、これでおしまい、と思ったところなのにまだワインを選んでいる。
で、最後の最後がCastell’in VillaのChianti Classico Riserva1995年となったのでした。



キャンティはピンからキリまであり、スーパーで2-3ユーロで売っているもの、キャンティにしてはちょっと高いよね、という高級キャンティも今はあり、サンジョベーゼ100%です、と自慢げなものも90年代から増えている。
安物は早飲みのために造られているので、当然数年しか持たないものが多いが、高級だから持つかというと、そうでもないものも多い。もちろん高級で素晴らしいものもあるが、数年単位ではなく、数十年単位で持つかは、まだ未知数である。(たぶん持たないだろう、との予想ができるものも多い。)
そんな中、このキャンティは素晴らしかったのである。
95年だから、めちゃくちゃ古いというわけではない。リゼルヴァだが、無名に近いワイナリーである。
しかし、見事だった。

最初は、長い時を経て、当然若干の還元臭、そして、アニマルが出てきていたのだが、それもわずかのことで、だんだん済んだきれいな香りになってくる。
タンニンは繊細で、酸味とのバランスが抜群の状態、重たくなく、切れ味のよい、すっきりエレガントな印象。
非常にきれいである。
小さな森の木の実、それも赤い、フレッシュな木の実の香りがきれいで、繊細なスパイスの香りがそこに複雑性を加え、さらには、スミレの香りまで出てきたのである。ブラインドで飲んだら、絶対に95年だとわからない。せいぜい2005年かと思う。
こういう隠れた名ワインの発見はとてもうれしい。ワインを飲んでいてよかった~と思う瞬間である。しかし、まだまだこういうのがあるんだろうなぁ、とさらにさらにワインを飲みたくなったのでした。
いつも飲んでばっかり!と友人には言われているが、やめられない。。。

Flos Olei

2013-12-02 15:04:52 | オリーブ・オイル
Flos Olei



2日間、立て続けにローマのホテル・エクセルシオールで興味深い試飲会があった。
雑誌Cucina&Vini主催のSparkleとMarco Oreggia氏主催のFlos Olei。
Flosの方はワインではなく、オリーブ・オイルの試飲会である。
Marco Oreggia氏の発行するオリーブ・オイルの評価本のお披露目で、毎年、この時期に行われるようになり、うれしいことに入場無料である。
前日のSparkleはすごい人で、移動にちょっと苦労したが、オリーブ・オイルの方はさすがにまだ「試飲」しようという人はワインほどではなく、それでもこの種の試飲会としては大成功、かなりの盛況だったと言える。

参加は、スペインからのベスト・オイルが7社、その他、数社の外国勢、あとは、イタリアの中南部が大勢を占め70社以上の参加だった。
パンも置いてあるので食べることはできるが、よくあるようにパンにオイルをつけて食べてオイルの味見をするのではなく、ちゃんと小さなプラスチックのコップが用意され、試飲(試食?味見?)できるようになっている。
リンゴもふんだんに置かれ、食べられるようになっていて、これもうれしかった。
ワインの試飲会でのオリーブ・オイルの試飲は、たいていパンにつけて「食べる」ようになっていて、これではオイルの良し悪しはわからない。
また、ワインと違って、オイルとオイルの間には水ではなく、パンでもなく、リンゴが一番いい。リンゴは、きれいにオイルの味を消せるし、オイルの味を損ねない。

参加の中に、今年は日本のオリーブ園の参加があった。天草オリーブ園。
さすがに日本からの参加ということで、珍しく、みんな興味があったのか、早くに試飲できるボトルが全て終わってしまって、味見はできなかったが、日本からの参加とはうれしいものである。

以前はオリーブ・オイルというと欠陥のある、それもいくつもの欠陥のあるオイルがかなり見られたが、非常に良くなっている。
それほどたくさんのオイルを試飲したわけではないが、どれも欠陥はなく、あとは味の好みの違いと言える。もちろん、バランスがより取れているもの、そうでないもの、苦味がかなり強いもの、かなりピリッとするものなどあるが、そういうタイプのオイルが好きな人もいる。


個人的に好きなオイルは、いくつかあるのだが、とにかくひとつだけ紹介したい。
カラブリアのLibrandi。
品質と比べて値段が安いこともあるが、とにかく透き通るようにきれいなオイルを造る。南のオイルにしてはかなり軽めであるが、野菜中心の食生活にはぴったりである。
日本では、素晴らしく魅力的な友人Tinaが輸出しているので手に入る。(ただし、すぐに売り切れになるよう)軽めで、料理を邪魔しない味わいは、日本の食生活にもぴったりだと思うのでお勧めする。
写真のオレンジは、ビオのオレンジも作っているんです、といただいたもので、オレンジ型のオイルの容器ではない。(念のため。。。)

そして、参考までに写真の1から10、58から69が今年選ばれたベスト20オイルである。(ちなみに20以上あり)
若干「政治的」側面が見られると思うので、このベスト20だけが良いわけではないが、参考まで。


Sparkle 2014

2013-12-02 08:09:03 | Trentino Alto Adige アルト・アディジェ
Sparkle 2014

イタリアでのスプマンテの人気の高さには驚いた。
雑誌Cucina&Vini主催のSparkleは大盛況だった。参加は、Franciacorta、Trento DOC、プロセッコ(正確にはConegliano Valdobbiadene)を中心に、それ以外の州からの参加は少なかったが、シャンパーニュを2社含んで70社以上が参加した。
かなり広い部屋2つを使い、移動にちょっと苦労するほどの人手だった。
入場料10ユーロと別に食べ物にそれぞれお金がかかるのだが、スプマンテは飲み放題なので、夕食を食べに来ている風の、業界とは関係ない人も多かったし、業界の知り合いにはほとんどお目にかかった。長らく会っていなかった知り合いとも久々の再開ができたくらいだった。

全体の印象。
Conegliano Valdobbianede、簡単に言ってプロセッコは、今、日本で大人気である。(のようである。)プロセッコ、飲みたいですね~という人が増えていて、ちょっとびっくり。指名があるほど日本での知名度が上がっているということだろう。しかし、個人的にはちょっと甘すぎ、軽すぎ。全体によくできているので、軽いアペリティフ、大勢で気軽に飲むのは良いが、まじめにちゃんと飲むには少しさびしい気がしてしまう。
その他の州での注目は、ピエモンテのConti di Roeroのアルネイス80%、ネッビオーロ20%で造ったスプマンテ。軽め、すっきり、エレガントで大変心地よく、重たい感じものが多くなっている中、大変好感が持てた。
そして、プーリアを代表するd’Arapriのスプマンテは、味わいに樽の印象がかなり残るが、非常に良くできている。
Franciacortaは知名度が若干先行している感がある。Franciacortaは美味しい、という人が多いが、ワイナリーの数が多いこともあり、ばらつきがかなりある。人気がある点、人が多く、終わっていたものもあり多くは飲めなかったが、大御所以外で、CastelvederのExtra Brutは大変良かった。
逆に、知名度は低いが、値段とのバランスもよく、非常に良くできているのはTrento Doc。Francicorta ほどでなかったのでかなり試飲できたが、Letrari、Maso Martis、Methius、Balterと、どれもお勧め。
さて、クリスマスから年末には何を開けるか。